【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

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「アガルタ────いいえ違います。これなるは私の物語。狂王に全てを捧げた"娼婦"の物語。故にこそ、────()()()が相応しい」

 

 【空中都市ラピュタ】

 裏切りものだったコロンブス。アガルタを支配し、男性奴隷によって無限に増えることができる女性たちを変えのきく労働力とし、地上を支配しようとした。ダ・ヴィンチちゃんやデオンが彼のことを疑い続けていたし、博樹さんも彼の目を見てからずっと疑っていた。

そんな彼だったけど、シェヘラザードの妨害そして何よりデスシウム光線によって()()()殺されたヘラクレスを生き返らせるのに急激に魔力を吸い取られたことによって呆気なく倒れた。

 

 最後の最後まで諦めなかったし、散々好き放題して行って悪ぶれる様子もなく消えていくその姿に毒気を抜かれてしまったけど、それで終わりじゃなかった。

シェヘラザードがこの特異点を作り出した黒幕、魔神柱の依代だったんだ。

 

「謝罪も弁解もいたしません。ただ……こうする他に道はないのです。私は、私の全てをかけてこの世界の理を破壊します」

 

 【狂王が民を支配する世界】この地底世界はそんなシェヘラザードの生涯を再現した世界だと、通信越し現れたホームズが教えてくれた。数値上なんの異常も感知されなかった彼女だけど、何らかの方法で隠匿しことを運んだ。でもそれなら折角これだけ多くの駒があったのに私たちに倒させたのは何故? と思った矢先に起きたのがこの地底世界の浮上だ。

 

『召喚された英霊たちはこの地を浮上させるための魔力リソースだったってわけだね。だから倒させる必要があった』

 

「そう、その通りでございます。そして私は、このラピュタを地上の都市へ落とすことで"神秘の秘匿"を破ります」

 

 「2度と死にたくない」それが、シェヘラザードの願い。英霊として座に刻まれた彼女はいつかのどこかで召喚され、必ず死ぬ定めを負わされる。それが何よりも嫌だから、召喚されたくないから彼女は神秘の秘匿を破ることで英霊召喚

システムそのものを亡きものにしようと動いた。神秘の極めて薄いこの時代ならば空中都市という神秘の起こす大規模テロを起こすだけで秘匿は破られてしまう。

 

『"神秘の終わり"という特大の歪みを引き起こすことで本来の歴史に起こる最初の英霊召喚の失敗……そうすれば聖杯戦争そのものもなくなるだろうね』

 

「その先へ辿り着いてこそ、私は真に死の恐怖から解放されるのです」

 

 シェヘラザードのその願いは、間違いじゃないと思う。博樹さんがペンテシレイアの願いを間違いではないって言ったように、『千夜一夜物語』狂王の機嫌を取るために物語を語り続ける、死の恐怖と隣り合わせの千と一の夜の話。マシュが言ってたっけ、『王がシェヘラザードの献身によって改心した』この結末だけは明確に後付けされたものだって。だから彼女は……。

 

「実際のあなたは何も報われないまま────」

 

「やめてください!!」

 

 私と同じことフェルグスくんも思ってたんだ。だけどそれ言ったら地雷踏むってわかってるのに!! シェヘラザードも怒って沢山エネミー出してきちゃったじゃん! 

 

「みんな! 目標は"シェヘラザードの無力化"! あ。博樹さんは休んでて下さいね!」

 

『無力化? 討伐でなく?』

 

「彼女の救う方法一緒に考えてよホームズ、時間ギリギリまでさ。私より頭いいんだからさ」

 

『ふっ、これは難問だ。創作活動は専門外なのだがね』

 

「……救う? どうやって救うというのですか」

 

 どうにか出来ないか。そう動き出そうとした私たちの歩みを止めるように、彼女は心地の良い声色で語り始めた。

 

「私1人が座から消滅する方法など無い。数多の知恵を持つ魔神柱ですらそう答えたのに。この人類史に刻まれた数ある英霊たちの中で、英霊の座から去る事がかなったのはただ1人をおいて他にいない」

 

 それを私が1番知っているでしょうと、あの日の別れを思い起こさせるようにシェヘラザードが言の葉を述べた。

────ドクター。ベリアルさんの光線によってゲーティアと共にソロモンは英霊の座から完全に消え去ってしまった。

 

「ああ……()()()()()()()。私もそんな事が出来ればこんな苦労をせずにすんだというのに」

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「羨ましい……か。うん、そうだね。羨ましいよね」

 

「博樹さん……?」

 

『何を……』

 

 ドクターの最後の勇姿。あれが無ければ私たちは確実に敗北していて、誰1人今ここに立っていない。ベリアルさんの器となり、ゲーティアに引導を渡し消滅した。

程度のさはどうあれ立香ちゃんやマシュちゃん、カルデアの人たちもみんなまだそのことに関しては消化しきれていない話題だ。だからそこ言葉は何よりも効く。

だから、こういう時は大人の出番だ。

 

「貴女が魔神柱にどう聞かされたのか分からないけど。あの終わりは、別れはとても美しいもので、勇気ある決断だった。そして何より、"あの人"と一緒に行けるのなら私も一緒に行きたかった……」

 

「…………ウルトラマン、ベリアル……。狂王の極みのようなお方だとお聞きしました。そんな方と共にとは私はとてもとても」

 

「狂王か……。けど、私はそんな王に()()()()()。命を貰った、明日を貰った! だから、明日をもらうよ君たちを超えて」

 

 この世界はシェヘラザードの物語が反映した世界、この世界を構成する直前に魔神柱から彼らの話を聞いていたのかな? ペンテシレイアに少しだけベリアルさんの面影を感じたのは、それが理由かもしれない。

 

『私も、ベリアルさんから、ドクターから今を歩く道をいただきました』

「歩いていけって言われたしね」

 

『ここにいる全員が救われたんだからね。よしっ、立香ちゃん! 戦う準備はいいかい! ここからが最終決戦だ!』

 

「はいっ!!」

 

 よし。気落ちすることなく戦いに集中できてる。まあ彼女の羨ましいと私の羨ましいでは同じ場面のことでも感じ方が違うから話題のすり替えって言われればその通りだけど、このまま彼女の言葉に踊らされるのは嫌だからね。

 

「やはりこうする他ないのですね。ですが、貴方たちは一つ忘れていることがあるはずです」

 

【揺れる大地 眠れる獣は目を覚まし 役目を終えたその怪は 本能のままに その力を振い始めるのです】

 

ピャアアアアガァアアア!! 

 

グググ、グガアアアアアッッッ!! 

 

「リンドンにグロマイト!? やっぱり君が手引きしてたのか!!」

「私はただ役割を与えただけです。(そら)から飛来した彼らの心臓に術式を組み込んだだけのこと」

 

 言の葉と共に、2体の怪獣が目を覚ました。彼女がいうにはアガルタの地を構成してすぐに2体の怪獣が飛来してきた。辿り着いたころには一度死んでいたからそこにシェヘラザードは2体の心臓に【夜に目を覚まし人の集まる地で暴れる】という簡単な術式を組み込むことで暴れさせていた。ここが最終決戦なら融合獣に! ……いや、魔神柱が姿を現していないのになっていいのか……? 

 

「おとうさま!」

 

「プロテアちゃん?」

 

「わたし、たたかうよ!」

 

 融合獣になろうか悩んでいる私の袖を引くプロテアちゃん。確かにプロテアちゃんの力を解放させれば怪獣たちに対応できるかも知れない。だけど相手は2体、そして的確に弱点を突かなければ倒せない不死身の特性を持っている。できるのかどうか、そんな迷いの中で一つの可能性に気がついた。

 

「空中都市……浮遊島……プロテアちゃんの、カプセル……」

 

 確かプロテアちゃんはハイ・サーヴァントっていうあらゆる神話に共通する大地母神のエッセンスを元に創られたアルターエゴのサーヴァント。地球で生まれた怪獣も同じように大地から生まれたというのならプロテアちゃんは怪獣たちの母でもある。ならっ!! 

 

「アリスちゃん、プロテアちゃん、いくよ!!」

 

「ええ!」「うん!」

 

 アリスちゃんからベリアライザーを渡してもらい、装填ナックルに起動させたプロテアちゃんのカプセルを装填する。そして()()()()怪獣カプセルを追加で装填する。

 

【キングプロテア】

 

()()()()()()

 

【フュージョンライズ!!】

 

「んんん〜〜〜〜がお〜〜〜!! 

 

 そうして出現したのはプロテアちゃんの霊基にレッドキングの力を混ぜ合わせた姿。長い尻尾に強靭な腕、レッドキングが噛み付いているような帽子? を頭に被っている。両サイドに別れてドリルのように巻かれている髪はオシャレ……なのかな? そして目が惹かれるのが顔や露出している肌に現れた黒い稲妻のような紋様。ベリアライザーを通した変化だったからなのか、プロテアちゃんもベリアル因子に適合している。

 

「わ〜プロテアちゃんかわいい〜」

 

「あはははは!! 何あれ着ぐるみ!? おもしろ〜い!!」

 

「……これが貴方の奥の手ですか? あの2体の怪獣に勝てるとは思いませんが……」

 

「ここが物語の世界で、物語の力が強く反映されるならこれ以上ないくらいだよ」

 

 可愛らしい姿にシェヘラザードも侮っているようだけどそんなことない。”浮遊島”に”複数の怪獣”に”レッドキング”が揃ったんだ、今のプロテアちゃんは────

 

 

災の神とさえ呼ばれた怪獣

 

どご〜〜〜ん!! 

 

 【装甲怪獣レッドキング】突如出現した謎の浮遊島に封印されていた文明を滅ぼした"災いの神"と恐れられた怪獣。一度はマックスを追い詰めたけどマックスの最速の前に敗れてしまったけど、複数体の怪獣を前にしたレッドキングに、負けはない。

立香ちゃんたちの方もついに姿を現した魔神柱【魔神フェネクス】と戦っていて手が離せないし、こっちはこっちでやらなくちゃ! 

 

え〜い!! 

 

ピャガアッ!! 

 

グググ……ガアッ!! 

 

 グロマイトの放つ岩石を軽々キャッチしてリンドンに投げ飛ばして吹き飛ばす。岩石が通用しないとみるや突進を繰り出してきたグロマイトのことは両手で軽々と受け止めると、その巨体を持ち上げ地面に叩きつける。

 

ピャガアアアアッ!! 

 

む〜熱いけど効かないぞ〜!! 

 

 リンドンの放つ熱線にも怯まない。両手をクロスすることでガードしながら接近し熱線を吐き終えた瞬間に手の指を交互に組み、レッドキング怪力を持ってリンドンの顔面に組んだ拳をハンマーのように殴りつけた。戦闘能力は圧倒的にこっちが上。だけどあの2体を止めるには再生能力の源を断つしかない! 

 

「────ッ、プロテアちゃん後ろだ!」

 

えっ? きゃあああ!! 

 

 このまま奴らの再生器官を潰せば倒せる。そう思っていると、背後から熱線が襲ってきてプロテアちゃんに直撃する。

 

「うっわっ! 怒って見境なく攻撃したんじゃなかったの!?」

 

『クハハハハ! 我委細承知、我ら擊ちその器 侮りがたきその存在』

 

 だから一才油断はしないっていうことか……。まあそれはそうか、ベリアルさんによって滅びかけたんだから何より警戒するのはその力を今なお引き継いだ私だよな。だけど! それで立香ちゃんたちから目を離すのは間違ってるぞ。

 

「ッ────!! クゥウウウウ!!!!」

 

「!! フェネクス!!」

 

 立香ちゃんが自分の指先に魔力を溜め込み始める。あの感じ……令呪1画分の魔力だけじゃない? 危険を察知したのシェヘラザードがフェネクスに指示を出し立香ちゃん目掛けて攻撃をしかける。

 

「私にはみんながいること忘れたのフェネクス!!」

 

「守るべきはずマスターが切札になる。この世界において、そうとうな意外性だろう? アストルフォ!!」

 

「ほい来た!!」

 

『理解不能! 貴様がマスターの護衛を放棄するだと!?』

 

 フェネクスの放つ熱線は、デオンくんが立香ちゃんのこと抱き上げて回避した。そして主を守る立場にあるデオンくんが立香ちゃんを高く放り投げると、そんな彼女をヒプグリフに乗ったアストルフォが受け止める。

 

「な〜んだ普通に話せるんなら最初からそうしてよね〜。ど〜だ面白いだろ〜これが意外性ってやつだよ〜〜!!」

 

『オオオオオッ!! しかし!! 貴様の能力の可能回数は僅かだろう!!」

 

「そんな分かりきってること言ったってつまんないだけだよ〜っと!!」

 

 【次元跳躍】、一時的に異なる次元に跳ぶことであらゆる攻撃を無効化できるヒポグリフの真の能力。無茶苦茶燃費が悪いってのは前々から聞いていたから知ってることを声高らかにフェネクスが叫んだところでそれは()()()()()か。

 

『(ならば直前。あのマスターが魔術を放つ際に実体化するその一瞬をつく!)』

 

「とかとかなんとか思ってるんでしょ〜。ばあ!」

 

『オオオオオッ!!』

 

「残念、それも残像だよ」

 

「フェネクス! 後ろです!!」

 

 いつの間にか、本当にいつの間にかヒポグリフの背中に乗っていた立香ちゃんがいなくなっている。立香ちゃんは地面に落下しながらその指先をフェネクスへと向いている。

 

「それだけ目があるんだから、もうちょっと視野を広くもった方がいいよフェネクス。【穿て! ガンド!!】」

 

『があっ!? グオオオオオオッ……』

 

「か〜ら〜の〜! 【令呪を持って命ずる!! 魔神柱をぶっ倒せ!! アストルフォ!!】」

 

「オッケーマスター!!!! ハアアアアアアアアアアアァ!!!!」

 

「2人とも〜着地おねが────い!!」

 

『や……めろ、来るなッ!! 来るなあっ!!』

 

「それってあれでしょ? 押すなって言われて押すやつ!! いいじゃん、君も少しは面白いこといえるんじゃないか!!」

 

 立香ちゃんの魔術による拘束。身動き一つ取れなくなったフェネクスは令呪から送られた魔力を全て解放させたアストルフォの一撃を避けることも反撃することも敵わず直撃し、消滅した。

流石立香ちゃん。ならこっちも!! 

 

「終わらせるよプロテアちゃん!!」

 

おお〜!! 

 

ガアッ、ガガガ! 

 

「丁度いいハンマーだ! グロマイトの尻尾掴んじゃえ!!」

 

 グロマイトを飛び越え、その尻尾を持ち上げて持ち上げる。グロマイトが生成した岩石はベリアル因子が含まれた強固な岩。だったらそれを最高の武器に変えてしまえばいいんだ! レッドキングだって岩石を武器に戦うんだからね! 

 

は〜! どっごおおっっん!!! ばっごおおっっん!! 

 

ピャガッ! ピャガガガッ!! 

 

 両手で握った尻尾を持ち手にしてリンドンに鈍器としてぶつけていく。リンドンに攻撃の隙を与えないように振り回していく。けど、同じような攻撃を続けるのは()()()()()んだろ? 

 

「プロテアちゃん! グロマイトを叩きつけて肩と背中のでっかい岩石を砕いて武器にするんだ!!」

 

うん! むむむ!!! どりゃあああ!! 

 

「それをリンドンの心臓! そして背中のコブに突き立てるんだ!!」

 

 グロマイトの大きく突き出た岩石。岩石の再生速度を考えると1番大きいあの部分に因子が多く含まれてる。その部分を切り取り、リンドンの再生器官である心臓と背中のコブに突き立てる。

だけど突き刺しただけじゃだめだ! 因子で強靭に強化された再生器官を完全に停止させるには、もっと深くだ!! 

 

むん!! ええええいい!!! 

 

ピャ……ガガガ! ガアアアア!!! 

 

 心臓に突き立てた岩石に思い切り拳を叩き込み、浮かび上がったリンドンの背中のコブを両手で地面に向けて思いっきり叩きつけた。これでリンドンは完全に倒した……と思ったけど最後の抵抗なのか熱線を吐き続ける。

 

「まだいけるねプロテアちゃん! リンドンの熱線、首の付け根にぶつけるんだ!!」

 

うん!! うりゃああああ!!! 

 

ガガガガガガッッ!!! 

 

 レッドキングの力なら正面からグロマイトの岩石の鎧を突破できるけど長ったらしくなっちゃう戦いはしてられない。リンドンの熱線をグロマイトの中枢器官に届く首の付け根に押し当てる。

 

「さあ! これで終わりだ!!」

 

うううう!! ばっご────ん!!! 

 

 助走を付けたドロップキックを受け、完全に弱り果てたグロマイトは爆散し側にいたリンドンの死体も巻き添えをくらうように爆散した。

 

 

 

 

 




キングプロテア(ver.レッドキング)
 プロテアのカプセルとレッドキングの怪獣カプセルをリードしフュージョンライズした姿。見た目は怪獣娘のレッドキングのプロテア版である。
べリアライザーを通しての変身でもあるためベリアル因子を含めた強化であるため怪獣相手にも引けを取らない。

 今回に限っては、マックス版のレッドキングの逸話も合わせて引き出されているおかげでリンドン、グロマイトを相手にしても勝つことが出来た。

 やろうと思えば他の怪獣とのリードも可能であるが、プロテア自身因子との相性がいいという訳ではないが、ティアマトの生命の母との結びつきによる補強で保っているためもしも次があるならばその時も地球産の怪獣を使うことになるだろう。

グロマイト、リンドン採用理由。
 不死身系怪獣は沢山いるがグロマイトは地底に逃げたことに登場回が「不死鳥の砦」だったりメビウスといえばフェニックスというフェネクスとの繋がりから。リンドンにいたってはメビウスがタロウの弟子部分からの採用。

なんであと一体もメビウス関連だったり?
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