【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜 作:ちょっつー
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【不死身怪獣リンドン】
ウルトラマンタロウに出てきた怪獣で、タロウに首を切断されても一夜にして再生してしまう。不死身の名前に相応しい怪獣だ。
その驚異的な再生能力の源は背中のコブに詰まっている再生細胞と、その細胞を身体中に張り巡らせるほど強靭な心臓だ。
タロウもお手上げで最終的にはウルトラの父がやってきて倒した怪獣だったんだけど……。
「爆散してもコブと心臓部に傷一つもない……それに」
コブも心臓も、ベリアルさんの因子がびっしりと張り巡らされていて脈動している。これだけ因子の影響を強く受けているっていうのなら、この地の魔力で強化されているグロマイト相手に互角の勝負ができるんだろうけど……。
「復活するのは日が暮れてから……。それは確定してる」
『そうだね。昨日も一昨日も同じ時間、同じタイミングで2体の怪獣は復活し暴れ始めた』
男性から話をしていると日が暮れはじめたため、もう一度2体の怪獣が戦うのを見ることになった。リンドンの吐き出す火炎は魔力を帯び強化されたグロマイトの岩石すら溶かしてしまうほどの高火力だったし、岩石を使って煙幕を張りあの見た目とは裏腹なレベルで俊敏に動き攻撃するグロマイトも脅威に感じた。
「どんなに強力でも弱点は解っているから融合獣になれば倒せないことはないと思う。だけど、この2体は魔神柱との関連はない」
『問題はそこだね。グロマイトとリンドン、2体の怪獣を倒したからといってこの特異点は修復されない。最悪なのは怪獣を倒した後、新宿のように最後の最後で新たに怪獣が出現することだ』
リンドンはタロウに倒され一夜で復活したから、グロマイトは1度目の戦闘の後に地底へ逃げたことからこの地底世界との繋がりはあるんだろうけど……魔神柱との関係性は無い。というよりもゲーティア本体なまだしも、魔神柱1体であれだけベリアル因子の影響を受けている怪獣を思い通りに操れるはずがないからだ。
『怪獣たちの恐怖によって安心した夜は訪れず、3つの国のどれがに助けを求めようにもその先も地獄か……。この地に落とされた人たちの苦労が見て取れるね』
「イースは水没したんですよね? その後は?」
昨日私がが男性と話をしている裏で、立香ちゃんたちは水の国イースを攻略していた。
地底湖に作られた水都。立香ちゃんたちと同じように侵入していた少女【不夜城のアサシン】が水の侵入を抑えていた水門の鍵を開けたことによって水の底に沈んだらしい。
『元より用意された終幕のようにも思えたけどね……。今はイースを攻略したその足で不夜城へ向かっているよ、君も今から向かえば間に合うと思うよ?』
立香ちゃんたちレジスタンス組は、イースを後にしたその足で不夜城へと向かっている。桃源郷の位置から不夜城だと距離が遠いという理由と、何でも不夜城のアサシンとなら話が出来るんじゃないかっていう立香ちゃんの考えを汲んでのことからだという。
「う〜ん。桃源郷に怪しいところはなかったんですよね? なら合流しても……っとどうしたんだいプロテアちゃん?」
「おとうさま、ここから離れたほうがいいよ」
プロテアちゃんが服を引っ張って教えてくれた。そう言うってことは理由があるってことだから詳しくは聞かずに2人を脇に抱え、出来る限り離れることにした。
『────うん。そこを離れたのは正解だったね。すぐ近くをアマゾネスたちが進軍している。留まっていたら最初の町のように交戦は避けられなかっただろう』
「そうか、教えてくれてねありがとうプロテアちゃん」
森の中に身を隠しながら通信を聞き、プロテアちゃんを褒めてあげる。あにバーサーカーの索敵範囲の広さは相当っぽいし、逃げるのが少しでも遅かったら気づかれていた。
『しかし、コイツは参ったね。アマゾネスの進軍しているルート、不夜城に続いているようだ』
「「「!!?」」」
立香ちゃんたちが危ない!!
「はあ! はあ!」
火の手が上がっている。もうアマゾネスたちの進軍が始まってるんだ、急がないと!!
「おじさま、あれ!」
「────っ!」
「え? うわあっ!!」
不夜城へと突入して目に入ったのはアマゾネスたちと不夜城の兵士? 面布で顔を隠した女性が戦っている姿と、この不夜城にいる男性たちはアマゾネスたちのお眼鏡にかなわなかったのか何も出来ずに殺されている。
そんな中でアリスちゃんが指さした場所に見えたには、まだ年端もいかない少年が震えながらナイフを手に持ち、アマゾネスと相対している姿だった。
このままじゃ殺されてしまう。そう思った私は彼を守るために前に立つ。
「なんだ貴様!!」
「10はいるか……アリスちゃん、プロテアちゃん。その子を連れて下がっていて」
「ええ、さあいきましょう?」
「え、待って! ぼくだって戦うん」
自分よりも小さい女の子2人に連れて行かれるのびっくりしてるだろうな。ま、こっちはこっちで集中するか!!
「っち! さっきの男なら許してくれると思ったのに……。まあ、アンタでいいか!!」
「悪いけど、身体も心も妻に捧げているんでね。君たちに渡せるものは一つもないんだ」
「そうかよ……ならそいつを奪うだけだ!!!」
普通の人間にはない膂力を持ってアマゾネスたちが迫ってくる。その動きを目を追いナイザーを使って応戦していく。数も数だし、何人かは私を無視して脇や屋根を伝って通り抜けようとしてくるけどそうはさせない。迫ってくるアマゾネスたちを素手で捌きながら、斜め後ろの建物2つに向けて光弾を放ち、私より後ろへ向かう道を閉ざす。
瓦礫となった場所を飛び越えればいけるだろうがそんな隙を逃す相手ではないと見抜いているのか、心底面倒くさそうに舌打ちをして私に襲いかかってくる。視覚は目の前に映る全ての敵を、物を捉えここが1番だと思った場所に攻撃を叩き込む。死角からの攻撃は聴覚、そしてベリアルさんとの特訓で何度も死にかけたことで覚えた死の恐怖、攻撃がそこまできていることを肌が感じ取ってくれる。
一瞬だって集中を切らすな宮原博樹!! 一瞬の隙が、少しでも大丈夫だと思ったその安堵が負けに、死に繋がってるんだ。何度も何度も何度も、心に叩き込まれただろ! 刻み込まれただろ! それを身体に叩き込んだ! 失敗しないように! 間違えないように!! ベリアルさんが教えてくれた私なら! 大丈夫だ!!
「────ほう、価値のない場所だと思ったが……少しは歯応えのある者がいるようだな」
「女お「退け」ッッ!!!!!!」
────!!!! 瞬間。全身に死の気配が広がってきた。何がくる? どんな攻撃が……そんなこと考えている暇なんてない!! 守ることに全霊をかけろ!!
「フンッッ!!!!!」
「がっ!!!! おっ、もっ!!」
両脚に力を込めて、全力で受け止める。そんなこと出来る攻撃じゃないと視て理解した。正面から受けたら大怪我は免れない一撃を、直撃するその一瞬に足を浮かせることで鉄球の勢いと共に瓦礫の中へと突っ込んだ。
「────ッ!!」
「おじさま!」
「アリスちゃん! 逃げるよ! 今彼女を相手にするのは得策じゃない!!」
幸いアリスちゃんたちが避難していた近くまで飛ばされた。すぐに起き上がって逃げる選択肢を選ぶ。SUITSを纏うなら戦えるかも知れない、だけど相手の真名も明確な戦力差もわかっていない状況で3分しか活動できない力を使うのは危険すぎる。
「逃がすわけがないだろう?」
「っ、(纏うか? 不意をついて一瞬でケリを付けるなら……)」
直感なのか、もう一つの鉄球を叩きつけながら一緒に迫ってきたバーサーカーに追い詰められる。卑怯かも知れないけどSUITSを使った一撃必殺で切り抜けようとも考えたけれど、何でかそれは悪手だと心が叫んでる。
────そんな時だった。
「な、なにあれ!?」
「流れ星かしら?」
「なんだ……? 何かが城に……」
「────────!!」
流れ星のように真っ直ぐに、立香ちゃんたちが不夜城のアサシンと戦っている城めがけて落ちていった。まるで吸い込まれるように、その場所に現れることで物語の幕開けを告げる怪獣のように……。
「アキ、レウス……?」
耳をつんざくほどの怒号が響く。目の前の彼女、エルドラドのバーサーカーが城へ突撃した何者かに向かって叫んでいた。先程まで理性のあった瞳は血走り、その一点しか眼中にないといった様子だ。
けど、アキレウスって……?
「ゔゔゔゔゔ…………があっ!!」
「あら、いってしまったわ?」
『そうかアキレウス!! 博樹さん、エルドラドのバーサーカーの真名がわかった!! ソイツの真名はペンテシレイアだ!!』
「え? ペン、テ……レイピア?」
『ペ ン テ シ レ イ ア だ!! トロイア戦争でアキレウスと一騎打ちして敗北したアマゾネスの女王様だ! アキレウスっていう英霊相手に彼処まで憎悪を抱いてる女王なんてペンテシレイア以外あり得ない!!』
長い横文字って覚えるの難しいんだよな。ダ・ヴィンチさんは今立香ちゃんたちのオペレーターをしているらしく、彼女の真名を教えてくれたのは職員のうちの一人であるムニエルさんだった。
ペンテシレイア、ペンテシレイア……。よし!!
そんな彼女は私たちのことを追い詰めたというのに目もくれず、城に向かって駆け出していった。
「それじゃあ、さっきの流れ星はアキレウスっていう英霊だったんですか?」
『んちょっと待ってくれ…………。は? おいおい嘘だろ……アキレウスじゃない!! 立香たちの前に現れたのはヘラクレスだ!!』