【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

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ギャラファイ3、アブソリュートティターンが一気に好きになれそうな予感がしてます……!
本当日の目を見なかったリブットがここまで活躍してるの本当うれしい!



感想、評価お待ちしてます


5

(はあ、まったく……どうなってるっていうのよ)

 

 ヴリトラとの戦闘を終え、博樹と合流した立香たちはメルトリリスの案内の元、データ化した肉体が分解されることのない安全地帯(セーフティエリア)、ポートピア・サイにある礼拝堂に辿り着きそこで休息をとっていた。

 

 

(ウルトラマンに、ベリアル……そしてそれを召喚したのが宮原博樹……)

 

 

 そこで立香たちはメルトリリスからこのSE.RA.PH(セラフ)の現状、ルールを聞き、その逆にメルトリリスはカルデアのことを、人理修復の旅路を立香から聞いた。

聞いたからこそ、メルトリリスは悩み、迷っていた。

 

(そんな話、()()()から聞いていない)

 

 本当に、戦い続けていいのだろうか? 守る価値があるのだろうか? その一つの悩みがメルトリリスの心を、濁りのない何処までも透き通った水のような心を、大雨が河の水を汚してしまうように濁らせてしまっていた。

 

(無駄、だったのかしら……。あの子の犠牲も、こんな所まで舞い戻ってきたのも全部……)

 

 深く、深く沈んでいく。底のない汚水の中に、沈んでいってしまう。

 

「────ッ!」

 

 気を晴すために教会内を歩いていると、礼拝堂の一番前の長椅子に座りながらその手に持つカプセルをビー玉を光に反射させるように掲げながら、考えごとをしている立香を見つけた。

 

「立香……」

 

「メルト……眠れないの? 私と同じだ」

 

 にへら〜っと何も考えていないような笑顔を()()()()()メルトリリスに声をかける立香に苛立ちを覚えながら、彼女は立香の隣に腰をかけることにした。

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

────誰も気付かないうちに、この油田基地は乗っ取られていた。

気がついた時には何もかもが手遅れだった。

 

 

いや。本当はみんな、とっくに気がついていた。

それでも全員こう思ったんだ。

 

”そんなこと、恐ろしくて認めたくない”と。

 

 

 

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 まるで、本当に鈍器で頭を殴られた感覚だった。

博樹さんを探している途中、倒れているセラフィックスの職員さんに触れた途端に流れ込んできた、データ化した人間の記憶(メモリー)

 

 ただなんの才能もなかった普通の人が、この事件に巻き込まれて、ここでの100分が現実での1分という地獄の時間の中、狂っていく人たちを傍観しながらも、何とか普通でいようと頑張り続けた人の記憶……。

 

 生きることに諦めてしまい、最後に煙草を吸おうとしても風紀を正そうとする理不尽な人たちの手で吸いきれずに、殺されてしまった。

 

「────何をしているのかしら? サーヴァントと違って貴女は()()()()()なのだから休まないと身体が持たないわよ」

 

「普通の人間。普通……か」

 

 博樹さんと合流して、メルトに連れられて来た教会の中でようやく休憩をとることが出来たけど、落ち着く時間が出来て逆に考えすぎていたところでメルトが声をかけてくれた。

 

「ねえメルト。メモリーの人もそうだったけどさ、普通ってなんだろうね?」

 

「……それを、人間でもないエゴの塊がわかると思って?」

 

「ははは。────これがやりたい、こうしたいなんて大きな目標なんてもってなかったから、カルデアに連れてこられた時もああそうなんだ〜くらいの気持ちで受け入れてた。人理を修復するのもさ、私しかいなかったから仕方なくって感じだった」

 

 メルトやトリスタンに説明したのとは別。私の主観、私が心のうちで思った事をメルトに向かって吐き出す。『10年海の上にいればいいだけ、それが終われば普通の生活に戻れる』そう考えてたメモリーの人に同情、共感……したからなのかな? みんなには伝えないようにしてる本音をメルトに。

 

「今のアナタじゃ考えもつかないわね」

 

 メルトの言うとおり、カルデアに来る前と今だと結構変わったな〜って自分でも思ってる。変わらないと、置いていかれてしまう。だから変わらなくちゃって必死だったから。

 

「────人理を修復するために駆け抜けてきた。得るものも沢山あったけど、無くすものも沢山あった。令呪(これ)や魔術だって、何も知らない高校生のときには考えもつかなかったもの」

 

 その時代に生きる人たちが目の前で殺された時、最初は胃の中のものを全部吐き出したし、目も背けていた。犠牲よりも、生存を優先しなくちゃいけないときは何度心が折れてしまいそうになったかわからない。

 

「経験なんて何もない。けど失敗は許されない、後退すること許されない。最善の答えを導き出せたなんて自信はこれっぽっちもない。他の誰かだったら……魔術の素養を持つ人だったら……それこそ博樹さんに全部任せちゃうことだって出来た。「なら(けど)」」

 

 ならそうすれば良かったって、私を案じて言ってくれたメルトと言葉を被せながら、手に持っていたメビウスのカプセルを強く握りしめてメルトを見つめる。

 

「それで突然普通に戻れって言われてもさ、戻りかたわかんないんだよね」

 

 笑って言ってみたけど、メルトにはどう見えてるかな? 下手な笑い方だなって思われたかな? 

────戦いのない、争いの起きないカルデアに来る前の平穏な日常。突然そこに戻れって言われてもそこにあるのは()()()()()()の居場所で、()()()()()()が安らげる場所なのかって言われたら、そうじゃない。多分落ち着けないと思う。

 

「人理焼却を解決した時に、ああこれで終わりだ。戻れるのかな? って思ったは思ったんだ。だけど、こうして戦いは続いてる」

 

 最終回で終わりじゃない。ウルトラマンのように地球を守っただけでその後も怪獣や宇宙人との戦いを終わらないのと同じように、ああ私の戦いもそんな風に終わりのないものなのかも知れないって魔神柱の生き残りがいる事を聞いた時そう思った。それが終わったらまた他の脅威が襲ってきて、それが終わっても次が、次がって……。

 

「生命が終わるその時まで、私は戦い続ける。そんな運命に囚われたのかも知れない」

 

「…………(なら、ここで終わっても良いんじゃない。()()()()()()()()()()())」

 

「だからさ! そこが命の終わりだって思ったその瞬間、綺麗に終わりたいなって思ったんだ!」

 

「綺麗に……?」

 

 メモリーの人の最後は、唯一安らげる時間すら貰えず、自分の人生を悔やみながら苦笑いを浮かべて終わってしまった。

 

 あの最期を見て、悲しみや苦しかったろうなって思うのと一緒にこんな終わり方はしたくないんだって思ったんだ。

 

 私は飛ぶように立ち上がって背伸びをすると、外の光に何かが反射したのか壁のほうに何かを光るものを見つけた。

 

「────。何か、争った後かしらね」

 

「……うん、こんな終わり方がいいな」

 

「は?」

 

 ガラスかな? 何か陶器が砕けたものが粒子の山のようなものを見て、これだ! と思った私はその山の側に駆け寄り、しゃがみ込んで指を指しながらメルトを見る。

 

「こんな感じ! こんな終わり方がいいなって!」

 

「な、何を言ってるのよアナタは。ただ砕けた陶器の欠片じゃないのソレ」

 

「最高だったって! 私の人生良かっただろう! って思わせる最期がいいじゃん! 役目を終えても綺麗に輝くコレみたいに!!」

 

 ()()()()()()()()()()()()()()。私にはこの山がそう見えたから言ったんだけど……伝わらなかったのかな? メルトは立ち上がって外に向かって歩いていってしまう。

 

「め、メルト……?」

 

「…………そんなこと言ってる暇があるなら少しでも長く休むことをオススメするわ。それじゃあお休みなさい、()()()()

 

「お、おやすみ〜」

 

 む〜、伝わらなかったか〜。結構理想の終わり方、なんだけどな〜。

 

「く、ひ、ひ。わえは好きじゃぞ。貴様の歩んできた道も、それだけの力しか持っていないに障害を超え続けたその心も。舌が肥えたわえですら、味わってみたいものだ」

 

「だよね! そー思うよね!! …………へ?」

 

「ん? きひっ!」

 

「ええええええええええええ!?」

 

 な、なんでヴリトラがここにいるのぉおおおおおおおおおおおお!!!!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああもう、本当に自分が嫌になるわよこんなの……。たったあれだけで十分だなんてね……」

 

 

 

 

 

 

 




藤丸立香
 ベリアル、博樹がいたことで少し子どもとしての幼さを残しているが、監獄島での出来事から覚悟に変化が生じているためチグハグな成長性をしている。

メルトリリス
 ちょろイン。色々隠しているがゲーム本編でCCCコラボやってる人たちからすればバレバレだけど何か違うような……?
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