【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜 作:ちょっつー
作者、今日はファスチケ当たったんでゆっくり並べます。
拙作ですがどうぞよろしくお願いします。
『まだ……!! 』
『オレは、まだっ!! 』
『まだっ!! 飛べる!! 』
────◇◆◇────
私たちはキャスターの案内の下、無人になった学校のひとつに身を寄せていた。
そこでなら説明も出来るだろうって、この特異点で何が起きてるのかキャスターが教えてくれた。
『聖杯戦争』
7人のマスターが"セイバー、アーチャー、ランサー、ライダー、キャスター、バーサーカー"の7騎の英霊のうち1騎を召喚して、生き残りをかけた闘いをする。
その勝利者には、願いをなんでも叶えてくれる万能の力をもつ聖杯の所有者になれる。
それがこの特異点でも行われたらしいんだけど、いつの間にか違うモノにすり替わってたらしい。
残ったサーヴァントはセイバーとキャスターの2騎だけだったみたいで、さっきのランサーもセイバーに倒されたことで手駒になっていたんだって
「ではキャスターさんがセイバーを倒すことが出来れば…… 」
「この街の聖杯戦争は終わるだろうよ 、そのために動いてたんだが、いかんせん戦力が足りなかった 」
狂った聖杯戦争の終結。それは私たちの目的と一致しているから、キャスターは私たちに正式に協力してくれることになった。
「貴方との話は何とか纏まったわね。 次はアナタよ!! 47人目のマスター!! 」
47人目、私の一個前のマスター候補のベリアルさんだけど、所長に指さされても無視して答える気はないみたい。 その代わりにドクターがベリアルさんのことを教えてくれた。
『宮原博樹、今年で42歳を迎えるこのカルデアの中でも年長の内に入るけど、その高いレイシフト適正から選ばれた実験メンバーのうちの一人。立香ちゃんのように運良く爆発に巻き込まれていないのなら可能性はあったけれど……。 きみがコフィンの中に入ったのは情報として記憶されている』
「そこの藤丸立香同様、魔術の知識はゼロ。 数合わせで呼ばれた47人目の補欠のマスター。 そのアナタがどうしてサーヴァントと契約して!! しかもデミ・サーヴァントになっているのよ!! 」
「黙れ女。 オレがコイツの身体を使っているのは単なる気まぐれに過ぎない 」
分からないことがあると隣にいるマシュが教えてくれるんだけど、所長があんなに怒ってるのには理由があるみたい。
『デミ・サーヴァント」────今のマシュがそれなんだけど、人間が呼び出したサーヴァントと一緒になった存在をそう呼ぶみたいで、べリアルさんもそのデミ・サーヴァントらしい。だけど……
そのデミ・サーヴァントの研究ってかなりのお金がかかってた見たいで、偶然それらしいことが可能になったベリアルさんに怒り心頭って感じかな?
「"英霊を呼ぶのに相応しい魔術回路と無垢な魂を持った子供"を用いることがデミ・サーヴァントの条件のはずでしょう!? この男はそれをどちらも満たしていないじゃない!! 」
「コイツがオレを呼び出し、それにオレが応えた。 ただそれだけの話だ 」
「ただそれだけって…………。それにっ!! べリアルという名は本当にアナタの真名なの!? アナタのマスターの意識はどうなってるの!! 」
「いちいち質問の多い女だ。あまり他人に好かれんだろう貴様 」
「んなっ!! 余計なお世話よっ!! 」
「まあいい、コイツは今は眠っている。 オレが入る前は死に体だったんでな、いつ目覚めるかは知らん。 そして 」
べリアルさんは目の前でぷりぷり怒ってる所長の頬を右手で挟みながら顔を寄せる。
「このオレを舐めているのか? 名を偽る理由など存在しない。 オレの名はべリアルだ、それ以外の名を名乗る気はない 」
そう言って所長を掴んでた手を離すと、べリアルさんは教室の隅っこのほうに移動して机に腰かけた。
そう言えばべリアルって名前よくゲームとかで聞いたことある。
「確か……べリアルって悪魔の名前だっけ? 」
「はい、堕天使と記されている書物もありますがだいたいそのイメージであっていると思います。
べリアル、有名な所ですとソロモン王のが使役する72の悪魔のうちの1柱がそう呼ばれています。 」
『一説では高位の天使だったって話もあるし、ああでも立香ちゃんのいたところでは高位の魔王って認知のほうが強いかな? 彼の手に令呪があるから正式に契約されていることは確かだ。その真名が本当で、彼が僕たちに力を貸してくれるんなら強力な味方であることは間違い…………。 その筈だ…… 』
「まあいいじゃねえかどうでもよ。 今はこの聖杯戦争を終わらせんのが先決だ。 それによ、特異点とやらになった原因があるとしたらあそこ以外はありえないだろうな。この土地の"心臓" 大聖杯 だ。」
所長とドクターがべリアルさんのこと本当に味方なのか怪しんでるけど、キャスターが声をかけると、べリアルさんはニヤリっと笑った。
「そこにセイバーの野郎が陣取ってやがるが、アンタも戦ってくれんだろう? べリアルさんよお 」
「……ジロジロとこちらを監視してきている、気持ち悪い弓兵の相手をする気はないがな 」
「えっ!? ちょっと何するのよ!! 」
「嬢ちゃんっ!! マスターを連れてここから出なっ!! 」
べリアルさんが所長のことを脇に抱えて教室から飛び出してくのを見てると、キャスターの指示で私もマシュに抱えられて外に飛び出す。
すると私たちがさっきまでいた教室が突然爆発してしまう。
「珍しく表に出てきたと思ったら随分なご挨拶じゃねえか。 セイバーの側にいなくていいのかよ、信奉者さんよ 」
校庭にはいつのまにか白い髪の褐色肌のサーヴァントがいて、キャスターの出した魔術を剣で弾き落とした。
『信奉者になったつもりはない。 だがつまらん来客を追い出す程度のことはしよう』
「へっ、そりゃそうかよっ!! 」
キャスターの魔術と相手のサーヴァントが出した弓矢がぶつかり合う。
「ついてこい盾の女。 」
「へっ? ですが、キャスターさんの加勢をしたほうが 」
「宝具も解放できない半人前がいくらいようと邪魔なだけだ。 はやくこい 」
「っ!! …………了解 …………しました。 」
最初から戦う気がなかったべリアルさんの後を追うように私たちも戦線から離脱した。
べリアルさんの言葉に辛そうな顔してたけど、大丈夫かなマシュ?
『ふっ、漸く出来た戦力にも見放されるとはな。 貴様はつくづく運がないようだなキャスター!!! 』
ルーン魔術によって放たれる炎を牽制として使い、杖を槍を持つようにして夫婦剣を振るうアーチャーと互角に渡り合っている。
「ばーか、違ぇよ。 泥にまみれて判断力も低下しちまったか? 」
『なに!? これは!? (ルーン魔術による拘束!? ならばっ!! ) 』
キャスターは最初からコレを狙っていた。
一人になったキャスターを確実に処理するためにアーチャーは弓よりも使いなれた方法をとってくると。
「はなっからテメーが襲ってくんのは予測してたんでね!! 喰らいやがれ!!」
予測は的中し、予め仕掛けられたルーン魔術によって拘束される。
その隙、腕も足も使えなくなったアーチャーから少し離れると、キャスターは魔術の詠唱を始める。
【我が魔術は炎の檻 茨のごとき緑の巨人 因果応報 人事の厄を清める杜ー 】
【
『っ!! (ルーンだけではない、なんだこの光の帯はっ!? )』
巨大な藁の人形。 キャスターの指示によって動くそれは、拘束されているアーチャーのことを掴み、腹部にある檻に入れる自らを炎で焼き上げると共に、アーチャーのことも消滅させた。
「…………ちっ 」
セイバーの待ち構える大聖杯。 その場所に行くには必ず邪魔をしてくるこのアーチャーを倒すことが必須だった。
それだと言うのにキャスターは、喜ぶ様子もなく、アーチャーが拘束されていた場所で悪態をついていた
「
ルーン魔術の拘束だけでは、アーチャーに途中で破られることを予見していたキャスターは、腕の一本でも差し出す覚悟を決めていた。
だが、赤い鎖とは別の、光の帯のようなものもアーチャーのことを拘束しており、その光の帯だけは終始破られることはなかった。
(アーチャーの野郎を見たのはあれが初めてだった。 それをあの野郎、オレと弓兵がどう戦い、どう動くかまで完璧に予想……いいや、あんなもん予知のレベルだ )
キャスターは溜め息を吐きながら重たい腰を上げると、立香たちが走っていった方向へと目を向ける
「あの親父、一体なにもんだ? 」
「「英霊! カプセルナビ!! 」」
「今日紹介して貰う英雄は……コチラ!! 」
「『キャスター クー・フーリン』さんです。 特異点Fでは仲間として協力してくれました 」
「クー・フーリンについてちょっと調べたんだけどさ、どっちかっていうと槍のほうが有名だからランサーのクラスで召喚されるんじゃないの? 」
「はい。 本来ならその筈なのですが……特異点Fの異変がクラスにも生じた……というのがカルデアでの見解です。 あ、でもルーン魔術を使いこなす戦士でもあったのでキャスタークラスの適正はあるのかと 」
「ふむふむ。 逸話によっては複数のクラスを持つ英霊がいるってことだね!! おっけー覚えた!! 」
「それでは今日はこの辺りで…… 」
「「次回も見てください!! 」」
「先輩!? 」
「へっへ~ん。 マシュのマネ~♪ 」