【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

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誤字脱字等も……。

OPでも、挿入歌でも流してお楽しみください。


光る天穹、繋がる陸路

「にいちゃま!!」

 

「良かった、2人共無事だったんだね。みんなは?」

 

「みんな変になっちゃった土気のお城!でもさっきああなったの!」

 

 おぬいちゃんと田助くんは無事だった。遊女屋の一室で目が覚め、窓を開け身を乗り出すように城へ目を向けると土気城だったものが真っ赤に燃え上っていて、その中心は刀で斬られたみたいで綺麗に二等分されている。

 

「あれは……!!」

 

 城から飛び出してきた金の盃、あれが立香の言っていた聖杯?

その聖杯の周りを黒い淀み、英霊剣豪たちから感じた邪悪な気配が包んでいて、ソレは城に向かって進んでいるニジカガチの体内へ溶け込んでいく。

 

ゴオオオオオオオオ!!!

 

「危ない!!」

 

 ニジカガチの咆哮。自然の神であるニジカガチが咆えるということはそれそのものが暴風となって襲ってくる。強風の中でも耐えていた小屋は崩れ、遊女屋の屋根は剥がれ飛び、壊れた木材の破片が襲いかかってくる。

おぬいと田助を守るため、二人に覆いかぶさり守り抜く。

 

「怪我はないかい?二人共」

 

「う、うん。にいちゃまが守ってくれたから」

「ダア」

 

 怪我をしていないか確認をとると、おぬいの身体が震えていることにリクは気がついた。顔を見ると瞳には涙が溜まっていて、こぼれないように我慢している。

 

「こういう時こそ、ジードだ」

 

「え?」

 

「僕があいつを、ニジカガチを止める。止めてみせる。だからおぬいちゃんと田助くんは応援してほしいんだがんばれって」

 

「む、無理だよにいちゃま!大きい人でも勝てなかったんだよ!みんな言ってるよ、神さまには、滅びる運命は逆らえないって!」

 

 あの裏山で、おぬいは見ていたのだ。嵐を呼ぶニジカガチを止めるために現れた巨人の姿を。そしてその巨人がニジカガチを前にして倒れてしまう絶望的な一瞬を。土気の町に来てからは生き残った住民たちが恐怖し諦めているのを見て、どんなに立香たちが頑張っていたとしても無理だと思ってしまう。

 

「僕が、あの時あいつに負けた巨人なんだ」

 

「にいちゃまが……巨人?」

 

「うん。今度こそ負けない。勝って変えてみせる、運命を」

 

 そう言って、リクはおぬいと田助に高さを合わせて屈むと彼女たちの前に拳を突き出した。それは小さい頃の泣き虫だった自分を笑顔にしてくれた最高のヒーローの真似事。

 

「君の笑顔を取り戻す」

 

 「田助くんも」そう言って2人と拳を重ね満面の笑顔を向ける。二人の頭を撫で終え、リクは城に向かって飛び出していこうと立ち上がるとあっ、と二人に顔を向き直す。

 

「僕は、ジード。ウルトラマンジードだ。はあっ!」

 

「うるとらまん、ジード……」

「だだだあ、だあ」

 

 遊女屋の2階から飛び降りたリクは、その手にジードライザーとは違う。ベリアルの持つギガバトルナイザーによく似た、【赤き鋼】と呼ばれる純粋な正義の力を行使できる戦士だけが扱える武器【必勝撃聖棍 ギガファイナライザー】を起動させる。

 

「ウルティメイトファイナル!!」

 

 起動させることで出現する【エボリューションカプセル】をファイナライザーに装填しジードライザーでリードすると起動音が流れる。未熟な身体を戦士のそれへと変化させるためのフュージョンライズではなく、ジード本人が持つ可能性の力を極大にまで引き上げる。

 

【アルティメット エボリューション!!】

 

「繋ぐぜ!願い!」

 

「ジード!」

 

【ウルトラマンジード ウルティメイトファイナル!】

 

「シャアアアアアッ!!」

 

 惑星クシアで作られ、ジードに完全適応したファイナライザーは上部からジードの瞳の形によく似た二本の刃【ライザーエッジ】が展開され、そのファイナライザーを天高く掲げながら進化したジードがぐんぐんと巨大になっていく。

 

 

 

「ハアアアアアア」

『フルムーン、ネオヒーリング』

 

 持ち手と逆の左手を天に上げると、治癒の光が土気の町を包みこんでいく。アクロスマッシャーが持つ沈静化光線を強化させた治癒の光は、厭離穢土によって化生へと姿を変えさせられた人々の姿を元に戻し、怪我をした人たちを一瞬で治してみせる。

 

ゴオオ……ゴアアオオオオオオ!!

 

『わかっているさ。お前を動かす怨念が、そんな簡単に晴れるはずがないことは』

 

 鏖殺の荒神と化したニジカガチからすればその光は煩わしいものでしかない。ジードの出現、そして沈静化の光に怒り狂い咆哮を上げるニジカガチを前にして、ジードはファイナライザーを腰に添えるように構え、向かっていく。

 

「ハアアッ!!」

 

ゴアアアア!!

 

 振り下ろされたファイナライザーの一撃を受け止め、その棍が持つ一撃の破壊力に危険を感じたニジカガチは身体を回転させ尻尾を振り回しジードを離れさせる。そうして両腕をジードへ向けると、空の黒い雲がジードのことを囲み身動きを取れないようにする。

 

ゴオオアア!!

 

……ハッ!!

『こんな、もので!!』

 

 怨念の嵐がジードに襲いかかる。雷撃や氷撃がジードを傷つけようと襲いかかってくるが究極進化した今のジードにそんな攻撃は通用しない。全身に広がる金色のライン【ゴールドストリーム】から電磁破壊光線(ストリームデトネーション)を放ち雲を消滅させると、ファイナライザーごと自身を回転させ、独楽のようにニジカガチに連撃を喰らわせる。

 

「ハアアアアッ!!」

『止められるかああああ!!』

 

ゴアッ!!

 

 ギャラクトロンですら簡単に破壊してみせた一撃を喰らっても倒れない。黒く変色した鎧皮も見た目だけではなく強度も高くなっているのか、痛みを感じているようだが耐えてくる。そんなことは折り込み済みだ、ジードは回転が止まりニジカガチの背後に着地すると、息もつかぬ間にファイナライザーを振り下ろしニジカガチの尻尾を切断する。

 

ゴオアッ!!ゴオオオオッ!!

 

「フッ!ハッ!」

『空気さえも自由自在か……!』

 

 痛みを感じていないのか振り向きざまに振り下ろされた腕が真空の刃となって襲いかかりニジカガチはそれを連続で放ってくる。視界すら奪ってくる嵐の爪撃を防御していく。

 

ゴオオアッ!!

 

「グアアッ!」

『尻尾が再生してる?英霊剣豪の特性まで持ってるのか!』

 

 下からの斬り上げ。英霊剣豪たちが持っていた不死性すらも付与されたニジカガチは斬り落とされた尻尾を瞬時に再生させると、驚異的な破壊力を秘めているファイナライザーを吹き飛ばしジードを斬り裂いていく。

 

ゴオオオオオオオオッッ!!!

 

「ハアっ!グ、オオオオオオ!!」

『まずい!ハアアアアア!!』

 

 全身を虹色に発光させ、そのエネルギーを額の結晶へと集約させると深い闇の様な黒が混ざり、自身の顔よりも太く強大な光線を放ってきた。一戦目の光線よりも遥かに強力になっているその攻撃。ウルティメイトファイナルとなったことでこちらも強化されたバリアで何とか防ぎ、持ちこたえてはいるがこのままでは破壊され直撃を受けてしまう。

 

「グウウ、ハアアアアアア!!!」

 

 

 

 

 

 

「がんばれー!」

「負けるなー!」

 

 声が、聞こえてきた。嵐の中消えてしまいそうになりながらも確かに響いてくる声が。

 

「頑張ってくださいましーーー!」「がんばれーーー!!」

「負けないでーーー!」「神さまだろうが倒しちまえ!!」

 

『聞こえる……みんなの声が!生きることを諦めない、みんなの声援が!!』

 

「にい、ウルトラマンジード!!がんばってーーーー!!」

「だあだあーーーーーーー!!」

 

『そうだ!!僕は、一人で戦ってるんじゃない!!』

「ハアッッ!!」

 

 声援が届いた。バリアを全力で前に押し出しほんの一瞬の空間を作る。その間にジードは両腕を交差させ、光線を放つための準備をする。

ニジカガチからすれば、一瞬の抵抗があったがバリアが砕ける感触がありこれで最後だと更に光線の威力を高めてくる。

 

「シェアアアア!!」

『レッキングバーストォオオオオ!!』

 

 黒雷を纏うプリミティブの必殺光線。レッキングバーストがニジカガチの光線と衝突する。

 

『生きることを諦めない!覚悟を決めたみんなの想いが!僕に力をくれる!!』

 

 光線を放ちながら、ジードは一歩、また一歩とニジカガチに向かって歩みを進める。押し返されていく光線にニジカガチは更に、更に出力を上げてくるが、今度は右腕から爆熱の光線が放たれる。

 

「ダアアアアアッ!!」(ストライクブーストォオオ!!)

『嵐に打たれても、恐怖に打ち勝つ勇気を燃やす!!』

 

 止まることを知らないジードの必殺の嵐。声援が聞こえる度にジードの全身から放たれる強い光の輝きを止めることはできない。

 

「ハーーー!ハッ!!」(アトモスインパクト!!)

『見せてやる!!迫りくる死すらも超えていく衝撃を!』

 

 衝撃の波動が光線を押し返していく。近づいてきているジードをどうにか排除しようと尻尾を動かし攻撃しようとするが、ジードから放たれている眩いほどの光がそれを寄せ付けない。

 

『いくぞ!リク!!』

『最後まで気張れよ!』

 

「ジェアアアアアア!!」(ビック、バスタウェイ!!)

『明日へ向かっていく妹弟(希望)を!守ってみせる!!』

「がんばれーーージードーーーーー!!」

 

 遂に届いた。ジードの破壊光線がニジカガチの光線を完全に消滅させ、ニジカガチが光線を放っていた額の結晶へと破壊光線が届き、結晶が砕け散る。

直ぐに再生させれば!そう思ってももう遅い。すでにジードは目の前まで到達しており、最後の一撃を放つため交差させた腕を頭上に上げている。

 

『みんなが僕をウルトラマンにしてくれる限り、神さまだろうが何が相手だろうと超えてみせる!!』

 

「ハアアアッッッ!!!」(レッキングノバ!!!)

 

ゴオオ!!ごおおおおおおお!!

 

 超至近距離から浴びせられた必殺光線はニジカガチを包み込み、その行く先を空へと移す。この世界を恐怖へおとし入れた象徴、赤い月を破壊するために。

物理的なのか、魔術的なのかはわからないが真っ直ぐ月へと進んでいく光線は月へとニジカガチを叩きつけ、月とニジカガチの両方を同時に消滅させた。

 

「「「「おおおおおおおおお!!!」」」」

 

 赤い月も、ニジカガチも、土気を囲んでいた嵐も消滅し戦いを見守っていた人たちは歓喜の声を上げる。その声を背中に浴びるジードは土気の城が完全に燃え尽きているのを見つめると、後ろを振り向き膝を曲げて屈むと拳をぐっと前に突き出した。

 

「…………へへへ!ぬいね!すーーーーっごく!笑顔になったよ!!」

 

 ちょんっと。巨人の身からすれば当たったのかどうかも定かではない子どもの小さな手。そんなおぬいの笑顔を見て大きく頷くとジードは背を向けて空高くへと飛んでいった。

 

 

 

 

 

 




ウルトラマンジード ウルティメイトファイナル
 リクが善の心を開放させた時だけなることが出来るジードの究極進化形態。リクの心の持ちようによって何処までも強くなれる。時間制限もないという究極の姿にしては珍しい。
ジードがこれまで変身した全ての力を内包しているため設定上ではギャラライのレッキングフェニックスも放てるしそれの強化版も扱える、まさに無限の進化の可能性を秘めた戦士。

天弓怪獣ニジカガチ(鏖殺形態)
 妖術師の怨みによって目覚め、英霊剣豪七騎の鏖殺に加え聖杯すらも取り込んだ姿。この姿になる前からその天気を自在に操る力で下総以外の大地のリセットを完成させるなどその力はまさに自然の神そのもの。不死性も持ち合え合わせており相応の条件を持っているものでしかうち倒すことは出来ない。(コスモスのような戦士の場合は妖術師の怨みを晴らせるかどうかがポイントになってくるため結構難しいかも?)

【光る天穹、繋がる陸路】
 Xの客演回である「光る大空、繋がる大地」のオマージュ。ニジカガチのことやリクと立香ちゃんの道が繋がるという意味を込めてのタイトル。
2部から本格参戦?予定なのでイメージとしては客演回のような劇場版のような……そんなイメージです。
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