【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜 作:ちょっつー
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『いいですか、プロテアカプセルは一度開放させたらこのちっちゃい状態には戻せません! ここぞって時に使ってくださいね♡』
……制約が私が融合獣と変身するのと一緒なんだよなあ。
まあ、プロテアちゃんの巨体じゃ探索も出来ないから小さくなって良かったって思ったほうがいいのかな?
本人も喜んでるみたいだし、気にし過ぎもよくないか。
そんな一幕もありながら準備を終えた私たちは、いつも通りにコフィンの乗り込んでアガルタへと向かった。
量子変換を開始します
レイシフト開始まで
3
2
1
全工程
「……臭うな。まだ馴染んでいない外の臭いだ」
その一言から、戦いが始まった。
誰一人はぐれることなくレイシフトに成功した私たちは、地上と遜色のないこの
この世界の影響なのか、そのサーヴァント【フェルグス・マック・ロイ】は召喚された全盛期の姿とはかけ離れた幼い姿、それに加えて今の年齢以降の記憶も持ち合わせていないという。
そんなフェルグスの案内の元で、近くにあるという街でアガルタの情報を少しでも手に入れようとしたんだけど、タイミングが悪かったって言えばいいのかな。
男性はみな檻か鎖に繋がれていて、2000年代には不釣り合いな所謂アマゾネスの格好をした女性たちに奴隷のように扱われ、連れて行かれそうになっていたんだ。
助けたい。その気持ちが強くても男の人たちを全員助けられるわけない。湧き上がる怒りと自分の不甲斐なさを感じながら一度街から離れようとしたその時、カルデアがサーヴァント反応をキャッチしたのと同時で、その声が届いた。
「貴様ら……ただの賊ではないな? 一体どこの手の者だ」
【退廃の水都】、【眩き塵の都】と次に繋がりそうな言葉を、恐ろしいほどの威圧感を放ちながら呟く相手、その格好から見るにアマゾネスたちの長っぽい。
そんな相手と敵地のど真ん中で戦闘をするのは避けたい、撤退するための時間を稼ぐのにアストルフォとデオンの二人を残して外壁へと向かうことにした私たち……。
「おとうさま、左からもきてます!」
「よっし! はあっっ!」
「ふふふ、これならどうかしら!!」
「っち! 邪魔するんじゃないよ!
「男の方もやるよ! 気をつけな!!」
ライムちゃんとフェルグス、そして頭にしがみついてるプロテアちゃんと一緒に戦う博樹さんで邪魔してくるアマゾネスたちに応戦しているんだけど、何だか彼女たちは時間を気にしているようだった。
「マシュ、こっちの時間って今何時くらい?」
『え? はい、地上での時間になりますけど大体午後5時を過ぎたくらいかと……』
(午後5時過ぎ……6時になにかある? それとも……
ググググ…………
「────ッ!? 今日は
「……怪獣の、声?」
そんな風に考えていると、岩が擦り合うような音と大きな歯ぎしりのような音が響いてきた。その音が聞こえるとアマゾネスたちは私たちのことなんて気にもしないで一目散に逃走を始めた。
『こちらでも巨大な生体反応をキャッチしました! ────! 対象、コチラに向かってきています!!』
「……ど、どうすれば!」
「立香ちゃん! 一旦外に出て様子を伺おう。相手が本当に怪獣ならそれがどんな怪獣が確かめないと!」
博樹さんのその言葉を聞いて、倒れている何人かの男性たちを助けながら外に出た私たちは近くの木々の中に身を隠して、様子を伺うことにした。
「マスター! 良かった、無事だったみたいだね」
「アストルフォにデオンも、無事で何よりだよ」
「ああ、あの呻き声のようなものが聞こえると彼女も正気に戻ったように逃走を選んでくれたからね」
ドシン! ドシン! と、大地を揺らす音が次第に近づいてくる。
二人の無事を確認して、息を潜めているとその怪獣がようやく姿を現した。
グガガガ、グガガガガガ!!
『あれは……』
「
四足歩行で、全身が岩で出来た怪獣。攻撃に用いるためか後脚よりも巨大な前脚持ってるその怪獣の名前を、カルデアが調べ上げるよりも先に博樹さんが名前を言い当てた。
『出ました! 【宇宙礫岩怪獣グロマイト】、ウルトラマンメビウスに登場した怪獣です!』
グロマイトは岩石や瓦礫を餌としている怪獣だからか、街へ到達するとグロマイトは容赦なく街を破壊し始めた。あそこにはまだ助けられていない人たちがいるのに……。
「…………」
「おじさま? 何か気になることでもあるのかしら?」
「う〜ん。立香ちゃん、あのアマゾネスの人たちさっき岩のほうが先って言ってたよね?」
「え? 言ってた! 今日は岩のほうが先だって!」
アマゾネスたちが退散するとき確かにそう言ってた。ていうことはカルデアで観測された通り、怪獣は2体いるのは確実ってことだよね……。
「ううう……」
「大丈夫ですか!?」
「あ、ああ……あんたらのお陰でな」
「すまない。苦しいのは理解しているがこちらの質問に答えてほしい。あの怪獣……岩の化け物のことを君たちは知っているのかい? 知っているなら分かる範囲でいい、話をしてくれないかい?」
「あ、ああ……。
助けた男の人はポツポツと話をしてくれた。ある日この地底世界に落ちてきた彼は、どうにか住む場所を見つけたらしい。だけど、そこで安心して生活していたある日、怪獣に襲われたのだと……。
「どこを襲ってくるのかとかはアイツらの気分しだいなんだ。だからここに落とされた男は朝も夜も安心出来たためしがねえ」
あの街以外にも何箇所街はあるみたいだけど、彼はそのどこも怪獣に破壊されて転々としてきた結果がこの街での奴隷のような生活だったみたいだ。
確かに、日中はアマゾネスにあんな風に扱われて、夜は怪獣たちに襲われないように警戒していないといけないからまともに眠れやしない。気が滅入るのも仕方ないよね。
「アイツらっていうことは怪獣はもう一体いるってことだよね? そのもう一体の特徴を教えてくれないかい」
「い、いいぜ。アイツ、顔はおとぼけてやがるんだが」
ピャアアアアガァアアア!!
「ひっ! よ、
「蘇る? ていうことはもう一体も!!」
甲高い鳴き声と一緒に、地響きが広がる。助けた男性が蘇るって言ったのを聞いて博樹さんが反応しているのの目を向けていると、マシュから巨大な反応が上空から飛来してくるという情報が入る。
「上空ってことは相手は飛べるの?」
『いいえ、この感じからすると……跳躍です! 皆さん振動に備えてください!!』
ここにいる全員が反動で飛び上がってしまうほどに大きな振動と共に、ソイツは現れた。
背中の少し盛り上がったコブが特徴的な、何も考えていないようなおとぼけた顔をした二足歩行の怪獣。
『リンドン!! もう一体の怪獣は不死身怪獣リンドンです!!』
ピャアアアアガァアアア!!
グググ、グガアアアアアッッッ!!
『!? 2体の怪獣が交戦を始めました! これは……?』
マシュの言う通り、グロマイトとリンドンは目と目が合うと両者とも勢いよく相手にタックルをくり出した。
2体の怪獣は何らかの理由で協力態勢をとっていると思ったけど……違うのかな?
「ああやって、場所なんて構わずにどっちかが死ぬまで暴れ続けるんだよアイツらは」
「一体何の目的で……」
「知らねえよ! 両方一辺に死んでくれたら一晩安全だから運がいい。けどどっちかが生き残っちまうと腹一杯になるまで喰い続けるんだよ……瓦礫の中に巻き込まれた人間がいようがお構いなしにな」
恐怖で全身を震わせながら、男性は私たちにそのことを教えてくれた。マシュの話を聞くにグロマイトは元々そういう食性だし、リンドンも警備隊の戦闘機を食べようとしたことがあるから食性が似ているかも知れないらしい。
『夜になると暴れ出す、お互い再生器官を破壊しない限り何度でも蘇ることの出来る怪獣、か……。迷惑極まりないねえこれは……』
「おとうさま、わたしがたおしましょうか?」
「…………いいや、今はまだ、様子見でいこう。マシュちゃん、リンドンの心臓とグロマイトの中枢器官、ベリアルさんの因子の反応がないかい?」
『えっ!? ……す、少し待ってください……。────出ました! あ、あります!! 二体の怪獣からベリアルさんの因子反応をキャッチしました!!』
「やっぱりか〜〜〜〜」
博樹さんが頭をおさえて落ち込んでる。やっぱりベリアルさんの因子が身体にある博樹さんは他の誰かが因子を持っていたら感じ取れるのかな? カルデアでもそれだけを集中して見ようとしないと見つからないようなものなのに……。
「ねえねえ、ベリアルの因子があるからってなんなのさ、アイツら別にすっごーいパワーアップしてるわけじゃないんでしょ?」
「調べてみないことにはわからないけど、新宿でのベムラーのようにベリアル因子の影響で目に見えた変化をするのとは違う。多分あの二体はいっちばん厄介な部分が強化されてる」
『ああそうか。お互いに殺し合っているならいつかのタイミングでどちらかの弱点を突いてるはず。それなのにグロマイトとリンドンは未だに生き続けている……そう言うことだね博樹さん?』
「はい。あの2体が持つ性質、何度も蘇る再生能力。正確にはその能力の中枢を担う器官が強化されています」
「「────それ、どうやって倒すの?」」
私とアストルフォの声が重なってしまうほどの最悪ぶり。元から強力でウルトラマンを苦しめた再生能力、その弱点がベリアルさんの因子で補強された怪獣が2体って……理不尽にも程があるでしょ!
あれ2体の対処に、この特異点の修正。やばい、今までで一番やばい特異点かもしれないよここ!!