【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜 作:ちょっつー
ギャラライ発表のブログでアトロシアスの意匠をという文があったんですけど、公式でギャラライがアトロシアスに似てることへの発言ってこれが初ですよね!ゼット超全集出る前にこんなサプライズがあるなんて……。
感想、評価お待ちしてます
誤字脱字、ご指摘ありましたら気兼ねなく
『ほんとうに! ぼくもベリアルになってたたかえるの?』
『そうだよ、才能や戦うための力なんて必要ない。 必要なのは、どんな絶望にも屈しない強い心だけだ』
『なら、俺も戦う!』
『私も! ウルクを守れるならなんでもするわ!!』
『『『ぼくも!!』』』『『『わたしも!!』』』『『『俺も!!!』』』『『『私も!!!』』』
『『『『『ベリアルと一緒に戦う!!』』』』』
ティアマトに敗北して、彼女が作り出した黒い泥の海に沈んで直ぐ、メビウスが地球に向かう戦士として選ばれた光が波打っているような世界に似た、あれよりも暗いけれどそんな空間を作り出したベリアルさん。 この場所は夢と現実の境界が曖昧らしく、ベリアルさんと分離して動くことが出来た私がしたことは説得だった。
アリスちゃんの力でラフムにされてしまった人間たちが倒されたら、その魂はティアマトへ還らずこの空間にくる。
その魂に語り掛け、これから何をしようとしているのかを説明して、一緒に戦ってくれるようにお願いして回った。
一度は怪物となってウルクを攻めた、人間を殺してしまって絶望してしまっていた人もいたけど、それでも諦めずに説得を続けようやく全員の説得が終わって準備が完了した。
『さあ行くぞお前ら! このオレと共になッッ!!!』
ベリアルさんと再び同化した私は、彼の身体の中で一本のカプセルを起動させる。
第ニ特異点で生まれたカプセルの内の1つ。アナザースペースを支配しようとした皇帝としてのベリアルさんの姿。
[カイザーベリアル!!]
起動させるとベリアルさんの姿もその姿へと変わり、海面へと上がっていく。
その最中に、3つの光が海の上から落ちてきて、私たちの身体の中へと入ってきた。
『よく頑張ったね、アナちゃん、茨木ちゃん。 それにキングゥも』
全ての力を使い果たし、もう霊基の核だけとなったその3つの光の塊を確りと握り占めると、それが新しいカプセルへと姿を変える。
背中に翼のような形状の巨大な突起物と腹部に目玉のような紋様が特徴的な、
『
星を食い尽くす? 大魔王獣? な、なんか気になるワードが飛び交うけど、今はそんな事考えてる暇じゃない。
「アークベリアル!!」
ウルクの人たち全ての魂が集い、カイザーベリアルのカプセルを進化させたそのカプセルとマガオロチのカプセルを起動させ、ナックルに装填する。
……思えば、レイシフトする前にベリアルさんの口からティアマトには勝てないって言われたときはびっくりしたなあ。今のベリアルさんは身体も失ってるし全盛期に比べればそうとう弱体化しているからそんなこともあり得るのかも知れないけど、最初は信じられなかった。
けど、そんなティアマトに勝つ方法をベリアルから聞いた時は、一度は負けることが前提の戦いを挑むというのに心の底からワクワクした。
だってそうだろ? 『この地にいる人間どもにも働いてもらう』なんて言ってたけどベリアルさんが人の力を信じたんだ! 嬉しくならないわけがない!
これを祝わなくてどうするっていうんだ! 見せてやるティアマト!! 人の光を纏ったウルトラマンがどれだけ強いのか! お前に教えてやる!!
「これが貴様の最後の戦いだ。心してかかれ、ティアマト」
[aaa……。──────aaaaaa!!! ]
[奪ッタ 奪ッタ 奪ッタ 奪ッタ 奪ッタ! 返セ!! ]
禍々アークベリアルへとフュージョンライズを遂げたべリアルを前にして、ティアマトはこのままウルクへ逃げることは不可能であることを悟った。
ベリアルを倒さなければ自分は母に返り咲くことは出来ない。だからこそティアマトはその巨体を動かしラフムを産み出しながらベリアルへと向かっていく。
「奪った? そう思うなら奪い返してみろ、オレを倒してな」
先に産み出されたラフムたちがべリアルに向かって突貫してこようとするが、ベリアルの背面に生えている緑の結晶が一斉に輝きだすと、その一つひとつから高出力のビームが飛び出しラフムを容赦なく消滅させていく。 そうしている内にティアマトとベリアル両者の距離は接近し、ティアマトは茨木とキングゥを捕まえた時のように腕のように変化させた翼を強く握りしめて殴りかかってきた。
[Aaaaaaa!!! ]
「どうした? 一度はこのオレを倒して見せた貴様の力はこんなもんじゃねえだろ? もっと! もっとだあ!!」
ティアマトの攻撃をその手を使って受け止めると、ベリアルは60m以上あるティアマトの巨体を軽々と持ち上げもっと! という声に合わせてティアマトの事を海面へ何度も叩きつける。
そうして終いには叩きつけられて疲弊したティアマトに尻尾での一撃を加え吹き飛ばした。
「もっとこのオレを楽しませろおおっ! ティアマトぉおおおおお!!!」
新たな力を得た喜びか、それともティアマトでは相手として物足りないのか、空を見上げながらベリアルは雄叫びを上げる。
圧倒的な力の差を見せられたティアマトだったが、それでも母として還り咲くために諦めることはしない。
[GGGGGAAAAAAAAA────!!! ]
『や、やばいぞベリアル! その魔力の塊一つでこの星の四分の一が崩壊されてしまうほどの魔力が込められてる!』
「黙って見てろ……」
ティアマトが翼と口から放出した魔力を一つに纏めた巨大な球体状の魔力の塊を放ってきた。カルデアの解析ではそれ一つで地球の四分の一が消滅してしまう威力がある。
避ける、逃げるという選択が出来ないため、どうにかベリアルにその攻撃を跳ね返してほしいと願うが、ベリアルはエネルギー溜めるなど攻撃に移る動作はせず、両手を広げてティアマト最大の攻撃をその身で一身に受ける。
「「ベリアルさん!」」
『う、うそだろ……? あれだけの攻撃受けて、ダメージ一つもないってどんな化物だ……』
実際誰がどう見ても今のベリアルは大怪獣と言って差し支えない姿をしているためロマニが化物だと言っても不思議ではないのだが……。
ティアマトの攻撃に包み込まれ、倒せないにしても相当なダメージは負うはずだと思っていた全員が、ティアマトですら驚愕を隠せない。
魔力の塊の内部を切り裂くように出てきたベリアルの身体には傷一つすらついていなかった。それもそのはず、今のベリアルはウルトラマンノアの力に一つの宇宙すべての生命の力が込められた一撃でなければ倒すことが出来なかった強靭な肉体と、ウルトラマンオーブがベリアルの力を有さなければまともなダメージすら与えることが出来なかったマガオロチを鎧として纏っているのだ。たとえ本来とは違うカプセルを使用した仮初なものだったとしても、ティアマトにその守りを崩すことは不可能。
それでもティアマトはベリアルが接近してこないように、身体の至るところから魔力を放出させた光線をベリアルに向かって撃ち続ける。
「その程度で、このオレを止められると思うな。……ヘアッ!!」
ベリアルの声に合わせて彼の瞳と、両肩と両ひざに付いているマガオロチの顔の瞳が怪しく光輝くと、ティアマトの光線がベリアルを避けるように曲がり、逆にティアマトの事を襲い始める。
[Baaaaaaaa!!! ]
「フハハハハハッ!!! まだ、終わりじゃねえぞっ!!」
ガバッとマガオロチの口が大きく開くとそこから緑色の息を大量に吐き出し始める。
それが地面へと落ちると、海を、そしてメソポタミアの大地を覆いつくしてしまう量が出され、広がっていく。
『まさか毒息かい!? 立香ちゃんたちもいるのに何考えてるんだベリアル!! 立香ちゃんたちは少しでも早くそこから!!』
「大丈夫ですドクター。ベリアルさんの吐き出したあの息に、毒性は確認できません」
「私やマシュはギャラハッドにお陰かもだけど、牛若丸も何にもなってないから」
『そ、そうなのかい? じゃああれは……。って、何だコレッッ!!!』
ものの数分で世界を覆ったベリアルが吐き出した緑の息だったが、毒息かに思えたが立香たちの身体に何か異常が起きたわけではなかった。
が、カルデアの測定器は確かにその異常を捉えていた。
『海が……ティアマトによって変えられた海が……
「どうだティアマト。お前にとっちゃあコレが一番の毒だろ」
ベリアルが吐いた息は確かに毒だった。ただしそれはティアマトとその眷属だけに効果がある限定的な毒。
ウルクの地に残っていたラフムたちは息に触れただけで消滅し、黒い泥に埋もれていた海は本来の色を取り戻した。唯一残っていると言えばティアマトのいるその場所だけ。
移動するだけなら自身の足場だけを黒に変えればいいだろうが、相手がベリアルと言う圧倒的な存在を前にしてちまちまそんなことをやっていたら一瞬で負けが決まってしまう。
だからこそ、追い込まれたティアマトが取れる手段はこれしかない。
[aaaa Aaaaaaaaaa────!!!! ]
「……来たか」
『ティアマトを中心に結界のようなものが形成始めてる! これは……』
「【ネガ・ジェネシス】あれは旧来の生物を否定し、新たな生命を産み出そうとする概念結界。サーヴァントが入ってしまえばしまえば強制的に消滅してしまうだろうね」
「そんな、じゃあどううれば……ってマーリン!? 消えた筈じゃ!!」
「ああ、何か僕いなくても大丈夫そうだったんだけどロマニ以外に解説が必要だと思ってね。小走りできた!」
ティアマトの作り出した概念結界と消えた筈のマーリンの登場に驚いていると、ベリアルの胸のカラータイマーから一つ光が飛んでくることに立香たちが気付いた。
何かしらの攻撃ではなく、意志のようなものを持ってこちらへ移動してくるその光から現れたのはナーサリー・ライムだった。
「あの空間に入れるのは今を生きている人間、立香とマシュだけ。あとは言わなくてもわかるわよね、おねえさん?」
「……あの中に入れる私がティアマトに止めを刺すってこと? でもどうやって……」
「あら、わたしがあげたものを忘れたのかしら? あの怪物にもう理性はのこっていないのよ」
「“ヴォーパルの剣!! ” そうか、これなら!!」
理性ない怪物に有効な剣。ビースト顕現したティアマトにこれ以上にない程弱点となる剣を立香はずっと腰に下げていた。
そんな立香が覚悟を決めて顔を上げると、ベリアルが立香たちの目の前までやって来ており、その巨大な手を仰向けに立香とマシュの前に叩きつける。
「乗れ。挽回の機会を、お前たちに与えてやる」
「────!! 行こう、マシュ!!」
「はい、先輩!」
「いやここは私の宝具が輝く所……」とかなんとかマーリンが言っているがそんなことどうでもいいらしく、喜んでベリアルの手に乗る2人。
挽回の機会。立香とマシュにとってそれはベリアルがティアマトと最初に戦った時に自分たちが邪魔をしてしまったことへの後悔、それを挽回することが出来るならと、この戦いを終わらせることが出来るならと意気揚々と乗り込む。
2人が手のひらの上に乗ったことを確認すると、その腕を自分の肩の方へと移動させ2人の事を自身の肩に乗せてティアマトへとその巨体を揺らしながら走っていく。
[────多くの命を育みました。────多くの命に愛されました。でも、子供たちは私を梯子にして、遠くへ行ってしまうのです]
あの後、ベリアルさんがティアマトのネガ・ジェネシスの侵攻をその巨体で強引に抑えている内に、宝具を展開したマシュと一緒にティアマトへと突っ込んだ私は、ティアマトの額にヴォーパルの剣を確かに刺したはず……なんだけど。
気づけばなにもない真っ白な空間の中で、竜の姿にも、巨大化もする前のティアマト。ううん違う、彼女は、彼女が
もうこれで終わりってことを悟っているのか、うつむき気味に、自信なさげに私に思いを伝えてくる。
[────ずっと愛していたいのです。────ずっとそばにいたいのです。私の……『愛』は間違っているのでしょうか]
伝わってくるのはさっきまで戦ってた『巨大な敵』でも『怪物を生み出す母』でもなかった。
子どものことを思う、無償の愛を向ける『生命の母』としてのティアマト。
「……私はお母さんじゃないから、貴女の気持ち全部が分かるわけじゃない。もしかしたら貴女と話すのは子どもを持つ博樹さんの方が適任だったのかも知れない」
「…………」
「こんな事があって突然親元をこんなに長い期間離れることになるなんて思ってなかった。そのおかげで、そのせいでかな? どれだけ自分が甘やかされて、愛されて育たれたのか初めて分かった。けど、だから伝えられることがあるんだ」
うつむいていて私と目を合わせてくれないから、彼女の目の前にしゃがんで確りと×印のあるティアマトの綺麗な瞳を見つめる。
「遠くへ行ってしまう。自分の目の届かないところで成長していく。けど、親への愛は変わらないよ、だって私がそうだもん」
私の場合は自分で決めて親元を離れたわけではないけど、母の愛情を一身に受けた子供はいつしかその母の手から離れなきゃいけない時があるんだと思う。
きっと、ティアマトとの決別を選んだ子どもたちも同じ気持ちを持ってたんじゃないかなって、勝手な憶測だし私の思い込みかも知れないけど
「だからさ、子はみんな貴女を愛しているよ」
【────私を置いていかないで────もう二度と私を愛さないで]
私の言葉を気に入ってくれたのか気に入らなかったのか分からないけど、一筋の涙を流して悲し気に呟く。
だから私は、手に持っていたヴォーパルの剣をその場に捨て置いて、ティアマトを背にして歩いていくことにした
「さようなら。────貴女のことは、忘れない」
「ベリアルさぁあああああん!! お願いッ、ティアマトを! 眠らせてあげてえええええ!!!」
気が付くとあの白い空間から抜け出していた立香は、マシュと共に海へ落下している最中だというのに、そんなこと関係なしに大声でベリアルに向かって叫んだ。
「ふっ、漸く子離れする気になったかティアマト」
その声が届いたベリアルは、ネガ・ジェネシスを強引に破壊しウルトラ念力を超えた念動力によってティアマトの巨体を持ち上げ、空に向かって飛ばしていく。
これから撃つ一撃を普通に撃っただけでも地球が崩壊する恐れがあるからこそ、何の障害のない空へ向かって放つ準備をする。
ベリアルが唸りを上げるように身体を逸らすのと同時に、背中側に無数に生えた高純度のエネルギー物資である緑の結晶が光り輝き、ベリアルの体内に大量のエネルギーを生み出していく。
そして、エネルギーが溜まった合図なのか額から伸びる真紅の角が輝くと、ベリアルがその口から強力な熱線を吐き出した。
「ハアアアアアッッ。 ガアアアアアアアアアッッ!!!!!」
その口から吐き出された熱線は、デスシウム光線と酷似した漆黒の雷を纏った赫い熱線。
余波だけで辺りの海面は蒸発し、海に落ちそうだった立香を抱えたマシュは地面に着地して直ぐにその衝撃を耐えるために盾を構えている。
今放った熱線でティアマトは消滅するだろう。だが、それはベリアルが許さない。
ベリアルは吐き出している熱線に更に力を加えると、漆黒の雷に加えて
[────────]
もうティアマトに抗う力も、怒りに身を任せた表情も見受けられない。 ただ自分が消滅するその運命を受け入れ、ベリアルの熱線に包み込まれて消滅していく。
痛みに声を上げるでもなく、裂けてしまったその口では作るのは難しかったかも知れないが、下手くそな笑顔を浮かべながら、ティアマトは消えていった。
「否定されても、拒絶されようが、泥にまみれた道を進んでいたとしても……」
戦いが終わり、ベリアルの中からマガオロチの力が抜け、アークベリアルの力も無くなり元の黒いウルトラマンの姿へと戻ったベリアルは、空へと消えていったティアマトへ語り掛けているのか、はたまた空を超えた宇宙を超えたその先にいる
「光に向かって無様に歩いてるだったら……たとえ障害になってでも背中を押してやる」
それはきっとベリアルだけの答えで、親を持つ子全てがそれに当てはまるわけではない。
けど、それでも、不器用な自分が出来た唯一の
「それが、親ってもんだ? そうだろう、なあ?」
その時、ベリアルが誰かの名前をそっと呟いたが、同化している博樹以外で、誰の名前を呼んだのかは分からない。
けれど、月明かりが差し込んだベリアルの瞳は、涙がにじんだような晴天の時の空と同じ色をしているように見えた……。
【禍々アークベリアル】
ラスボス怪獣&中ボス怪獣とキメラべロスと素材は同じだがこちらの方がカプセルとの相性が抜群に良いため完全上位互換。
実際アークベリアルの全長300メートルという超巨大サイズだが、そのサイズで暴れては地球の方が持たないため60m超サイズにベリアルが調整している、
『マガマガアークデスシウム』
ベリアルがティアマトに止めを刺した必殺熱線。 ウルクの人々の思いも乗せたその一撃は地球に放てば地球丸ごと消滅してしまうほど。
『マガキネシス』
超全集でのみ記載があっただけで詳細の分からない技。
この小説ではウルトラ念力にマガオロチの力が加わることによって使用することが出来る超念動力。頭で考えるだけで使用することが可能であのティアマトの巨体すらも易々と持ち上げてしまうほどの威力を見せた。
『マガポイズン』
こちらも超全集から、本来ならば瞬くまにその星の生命が滅びる毒息を吐き出す技だが。ウルクの魂と3騎の人でなしのやさしさによってティアマトに対する完全なカウンター技として機能した。 本来の使い方が出来ても昔のベリアルさんの目的は支配であって破滅ではないため多分使うことはなかったんじゃないかな?
ティアマトと禍々さんの大怪獣決戦だああああ!!
…………禍々が苦戦するとかありえなくない? てか熱戦することすら許さなそう。一方的に相手の技を封じて完封する。これこそじゃん?
次回は7章エピローグと裏話的なのを何個かと少し最終章についての話も出来れば……
感想、評価お待ちしてます