【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

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「うあああプロテアちゃん退去しかかってる! カルデアに戻ろう!! BBちゃんお願い!!」

 

『え!? ちょっとプロテアのその質量一気にこっちに来るのはきゃあああああああ!!!』

 

 ゴモラとの合成はやっぱり相当な負担だったか。ゴモラとの合融合も解け、今にも消えかかるプロテアちゃんのことをカルデアに、BBちゃんに任せて帰還してもらった。

 

((まさか怪獣たちもやられてしまうとはな……))

 

「やっぱり生きてるよね……。不死鳥なんだから、あの2体みたいに弱点的なの突かなきゃっては思ってた」

 

 立香ちゃんたちが倒したと思われた魔神フェネクスが、シェヘラザードの影から再度姿を現した。今度は魔神柱の姿ではなく、ゲーティアに似た人形の姿で。立香ちゃんの言うとおり生と死を司っていて、あの最終決戦からも生き延びたんだから何か決定打がないと完全に倒しきるのは不可能か……。

 

((我の願いは死からの解放。シェヘラザードの願いと同一の物だ。それ以外何も望まぬ))

 

「他の魔神のようにはいかない……ってこと?」

 

 フェネクスが本当に死ぬには人類史から不死鳥フェニックスの概念をも無くさないと存在自体が消滅出来ない。だからフェネクスとシェヘラザードは同胞になれた。

 

 だから諦めてほしいと頭を下げて懇願してくる。何度倒しても無限に生き返ることが出来るフェネクスは諦めないから、そして2人を倒すことが出来ても倒した英霊たちのエネルギーを動力として動きているラピュタの止まらないと。

 

「どうか諦めてください。あなた方どう足掻こうとも、もう物語の結末は変わりません」

 

「いいやまだだ! 私が融合獣になればこの島を破壊できる!」

 

((それは我が封じよう))

 

 ゴゴゴ! とフェネクスの言葉と共に地面が揺れ出すと、黄金卿のあった地面から何かが飛び足してきた。()()入ってる? あれは……水晶の棺桶?

 

()()()()()!? いいや違う、グローザ星系人か!!」

 

「ま、マシュ解説!!」

 

『は、はい! グローザ星系人はウルトラマンメビウスに登場した敵グローザム。その出身がグローザ星であるため他個体のことはグローザ星系人と呼ぶそうです。その特徴は……っ!!」

 

()()()。リンドンやグロマイトのとは違う、条件なく再生することが出来る本当の不死身だ」

 

((そうだ! 始まりはコイツだったのだ!! この地に飛来し、力の全てを使い果たしたコイツの精神を侵食し! 我の容れ物にすることを可能にした!! 存外、相性も良かったようだしな))

 

 生と死を司る魔神。生命の炎のほうじゃなくて死を司る氷と不死身が惹かれあったから、フェネクスはあの宇宙人を容れ物することが出来たってこと? フェネクスがそう言ってグローザ星系人の中に入ると、銀色の体に赤いラインが入り、身体中に魔神柱の目玉が出現する。

そうして水晶ではなく氷の棺桶が壊れ、地面に降り立ったフェネクスは声高らかに名乗りをあげる。

 

((我は永怨(えいえん)のフェネクス!! 真なる死の訪れを求めんもの!!))

 

『……博樹くん。頼めるかい?』

 

「はい。()()()も怒っているみたいなんで……」

 

 カプセルを選ぼうとした時、まるで自分を使えと意思を持つように私の手に収まったそのカプセル。アイツが氷結のグロッケン本人なわけでもないし、このカプセルがベリアルさんの配下だった彼ではない。

 

(それでも見過ごせない。そうだろ()()()()()!!)

 

 【暴君怪獣タイラント】7体もの怪獣のパーツを繋ぎ合わせて完成したかのウルトラ6兄弟をも圧倒してみせた最強の怪獣。そして、ベリアルさんの配下であrダークネスファイブが1人、極悪のヴィラニアスの連れていた相棒。つぎはぎだらけの世界に、かつての仲間によく似た相手。運命なのかもしれないな。

 

「昔からバッドエンドは嫌いでね。ここからは、ハッピーエンドまで一直線だ!!」

 

 タイラントともう1本。本当ならレッドキングを使いたいところだけど生憎タイラントを構成する1体に入ってるんだよな……。ここはお前だ、いくぞ!!

 

【タイラント】

 

【ゴモラ】

 

【フュージョンライズ!!】

 

「があっ! はあああああああ!! はっ!!」

 

 以前のように全身に激痛が走る。その痛みに耐えてライザーの起動スイッチを力強く押し込み解放させたその力を取り込み、ベリアル融合獣へとその姿を変える。

 

【ウルトラマンベリアル! ()()()()()()()()()()()()()

 

グガアアアアアアアッッッ!!! 

 

────最後の戦いが、始まる。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

「ふふふ、ああたのしいわ! とてもわくわくドキドキするんだもの!」

 

「あなたは……」

 

 2体の怪獣の最終決戦。大きな翼の生えたゴモラ? って言えばいいのかな? それ以外の怪獣の要素あるにはあるんだろうけど、そんな博樹さんが変身したベリアル融合獣【ストロング・ゴモラント】とフェネクスとの戦闘が始まった。

見届けるしかない、結末の決まった物語にどうして抗うのか? そう苦言を呈したシェヘラザードの前にライムちゃんが、()()()()()()()()()()()()、うれしそうに駆け寄っていく。

 

「結末の決まった物語ほどつまらない物語はないわ。最後の最後までどうなるのかわからないから物語はおもしろいのだもの!! でも残念なことがひとつだけ。読み聞かせてくれる語り部さんがちっとも楽しそうじゃないの、それじゃあ折角のたのしいお話もつまらなくなってしまうわ」

 

「私はただ言の葉を綴る語り部です。私はただ死にたくなかったから……結末を後回しにし続けた……そこにたのしいなどという感情は、ありません」

 

「そうかしら? そうなのかしら? でも、あなたの語った物語はそうでないと言っているわ」

 

 そっか……。ライムちゃんはおとぎ話のサーヴァント、長く語り継がれた千夜一夜物語もおとぎ話として語られることもあるからライムちゃんの中にシェヘラザードの語った物語も……内包してる? ライムちゃんが手をかざすと、シェヘラザードが戦闘で使用してきた巻物、彼女の物語が綴られたが出現し、その中の登場人物たちが一斉に姿を見せた。

 

「……彼らは、私が空想中から生み出した……登場人物でしかありません」

 

「ええそうね。だけど、本当にこの子たちはあなたの紡いだ物語?」

 

「……え?」

 

「『たすけてあげて』『すくってあげて』この子たちはず〜っとわたしにそう語りかけてくれていたわ」

 

「そんな……ことは……」

 

 シェヘラザードを囲む、まるで抱きしめるように守るように現れたアラビアンナイトの登場人物たちのうれしそうな表情を見て、私はライムちゃんの言いたいことが何となくだけどわかった気がする。

 

「千夜一夜の物語は編纂された物語。悲しい結末がいやで、幸せな結末に至るように書き足されていった物語」

 

「そう、正解よ立香。かなしい終わりのあなた? この子たちはたくさん見てきたの、やさしい、しあわせな結末のあなたを」

 

『変化し続けた物語』こうすればおもしろい、あんな終わりは嫌だからこういう結末にしようって……沢山の人が語ってその度に色を変える。悲しい終わりを迎えたシェヘラザードだけど、物語であるみんなは違う。語り継がれた沢山の人の『こうあって欲しい』が詰め込まれたみんななんだ。

 

「だから何だと言うのですか!! それを知ったからといって、死の恐怖からは……逃れられない……」

 

「ならそれをこえてしまう物語をつくってしまえばいいのよ。だってあなたは千夜一夜物語(このこたち)語り部(マスター)なんだもの、誰より変えていいのよ。それこそ最高のハッピーエンドがいいわ!」

 

「…………」

 

((そんな言葉に惑わされるなあああああああ!!!))

 

 シェヘラザードの心に迷いが生じはじめていることに気づいたのか、フェネクスが私たちに向けて冷気を吐き出してきた。けどそれは同じように吐き出された火炎によって封じられる。

 

《邪魔するなよフェネクス!! お前だって本当は楽しかったんだろ! 彼女の語る物語が! 一緒に考えた計画が上手くいって、何も思わなかったなんて言わせないぞ!!》

 

 ゴモラントの方は何を言っているかわからないけど、両腕の剣を伸ばしてこちらに突撃してきたフェネクスを、斧と棘の付いた鉄球が合体したような尻尾で殴り飛ばした。

 

「確かにそうじゃのお。一度は手放した国、次こそはと思うのは間違いではなかろう」

 

「君はっ!!」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

((ハハハハハ!! 無駄だ無駄だ!! 怪獣に詳しい貴様は誰よりも理解しているはずだ!! この私を殺すことは不可能だ!!))

 

 炎で溶かしても、尻尾や頭突きで砕いても再生する。GUYSの【マクスウェル・トルネード】で消滅させられてもいつの間にか復活していた。このままじゃジリ貧だ、先にラピュタを破壊しようにもフェネクスが邪魔をしてくる。

 

((!! なんだ!? 何が起こった!!))

 

《あれは……フェルグスくん?》

 

 突然ピカッと光輝やいた。光が収まるとそこにいたのはフェルグスくんのようで……何かが違う。圧っていうのかな、今まで一緒にいた時には感じることのなかった力が、離れていてもバシバシ伝わってくる。

すると、宇宙船のような謎の円盤に乗ってきた立香ちゃんが私の隣で大声を上げる。

 

「博樹さ────ん!! フェルグスが! ラピュタを破壊する────ー!!!」

 

((させるものかあああああっ!!!!))

 

《そうか!!》

 

 奴を完全に消し去る方法、思いついたぞ!!! ラピュタを壊させまいとフェルグスくんへと向かっていったフェネクスのことをストロング・ゴモラントの能力である重力によって地面へと叩きつける。

 

((ゴガァッ!! これは、毒!? まさか武則天を仕損じていたのか!! シェヘラザード!!!))

 

《ああそうか。死なないてことは一生毒の苦痛を浴び続けるってことになるのか。じゃあ、もっともっと苦痛に溺れろ!!》

 

 叩きつけた先が偶然だったのか、あっちが狙ってくれたのかわからないけど毒の苦痛を叫ぶ。逃げようとするフェネクスに更なる重力を掛け、逃げられないように()()()()()してしまうほど強く地面にめり込ませる。

 

「真の虹霓をご覧にいれよう。【極・虹霓剣(カレドヴールフ・カラドボルグ)】」

 

 フェルグスくんを中心に螺旋の魔力が広がり、収縮していく。ドリルのような螺旋の回転によってラピュタは崩壊を始め、大地と繋がっていたフェネクスの身体も崩壊を始める。螺旋に身体を引き裂かれ、終わることのない毒の痛みに悶えながらもまだ、フェネクスは諦めようとしない。

 

((まだ!! まだだ!! この宇宙人の底なしの再生能力なら私は何度でも甦る!! ラピュタが崩れようと私が都市部を襲撃するだけで!!))

 

《させないよ》

 

「……()()。あとは任せた」

 

 強く頷く。一度解放させた宝具が止まることはないため、フェルグスくんとシェヘラザードのことを掴み肩に乗せると私はラピュタ全体が見渡せる位置まで翼をはためかせ飛んでいく。

 

グゥゥゥ、グガアアアアアアアッッッ!!! 

 

((ま、まさか!! ガッ、や、やめ!? た、たすっ!?))

 

 四方八方。ストロング・ゴモラントの力を完全解放させネズミ1匹だって逃げ場所を与えないように重力を押し当て、粉々になったラピュタとフェネクスのことを一つに纏め、圧縮し続ける。

 

《超極小のブラックホールだ。消えてなくなれフェネクス》

 

 そうして生まれたブラックホールに吸い込まれ、フェネクスは残骸すら残らず消えてなくなった。このまま肥大してしまう心配もあったけどそこは怪獣の謎パワーなのか、消えろと念じてみたら簡単にブラックホールは消滅し辺り影響を与えることはなかった。

 

「は、ははははは!! どうだシェヘラザード!! こんな理解不能なことも起きる世界だ!! 一度の結末など塗り替えてもバチはあたらんだろ!!」

 

「……フフフ、それは……そうなのかも知れませんね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ベリアル融合獣 ストロング・ゴモラント
 ゴモラとタイラントの怪獣カプセルを使用することで変身するベリアル融合獣。個人的にはデザインが1番かっこいいと思ってます。

 ゲーム限定融合獣たちを出したいという思惑があり、ラピュタの完全消滅もかねての採用。最後のブラックホール生成は特撮系あるあるのなぞパワー作用なので地上や地球へのダメージは一つもありません。

 必殺技は口から火炎を吐き出す『ハイパーデスファイヤー』とバラバの武器が合体した尻尾による『バラバラバテール』そして重力を自在に操る『グラビトロプレッシャー』

グローザ星系人 永怨のフェネクス
 不死である自分を恨んでいるフェネクス命名。元のグローザ星系人はベリアル因子の影響を受けても暴走せずに制御できていたという強者だったのだが、アガルタにつくまでで力を使い果たしたためにフェネクスに乗っ取られてしまった。乗っ取られる前だったらストロング・ゴモラント相手でも善戦、もしくは勝利していたかもしれない。

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