【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

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感想、評価お待ちしてます。
今回で登場怪獣が……






「「お金がなくて稼いでた?」」

 

「はははは〜」

 

 この世界に迷い込んだもう1人のマスター、朝倉リクくんと合流することが出来たけど彼、お金がないから団子屋さんで働いていた。洋服は目立つからって今は和服に着替えてるからあそこで偶然出会わなかったら気づけなかった。

まあ、今はこうやって落ち着いて話をしてるけど。あの後色々あったんだよね……。

 

『どぉぞどぉぞお店(ウチ)で遊んでいってくださいなぁ♡』

 

『貴女様は私の運命の御方……好き』

 

 色々……色々ありすぎだよぉ!!玉藻の前や清姫に姿は同じなのに魔力は感じない、武蔵ちゃんはここが私が"夢を通して見てる世界"で"意識"で見てる世界だから他人を"似てる知人"に当てはめてるって言ってたけど困惑するよ!おたまさん(玉藻の前)はそういうお店に連れ込もうとするし!清姫の方はここ下総国を治めている人のご息女だしで!!それに……

 

「え〜と、立香、その忍者みたいな人は大丈夫なの?」

 

「え、ああうん!それじゃあ英霊剣豪のこと聞かせてもらっていいかな?」

 

 私たちの目の前で眠っている彼────風磨小太郎は、さっきの2人とは違う正真正銘のカルデアのサーヴァント。唯一彼だけがレイシフトに成功したみたいだけど消耗が激しかったのか私のことを見つけてすぐ倒れてしまった。今はおたまさんの店の部屋を借りて魔力を送りながらリクくんの話を聞くことにした。

彼は何もただ働いていただけじゃない。棒手振りをしながら城下町を回って情報を集めていたという。

 

「ここの人たちの話題の中心。だけど誰も彼もが噂だっていって信じようとしてないってところかな……。本当だったら江戸から侍が来てるはずなのにきてないっていうのも理由の一つみたいだ」

 

 話を聞きながら私はリクくんのことをよく観察する。うん、記憶違いじゃなければマスター候補の人たちの中に彼のような顔立ちの人はいなかったはず。でも右手に令呪があるのはたし……か?

 

(令呪がぼやけてよく見えない?これも夢の影響?)

 

「英霊剣豪に関係あるのかわからないけど……()()もこの世界の異常に関係あるのかも知れない」

 

「あれって空の虹のこと?」

 

「"逆さ虹"ってヤツね。地震の前触れとか雨が降る前触れとか言われてるわね」

 

 アーチを描く虹とは真逆、上下逆さまに出た虹のことをリクくんは言ってる。確かに珍しい現象だけどあれって何か条件があって出現する気象現象だから……そんなに気にしなくてもいいんじゃ。

 

「"天に数多の虹が輝く時、それは現れる"。お年寄りの何人かがそう言ってるのを聞いたし、赤い月が出たら出現する英霊剣豪とは違うけど、どこか似てるような気がするんだ」

 

 確かに、心配になりすぎるくらいがいいのかも知れない。あの逆さ虹も敵が用意した儀式かも知れないって思って望んだほうがいいってことだ。

 

「はいはぁい!真面目なお話はおしまいですか?」

 

「あ、それじゃあ僕はこれで失礼するね。まだ仕事が残ってるんだ、いこうかおぬいちゃん、田助」

 

「え?お姉ちゃんたちは?」

 

「いいのいいの、それじゃあ失礼しました〜」

 

「ちっ。それじゃああなたさま方にはおたま特性御膳いただいてもらいましょうか〜♡」

 

 え?リクくん。なんでそんな笑顔で退出していくの、確かにこういうお店におぬいちゃんたちがいるのはよくないのかも知れないけど……え、なんかおたまさんの顔怖いんだけど?え?え?

 

「兄ちゃま、お姉ちゃんたちのこと置いていってよかったの?」

 

「いいんだよ。僕は村正さんに怒られたくないしね……」

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 捨てられた寺院の中、息も詰まる殺伐としてその中で淡々とランサー・プルガトリオが消滅したことを首魁らしき人物に報告するが、さして気にしていないように見える。

 

「〜〜〜っ小癪っ小癪な小娘どもめ。やはり既に形を成した霊基に埋め込むには浅かったか……!」

 

「なに、さして障わない」

 

 胤舜を英霊剣豪を堕とした巨漢の呪術師が悔しそうな声を出すが、首魁である妖術師は気にも止めずにその左腕に嵌められている()()()()()の一つが光り輝いているのを見つめている。

 

「プルガトリオは己が役目を見事果たした。自らが死に果てたその後も贄となり彼奴は見事"厭離穢土"そして"虹の神"の贄となった」

 

「…………いややわぁ、あの腕輪……」

 

 英霊剣豪のうちの1人がまるで()()に嫌悪するようにいうが、妖術師にその言葉は届いていない。届かせようとも思っていないだろうが……。

 

「ンンンン!ああ嵐がきますぞ!!この地を洗い流すほどの大嵐が!!」

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

憎い

 

憎い

 

憎い

 

憎い

 

 火だ、全てを燃やし尽くそうする業火。怒り、憎しみ、怨み、そして……。

 

「…………」

 

「いるわ、奴ら」

 

 何かを感じて目を覚ますと武蔵ちゃんも目覚めていて、英霊剣豪がこの土佐に現れたことを教えてくれる。酷く焦げくさい妖気、武蔵ちゃんほど上手くは感じ取れないけど何かが燃えている臭いがするのは同じだ。

 

「はああああっ!!!」

 

「リクくん!!」

 

「2人とも!?ごめん、数が多いんだ!」

 

 武蔵ちゃんと2人で妖気を感じた場所に向かうと既に洋服に着替えたリクくんが戦闘を始めていた。村正さんが言っていたように扇状の武器を手に炎が亡霊の形を成した化け物を倒していた。彼の言う通り相当な数がいるみたいだから武蔵ちゃんはすぐに加勢に向かい、私は指示のために後ろに控える。

 

「ヒュー、おじいさんから聞いてたけどなかなかやるじゃないリクくん!」

 

「ちょ、軽口叩いてないで……真面目にやってくださいよっ!!」

 

 ()()()()()とは戦いなれてるのか、武蔵ちゃんが加わって余裕ができたリクくんは辺りにいる化け物たちをスムーズに倒していった。武蔵ちゃんと同じで戦えるとは聞いてはいたけど予想以上だ戦えるマスター、なんだか博樹さんを見ているみたいだ。

 

「っと、これで終わりかしら?まあ、そうはいかないわよね()()()()さん?酷い臭いよ」

 

「そう。貴女が新免武蔵ですか……はじめまして」

 

 化け物を倒し終えた私たちの前に姿を現したのは、鬼の角のような頭飾りをつけた女武者。話し方はとても丁寧に見えるけど……その目は正気じゃない。

 

「そのように匂いますか、私は。では、今度からは香を焚くといたしましょう」

 

「何が目的なんだ!こんな町の真ん中で暴れ回るなんて、何か理由があるんだろ!」

 

「はい?そうですね、私のことでしたら……憎いから燃やすのです。なるべく多くの命を、人を民草を、怨敵を……日の本を徳川なるものを……!私自身を薪として……燃やすだけ!!」

 

 「なので皆さまご機嫌ようさようなら」その言葉が戦いの合図だった。相手が火が空に向かって燃え上がるように高く飛ぶと、得物である弓に炎に燃えた矢を構え、こちらに放ってくる。

 

「我が忌み名は"アーチャー・インフェルノ"貴方方を屠るモノとして訪れた次第です」

 

「炎!まずい、こんなところで放たれたら!!」

 

 炎の弓矢で相手を怯ませ瞬く間に接敵し、刀や薙刀を持ち替えて攻撃してくる。此方が反撃しようにも相手は陽炎のように炎となって姿を隠す。────強い、自分の持ち味をその炎を最大限に生かした戦い方。これは長期戦になればなるほど不利になる……。

 

「はは!ええ燃やします!燃やし尽くします!願いも、想いも、繋がりも!すべてすべて私の炎で焼き払って差し上げましょう!!」

 

「っ!させるかあっ!!」

 

 武蔵ちゃんに薙刀を振り下ろそうとしたインフェルノの攻撃をリクくんが横から割って入り彼女の腹の甲冑に飛び膝蹴りをぶつけ吹き飛ばす。

 

「ありがとうリクくん!」

 

「武蔵さん!一撃、一撃だけだ!!アイツの炎、僕が全部払うから真っ直ぐ突き進んでください!」

 

「はははは!!面白いことをいいますね!!私の炎は、誰であろうと燃やし尽くします!!貴方にそれが止められるものですか!!」

 

 リクくんの言葉にインフェルノが思考性を持った炎の渦、そして炎の矢が此方に向かって襲いかかってくる。それを見てリクくんは対抗するためなのか武器を腰の位置に持っていき、足を大きく開いて構えをとる。あれ?リクくんの目一瞬()()()()()

 

()()()()()()()。お前の炎なんかが、簡単に消せるものじゃない!!はあああああああああああ!!!」

 

「────ッ!?」

 

「お見事!!」

 

 衝撃波。一回転するほどの強い勢いで振りかぶった武器から放たれたその一撃は宣言通りにインフェルノの炎を吹き飛ばし、インフェルノに隙ができた。リクくんを信じて突貫していた武蔵ちゃんはインフェルノの寸前まで迫り、業を断つ刀が……届いた!

 

「うっ!!」

 

「フフ、恐ろしい刀をお持ちなのですね」

 

 届かなかった……。あと一歩で届くといった所で刀の真意に気づいたのか武器での反撃ではなく今度はインフェルノからの蹴りの反撃。流石の武蔵ちゃんでも反応が遅れてしまい顔面にその一撃を喰らってしまい刃が届かなかった。

 

「ああ、我が炎を払われるとは思いませんでしたが……お陰で言いつけを思い出せました。"この町は……まだ殺してはいけない"と。気が急いでうっかりしていましたね」

 

 まるで炎の揺めきだ。薪を焚べれば焚べるほど強く大きく燃え上がり暴れ狂う。リクくんが一時的にでも炎を払ってくれたお陰で最初のような落ち着いた雰囲気を取り戻してるけど、不安定にもほどがある。

 

「では、次会うときは必ず燃やして差し上げましょう。貴方が誇った、全ても」

 

「待てっ!!くそ、逃げられた!!」

 

「はあ、はあ……どう武蔵ちゃん?」

 

 次戦ったら勝てるのか。顔を伝う汗を拭いながら問いかける。胤舜────プルガトリオの時も偶然が重なった勝利だったけど今回は……。

 

「10回やって1回もぎ取れるかどうかってところかしらね……。御坊よりはましかも知れないけど……どうしても距離が問題ね」

 

 遠距離からの矢の嵐に身動きを封じてくる炎、接近できたかと思えば太刀か薙刀、さっきみたいに蹴りや炎を纏わせた拳も出てくるかも知れない。槍を極めた胤舜とはまた違う相手……守り続けても攻めに行ったとしても死ぬ。

 

「早駆けの馬。あの炎をモノともしない脚が欲しくなっちゃうわね……。ないもの強請りもいいところだけれど」

 

 

 

 

 




藤丸立香
 朝倉リクの令呪がぼやけて見えたり、知らん顔のマスターなのに警戒心殆どゼロ。本人は気がついていないがリクの中にある彼の因子を感じ取り安心しているというベリアルが味方だという思考を持つ立香だからこそ起きていることである。


という訳で今回登場するのは去年出たばかりの虹です。まあタイトルに天穹(漢字違い)がある時点で隠す気はないんですけどね……。

あの怪獣中ボスみたいなタイミングで出てますけどファースト、セカンド、サード、どのウェイブに出てきた怪獣よりも強いラスボスクラスと思ってます。ていうか2回登場してどっちも特殊勝利条件ある時点で卑怯も卑怯だと思うんですよね。けど一番好き。
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