【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜 作:ちょっつー
今回も出来れば6〜7話くらいで纏めていきたいと思っています。
過去編はアーリー時代から何故ベリアルの乱を起こすまでに至ったか、少ない情報から引き出す基本独自解釈、独自ストーリーの過去編に……
感想、評価いただけると幸いです。
誤字脱字、ご指摘ございましたら改善に繋がりますのでお気になさらずお送り下さい。
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「それじゃあ野郎ども!! 新たに仲間になったコイツら──あれ? そういや逆だねえ。 新たに仲間になったアタシらに── 」
“乾杯だっ!! ” その声から宴の幕が上がった。
海に囲まれた第3の特異点──オケアノス──にやってきた私たちが最初に出会ったのがこの豪快な女性が“フランシス・ドレイク”という人だった。
マシュとドクターに聞いたところ、ドレイク船長は人類で初めて、生きたまま世界一周を成し遂げた偉人なんだって。 実際は男性として伝わっていたらしくてそのことを知ってる人たちは驚いてた。
カルデア側の推測だと、行けども行けどもこの海域からドレイクさんたちが進めないことから『フランシス・ドレイクが世界一周を果たせない』っていうことが歴史の乱れらしいから、ドレイクさんの率いる海賊団と協力してこの海を渡ることになった。
ドレイクさん……男以上に男らしいって言えばいいのかな? その豪快な性格やニカッって歯を見せて笑う顔がカッコ良くて、昔の人がドレイクさんのことを男性と間違えて伝えたっていうのにも頷ける。
「ますたあ〜、こちらのものもお飲みになられてはいかがでしょう? 」
「清姫、私未成年だからお酒勧められても飲めないって 」
ドレイクさんと出会えた島にちょうど霊脈があったお陰で、すぐにサーヴァントの召喚にありつけたのも今回運が良かったことのひとつだね。
だけど……呼び出せたのは目の前で私にお酒を勧めてくる清姫……だけなんだよねえ……。
本来なら2基のサーヴァントまでカルデアから特異点に呼べる筈なんだけど、召喚システムの不具合らしくって清姫を喚んでから他のサーヴァントが召喚出来なくなってしまった。
明日の朝にはこの島から出発するから、どうにかなってほしいけど……どうなることやら……
────◇◆◇────
べリアルの過去が知りたい……そう思っていながら暗闇の中を漂っていると、いつの間にか優しい光がそこら中いっぱいに広がる街のような場所に立っていた……。
そうだ、ここは光の国だ……。 べリアルが攻め行った時に見ただけだから分からなかった。
『何故見逃したんだケンっ!! あいつらを生かしておく必要などなかった筈だっ!! 』
『ベリアル……何度も説明したはずだ。 彼らは親の過ちを見た。 何が悪くて、何が正しいのかを学んだんだ。 そんな未来ある子どもたちを殺める必要はない。 』
ベリアルっ!? そう呼ぶ声に反応すると、目の前にいたのは一人のウルトラマンだった。ケンって確かウルトラの父の名前だったよな……。 そう言われれば未発達なウルトラホーンに髭は生えていないけど、何処と無くウルトラの父と同じ雰囲気を感じる。
自身の身体を見渡すように身体を見渡して見ると、その身体は銀と赤という一般的なウルトラ一族の身体をしていた。
光の国の建物は鏡面性で出来ているお陰でその全身を確認することが出来た。
銀と赤の一般的なウルトラ一族の身体をしているが、何度も休まずに戦っているのか、そこら中に生傷が絶えない。
そんな中で一番特徴的なのはその鋭い目だ。 黒いべリアルの目はニセウルトラマンなんかの悪者を彷彿とさせる目をしていたけど、このベリアルの目はガイアやアグルなんかの目を思い出させる。
そうこうしている内にべリアルとケンの言い争いはヒートアップしていき、どんなに言っても聞かないケンに痺れを切らして思いのたけを爆発させる。
『だからテメーは甘いんだよケン! 悪に染まっているヤツの心は何処まで行ったって悪のままだ!! そのガキだって同じだっ! 親を殺られた憎しみを募らせて、いつしかオレたちに復讐しに来る! いいかっ! 平和を望むなら他者を蹴落とさなければいけない!! その力がオレたちにはある!! 平和を掴み取る絶対の力がっ!! 』
昔から、べリアルは力こそが全てだって考えで動いてたんだ。平和は力あってこそ築けるものだと信じて止まなかった。
絶対的な力による全宇宙の平和。 それがべリアルの正義、べリアルだけが持った正義の心。
その思想は光の国に生きる者たちの中でも異端していた……だから誰もべリアルの気持ちを理解できるものがいなかったのか……。
いないまま、あの戦争が始まってしまったんだ……。
────◇◆◇────
「先輩、こちらだと先程来た道に戻ってしまいます 」
「うそっ! う〜めんどくさいねこの迷宮…… 」
ドレイクさんの船に乗って海を渡っていた私たちが偶然立ち寄った島。 その島に降り立った瞬間に、サーヴァントの宝具らしきものに閉じ込められてしまっていた。
島から出ないことには何も始まらないから、サーヴァントの反応が一番高かった迷宮の中をマッピングしながら進んでるんだけど……。 行けども行けども出口に辿り着けない。
「先輩、先が行き止まりであることがわかっているのに進むのは……何故なのでしょうか? 」
「そ、それは…… 」
い、言えない! ダンジョン系のゲームはどこにアイテムが隠されてるかわかんないからマップ全部埋めなきゃ気がすまないなんてマシュには言えない!!
あああ、でもこのまま進んでいったらいつかは気づかれるよね。 マシュに軽蔑されるのだけは避けなきゃ行けない……ここは正直に言ったほうが!!
「あ、あのねマs「──下がってろ、藤丸立香 」しゅ〜? 」
「うおおおおおお!!!! 」
うおおおおお!! びっくりしたっ!! 歩きながら思案してたらいつのまにか開けた場所に出てたみたいで、突然の叫声が私の耳にダイレクトに直撃してきた。
聞いただけでちょっと頭がクラクラしてきたけど、何とか前を見てみると、そこにいたのは仮面をつけた巨人だった。
ホッキョクグマで最大が3mぐらいにまでなる個体がいるって聞いたことあるけどそれ位かな?
そんなこと考えてるうちに相手が私たち目掛けて突進してきた。 大型車両が意思をもって突撃してくるのを、ベリアルさんは黒き鋼を地面に思い切り叩きつけて岩の壁を即席で作り上げる。
「うがあああああ!!! 」
「それぐらい……出来て当然だ 」
目の前に現れた壁を容易く破壊すると、手に持っていた2丁の斧を一番前にいるベリアルさん目掛けて振り下ろされる。
その一撃を黒き鋼で受け止めたベリアルさんだったけど、その巨体から繰り出された攻撃はそれだけ強力で、受け止めたベリアルさんのいる地面がクレーターのように大きく凹む。
「牛頭人身の化け物……脱出不可能の
「ミノ……タウロス…… 」
「それって確か── 」
マシュが教えてくれたその真名は、流石の私でも聞いたことのある名前だった。
ミノタウロス──ゲームとかでもダンジョンのボスだったり、宝箱を守ってる敵キャラクターとして出てくることが多いその英霊だったけど……。
べリアルさんにミノタウロスと呼ばれた時のその目は……なんだか私には悲しそうに見えた。
「……あああああああっ!!! 」
「────っ!? 」
「ベリアルさんっ!! 」
身動きが取れなくなってしまったベリアルさんが反撃に出るより速く、丸太よりも太いミノタウロスの足がベリアルさんに襲いかかって、迷宮の壁まで蹴り飛ばされてしまう。
「んにゃろ! やってくれるじゃないかい!! 」
「ますたあ、お下がりを! 」
「戦闘態勢……これはっ!! 」
「貴様らは邪魔をするな…… 」
マシュたちが戦おうと武器を取ったと思ったら、全員光の輪で身動きが取れない状態になっちゃった。 こんな事できるのはベリアルさんしかいないと知ってるから、蹴り飛ばされてしまった壁を振り向くと、頭から血を流しながら肩を慣らすベリアルさんがこちらに歩いて来てた。
「 コイツの相手はオレだ 」
「ううう…… 」
「貴様、真の名はミノタウロスではないな? ただの化け物なら、もっと形振り構わず暴れているぞ 」
そういえば、ミノタウロスは身動きの取れないマシュたちのことを1回も攻撃しようとしてない。 やろうと思えば簡単に倒されてしまうのはこっちなのに……どうして?
ミノタウロスも、ベリアルさんもお互い目線を逸らさず睨み続けると、痺れを切らしたのか、ミノタウロスがさっきみたいに突撃を始める。
「同じ攻撃が、このオレに通用するとでも思ったか? 残念だったなっ!! ジェアアアッ!!! 」
「ッッッ!! 」
あの巨体を振り回した!? ミノタウロスの巨体を飛び越えたと思ったら、その両角を掴むと勢いに任せてミノタウロスのことを地面に叩きつけた。
その衝撃でミノタウロスの被っていた仮面が割れて、その素顔が露わになる。
「立て、人間臭いその目が言ってるぞ。 守るべきものが在るとな…… 」
「──!! うああああっ!! 」
露わになった素顔は、意外にも幼い子どもみたいな顔をしてた。 そのミノタウロスは、ベリアルさんに言われたことが怒りに触れたのか、武器を持って振り回し始める。
守るべきものがある? ミノタウロスにも守りたい何かがあるの?
「クハハハハっ!! 良いぞ!! もっと怒れっ!! その
「まも、る!! ぼくが、
ベリアルさんに弾かれるのを最初から予期していたように斧を投げつけるのと同時に、アステリオスは斧を弾いたその一瞬の隙をつくように巨腕を振り下ろした。
ドゴォンッ!! と音と一緒に土煙が上がってしまって視界が遮られたけど、べリアルさんが避けるようなそぶりすら見えなかったけど……。
「名乗れ、
「ぼく、は…… 」
「
土煙が上がると、ミノタウロスの腕を片足で押さえ、その首に黒き鋼を突きつけているベリアルさんの姿があった。
ミノタウロスがベリアルさんの問いに応えようとしたその時、ミノタウロスが行かせまいとしてた道から声が響いてきた。
……て、あれ? あの人って……ローマの特異点で私たちを助けてくれた……
「ステンノさん? 」
「わかったわよ! アンタたちについて行けば良いんでしょ!! だからアステリオスから離れなさいよ!!」
「……アステリオス。 それがお前の真の名か。 藤丸立香、あの駄女神の勘違いを解け 」
ベリアルさん、ミノタウロスの本当の名前──アステリオスだって分かったら迷宮の壁に腰掛けちゃったよ!!
アステリオスの盾になろうとしてるステンノさんに瓜二つのその人は、頭に血が上がっちゃってる感じだ……。
説明……できるかなぁ?
ウルトラマンベリアルアーリースタイル
ベリアルがレイブラッドの闇に堕ちる前、光の国の戦士だった頃の姿。
ショーとかでたまに出てくるのでその戦闘を参考にすると
銀河帝国ゼロ〈カイザーベリアル=アーリーベリアル〈アークベリアル〈ウルティメイトゼロ
ぐらいの強さを持っていることにしています。
ベリアル強さランキング
S ベリアルの乱、オメガ・アーマゲドン時のベリアル
A アトロシアス(ストルム器官あり)、ゼロダークネス
B カイザーダークネス、アークベリアル、アトロシアス(ストルム器官なし)
C カイザーベリアル、アーリーベリアル
E ウル銀ベリアル、ジード16話ベリアル
Eでも殆どのウルトラマン太刀打ち出来ないという意味不明なベリアルさん。
カイザーダークネスはウルティメイトゼロと互角で渡り合うためアークベリアルよりは上
絶好調のウルティメイトゼロを完全に倒しているオメガ・アーマゲドン時のベリアル。
キングが出てくるまで誰も止めることが出来なかったベリアルの乱のベリアル(父が本気出さなかったってのもあるけど)
アトロシアスに関してはストルム器官の有無で振り幅が大きいけど、ストルム器官が無くなってもケンに勝てる実力があるからこそBランク。
正直Eランクでも並みのウルトラマンじゃ太刀打ち出来ないレベルだからベリアルの強さは異常。
この強さランキングは完全に独自解釈なんでここはこうじゃね?的な意見もくれると反映される可能性があります。