【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

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FGO7周年おめでとうございます!
ジード5周年やマンの日に更新したかったですけど……今日には間に合わせました。

感想、評価お待ちしてます。


8

 

「イデスがくる! ガウェイン!!」

 

「ええ! はああっ!!」

 

 博樹の指示を聞いてガウェインが腕を横に出すと、ギガバトルナイザーから伸びたエネルギー状の鞭でその腕を掴みパッションリップのイデス発動の範囲から一気に抜け出す。

 

 

 

…………ああ

 

 

 

 

ゔゔゔゔっ! 

 

「うん、わかってる。苦しいよね、辛いよね……けどもう少しだけ我慢してくれ!!」

 

「マスターたちが貴女を救う術を必ず見つけてくれる! その時まで!!」

 

 

 

 

なんと甘美な

 

 

 

「こんな所で折れやしないさ、そうだろガウェイン。今君が背負っている太陽は(弱さ)を隠す光じゃない」

 

「ええ! この霊基()に刻まれた不夜はあの過ちを二度と繰り返さないためのもの! 目の前で泣き叫ぶ民を照らすためのもの!!」

 

 

 

激しく雄々しいその姿

 

愛おしい

 

 

「はあああああああっ!!!!」

 

「だぁああああああっ!!!!」

 

 

たべてしまいたい

 

 

 

 

 

 

 

 

────一方その頃

博樹とガウェインを置いてSE.RA.PH(セラフ)に裏側へと無事に辿りついた立香たちは、一度基地を裏返して中央管制室に辿り着くために、裏側で争っているサーヴァントたちや待ち構えていた鈴鹿御前も無視して胸部エリアの背後に位置するエリアへと急いでいた。

 

「はあ、はあ、はあ……。カルデアのマークが印されたコンテナ?」

 

「ここは特別な職員たち専用のゲート兼裏の搬入口。あの印を見ればわかるでしょうけど、裏の施設やカルデアに関係する魔術師専用の玄関ってわけね」

 

「アニムスフィア直属の人間たち、それに関係する資材を搬入していた場所……か。随分ときな臭い場所じゃないか」

 

(ヴリトラから見せられた記憶データは油田基地がSE.RA.PH(セラフ)に変わってからのものだったからここがどんな使われ方をしていたのかはわからない。けど、エミヤオルタが言うように確かにきな臭い……)

 

 頸部、つまりは胸部エリアのすぐ側のエリアまでやってきた立香たちは、いくつも連なって重なるコンテナを見ながら考えを募らせる。

急がなければいけないのは分かっているが、油田基地の裏で行われていた“ナニカ”を知るための大きな手がかりになると肌で感じたのか、エミヤオルタだけではなく立香も深く考え込んでいると、その頭をメルトリリスに軽く叩かれる。

 

「長考するのは勝手だけれど、そんな悠長に待ってくれるほどリップは甘くないわよ?」

 

「ああっそうだった! このままじゃ博樹さんま〜たボロボロになっちゃうんだった、て言うかもうなってるかも? メルト、ここから表に行くに「その必要はないぜ」わ?」

 

 「パッションリップを解放するためにBBの軍門にくだれ」と、BBからエリアを反転させる権限を貰ったロビンフッドが提案を持ちかけてきた。

ロビンがいうには、管制室にはパッションリップが待ち構えてるからエリアを裏返す代わりにパッションリップを解放しろと……。

 

「解放しろって言ったってどうやるの? ていうかパッションリップのこと操ってたのってBBなんじゃ」

 

「さあ制御が利かなくなったってとこか、詳しいことはオレも知らされてないけど……、“鍵”はアンタが持ってるってBBは言ってたぜ?」

 

「カギ? 鍵……? ああっ! これのこと!!」

 

 そう言われて立香は、先のヴリトラとの問答の褒美としてもらった3本の鍵をポケットから取り出す。

すると隣に立っていたメルトリリスがその中の1本、赤と紫の花弁が交互に咲いている鍵を叩いた。

 

「これがリップの心の枷を外すために必要なコードキャスト(電脳術式)。あの子が管制室(持ち場)に戻っているなら都合がいいわ」

 

「助けるって言うのかあの()()を? それだけのリターンがない、だったらここを調べたほうが幾分マシだと思うがね」

 

「(確かにその通りかも)……ヴリトラがこの鍵をくれたのには意味があると思う。だから、()()()の拘束具を外して話をするよ!」

 

 「できるのかしら?」と立香のことを煽るように言ってくるメルトリリスだったが、自分では気づいていないのかその表情はエミヤオルタが怪物と呼んだのに対してあの娘と、パッションリップ(アルターエゴ)のことを人として見てくれた喜びと、話をすると、倒すのではなく助けることを前提に断言してくれたことが嬉しくてたまらないといった顔をしている。

 

「なんとかなるでしょきっと。だからお願いロビン、パッションリップの所に連れて行って」

 

「あいあい、んじゃまボス退治と行きますか! ま、ボス退治っつーよりお姫様退治ですけど?」

 

『あっ、ちょっと緑茶さんまっ!』

 

「「「「へ?」」」」

 

 

 

 

 

パチンッってロビンが指パッチンしたの合図にエリアが反転を始めたんだけど、その前に一瞬だけ聞こえてきたBBちゃんのあの声、なんだったの? なんか嫌な予感がするんだけど……

 

「マスター!」

 

「ガウェイン!! あれ、博樹さんは?」

 

 反転したそこは胸部エリアの目の前で、見た感じだと攻性プログラムとパッションリップが争っているっぽい。

そんな中でまるで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()みたいにガウェインが駆け寄って来た。

 やばい、なんかものすっごく嫌な予感が強くなって来た……

 

「?? 彼女の射出された腕を受け止めてコチラ側まで飛ばされてしまったはずなのですが、後ろの方にはいませんか?」

 

「ウム、キャットのつぶらで大きなこの瞳を持ってしても見当たらないゾ、マスター!」

 

「……BB! BB! BB!! 見てるんでしょ! 早く出てきて説明しなさい!」

 

『…………ちょ、ちょっとBBちゃんのことそんなメーデー! メーデー! みたいな雑な感じで呼ばないで「いいから早く。博樹さんは、ドコにいったの? 」……え、え〜っと……ですねぇ〜』

 

 毎回のように軽い調子でチャンネルを出して明るい感じで話そうとしたBBの対応すら無視した無表情な立香のその態度に流石のBBも根負けしてしまったのか、胸の前で人差し指同士をぶつけながら今しがた起きてしまったことを説明し始めた。

 

『今ガウェインさんが言ったように、あの人リップのロケットパンチ避けるどころ受け止めちゃったんですよね。それで、そのまま吹き飛ばされちゃったんですけど……』

 

ですけど? 

 

『うう……。博樹さんが吹き飛ばされちゃった先と、みなさんが反転してくる座標とタイミングがですね? 奇跡的に被っちゃたんですよ♡ だから今、彼裏側にいます♡』

 

 ああああああああもぉうっっ! BBちゃんも博樹さんも何やってるのさああああああああっ!!!! 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

『ああ〜緊張する〜』

 

『このテストでいい数値が出るかどうかだもんな』

 

 これから何かあるのか、私や立香ちゃんも着ているカルデアから支給された白を基調とした魔術礼装を着た人たちが整列して何かを待っている。

何が何だかわからないが、大体100人はいるであろうその集団を見ると少しだけ違和感を感じた。

 

『ここでいい結果を出せればレイシフトを行う一員に、もしかしたらエリートクラスにまでなれるかもしれないんだぜ!』

 

『いくら可能性があるってったって一番上、Aクラスになるのは無理だろ。ああいうのは家系で決まるもんだって」

 

(全員、若いな……。みんな立香ちゃんとあまり変わらないんじゃないか?)

 

 話している内容からみんなレイシフト適正を持つマスター候補生ということは分かったけど、いくら何でも偏り過ぎてる。

40を超えているのは流石に私くらいだったけど、マスター候補の人たちの中には20〜30の人たちも選ばれていた。

なのに、なんでここだけ……? 私が選ばれる前? それとも…………

 

『それではこれよりレイシフト適正テストを始めます。一人一人用意されているコフィンに入り待機していてください』

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

「────ッ!! いっ、った……。ここは……?」

 

 気がつくと、四角い箱のようなものの中で倒れていた。

そうだ、ギガバトルナイザーで何とか受け止めたけどパッションリップのロケットパンチが直撃して吹き飛ばされたんだ。吹き飛ばされてる時、視界が歪むっていうか空間が揺れるような感覚が襲ってきてそれで気を失ってしまったのか? 

 

「身体中にガラスの破片が刺さってる、どうりで動かしづらいはずだ……」

 

 目が慣れてきてようやく身体全体に走る痛みの正体を知った。ここはコンテナか何かの中みたいで、そこに突っ込んだ私は中に入っていた機材を壊し、その破片が身体中に刺さってしまったらしい。

なんとか立ち上がれないものか頑張るけど、パッションリップとの戦闘でのダメージもあって立ち上がれない。

 

「これって、レイシフトの時に使う」

 

「まさか貴様もコチラ側にいるとは驚いたぞ、ヒロキ」

 

「────! ヴリトラ!!」

 

「く、ひ、ひ、ひ。そう身構えるな、今のお前を襲うなどつまらんことはせん」

 

 突然私の前に現れたヴリトラ。だけど、ヴリトラに戦う意思はないらしく笑いながら私に近づくと刺さっているガラス片を……

 

「ほい♪」

 

「いっ!! なに、し、てぇっ!!」

 

「ほれ、ほれほれほれほれ♪」

 

 まるで雑草を抜くように私の身体に刺さったガラス片をこっちの苦痛なんて気にせずにひょいひょい抜いてくるヴリトラ。

抵抗しようにも身体は動かせないし、また気を失わないように我慢するのが精一杯……。

 

「これで最後かえ♪」

 

「はあ……はあ……あれ? 血が、出てない……?」

 

 結構深くまで刺さっていたから抜けば抜くほど出血すると思っていたけど、一滴も出ていない。

どんなにベリアルさんの因子で身体が強化されてるからって流石にそれはないだろうって疑問に思っていると、ヴリトラがあの特徴的な声で笑い出した。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。この程度、指先一つで出来るわ」

 

「…………ありがとう。でもどうして?」

 

「この先で面白いものが見れるからのぉ♪ それを見てお前がどのようにするか興味が湧いた、だから助けたまでのことよ」

 

 そう言ってヴリトラは私がまだ動けないことをいいことに、私のことを尻尾で巻きつけてその面白いものがあるという場所まで無理やり連れていかれてることになった。

 

 

 

 

 

 

 




ガウェ&博樹さんvsリップはもうちょっと書きたかったんですけどね。そうするよ流石に長くなっちゃうんで……。
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