【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜 作:ちょっつー
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『ははっ!ええ燃やします!燃やし尽くします!願いも、想いも、繋がりも!すべてすべて私の炎で焼き払って差し上げましょう!!』
(彼女は、
小火がないか確認したあと、借りている宿屋に戻った僕は眠りにつくことが出来ずアーチャー・インフェルノのことを考えていた。立香たちは角の形をした頭飾り、鉢巻をした女武者って言ってたけど違う、
(人と異形の混ざりもの……。もしかして彼女が憎いのは、自分を受け入れてもらなかったから?)
僕の中に流れるウルトラマンの血。今は受け入れているけど小さい頃は違う、周りの子たちよりも高い身体能力に転んで怪我をしたとしても1日眠れば回復してしまう治癒能力。周りから恐れられる、普通じゃない人を遠ざける視線……。
「んぅ……。にいちゃまおはよう……」
「おはようおぬいちゃん。顔洗っておいで」
願いも、想いも、繋がりも全て燃やし尽くすと彼女はいった。知らないならあそこまで憎まないはずだ。知っているから、
「ジーッとしてても、ドーにもならねえ!」
快晴の空、太陽の周りに虹がかるその空に向かって拳を突き上げ覚悟を決める。彼女の気持ち、少しは分かるかも知れないけど燃やさせたりはしない。必ず守ってみせる!!
(ああ、でも……)
『どうかあいつを、止めてほしい』
夢の中で聞いたあの声の主は、とても優しい声をしていたな……。
憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い 憎い
馬よりも速い脚で林を駆け抜けながら、
(先の戦闘でも……町中だろうが構わず得物を振るった……)
まるで炎のようだと恐ろしく感じていると、夜更けに夫婦で歩いている里人を見つけると彼らのことを案じるように声をかけた。人を見つけたのなら殺し尽くす、"鏖殺"の業が効いていないその様子に驚愕していると、夫婦を見守ったのちにその炎を燃え上がらせた。
「インフェルノ殿……あなたは……」
「聞きましたね、近くに人里があるようです。これより……"鏖殺"をはじめます」
業火が爆発のように膨れ上がった。黒き炎の亡霊たちを軍とした進軍、軍勢は火と死を撒き散らし、一切鏖殺の宿業に狂った彼女もまた火の一部となり炎が広がっていく。もう少しだけ残っていた理性は先の夫婦に使ってしまったかのように燃え尽き、このままでは厭離穢土の礎となる土佐すらも火の海に呑まれてしまう。
────下総南に怪異の軍勢出でて人を襲い土気城を目指している。
完全武装した侍と、それを指揮するのは江戸から赴いた剣の天才"柳生但馬守宗矩"。この時代最強の剣豪が怪異を迎え撃つことになった。
そんな中僕たち山の中を駆け抜けていた。
「侍たちはあくまで陽動……か」
「英霊剣豪相手では無理かもしれないけど怪異相手ならそう簡単に負けたりする人たちじゃないわ」
陽動、囮に扱われてしまう彼らのことを心配する僕に武蔵さんが大丈夫だと言ってくれる。そうだとしても100%安全ってわけじゃない、少なくない犠牲は必ず出てしまう。特異点は過去の話だって聞いても……それで割り切れる話じゃない。
「見えた!」
「昨日よりも火の勢いが強くなってる。場所を気にしなくていいから?それとも何かあったのかしら」
「────ッ!!」
「リクくん!!」
迂回路を回ってきたから侍たちが先に戦っているのは当たり前だ。だけど、目の前で怪物たちと戦う人たちを見たら身体が勝手に動き出していた。確かに数の利はこっちにあって倒せてはいるけど……。
「女怪め!!下総での化生騒動、貴様がそのとうも「危ない!!」
自分たちが優勢だからと侍の1人がインフェルノに戦いを挑もうとしたのを飛び込んで回避させる。相手が何をするって言おうとするまえに彼がさっきまでいた場所に無数の矢が通り抜けたのを見て口を閉じたみたいだ。
「貴方たちじゃ彼女は倒せない!!下がるんだ!!」
「敵を前に退けと申すか!貴様儂等を誰だと「人だ!!」むっ!!」
「お侍とかそんなの関係なく生きてる命だ!!誇りだと立場だと関係ない、死んだら意味がないんだよ!!」
「ではその命、悉く燃やし尽くしましょう!!」
「させないっての!!」
インフェルノが僕らへ攻撃をしようとすると、追いついてきた武蔵さんが割って入りその攻撃を止めさせた。復帰した小太郎さんに連れられてきた立香は地面に下ろしてもらうと、彼に怪我人を避難させるように指示を出す。やっぱり戦い慣れてるよな2人とも。
「ああ……次から次へと……!憎い!憎たらシイ!!」
「昨日とは様子が違う」
「英霊剣豪として本気……ってところかしらね」
「化生の群れがこっちの軍勢が引きつけてくれてる。邪魔者は少ないよ!」
邪魔者は少ないって言っても、辺り一面火の海に包まれていて視界もままならない。思う存分暴れ回れるっていっても時間の問題だ……。戦いが長引けば長引くほど炎が広がっていって命が生きられない場所になっていく。
「出でよ、屍山血河ノ死合舞台」
「「「!?」」」
辺りの景色が変わる。燃え続ける骸骨が地面に敷き詰められ、余った骸は山のように積み重なっている。もしかして……これ全部彼女が今まで殺してきた人たちの……。
「これで私の火はもう消せない!!」
「試合舞台ってわりに、一対一にはしてくれないのね」
昨夜の戦いの対策か!確かにここまで燃え続ける炎の中にいたら昨日僕が放った一撃は意味をなさない。それにここ別の空間か何かなのか?侍たちの姿が消えてあるのは僕たちだけ……。それなのに彼らが引きつけてくれていた化物たちは骸の中から這い上がってくる。
「やるわよ立香、リクくん」
「「うん」」
「来て、"アサシン"!!」
"ハサン・サッバーハ"代表的な暗殺者の英霊で、今回呼び出したのは数がその宝具となる"百貌のハサン"だ。多重人格者であるハサンの人格一つ一つを別の個体として呼び出して分離させるこの能力。
「!!」
やっぱり。昨日の戦いを見ていてわかったけど彼女の一手目は強弓から放たれる炎の雨だ。巨体のハサンを盾に武蔵ちゃんを進ませ、化物を倒しながら彼女へ接近する。これで届かないのなら次はランサー・レオニダスが率いる軍勢を使う。もってよ、私の魔力……!!
もし武蔵ちゃんが届かなかったとしても一緒に進んでいるリクくんの攻撃が届けば隙をつくることだって……。
(もらった!!)
「はあああああああ!!!
届いた!一矢、二矢と打っても止まらない軍勢を見て一瞬怯んでくれて、直ぐに体勢を立て直して更に火の雨を降らせてきたけどギリギリ!ハサン全員が消滅してしまったけど武蔵ちゃんとリクくん、2人ともインフェルノに届いてくれた。あとは一撃を!
「甘いですね」
「へっ!?きゃっっ!!」
(今のは……まさか!?)
インフェルノを中心に、嵐が吹き荒れた。あと一歩あれば届くはずだった2人の一撃はインフェルノが引き起こしたものなのか出現した嵐によって遮られ、炎を纏ったその風に2人とも吹き飛ばされてしまう。
「はははは!燃えろ!!モエロ!!燃ヤシ尽ツクセ!!スベテ跡形モナクナッテシマエ!!」
「武蔵ちゃん!!」
「あたた……。まだ隠し玉を持ってたってわけね……」
武蔵ちゃんに駆け寄りながら次の手を考える。火の雨に増え続ける亡霊たち……そしてインフェルノ自身を守る嵐の壁。炎の暴風雨ってところかな……。これ全部を潜り抜けて、インフェルノに一太刀浴びせなきゃいけないのか……。
「ちょっと厳しいわね……」
「武蔵ちゃん」
「彼女を倒すためにあれ全部超えるなんてふざけた芸当「出来るぞ」へっ?」
「だから、出来るぞ?その程度、このオレに任せなさい」
ここにある筈のない声。武蔵ちゃんと一緒に顔を見上げるとそこにいたのは大きな白い騎馬だった……。この時の私は余りのことに動揺して気が付かなかったけど、後から話を聞くとリクくんの令呪が光り輝いていた。
朝倉リクが夢で見た人とは?彼は召喚した英霊は?というところで次回インフェルノ戦終結です。
インフェルノが嵐の防壁だしてますが多分虹と相性的に一番いいのがこの方。すべて燃やす炎の暴風というところもだけど、パライソは別の蛇神に呪われてるわ衆合地獄は嫌ってる。他は完全無視(リンボはどうだろ?)なので……。