【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜 作:ちょっつー
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「「………… 」」
「あ~~っ!! たく辛気臭せえなっ!! お前らアイツのサーヴァントなんだろ? 何とかしろよな 」
「それは契約上の話です。別に私はべリアルが敵であろうが関係ありませんから 」
「ううう……ますたぁ……、ましゅ…… 」
ジキル邸で聞かされた『べリアルが敵かもしれない』という話しは、今までの特異点をべリアルと共に歩き、大きな信頼を寄せていた立香とマシュ、2人の心に重しとなってのし掛かっていた。
この特異点を修復するための調査にも身が入らず、そんな暗い雰囲気を背中にビシビシと受けるモードレッドの苛立ちは噴火寸前だった。 どうにかしようとカルデアから喚ばれたジャンヌオルタ、アステリオスに声をかけるが、ジャンヌオルタはどうでもいいと興味を示さず、アステリオスはどう声をかければいいのか分からずに狼狽えていた。
「────あ~~~~!! くっそっ!! 」
「きゃっ!? モードレッド……さん? 」
「今の、俺がコイツで立香のヤツを狙ってたら、ソイツは死んでたぜ 」
いよいよもって噴火したモードレッドは、マシュのことを蹴り飛ばし剣を突き付ける。 冗談などではなく、本気の殺意を向けて……。
「おら、構えろよ盾野郎。 同じ騎士として、サーヴァントとして、テメーのこと思いっきり叩きのめしてやるよ 」
「────っ!! 」
────◇◆◇────
"燃やすぜ勇気!! "
"魅せるぜ衝撃!! "
父親がべリアル。 それが彼がウルトラマンに変身できたレムが言っていた"Bの因子"の正体だった。 この宇宙でも、どの宇宙でもか……誰もが悪の象徴であると認知されているべリアルさんの息子という真実は、ヒーローを目指しているリクくんにとって受け止めることからも逃げたくなる辛く、過酷な運命…………。
けど、そんな運命にも負けずにリクくんは
"リトルスター"この宇宙に生きる生命の体内で生成される高純度のエネルギー物質が結晶化し、感染した宿主に特殊な力を与える不思議な状態。 そのリトルスターを分離する方法は『宿主がウルトラマンへ祈る』こと。
ジードの戦う姿を見て、「守って」「負けないで」といった思いによって分離したリトルスターは、ブランク状態のウルトラカプセルを起動させる。
その新たに起動させたカプセルを使うことで、リクくんはプリミティブとは別のフュージョンライズを成功させた。
セブンとレオのカプセルを使ってフュージョンライズした"ソリッドバーニング"。
コスモスとウルトラカプセルを開発したというヒカリのカプセルを使用することで変身する"アクロスマッシャー"
別宇宙からウルトラマンゼロも現れて、そんなゼロにも支えてもらいながらウルトラマンとして成長していくに連れて地球の人たちがジードのことをウルトラマンとして認めていってくれた……そんな矢先に事件が起きた。
『19年前、赤ん坊の君を天文台に置いたのは私だ 』
伏井出ケイ──地球人に化けていた彼の正体はストルム星人という宇宙人であり、べリアルさんの部下である彼はレイオニクスの力を授かったことで、ゴモラとレッドキングが融合した怪獣"スカルゴモラ"やエレキングとエースキラーが融合した"サンダーキラー"にフュージョンライズを果たし、人々を襲っていた張本人だった。
彼の目的、それはべリアルさんの完全なる復活。べリアルさんほどのウルトラマンが復活するには合計で8本ものウルトラカプセルが必要であり、そのためにリクくんのことを操り人形のように操っていたのだという。
ウルトラマンにしか譲渡されないリトルスターによって起動するウルトラカプセル。そのカプセルを集めるためだけにべリアルさんの遺伝子を使い造り出された命。
それがウルトラマンジード、それが朝倉リク。
『これで、エンドマークだ』
リクくんの使うジードライザー、装填ナックルと瓜二つの道具を取り出した伏井出ケイは、キングジョーの怪獣カプセルとゼットンのカプセルを使用し、その力をレイオニクスの能力で増大させて融合した怪獣"ペダニウムゼットン"にフュージョンライズし、リクくんに襲いかかってきた。
────◇◆◇────
先輩とはまったくに逆、それがベリアルさんでした。『敵意や悪意が全くと言っていいほど感じられない』それが先輩だとすればベリアルさんから感じたのは『敵意や悪意それそのもの』。 特異点Fでランサーとの交戦中に突然姿を現したベリアルさん。 隣に立たれたあの時、全身から危険を知らせる警報が鳴り響いている中で、ベリアルさんの放つ威圧感、恐怖に飲み込まれた私の身体は動くことを許してくれなかった。
『あの、貴方は何ていう英霊……なんですか? 』
恐怖に包まれたベリアルさんへの印象が薄れたのは、ベリアルさんへ恐れずに手を伸ばした先輩の一歩とそんな先輩へ向けたベリアルさんの瞳でした。 伸ばされたその手が何なのか、初めて知るようなそんな瞳をしていたベリアルさん。 未だにそれが何を意味するものなのかは解明していません、ですは何でかこの人は信用できる人なんだとデミである部分……私自身がそう感じたんです。
そんなベリアルさんが教えてくれた……この盾の振るい方、力の使い方……
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「オラオラオラっ!! どうした、そんなもんかマシュっ!! 」
「くっ! (一撃一撃が重く、速く、そして鋭い!! 手加減なんて存在しない。 これがモードレッドさんの本気!! この攻撃をべリアルさんはあんなにも簡単そうに……) 」
自分とべリアルの力量の差、その差は絶対に追い付けない先にあることを理解していながらもマシュは比べてしまう。 もしもべリアルが本当に敵だとしたら、モードレッド以上の敵をべリアルなしで戦わなければいけない、それがどれだけ難しいことなのか思案して。
「お前が一歩下がるごとに、
モードレッドの発した言葉を受けて、その剣を受けて後退していく足が止まる。 『立香が死ぬ』その言葉が届いた瞬間、今までの考えていたべリアルについての悩みが吹き飛んでいく。
「先輩は……マスターは私が守ります! それが、私がこの盾を授かり振るう理由だから!! 」
悩みが吹き飛んだマシュの頭の中に浮かぶ思い。 それは特異点Fで行われたべリアルとの戦闘、その時に決めた覚悟だった。 立香を守るために強くあろうと決めた覚悟を思いだしながらマシュはモードレッドの剣撃を後退することなく受け止めていく。
(ドクターが言っていたように、べリアルさんは敵……なのかもしれません。 けどっ、あの時べリアルさんが理解させてくれたこの覚悟に変わりはありません。 だからっ!! )
「うおっ!! 」
マシュが受け止めた剣、それを盾を下から持ち上げるようにして弾き返しながら、モードレッドに覚悟を決めたその眼で見つめる。
「私は藤丸立香のサーヴァント。 この盾はマスターを守るためのもの。 そう使うと
「マシュ……そうか、そうだよね 」
マシュの言ったあの日。 その言葉を聞いて蹲っていた立香の心も覚悟を決めた。『べリアルさんが敵であろうと関係ない、あの日から私たちのことを守ってくれたあの人を信じ続ける』他の誰かが聞いたら笑いだすような馬鹿みたいな覚悟を。
令呪を見つめ立香が顔を上げると、狙っていたのかモードレッドと目が合う。 悩みが吹っ切れた立香の顔を見てモードレッドはニヤっと歯を見せて笑う。
「たっく、やっと吹っ切れた見てーだな。 手間取らせやがってよ 」
本当はジードクローのくだりとか、ソリッドバーニングにアクロスマッシャーも書きたいけど書ききれないんで仕方なしに……。
特にジードクローとかその鋭利な爪の形から色々想像できるしやばいんや!!
ウルトラマンに出てくる地球人の民度は低いと思う。 特にメビウスやジード