【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

16 / 147

今回からようやくセプテム編スタートです。
正直プレイした当初はあんまり話が入ってこなかったこの特異点だったため再履修……。

おお? 意外とベリアルさんと相性がいい……しかも皇帝……コレや!!

んなこんなでよろしくお願いします!!

感想、評価いただけると心が踊ります。

誤字脱字、ご指摘などございましたら心が震えております。


永続狂気帝国セプテム~王の在り方~
1


 

「ん、ここは…………? 」

 

 知らない天井だ。っていうことにはならなかったけど、なんで私カルデアのマイルームで寝てるんだろう?

 

 確か……ジャンヌオルタと契約した時、予想していたより物凄い量の魔力が流れ込んできて、それから……

 

「あら、ようやく起きたのですか? 」

 

「ジャンヌオルタ……おはよう 」

 

 声のした方を振り向くと椅子に座りながら本を読んでいたジャンヌオルタがいた。

 形から入るタイプなのか眼鏡をかけながら本を読んでいてその本の題名は……

 

「"唱えて覚える日本の漢字"? 」

 

「ッッッ!! 」

 

 あっ、つい声に出して本のタイトルを読んじゃった。

 恥ずかしかったのか、ジャンヌオルタは顔を真っ赤にしながら持っていた本を燃やしてしまう。

 

「ひ、ヒマだったから!! あ、あ、あアンタがいつまでたっても起きないからヒマで仕方なく読んでいただけです!! べ、別に漢字を覚えたくて読んでたとかありえませんから!! 」

 

 ものすっごい早口で言い訳っていうかあんというか、もうそれじたいが答えいってるみたいなものだよ……って言いたいけど、このまま言ったら今度は私が燃やされちゃうよね

 

「そっか。 ねえジャンヌオルタ、私が倒れてからのこと教えてくれない? 」

 

「え、ええっ!! いいでしょうとも!!! 」

 

 話を反らせることに成功したわやった!て顔してる、オルレアンで敵だったのが嘘みたいだな~~。

 

 

 

 小学4年生の漢字ってどんなのあったっけ?

 

 

 

 

 ────◇◆◇────

 

 

 

『大変ありがたい話ではあるのですが……申し訳ございません 』

 

『…………本当にいいのかい宮原くん。 この話を蹴ったら君のこれからの昇進はないかも知れないぞ? 』

 

『それでも構いません。 私のような者では、あの場所が手一杯ですから 』

 

 笑いながら、上に進むための道を自ら断つ男…………。 気にくわないな……

 なぜ認められる力がありながら、その力を存分に振るうべき場所で振るおうとしない。 まるで()()()のように……

 

『そうか……君を慕うものは大勢いるからな、この話を聞いたらとても残念に思うだろうな 』

 

 慕われ、認められておきながら立つべき舞台への階段を登ろうともしない軟弱者

 力は振るうべきものだ、持つべきものが振るわなければ意味がない!! 存在する意味すらそこにはない!!

 

 

 

 

 

 

 

『じゃあねおじさ〜ん! 』

 

『慌てずに帰るんだぞ〜 』

 

 これが、この男が階段から降りてでも守ろうと思ったもの……。

 自分の身を守ることすら出来ないガキどものことを見守り、不審な輩が出ないように勤める。困っている人間がいれば助け、悩んでいるものがいれば相談に乗る。

 一つひとつが他愛もないものだ。 そんなことは部下に任せればいい。 ……だがコイツはその繰り返しを楽しんでいる。

 毎日飽きることもせず、全力で自分のやるべき事を全うしていた……。

 

 これが……コイツの守り続けるべき世界か……。 オレの力があれば簡単にひねり潰せるちっぽけな世界

 

『どうして宮原さんは、いつもそんなに元気なんですか? 毎日同じことの繰り返しで辛くなったりしませんか? 』

 

『ん〜〜。 子どもたちの笑顔とかおばちゃんたちの笑顔、あれあるだろ? あの笑顔を見るだけでな、明日も頑張るぞって元気が貰えるんだ。 私が現役のうちは毎日でも続けたいもんさ。 まあ、休みの日は家族の笑顔を守らなきゃいけないんだがな 』

 

 何故毎日やっているのかと、研修にきた部下から聞かれてコイツは迷わずに答えた。 コイツの曇りのない笑顔は他の誰かもつられて笑ってしまうもの。

 平坦な道をただただ歩き続けているつまらない男……それは間違いだったか……。

 果ての見えない道には、”花“が咲いていた。 飽きる事のない、鬱陶しいまでに一輪ごと全てが違う花……

 

 

 オレが毟りとってきたもの。 一度として咲かせたことのない……()()()()()()()

 

 

 

 

 

 ────◇◆◇────

 

 

 

 

「ん〜〜〜っ!! よっしっ!! 」

 

 マイルームで軽い準備体操をし終えて気合を入れる。

 目を覚ましてからかれこれ1か月、 遂に次の特異点が発見されたからそこに向かう準備も怠らない。

 

 最初の1週間はみんなと一気に契約した疲労で倒れたから何も出来なかったけど、それからはシュミレーションルームを使った戦術の訓練に、レイシフト先で倒れないように自分の身体もそれなりに鍛えてきた。

 

 確かに戦うのは私じゃない、マシュやサーヴァントのみんなだ。 けど、何もできないままなのはイヤ。

 戦う相手も、戦ってくれるみんなも私なんか一般人とは比べものにならないくらい凄い力を持ってる。

 だけど……そこに生きてる人たちは違う。 私とおんなじ、ただの人間……

 

 その人たちのことを1人でも多く助けることが出来るように……不測の事態に陥っても焦らずに行動できるように気合を入れる。

 

「フォウ!! 」

 

「うわっぷ!! ってフォウくん? どうしたの!? ってそれ私のヘアゴム!! 」

 

「ホウホウ!! 」

 

「あああああブリーフィングまで時間ないんだからあああ!! 待て〜〜〜!!! 」

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあっ!? 私を連れていけないなんてどういう事ですか!! 」

 

「すいません遅れました!! ……ってどうしたのジャンヌオルタ? 」

 

 何とかフォウくんからヘアゴムを取り返した私が少し遅れて入室すると、なんでか分かんないけどジャンヌオルタがドクターの襟元を掴みながら怒鳴っていた。

 

「少し黙れ 」

 

「──ッ!! 」

 

 怒りを爆発させてたジャンヌオルタが、首を摘まれた猫みたいにビクッと身体を震わせて黙っちゃった。

 と言うより……ベリアルさんの今の一言でお通夜なのかってほど静まり返っちゃったてる……。

 

「少し、大人しくしていろ 」

 

「へっ!? きゃあっ!! 」

 

 ベリアルさん、機嫌悪いのかなぁ?

 ジャンヌオルタのことを睨みつけながらベリアルさんが手をかざすと、ジャンヌオルタの身体が突然浮きがって強制的にジャンヌさんとマリーさん、2人が座っている間に座らされてしまった。

 

「──!! ──!? ────────!! 」

 

「ゲホッゲホッ!! 魔術じゃない……超能力? 君は本当になんでもありだね 」

 

 何か喋ろうとするジャンヌオルタだけど、口にチャックでもされてしまったのかんーんーと呻くことしか出来なくなってる。 しかも身体のほうも動けなくされてるのか両脇の2人が頭を撫でるのに抵抗出来ず心底嫌そうな顔をしてる……。

 

 その間にマシュの隣まで移動した私は、魔術と超能力って同じじゃないのかマシュに耳うちする。

 超能力って催眠術とかテレキネシスとかああいうのだよね。 あれも魔術でやってたりするんじゃないのかな?

 

「超能力は魔力を使用することのない、ヒトがヒトのまま扱える特異的な能力のことを言います。 魔眼などがそれに当てはまるので存在は知っていましたが、使用する所は私も初めて見ました 」

 

「へ〜じゃあ私も教えてもらったら使えるとかそういうのではないんだ 」

 

「んんっ、それじゃあ立香ちゃんも来たことだし改めて説明させてもらうよ。 これから観測が完了した第2特異点に立香ちゃんとベリアルの両名にレイシフトしてもらい、人理修復を行ってもらう。 以前の特異点で大幅な戦力の補充があったけれど、今現在のカルデアのシステムではレイシフト先に各マスターが連れて行けるサーヴァントは一騎だけになる。

 

 レイシフト先でマシュの盾を使い召喚サークルを設置するまではこれが続くことになる。だから必然的に立香ちゃんと最初にレイシフトするサーヴァントはマシュでなければならない。

 サークルが設置できればコチラから物資の補給もできるし、ジャンヌオルタや他のサーヴァントたちも増援として送ることが可能になる。 わかってくれたかい? 」

 

 今カルデアにいるサーヴァントは全員私と契約したことになってるし、ベリアルさんはそもそも宮原博樹さんと一心同体だから何が起こるかわからない。

 だから、だからね? そんな眼力だけで人のこと睨み殺せるような目で私のこと見ないで! 横2人に笑顔で頭撫でられるのが嫌なのはわかったから!!

 

 

 

 

 

 

 

 




「ど、どうしようマシュ…… 」

「どうしたんですか先輩。 いつものように英霊! カプセルナビ!! から始めないんですね 」

「石が……石がないんだ…… 」

「石? このガチャマシーンを動かすためのもの聖晶石のことでしょうか? 」

「そう……影でこっそり回してたらさ……みんな被っちゃって……ムキになって回してたら石無くなってたんだ…… 」

「…………皆さんも、聖晶石の使用には計画性を持って使ってくださいね 」

「な〜んでジャンヌオルタが連続で5体出てくるのさ〜私のこと好きすぎでしょ〜〜!! 」




※ベリアルが『ウルトラ念力』を使えるようになった。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。