【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

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作者の主観ですが、レオやアストラといった格闘主体の戦士ならウル銀ベリアルさん相手に勝てると思ってます。
ゼロが勝てたのも丁度ベリアルさんとの相性がよかっただけという考えです。
(初登場補正とかは考えたらダメ)

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4

(なによっ!! 何よなによなによっ!! なんなのよコイツはっ!! )

 

『す……まな……い…… 』

 

放り投げられ、ジャンヌ・ダルクの目の前まで転がってきたバーサーク・セイバーは己の不甲斐なさに涙して消えていく。

ジャンヌ・ダルクは目の前で起きたことが未だ信じられないのか、放心した状態で玉座に座ったまま。

 

「ジャンヌ! ……お前たち!! あの侵入者を殺しなさい!! 」

 

ジャンヌ・ダルクにいくら声かけても反応がなかったため、側近であるバーサーク・キャスター “ジル・ド・レェ”が他のサーヴァントたちに命じベリアルを襲わせた。

 

『ガアアアアアアアアアッ!!!! 』

 

『Aーーurrrrrrッ!!!!! 』

 

ジル・ド・レェによって洗脳を施され、魔獣の力を我が物とする宝具(アグリオス・メタモローゼ)を発動させたバーサーク・アーチャーである“アタランテ”と、新たに召喚されたバーサーク・バーサーカー “ランスロット”が咆哮をあげベリアルに突撃していく。

 

「フン、ヘアッ!! 」

 

手に持ったただの剣を、己の宝具である騎士は徒手いて死せず(ナイト・オブ・オーナー)によって疑似的な宝具へと変えベリアルに斬りかかるランスロット。

バーサーカーと思えぬ剣技を繰り出していくが、その剣がベリアルに届くことはなく、全て防がれていく。

 

宝具を解放したことによって生物の領域を超えた動きが可能となったアタランテも、サーヴァントの目ですら追うことが難しいスピードでベリアルに攻撃していくが、その動きすらもベリアルの目では捉えているのか、身体を動かすだけで避け、目の前のランスロットの攻撃をいなしていく。

 

『グアアアアアアッ!!!! 』

 

「姿が見えなくなったと思ったが、種が分かればつまらないな……吸血鬼!! 」

 

バーサーク・ランサー “ヴラド三世” フランス兵の人喰いを強制させることで“吸血鬼ドラキュラ”としての宝具を目覚めさせられた彼は、闇に紛れてベリアルを襲うが、それすらも予期していたのか黒き鋼を大きく振るいランスロットとアタランテを遠ざけた一瞬で、光を纏わせた黒き鋼を使ってヴラド三世を地面に叩きつけた

 

「まず……1体!! 」

 

「ッッ!! 行きなさい!! 」

 

叩きつけたヴラド三世を、黒き鋼から放たれた光によって包まれ跡形もなく消え去った。

そこでジル・ド・レェはベリアルの脅威を理解したのか、タコにも似た海魔を大量に召喚して向かわせる。

 

「そうか……キサマか…… 」

 

ベリアルは海魔を召喚したジル・ド・レェに狙いを定めたのか、海魔を一蹴しながらランスロットとアタランテの攻撃を簡単にいなしながらジル・ド・レェに向かっていく。

我が身大事と海魔を密集させ、大きく厚い壁のようなものを形成するが、黒き鋼を振るうだけで全て壊し、黒き鋼から伸びる光の鞭のようなものでジル・ド・レェのことを捕える。

 

「キサマは……邪魔だっ!! 」

 

「じ、ジルッ!! 」

 

ジル・ド・レェは消されることなく、城に出来た大きな穴から外へと放り飛ばされた。

召喚者がいなくなったことで海魔が消えると、ベリアルは明後日の方角に黒き鋼を投げ飛ばしたかと思えば、縦横無尽に動き回るアタランテが壁に押さえつけられていた。

 

『グウウウッ!!! 』

 

「眠ってろ……シャアアッ!!!! 」

 

黒き鋼で抑えられ、動けなくなったアタランテの心臓ー霊核ーを右腕で貫いて終わらせる。

残ったサーヴァントは、ジャンヌ・ダルクとランスロット。

武器を担ぎ直したベリアルは、ランスロットに向かって在ろうことかその武器を投げ渡した。

 

「この身体にも少しは慣れてきたところだ。使わせてやる、このオレを殺してみせろバーサーカー 」

 

相手を舐めているのか、バーサーカーに黒き鋼を投げ渡してそう言ったベリアルが構えると黒き鋼を使ったランスロットとの戦闘が始まった。

 

 

 

 

 

────◇◆◇────

 

 

 

突如現れたそのウルトラマンは、べリアルのように見たことのない姿をしたウルトラマンだった。

セブンX寄りの悪い目つき、2本のアイスラッガーを携え、肩から胸にはプロテクターが、母親側の遺伝なのか体色は青が全体を占めている。

 

その、自分のことをセブンの息子だと名乗ったウルトラ戦士、ウルトラマンゼロがベリアルに向かって走っていく。

 

『親父同様、地獄に落としてやる……。 行けえいっ!!! 』

 

『はああああっ!! 』

 

 

ゼロの前に、壁のように立ちはだかる怪獣たちは意味をなさず、多彩な光線技、洗練された格闘技術の前に成すすべなく次々と倒れていく。

 

あの格闘技……レオと同じ宇宙拳法か?

 

怪獣軍団から少し距離をおくと、ゼロはその頭にある2本のアイスラッガーに手を添える。

 

『シェアッ!! 』

 

セブンが使うアイスラッガーと同じく、自在に操ることで怪獣たちを倒したゼロは、その2本を自分の手に収める。

 

二刀流って言って良いのか? その技でゼットンといった名だたる怪獣たちを翻弄し、最後にはお馴染みの光線技で蹴散らした。

 

(ああ、これだ。 このドキドキだっ!! )

 

どんなに歳をとっても忘れない、忘れることのできない胸のドキドキ。

新しいウルトラマンが登場して戦う、このドキドキだけは今も昔も変わらない。

 

『小僧、オレ様が相手だ 』

 

『キサマだけは……絶対に許さんっ!! 』

 

怪獣を倒したゼロとべリアルの戦闘が始まった。

ゼロはスラッガーを、べリアルはギガバトルナイザーを巧みに使った一進一退の攻防が続いていく。

 

『ヘアッ!! 』

 

これ以上の接近は許さない。その為にギガバトルナイザーを使った衝撃でゼロを後退させ、衝撃によって削れた岩の一部がゼロに迫る。

 

けれど、ゼロはスラッガーでそれを壊すことで冷静に対処し、べリアルのギガバトルナイザーを掴みとった。

 

『くうっ!! 』

 

『シェアッ!!』

 

先に飛ばしたスラッガーを使い、べリアルの手からギガバトルナイザーが手離された。

 

ウルトラの父との戦闘でもわかっていたが、今のべリアルにとって至近距離での戦闘は何よりの弱点。

 

それを戦闘中に理解したのかもしくは勘だったのか、ゼロの本気の攻撃がべリアルのことを苦しめていく。

 

『だああらああっっっ!!! 』

 

それでも持ち前のセンスで何とかゼロの攻撃についていくべリアルだったが、レオキックに似たゼロのキックが決まり手となった。

 

『これで止めだ!!』

 

怯んだことによって生まれた隙を逃さず、ゼロは2本のスラッガーを胸のカラータイマーと合体させ胸から放たれた光線技をもろに喰らう。

 

ギガバトルナイザーもなく、光線を受け止めきれなかったベリアルのことを怪獣墓場にある溶岩へと叩き落としてくれた。

 

 

 

 

────◇◆◇────

 

 

 

 

 

『……Ar……thur…… 』

 

円卓の騎士最強と謳われたランスロットすらも、その霊核を貫かれることで消えていった。

 

(うそだ、うそだうそだうそだ!!! )

 

何度も見てもその光景が信じられず、心の中で拒絶の言葉を呟き続ける。

けど、それが本当だということは2基のサーヴァントを貫いたことで手を真っ赤に染め上げた目の前の男を見るだけで分かる、分かってしまう。

 

勝てる筈だった、負けることなど想像すらしなかった。

サーヴァントを従え、ファヴニールという強力な手札をもった私は、この戦争を永遠に続けることが出来ると信じて止まなかった。

 

もう一人の私でも、この特異点を正そうとする小さな虫が相手でもこちらの勝利は確実だった。

 

それがなんだ、この惨状は……!!

呼び出したサーヴァントは全て目の前の男に無惨に殺され、側に支えるジルもどこか遠くへ飛ばされてしまった。

 

「どうした? キサマは闘わないのか? 」

 

「ひっ!! 」

 

男がランスロットに渡した自らの宝具を拾い上げると、玉座から立ち上がれない私に向かってそう言ってきた。

殺される。 その目を見ただけで直感した私は怯えながらも歯を食いしばって何とか立ち上がり、男に向けて復讐の炎を出す。

 

「来るなっ!! 来るな来るな来るなくるなっ!!! 」

 

眼前に映るモノ全てが炎に包まれる。場所なんて関係ない!! 私さえ生きていれば聖杯の力で何度でも新しいサーヴァントは呼び出せる!!

私がいれば……私さえ生き残ればこの戦争を続ける事が出来るのよ!!

 

だから燃やした、これだけの炎であればいくらアイツだろうとタダでは…………

 

「ヘアッ!!!!! 」

 

ッッッ!!!!

肌が焼けるほどの熱風と、物凄い勢いの衝撃が私を襲う。 旗を地面に突き立てることで立っていられるが……眼前に広がっていた炎の海には、一本の道が出来ていた。

 

「はああああああああ 」

 

「あ、ああああああ!!! 」

 

怖くなって、私は遂にその場に腰を落とした。

その身体には一切の傷も、炎によって受けた火傷の痕も見受けられない。

炎によって乾燥したことによって、赤く染まっていた両の手は黒く変色し、大きく息を吐いているその口は不気味に嗤っているように見えた。

それ以上に、恐れたのは……その目だ。 周囲で燃え盛る炎を反射しているからなのかは分からないが、その目は赤く揺らめいている。

 

「あ、あ、悪魔………… 」

 

本物を見たこともないけれど、悪魔という存在がいたらきっとコイツのような存在のことをいう。

ざっ、ざっとゆっくりコチラに近づいてくるその姿を見て、私は目の前の男が異形な姿をした化け物にしか見えなかった。

 

 

 

 

 

 

 




「「英霊! カプセルナビ!! 」」

「今日は出番がなかったからね!! 気合い入れて回すよ〜!! ホイッッ!!! 」

「ヴラド三世、串刺し公と呼ばれるワラキア公国の王様。 以前紹介したカーミラさんと同じくドラキュラのモデルとなった人です。 シュヴァリエ・デオンさんは、男であり女、女であり男と言われたフランスの伝説的スパイです 」

「え?え? 結局デオンくんなの? ちゃんなの? 」

「それは……間をとってデオンくんちゃんでいいのではないかと…… 」

「デオンくんちゃん……以外と語呂がいい…… 」

「それでは今回はこの辺りで 」

「次回こそは出番をおおおおおお!!! 」

「先輩!? 」


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