【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

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BOXガチャのための周回の大変さ……。 現在60箱分は集めました。

今回は99%ベリアルさん回。 セプテムで一番ベリアルさんと相性が良い相手との戦いになります。

感想、評価いただけるとギル祭り周回速度がUP
誤字脱字、ご指摘などございましたらお願いします!!


3

 その男は、いつの間にかそこにいた。

 嵐の前触れのように不自然な静けさに包まれていた訳でもなく突然に──

 

 ガリアを征服していた連合ローマ軍は、たった一人の男の存在によって壊滅にまで追い込まれていた。

 

 魔術の類か、その男は突如として兵たちの前に現れるとその手に持つ黒い鈍器を使い近くにいた兵士から殺していった。

 

 あるものは心の臓を貫かれ、またあるものをリンゴを握りつぶすのより容易く頭を握りつぶされた。

 

 どんなに堅い防具を持っても意味はない。どんなに屈強な身体を持ってしても止められない。

 

 兵たちは皆一様に恐怖を覚えた。 ローマの存続のため、あの方が認めてくれたからこそ戦っていた兵士たちの誰もが、その手に持っていた武装を地面に落としていた。

 

 戦う意思がないと分かれば、あの悪魔のような存在を前にしても自分たちは助かるかも知れないと、恐々と身体を震わせていた。

 

「…………死ぬ覚悟も持ち合わせていない雑魚どもが 」

 

 悪魔は、そう言って戦意を失った兵たちを無視して奥へと進んでいった。

 

 あの方のためなら命を賭けることなど惜しくない!! そう思っていても、身体は金縛りにあったかのように動かず、今命があることに安堵して自然に涙を流していた……。

 

 

 

「狂気を孕んだ目をしていると思ったが、あれだけのことで折れるとはな 」

 

 立香たちとは離れた場所にレイシフトしてしまったべリアルは、連合ローマ軍を統べる"皇帝"の一角と合間見えていた。

 

「始祖による統率も、死の恐怖の前では心を保てないようだな 」

 

 その男は一言で言えば──太かった。

 動くのに邪魔になるはずの体型をしているが、喋るときに手を動かすことを見るに邪魔ではないらしい。

 

「何時までも来ないと思ったが、傀儡の兵に情はないようだな 」

 

「バカが、王であるこの私が前線に出るなど有り得ん。 待っていたのだお前が自らこの私の元へとやって来るのを 」

 

 流石と評するべきだろうか。べリアルが自分の指揮する兵たちのことを蹂躙したことを分かっていながらも、その口数が減ることはない。

 

 

「どんなに話を長引かせたところで、貴様が死ぬことに変わりはない。 女との約束ひとつ守れない名ばかりの王が 」

 

「…………そうか、そうまで知った上で、この私に剣を執らせるか。 まあ、いいだろう 」

 

 抑えていた魔力が解放される。

 鎧を纏い、地面に突き刺していた黄金の剣をその手に持つと、べリアルに切っ先を向ける。

 

「────私の名はカエサル。夢半ば、裏切りによって朽ちた憐れな男だ。 この私から名乗ったのだ、貴様の名も聞いておこう 」

 

「はっ、既に貴様の賽は投げられている。 そんなお前に名を伝える意味はない 」

 

「ふむ……そうか。 ならばその賽を目を良い方へと転がるように精進しようではないか 」

 

 最初に仕掛けたのはカエサル。太ましい身体に見合わない速度でべリアルに剣を振り下ろした。

 

 不意を突く形での攻撃、しかしべリアルは瞬時に対応し右手に持つ黒き鋼で受け止めた。 その流れで空いた左手を使い攻撃を加えようとしたが、カエサルはそれを読んでいたのか、こちらも左手に纏った大理石の腕でべリアルの腕を掴み投げ飛ばす。

 

「…………ハッ!! 」

 

「っ!! はああっ!!!! 」

 

 

 宙に放られたべリアルが黒き鋼から複数の光弾を放つ。

 一撃でも受ければ致命傷は免れないことを目で見て感じ取ったのか、黄金剣で使い地面を割り直撃を間逃れる。

 

「少しは場数を踏んでいるか。 ハアッ!! 」

 

「グッ!!! 」

 

 しかし、べリアルはカエサルの死角を襲い腹部に蹴りを入れる。

 鎧は砕け、石ころのように地面を転がっていくカエサルに追い付く。

 

「くっ!! はああっ!!! 」

 

「ふっ、甘いな!! 」

 

 反撃するために振るった黄金剣は届かない。 大理石の腕を掴み、カエサルのことを地面に叩きつける。

 

「皇帝なんぞを名乗っていても、やはりこの程度か 」

 

「はあ…………、はあ…………。 分かってはいたが……まさかここまでとはな………… 」

 

 クレーターの中心。 鎧は砕け散り、身体の至るとことから血を流しながらもカエサルは立ち上がった。

 

 諦めず、執念のようなその姿勢を見たべリアルは、クレーターの上からカエサルのことを睨み付けた。

 

「何が貴様のことをそうさせる? 傀儡の兵を操ってでも杯に望む願いはなんだ 」

 

「…………傀儡の兵か、確かにな。 完璧な統治、統率、それは意思のない群体だ。 恐怖で解かれてしまう弱さはあったがな。

 

 ────だが、それを使ってでも私は掴まなければいけない!!! 抱き上げなければいけないのだ!!! 愛することを誓い、抱き締めなければいけない!!!  我が息子(カエサリオン)をっ!!! 我が愛しき妻(クレオパトラ)のことを!!!」

 

 べリアルの恐怖を浴びながらも顔をしかめるだけだったカエサルが感情を露にする。

 

 普段ならば認めることが出来なかったカエサリオンのことを、愛多き男の初恋の女性の名前を馬鹿正直に公言することはない。

 

 相手の心の隙間を窺う嘘の言葉ではない。カエサルの本音。

 それを聞いたべリアルはクレーターの中に自ら入り、カエサルに歩み寄っていく。

 

「自らの、王の名によって抗えない血の宿命を背負わされ、傷つき、そして死した息子への救済か……いいだろう()()()()!! このべリアルは貴様を認めよう!!! 」

 

「ははは……いいだろう。 ならば、この黄金剣を抜くとしよう 」

 

 その言葉に反応して、黄金剣から眩い輝きを解き放たれた。

 

「行くぞべリアル。 宝具解放──“黄金の死(クロケア・モース)!!! ” 」

 

「…………来い!!! 」

 

 

 ────◇◆◇────

 

 

 

 

『はあ……はあ……はあ……どうしたこんなもんか超獣とかいうのは? 』

 

 ありえない……。 数十体といた超獣たちのことをべリアルは倒しきった。

 

 けど、流石に身体は限界に達してしまったらしく、倒れてしまう。

 

『フハハハハ!!! いいぞ、べリアルを倒せザウラー!! 』

 

 赤いクリスタル状の突起に黒い身体の竜の怪獣、ザウラー。 彼は主君であるヤプールの命に背き、動こうとしない。

 

『何をしているザウラー!!! 』

 

『俺ハ雑魚ニ興味ナイ。 ダガ強者ハ別ダ 』

 

『ちっ、どいつもコイツも使えない!! いい、ワタシがやる!! 』

 

 ダークゴーネもザウラーも、べリアルの力に魅いられたのかヤプールの命に従わない。 業を煮やしたヤプールは自ら動きだし、べリアルへと接近していく。

 

『何をそこまで拒む。 超獣になればさらなる力を手に入れることが出来るのだぞ!! まあ、このヤプールの支配下に置かれるがな!!! 』

 

(この程度の雑魚が、このオレ様を支配するだと……フザケルんじゃねえ!! )

 

 カニの爪に似た右手を振り下ろした。

 もう動けないべリアルは避ける素振りも見せず、直撃は免れない。

 

『な、なにっ!? 離せ! 離せえ!!! 』

 

『…………力! 力!! 力!!! 力こそが全てを凌駕する絶対のものだ……テメーごとき三下が、このオレ様を支配できると思ってんじゃねえ!!! 』

 

 殴る、殴る、殴る!!腕を掴まれ逃げられなくなったヤプールの顔の芯を何度も、何度も殴り続ける。

 

 闇に堕ちてでも力を追い求めた執念。その思いがべリアルの持つ復讐の心を増大させていく。

 

『あ、アイアロン!! お前だ!! この私を守れ!! 』

 

『…………断る 』

 

 鋼鉄の身体をもつアイアロンという武人気質の怪獣に助けを求めるが、即断される。

 

『べリアル……いや、べリアル様。 オレはアンタの強さに惚れた。 オレを……いやオレたちをアンタの下につかせてくれ 』

 

『私にとっても強さこそが全て。 貴方様はヤプールよりも遥かに強い 』

 

『アンタノ下ニ尽キ闘イタイ』

 

 アイアロン、ダークゴーネ、ザウラーの3体がヤプールのことを裏切り、べリアルの配下になることを選んだ。

 

 レイオニクスとしての力なのか、それともべリアルの持つカリスマがそうさせているのかは分からないけど……

 

『グハハハハハッッッ!!! そういうことらしいぜヤプールっ!!! 』

 

『グゥッ!! 貴様らああああああ!!! 』

 

 

 

 ────◇◆◇────

 

 

 

「は、はははははは!! 甘く見ていた!!まさかこれだけの力を持っていようとはな!!! ガイウス!!! 」

 

「うむ……これでも届かないとはな……面倒だ…… 」

 

『黄金の死』 カエサルの持つその宝具は、自動的に必中する一撃に加え幸運の判定を「失敗するまで行い」、連続成功したその数の連続攻撃を可能にした見敵必勝の攻撃。

 

 成功した幸運判定の数は有に50を越える超連続攻撃に発展した。 幸運のステータスがCのカエサルにとってその数は異常と言ってもいいもので、運が完全にカエサルの味方をしてくれたのか、相手の幸運が余りにも低かったのか分からないが、確かにその超連続攻撃はべリアルに届いた。

 

 現にべリアルは両の肩から血を流し、身体の至るところには剣による傷が付いている。

 

 だが、それだけだ。カエサルの宝具はべリアルを倒しきるまでには至らなかった。

 

 これでカエサルにはもう打つ手が完全に無くなった。 それでも王としての矜持なのだろうか、カエサルは背中を見せることも腰を落とすこともなく両手を大きく横に広げて、いつものように喋り出す。

 

「まさか貴様のようなものと一戦交えることになるとはな。 人の身体を借り受けながら、サーヴァントですら歯にかけぬ強さ……。超常の力を振るいし人、"超人"とでも呼べばいいか 」

 

「超人……ハハハハハっ!!! やはり貴様は面白い、このオレを楽しませてくれるなあガイウス!!! 」

 

 楽しそう、本当に楽しそうにべリアルはそう言うと手に持っていた黒き鋼を消した。

 

「お前には見せてやろう。 このオレ様の本気をな…………ハア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッッ!!!! 」

 

 右手に黒い雷を纏った赤黒いオーラが集束を始める。

 

 左手を平行に置き、右手を使いL字に近い形を作り手のひらをカエサルへと向ける。

 

「ハァァァァ…………シ゛ェ゛ア゛ッッッ!!!! 」

 

 その手から放たれたのは破壊そのもの。

 それを前にしながらもカエサルは怯えることなく、いつものように口を開いた。

 

「うむ、べリアル。 貴様にも愛すべき宝玉はあるか? 」

 

「…………ああ、宝玉と呼ぼうも拒絶されたがな 」

 

「そうか。 それは……残念だ 」

 

 笑顔を浮かべたまま、カエサルは破壊の奔流に呑み込まれていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『ま、待ってくれ。 その報告は本当かい? 聞き間違いとかじゃないんだよね 』

 

「本当だ、遠見の魔術師よ。 余も正直半信半疑ではあるがな…… 」

 

 ネロのいる謁見の間に集められた私たちは、そこで兵士の一人の報告に驚くことしか出来なかった……。

 

「まさか、ガリアの山のうちの1つが消滅するとはな 」




※あとがきは時系列無視で進んでいます。

「「英霊! カプセルナビ!! 」」

「今日の英霊は〜〜こちら!! 」

「ガイウス・ユリウス・カエサル。 皇帝の名をローマに根付かせたとてもすごい方です 」

「へ? よくベリアルさんこと食事に誘ってる姿見るけど……? 」

「彼もローマの皇帝の1人として呼ばれていても不思議ではありませんでした。 もしかしたらベリアルさんが1人で戦っていたりしたのでしょうか? 」

「う〜んどうなんだろうね? 」

「それでは、今回はこのあたりでお開きとします!! 」

「次回もお楽しみに〜〜!! 」

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