【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

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ベリアルさんがいることによるオルレアンの変更点

邪ンヌが怖がってサンソン以外の他サーヴァントたちを出撃させていない。
これによって邪魔がなくなりマリーさん生存。
マリーさんの馬車による移動時間短縮


感想や評価頂けると昂ります

誤字脱字、ご指摘などありましたらよろしくお願いします。




5

 ベリアルを前にし、完全に戦意を失いその場に座り込んでしまうジャンヌ・ダルク。

 そんなジャンヌ・ダルクを見て、目の前までやってきたベリアルは心底つまらないといった表情を見せるジャンヌ・ダルクに向けた。

 

「ほらどうした? 何もしなければキサマは死ぬぞ 」

 

「あ、ああ、うああああああっ!!!! 」

 

 ジャンヌ・ダルクは死にたくないという一心で立ち上がると、支えにして立ち上がった旗をベリアルに向けて振り下ろした。

 なりふり構っていられない、といった所だろうか技も何もない一撃。

 そんな攻撃とも言えない無駄なことを、ベリアルが止められないはずがない

 

「同じ造られた存在でもこうも違うか……。 いや、ここからかっ!! 」

 

「がはっ!! 」

 

 左手で旗を軽がると受け止めたベリアルは、空いている方の手を強く握りしめジャンヌ・ダルクを殴り飛ばした。

 玉座の背もたれも折れ、壁に叩きつけられたジャンヌ・ダルク。

 胸の甲冑は砕け落ち、口から血を吐き出した勢いで頭につけていた装飾品もずれ落ちる。

 

「があっ!! 」

 

 受け身も取れず、地面へと落ちるジャンヌ・ダルク。

 砕けた甲冑のカケラが落ちた場所に自身も落ちたことで、身体中に剣で刺されるのと同じかそれ以上の痛みが走る。

 

「哀れだな……。 産み落とされた真実も知らず、貴様は傀儡として動き続けていた 」

 

「…………何を、何を言っている!! 」

 

 ベリアルの言っていることの意味が理解出来ず、何とか逃げ出そうとするがジャンヌ・ダルクはその白にも近い銀髪を乱暴に掴まれ持ち上げられてしまう。

 

「は、離せっ!! 離しなさい!! 」

 

「お前の中にあるのは埋め込まれた憎悪。 囚われ、民衆から疎まれ、炎に炙られながらも自分が救った者たちへの憎しみを募らせた 」

 

「そうだ! それが私、ジャンヌ・ダルクよ!! 裏切られたというのにこの国を救おうとする紛い物とは違う!! 」

 

「真実も知らずに消されるのは嫌だろうからな……教えてやる!! 」

 

「ガッ……はっ……!! 」

 

 偽物はもう一人の(ジャンヌ)だと声を荒げるジャンヌ・ダルクだったが、ベリアルにみぞおちを殴られ口を止められる。

 掴まれた髪を離され、地面に落とされたジャンヌ・ダルクは俯き、口から胃液を吐き出しながら嗚咽をもらす。

 

「お前は模造品だ。 そうあってほしい、そうであると信じて止まなかったヤツは願望機に願い、そうして産まれ落ちた。 それがお前という存在だ 」

 

「な……にを……言ってるの……よ! 私が……ジャンヌ・ダルク……ぐっふっ!! 」

 

 嗚咽を落ち着かせ、ベリアルのいう言葉を否定しようとするが、それすらも許されず腹を横蹴りされて床を転がっていく。

 

「お前が本物だというなら証明してみろ。 その憎悪の炎でこのオレを焼き殺してみせろ 」

 

「がはっ……バカに……してっ!! 」

 

 血反吐を吐きながらも、ベリアルの言っていることこそが紛い物だと、嘘だと否定するために憎悪の炎を生み出しベリアルに向ける。

 何度も、何度もなんども……。 どんなに思い出そうとしても幼少の時の記憶が曖昧でも、どのように神から啓示を初めて貰ったのか思い出せなくても……

 私こそがジャンヌ・ダルクなのだと知らしめるために炎を焚き続ける。

 

「これがお前の限界だ。 造られただけの心を振りかざしているだけのお前に、このオレを焼き殺すことは不可能だ。 シェアッ!! 」

 

「あがっ!! 」

 

 どんなに炎を焚きつけても、ベリアルはその炎をロウソクの火を消すように容易く払い、ジャンヌ・ダルクの頭を掴むと、その整った顔を地面に叩きつける。

 守る間もなく叩きつけられたジャンヌの顔は、鼻が曲がり血を流していた。

 

「何も知らずに、強大な力だけを貰った赤子……それがお前だ 」

 

「────っ!!!! 」

 

 地面を這ってでも、べリアルとの距離をとろうとしていたジャンヌ・ダルクの右足に強烈な痛みが走る。

 見れば足先を守っていた甲冑はボロボロに砕け、足先そのものは原型を留めておらず血に染まり、動かそうにも激痛を感じもう動かない。

 

 

「覚えろ。 この痛み一つひとつが、戦争で戦った者が、何の力もなく死が訪れた者たちが味わった痛みだ。 お前はソレを何一つとして知らずに、植え付けられた復讐の炎を燃やした 」

 

「な、ない……す゛るのっ!! やめっ……やめっ!! ────────ッッ!!アアアアーーー!!!! 」

 

 もう立ち上がることすら出来なくなったジャンヌ・ダルクの眼前に立ったべリアルは、ジャンヌ・ダルクの細腕を持ち上げ、身体の持ち主本人が見ているその目の前で、小指を粉々に握りつぶした。

 

「────────ッッッ!!! (イタイ、いたいいたいいたいいたいっ!!!! ) 」

 

 1本、また1本とジャンヌ・ダルクの指をゆっくりと、しかし確実に潰していく。 右の5本が終われば左の5本を同じように、それ以上の痛みを感じるように潰す。

 

「勝ち負けなど関係ない、どちらにせよ犠牲はでる。 それが戦争だ。 聖女と祭り上げられていようが、何人もの命を奪い、見殺しにした。 お前は恨まれて当然だ、憎まれるべき存在だっ!! 」

 

 死にたい。 ジャンヌ・ダルクは心に中で何度もそう願った。

 だが、普通の人間ではなくサーヴァントとして産まれたばかりに死ぬことが許されない。

 だからこそ、どうせこのまま死ぬのならとジャンヌ・ダルクは意識を手放した………

 

 

 

 

 ────◇◆◇────

 

 

 

 

 不思議…………じゃないか、ウルトラマンの身体、だもんなあ……

 マグマの中へと落とされたベリアル()だったが、頑丈なウルトラ族の身体は熱いと感じながらも溶けることはなかった。

 

 むしろその熱さ以上のものが濁流のように私の頭の中に流れ込んでくる。

 

 力を求めて、触れてはいけないとされていたプラズマスパークに触れた一人のウルトラマン。

 けど、プラズマスパークはそのウルトラマンに力を与えることはなく、逆に拒絶した。

 光の国を照らし続けるプラズマスパークを独占すること。 それは大罪に他ならない

 大罪を犯したそのウルトラマンは、キングによって光の国を追放され、遠い宇宙の彼方へと消えていった……

 

 伝わってくる……怒りが()()()が……

 

 自分を追放したキングへの怒り、自分のことを認めなかった他のウルトラマンへの深い憎しみ……

 その負の感情が、ベリアルの中にあるレイオニクスの力を暴走させた。

 

 怪獣墓場の中心部まで落ちたベリアルは、その力を墓場全体に行き届かせ、眠れる怪獣たち全てを呼び起こした。

 10、40、80、100いや、それ以上の怪獣たちがベリアルのレイオニクスの力に引き寄せられてくる。

 

『ああああああっ!! オレには絶対に勝てない!!! 』

 

 そうして溶岩から舞い上がって来たのは、無数の怪獣たちを合体させることで悪魔のような悍ましい姿へと変貌を遂げた怪獣だった。

 その大きさは50数メートルであるウルトラマンたちが小さく見えるほど巨大で、額に中心であるベリアルがいる形になっている。

 

 レオやアストラも加勢しに来てくれたけど、1つに凝縮された怪獣の圧倒的な力の前に手も足も出せない。

 

『100の怪獣たちよ、俺の声を聞け!! 』

 

 ベリアルの意思によって封じられた怪獣たちがあらがい始めた!!

 レイが自身のバトルナイザーを通してギガバトルナイザーを起動することで、操られている怪獣たちに声を届けたんだ!!

 

(あれは……!? ふざけるなっ!! 何故そんなひよっこを認める!! )

 

 これは……嫉妬? 見れば、プラズマスパークの放つ聖なる光がゼロのことを選んだのか、2本のアイスラッガーを弓のような形をした大きな1本の剣へと変えていた。

 ふつふつと沸き上がってくるその嫉妬心のせいで、怪獣たちはより一層の拒絶を始め、ベリアルは動けなくなってしまう。

 

『オレは……不死身だあああああああ!!! 』

 

 ゼロの一撃を喰らった後でも、ベリアルはプラズマスパークの力を求めたのか、その手を伸ばし続けた。

 だけど、その手が届くはずもなく悪魔のような姿をした怪獣は、ベリアル共々爆発した……。

 

 良かった、良かったんだ……。 これで光の国に平和が戻る…… 

 

 

 けどなんでだろうか? ベリアルがしきりに言っていた“全宇宙の支配”

 ウルトラ一族への復讐を目的としてたベリアルがそれを目指すのは、どこかおかしいように感じた……

 

 

 

 

 

────◇◆◇────

 

 

 

 

「はっ、はっ、はっ!! 」

 

「くっ、待ちなさいジルッッ!! 」

 

 私たちは今、ようやくたどり着いた敵の根城。 オルレアンの城を駆け抜けている

 聖女マルタとの戦闘を通してファヴニールを倒すための切り札であるジークフリートさん、そしてその道中で出会った聖ゲオルギウスさんを仲間にしたことで準備万端といった感じで乗り込んだオルレアンだっただけど……

 

『ジャンヌうううううううううウウウウッッッ!! 』

 

 とまあ、辿り着いた矢先に光の輪っかのようなもので拘束されていた敵のキャスターが、拘束されながらも召喚したタコみたいなのと一緒に城の中に戻っていくのを見て、追いかけてるって感じ

 

 途中、ファヴニールが立ちはだかったけどジークフリートさんとゲオルギウスさんそれに加えてエリちゃんと清姫が残って戦ってくれることになったけど……大丈夫だよね

 

「不安そうな顔をしてるわね立香。 あの方たちなら大丈夫、信じて前に進みましょう 」

 

「うん、マリーさん 」

 

 ジークフリートさんを探している最中、生前の知り合いっていうかなんか色々あったっていうバーサーク・アサシンと戦って落ち込んでいたみたいだったマリーさんだったけど、調子を戻してくれたみたいで私のことを励ましてくれる。

 

「っ!! これでっ!! 」

 

「道を阻む海魔はもういません、行きましょう立香!! 」

 

 マシュとジャンヌさんが道を阻んでいたタコを倒し終えたことで、道が出来る。

 走り続けて上がった息を整えながらみんなの後を着いていくと、開かれた大きな扉が見える。

 

「いぎゃあああああああああっっ!!!! 」

 

「「「「「!!!!! 」」」」」

 

 さっきのキャスター、ジャンヌさんが言ってたジルの叫び声が扉の奥から聞こえてきた。

 それと一緒に、扉から炎が飛び出してくる。

 

「──皆さん、行きましょう!! 」

 

「あれって……もしかしてべリアルさんが……? 」

 

 マルタさんとの戦闘があった日、あの日からいなくなってしまったべリアルさん。

 ドクターたちが言うには存在証明は出来てても何処にいるのか分からない状態って言ってたけど……もしかしてこの先に……?

 

 

「な……何故ですか……ジャンヌぅうう 」

 

「感謝しているわジル、私のことを産み出してくれたこと 」

 

「貴女は……何故それをっ!! 」

 

「でもね、そのせいで私はこんな痛みを、怨みを知らなきゃいけなかった。……だから貴方は……私の手で殺してあげる、はあああっ!!! 」

 

 何が……起きてるの?

 扉の先では、黒いジャンヌが黒い槍で串刺しにしたキャスターのことを黒い炎で包んでいた。

 

「……あら、ようやく来たのですかカルデアのマスター? 」

 

 

 キャスターのことを倒した黒いジャンヌが私に向かって話しかけてきた。

 あれ? 最初に会ったときと服装変わってない?




「「英霊! カプセルナビ!! 」」

「今回の英霊は〜〜こちらっ!! 」

「ジークフリートさん、竜殺しとして最も有名な英雄、『ニーベルンゲンの歌』の主人公です。ゲオルギウスさん、聖ジョージとして名高き聖人で聖剣アスカロンが有名ですね。 そして最後が聖女マルタさん、悪竜タラスクを鎮めた素晴らしい聖女です 」

「仕方ないけど、怖かったよね。 タラスクだっけ? 亀みたいなあの竜のことベイ◯レードみたいに回してくるんだもん 」

「そう、ですね。 マリーさんにジャンヌさんがいなければ止められませんでした 」

「それじゃあ、今回はこの辺りで! 」

「次回もよろしくお願いします!! 」





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