【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

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お待たせしました!
最終章「冠位時間神殿ソロモン〜この星の……。〜」始まります。
本当は次回予告を出してのスタートにしようと思ってたんですけど、いかんせん予告つくるとネタバレばっかりで……。

なので、6/25(金)から7/3まで毎日18:00に投稿。ノンストップで終局を終わらせます!!
ウルトラマンベリアルの、そしてカルデアの人たちの一つの旅の終わり、見届けてください。

感想、評価お待ちしてます

誤字脱字、ご指摘ありましたら気兼ねなく


冠位時間神殿ソロモン〜この星の……。〜
プロローグ


 

「────カルデアにきてから、大雑把にみて10年間。長かったような、あっという間だったような……。 まあ、キミからすれば10年なんて一瞬の出来事なのかも知れないけれどね」

 

 魔術王ソロモンへと続く最後の特異点の座標が観測されてから厳戒態勢が続いているカルデア。

 立香やマシュたちが寝静まった真夜中の時間に少しではあるがようやく一息つく時間が出来たロマニは、自身の部屋で物思いに耽っていた。

 

 そんなロマニは、感傷的になっていたからなのか、最後の戦いが近づいているという事に神経が研ぎ澄まされていたのか、普段なら気づかないはずのベリアルの接近に気が付き声をかける。

 

「そうだな、たかが10年。オレたちのような存在からすれば捨て置いてもなんら問題ない時間だ」

 

 そいつは羨ましいと、15万の時を生きてきたベリアル相手に軽く苦笑するロマニは、ベリアル以外には聞かれたくない話をするのか彼に博樹は?と問いかける。

 

「ティアマトとの戦闘での疲労がまだ癒えてねぇからな。まだアイツの意識は奥深くで眠ってる」

 

「そうか、ならまだソロモンの特異点へ挑むのは早いね」

 

 実のところ、バビロニアから帰って来てから博樹はずっと眠り続けていた。

 2度に渡るウルトラマンへの変身、しかも片方は通常のベリアルから更に進化を遂げたベリアル融合獣となって行った全力の戦闘だ。疲弊しないわけがない。

 

 こうなるであろうことは事前にベリアル本人から聞かされていたため博樹も納得の上で行ったということもあり、眠りもそこまで長いわけではないこと伝えられていたため、最後の特異点攻略は博樹が目を覚ましてからという手筈となっている。

 

「……“ただなんとなく人類を守ってみよう”ってやってきた。勉強と研究、それと調査しかやってこなかった10年だった。人類の終わりっていう悪い夢が真実だと疑えずにさ」

 

 博樹に聞かれる心配がないことを知ったロマニは、ポツリ、ポツリと今まで自分が歩いてきた道を話し始める。

 怖くて、怖くて仕方がなかった、けれどロマニ・アーキマンという男はそこで立ち止まることはしなかった。走って、走って……。怪獣に怯えて逃げ出すように走り続けた10年の月日であったと。

 

「……だから、最初君の名前を聞いたときは恐怖で頭がどうにかなりそうだったよ。けど、()()はもう必要ない」

 

「ふ……そうか」

 

 ロマニは自分のパソコンに残っているデータも、手に持っている資料も綺麗さっぱり捨て去った。それこそ誰がどんな手を使ってでも復元できないように、電子の海の中から掘り返されないように天才たちの力を借りてでも消滅させた。

 

 そのデータはロマニが“ベリアルレポート”と命名してずっとベリアルについて記し続けていたもの。

 

「キミが()()()()と名乗ったその日から記し続けていたものだったけど、これはもういらない。ソロモンの正体に当たりが付いたからね、もう君を疑う必要がない。ていうかキミ知っていて面白がっていただろ!」

 

「言ったところで、この地球では架空でしか語られていないオレたちの存在を貴様らが信じるわけがねえだろ」

 

 それはそうなんだけと一人愚痴りながらコーヒーを啜る。

 余談ではあるが、一体となっている博樹がそうだからなのかベリアルはコーヒーをブラックで飲めない。砂糖とミルクを入れた甘いコーヒーしか飲めないベリアルを見て、ロマニは密かに勝ったと思っていたりする。

 

「キミは最初からあのソロモンにある()()()()()()を知っていた。だからボクに()()()()()()()()と、そう言ってくれたんだろう?────ありがとう、今だから素直にそう言える」

 

「そう言うわりには、まだ決めかねてるみてえだけどなあ?」

 

「ははは。本当に、何でもお見通しだね君には。────あのソロモンでは決して届かない空白。それを前にした時、自分が何を考えているのか分からなくてさ、だからその時がこないことには覚悟を決めるにも決められない」

 

 その勝機を上手く利用できるかではなく、その瞬間に直面した時の自分の思考が怖い。そんなことを言う臆病すぎる心優しい彼を見て、ベリアルは自然と笑ってしまっていた。

 

「なっ!笑う事はないだろ! そ、そういう君だってどうなんだい? 人理焼却が解決すればその為に喚び出されたサーヴァントたちは強制退去することになる。それはウルトラマンである君だって例外じゃない筈だ。 同一化している博樹さんは勿論だけど、君の事を慕っている立香ちゃんやマシュだっている、どんなに君が悪者だったとしても、情は生まれているはずだろう?」

 

「…………どうだろうな」

 

 サーヴァントの強制退去。人理修復が完了したら起こりうるその事象を突かれたベリアルは答えを返さずにロマニの部屋を出ていこうとする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だが」

 

「?」

 

()()()()()()()()と歩んだ時間は、捨て置くには惜しいものにはなったな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

『貴方が見せるこの風景は、わたしには恐ろしいものにしか見えません』

 

 定められた命から解放され、死の恐怖から解放され、あらゆる不安から解放された。魔術王ソロモンが望む“可能なかぎり、人間にとって幸福なカタチを実現した世界”を夢の世界に干渉され見せられてたマシュは、その夢を、その理想を真っ向から否定した。

 

『貴方は命の終わりを嘆き、永遠の素晴らしさを説きます。でもごめんなさい』

 

 マシュ本人でさえ、なぜソロモンが自分の前に現れたのか分からない。

 ただ、自分のことを案じていることだけは理解できたマシュは、ソロモンに一言謝りの言葉を入れた。

 

 命が失われるのは当たり前のことだから、終わりがないから悲しみがない、()()()()()()()()

 ここまで旅をしてきたからこそ、その時代、その時間に生きる人たちを見て、感じて歩いてきたからこそマシュは目の前の光景を見せられても心を曲げることはない。

 

『何故だ。この町の人間はみな幸福だ。永遠はもっとも渇望される幸福のはずだが?』

 

『────偽物の仮面を被せられてるヤツらの、何処が幸福だ』

 

『ベリアル……さん……』

 

 夢の世界への干渉。以前は立香の時にソロモンが行ったものだが、それを出来るのは彼だけではない。

 ソロモンの作り出した理想の世界を外からガラスを砕くように侵入してきたベリアルは、マシュの隣に立ってそう言い放った。

 

『あの時も干渉してきたならあるいはと考えていたが……やはり邪魔をするかベリアル!』

 

『コイツに助けは必要なかった見てえだが、こんなクソ見てえな夢。外から見ても気色悪かったんでなあ』

 

 ベリアルにとってもソロモンの思い描くこの理想世界は許せないものらしく、その手に持ったギガバトルナイザーで大地を叩くことで世界が崩壊を始める。

 

『ほらどうだ? このまま存在が消滅するってのに、この人形どもは恐怖することも、泣きわめくこともしやがらねえ。そんな世界の何処が理想だ、笑う気にもならねえ』

 

『────人間に生み出された短命の者であるキミがどのように生きるのか。キミを特別視していたが、それも気が済んだ。払うべき関心も尽きた、貴様らに生き残る(みち)はない。 この幸福を理解できないベリアル、貴様もだ!』

 

 崩壊する世界から姿を消しながら、ソロモンは声高らかに宣言いた。

 人類史は終わりを迎えると、生き残る人間はいないと。

 

 

 

 

 ────ベリアルに勝利して見せると

 

 

『今回で確信した!我が神殿に来るがいい、ベリアルお前は私たちには絶対に勝てない! ハハハ、ハーッハッハッハッハッハッハッ『とっとと消えてろ』』

 

『あ……。 べ、ベリアルさん、助けに来てくれて、ありがとうございます』

 

 ソロモンが完全に消滅したのを見て、そろそろ夢が覚めると確信を持ったマシュはすぐさまベリアルに感謝を述べた。

 目覚めてから言おうにも覚えているか分からないし、それにベリアルの事だすぐにどこかへ行ってしまう。

 

 流石にマシュもベリアルの事が分かってきたため直ぐに行動に移した。

 

『最初にも言ったが、お前を助けに来る必要はなかった』

 

『え?』

 

『お前はもう生きていることってはなんなのか。死ぬってことがなんなのか理解できてるからな』

 

『────はい。例えこの命が残りわずかな時間しかなくても、わたしは今を懸命に走り抜ける。それがわたしの生きた証だから』

 

 マシュにもう迷いはない。言葉一つでそれを確かに感じ取ったベリアルは、この夢の世界から抜け出すために、珍しいことに自分からマシュの手を握って光が差す方に向かって歩いていった。

 

『そろそろコイツも目を覚ます。あの蛆に証明しに行くぞ、“生きてる”ってのがどういうものなのかをな』

 

『はい!行きましょう、一緒に!』

 

 父親に手を引かれる娘。きっと誰かがこの光景を見ていたらそう言うであろうほどに、2人の表情もその背中も似通っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 





次回、6/25からスタートです。お待ちくださいな!!
終局の映画が始まる前には〜とかとか何とか言ってたんですけど……。トリガーが7/10に放送開始。トリガー始まる前には終わらせなきゃ!!
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