【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜 作:ちょっつー
A 元々牽制技としてウルトラ一族が一番最初に覚えるのが光線技。 それを必殺技まで昇華させたのがマン兄さん。 マン兄さんたちが活躍している間、ずっと監獄に囚われてたベリアルさんにとって牽制技である光線技は撃つ必要がない。
昇華させる時間があれば、無限に再生を繰り返す相手だろうが消滅させるだけの威力を誇るという……
感想、評価いただけると舞い上がります。
ご指摘、誤字脱字の報告もお待ちしてます
ラ・シャリテから南東にある木々生い茂る場所まで逃げ切った私たち。
ガラスの馬車から降りると、私たちのことを助けてくれたサーヴァントたちが自己紹介をしてくれた。
「わたしは“マリー・アントワネット” クラスはライダーよ。 そちらの男性の方もよろしくね 」
「………… 」
「おいおい、マリアに手を振られてなびかないなんて彼、男性として機能してるのかい? ああ、ボクはアマデウス。 “ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト” クラスはキャスターさ 」
無知な私でも流石に知ってる有名すぎる2人の英霊に加えて、黒いジャンヌに敵対しているサーヴァントは他にもいてくれた。
「“清姫”と、そうお呼びください。 クラスはバーサーカーですのよ? 」
「“エリザベート・バートリー” クラスはアイ……ランサーよ 」
「……あれ? エリザベート・バートリーって確か…… 」
私のことをねっとりとした視線で見つめてくる着物を着た清姫ともう一人、頭に角のようなものが生えた女の子が、自分の真名をエリザベート・バートリーって名乗った。それってあの時ベリアルさんが戦ってたサーヴァントのうちの一人じゃ……
そう思っていると、私の目の前までエリザベートがやってきて私怒ってます!って腰に手を当ててる。
「そうなのよ!! 敵のアサシン、アイツってばアタシと同一人物なのよ!! ああけど!! アタシの方が肌とかピチピチだし、若さとか全然勝ってるから! 勘違いしないでよね子ジカ!! 」
「え、あ、う、うん……子ジカ? 」
「まあまあ、火を吹くしか能の無いトカゲはコレだから困りますわ。 ねえ、安珍さま? 」
「え? ……安珍さま? あの私の名前藤丸立香っていうんだけど…… 」
マシュに助けを求めようにも、あっちはジャンヌさんとマリーさんと一緒に会話してるからどうにか出来そうもない。
な、ならベリアルさん!!! …………あれ?
「ドクター、ベリアルさんはどこに? 」
『ああ、彼なら……』
ベリアルさんに助けを求めようとしたけど、辺りを見渡してもベリアルさんの姿がなくなってた。
「………… 」
『ちょちょちょっと!! ベリアル、君も立香ちゃんたちと一緒に…………っ!! 』
立香たちが会話を弾ませている合間に、ベリアルは馬車が進んできた道を戻っていた。
単独行動をされては困ると、ロマニがベリアルに注意しようとしたが小心者の彼は一睨みされて何も言えなくなってしまう。
「オレは貴様らの指示に従う気はない。 試さなければいいけないことがあるんでな…… ふんっ!! 」
『んなっ!!! 』
ベリアルにはベリアルの目的があるのか、映し出された立体映像の通信を、手を軽く振るっただけで遮断させると黒き鋼を担いで森の中へと進んでいった。
────◇◆◇────
レイオニクス
かつて全宇宙を支配していたとされるレイブラッド星人の因子を受け継ぐ者。
その因子を受け継ぐものはバトルナイザーという特別な道具を通して怪獣を自在に操ることができる。
命を落とした怪獣や宇宙人の魂が眠るとされている謎多き場所“怪獣墓場”へとやってきたベリアルは、プラズマスパークの強大な力によって怪獣たちを復活させ、ギガバトルナイザーの本来持つ力──100の怪獣を操り、その力を極限まで高める──を使い自分の手駒を一瞬のうちに作り出した。
ギガバトルナイザーの力を最大限まで発揮できるその姿を見て確信した。 べリアルもレイブラッドの因子を受け継ぐレイオニクスなんだ。
『ベリアル! 貴様の好きにはさせんぞっ!! 』
氷漬けにされなかったウルトラマンたちが、ベリアルの企みを阻むために怪獣墓場へやってきた。
やっぱりウルトラマンはそう簡単にやられるものか!
ん? あれって……確か……。
初代ウルトラマン、セブン、メビウスの3人の隣にいる人物に注目してみると、その人物に見覚えがあった。
大怪獣バトルの主人公 最強のレイオニクスと言われた怪獣使いのレイだ!!
そうか、目には目を歯には歯を。 レイオニクスにはレイオニクスを!! ウルトラマンたちはレイオニクスであるベリアルに対抗するためにレイに協力を仰いだんだ。
そんな彼も加わり、相棒のゴモラとともにベリアルの従える100の怪獣たちとの戦闘が始まった。
『どんなにいい子ちゃんぶったところで、レイブラッドの因子に逆らえるかな!! 』
100の怪獣の中にはマグマ星人のような星人タイプも含まれていて、ソイツらがレイを襲いはじめる。
けど、そんな相手遅れをとったりするレイじゃない。
レイが雄叫び上げると、青を基調とした“真のレイオニクス”の姿に変身して戦闘に加わる。
自分と同じ存在レイオニクスで、その力を評価したべリアルは、直接レイの前まで赴きレイブラッドの邪悪な因子をレイの身体に打ち込こんだ。
『ぐ、グアアアア!! 』
レイの中にあるレイブラッド本来の邪悪な力が目を覚ましてしまう。
穏やかな青色だったレイの身体は、暴走を示す赤へと変わってしまう。
『いいぞ、それが本当の姿か! ははははは!!! 』
暴走し、敵味方関係なく攻撃を始めたレイを見て、ベリアルは喜んでいる?
流れてくるこの感情は……なんだ?
喜びと一緒に、何か別の感情も混じっているけど、それが何なのかわからない……
『ぐわっ!! 』
『くっ! 』
意識を戦闘に戻すと、レイの操るゴモラがレオニクスの力によってレイオニックバーストをしたゴモラに進化してウルトラマンたちを苦しめていた。
レイブラッドの後継者を決める戦い、レイオニクスバトルを勝ち抜き、最強のレイオニクスとなったレイの扱うゴモラのレイオニックバーストは普通の怪獣とはわけが違う。
『お前の相手はオレだっ!! 』
(っ!? ウソだろ……? なんで、なんでこの宇宙に≪ダイナ≫がいるんだ!? )
絶対的不利な状況で現れたのは、レイの仲間 ZAPの輸送船と、この宇宙にいるはずのない別の宇宙にいるウルトラマンだった。
『ウルトラマンダイナ』
そうか!! テレビの最終回で何処か遠くへと旅立った彼は、光の国があるこっちの宇宙まで来ていたんだ!!
ZAPのみんなは、レイが暴走していることに気づくとレイの目を覚ますために動き出してくれる。
仲間思いなその姿を見て、苛ついたべリアルは直ぐに迎撃しようとしたが、ダイナがそれを止めてくれた。
『少しはやるようだが……まだ青い!! 』
くそっ!! ダイナでもべリアルを止めることは出来ないのか……?
けど、ダイナが時間を稼いでくれたお陰でレイの暴走は収まった。
けど、レイは暴走の代償で仲間たちに肩を貸してもらっている状態だ……。
まさか!? やめろべリアル!!
『セブンにトドメを刺せっ!! 』
卑怯にも動けないレイたちに怪獣を仕掛けた。
レイたちの一番近くにいたセブンが、自分の周りにいる怪獣たちを倒して守りに来てくれたけど……無理だ!
流石のセブンでも10を超える怪獣を一人で相手どることは不可能だ。
勝ってほしい……そう思っても現実は非情で、攻撃を受け続けたセブンは傷つき倒れ、額にあるカラータイマーの光が無くなってしまう。
『ああん?』
(あれは……ウルトラマンなのか? でも……誰だ……あれ? )
光が失われるその一瞬で投げたアイスラッガー。
それを便りに、一人のウルトラマンが怪獣墓場の地に降り立った。
『ゼロ……。 ウルトラマンゼロっ! セブンの息子だっ!! 』
────◇◆◇────
「クソっ!! セイバーとアサシンはまだ帰らないの!? 」
オルレアン────竜の魔女ジャンヌ・ダルクによって支配されたその都市は、空には竜がひしめき合い、暗雲に包まれたその街は、かつての面影はなく、無数の蛸の足のようなおぞましいナニカが城や建物に絡まり、より一層不気味さを増していた。
その中心にそびえる城の玉座で、ジャンヌ・ダルクはカルデアの者たちを処分するように命じた3騎のサーヴァント、セイバー、ライダー、アサシン、いずれも狂化を施し能力を向上させたサーヴァントの帰りを待っているようだった。
待っているといっても、そこに余裕はなく逆に焦っているようだった。
3基のサーヴァントに追撃を命じたジャンヌ・ダルクだったが、既に命を出した日から数日が経とうとしていた。
命じたその日のうちにバーサーク・ライダーが消滅してしまったことは聖杯を通じて理解していたが、セイバーとアサシンは未だ消滅していないにも関わらず、城に帰ってきていない。
補充という形で新しく2基のサーヴァントを召喚させたジャンヌ・ダルクだが、安心した様子はなく。 もう一人のジャンヌとあった時のような余裕な表情は既に作れていない。
(弱いはずだった。 もう一人の私も、カルデアから来たアイツらも雑魚でしかなかったその筈だった。 なのに、なのになんであんな怪物がいるのよ!! )
ジャンヌ・ダルクは、数日前、もう一人の自分と邂逅した時のことを思い出していた。
自分自身も合わせた7騎のサーヴァント、圧倒的力を持つ邪竜ファブニール。 もう一人の自分に、どんなに足掻こうとしても無駄だと、圧倒的な力の差を見せつけるはずだった。
それが蓋を開けてみればどうだ。
『どうした、そんなものか? 』
圧倒的な力の差を見せつけられたのはこちらのほうだった。
自分にではない、その傍にいた小さい存在でもない。 一人の男に見せつけられたのだ。
自分も含めた4基のサーヴァントで戦っているというのに、コチラをバカにしているかのように立ち振る舞い、最初に行かせたバーサーク・セイバー以外誰ももう一人の自分がいる方へ近くことが出来なかった。
攻撃全てを対処され、アサシンの宝具すらも容易く壊してみせた。 やろうと思えば、あの男ならコチラのことを全滅に追いやることは容易だったのではないか?
(違う、そんな筈がない!! )
どんなに否定しても、ジャンヌ・ダルクではその男に勝つ為のヴィジョンが浮かばない。
ファヴニールを使おうにも、相手の宝具による力なのか、聖杯を使って従わせているはずのファヴニールの支配は奪われてしまう。
だからこそジャンヌ・ダルクは呼び出したサーヴァントたちを可能な限り強化することに徹した。
狂化はもとより、一撃必殺ではないその身を高める宝具を持っているものにはその宝具の使用を強制させた。
『ウウウウッ…… 』
『アアアアッ…… 』
その最もたる例が、バーサーク・ランサーとバーサーク・アーチャーだろう。
2基の使う宝具はとても強力だ、狂化を施していてもなお理性が残っていたサーヴァントの理性を完全に消失させてしまうほどに。
(大丈夫、私はこの戦いに勝利する。 そして続けるのだ、この戦争を永遠に…… )
ガコンっ!! と、玉座へと続く扉から音が聞こえた。
ジャンヌ・ダルクがその音に反応して下げていた頭を上げる、扉が人一人通れる分だけ開かれており、そこからバーサーク・アサシンの姿が見えた。
見れば、バーサーク・アサシンが顔を隠していた仮面が無くなっているが、戦闘で無くなったのだろうと深くは考えず、ジャンヌ・ダルクは戻ってきたアサシンに高圧的な言葉をかける。
「遅かったわね。それで? ここまで時間をかけたのです。 もう一人の私のことはちゃんと始末したのでしょう? 」
『………… 』
「? 何か言ったらどうなのですか。呼び戻しにも応えず、ここまで日が経った理由を説明なさい 」
ジャンヌ・ダルクがどう言おうともアサシンは応えなかった。 そこでようやくジャンヌ・ダルクはその異変に気づいた。
まるで誰かに背中を押されたように、アサシンは広場へと出てきた。
「……逃……げ……な……さい ……… 」
「ッ!!!? 」
それだけ言って、バーサーク・アサシン カーミラは消滅した。 ジャンヌ・ダルクはその時ようやく自分の失態に気づいた。
ルーラーというクラスのスキルとして、サーヴァントの反応を追うことの出来るスキルが反応していないほどに、バーサーク・アサシンの霊基が限界まで疲弊されていたことを……
そしてその側に、バーサーク・セイバーの反応も感じられることに……
「主人の元に帰って来たんだ。 随分と良いしつけをしているじゃないか竜の魔女。 いや……祭り上げられた哀れな女 」
「あな……た、は………… 」
ゆっくり、首を回しながらジャンヌ・オルタの方へと歩いてくる。
黒き鋼と呼ばれる武器にバーサーク・セイバーを吊るし、その男は悠々と、誰にも邪魔されずにジャンヌ・ダルクのまえまでやってきた。
「「英霊! カプセルナビ!! 」」
「今回は〜コチラ! って沢山出てきた!! 」
「故障でしょうか? マリーさんに、アマデウスさん清姫さんにエリザベートさんですね 」
「そう! 今回はこのアタシ!! エリザベート・バートリーよ!! 」
「マリーさんは悲劇のフランス王妃、オーストリアの偉大な音楽家であるアマデウスさん。清姫さんは怒りの余り竜に変化した女性ですね。 そしてエリザベートさんですが…… 」
「あっちのアタシと一緒にしないでくれる? アタシはアイドルなんだから!! 」
「それじゃあ次回もよろしく!! 」
「ちょっと!! 無視するんじゃないわよ〜〜!! いいわ、今からアタシの歌を愚民どもに…… 」