【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜 作:ちょっつー
4章も終盤に近づいていってます。
感想、評価お待ちしてます。
ご指摘、誤字脱字助かってます
────鉄のぶつかり合う音が響く。 幾人もの血で染まり、赤黒く変色したその丘の上で叛逆の騎士モードレッドはその剣を相手に振るっていた。
『カムランの丘』──アーサー王伝説の終局の地、モードレッドにとって運命の地であるその場所で相対するのはただ一人、アーサー王を置いて他ならない…………はずだった。
「ふざけるな!ふざけんな!この場所で、この丘で! 私が戦うのはアーサー王只一人だ!! 勝手に上がり込んでんじゃねえっ!! 」
「惨めだな。 いくら焦がれた所で騎士王がここに現れることは決してない。 定められた運命にも抗えず、その命を散らした模造品が 」
黒い金棒を降り下ろしモードレッドへ詰め寄る戦士。彼が放った『模造品』というその言葉は、ホムンクルスとして自身の生を恥じているモードレッドの感情が爆発するのは当たり前だった。
「────っ! 私の手によってブリテンは崩壊した!! 私が死のうが関係ない、この私の叛逆は完遂された!! 」
「それを叛逆だと思い込んでいる、だからこそ貴様はジードを成せない 」
「ガッハ……ッ!! 」
魔力を増大させた剣すらも容易く弾き飛ばし、金棒でモードレッドは鎧ごと貫かれる。 生前の最後、アーサー王の持つ聖槍に貫かれたその時と同じ終わりだった。
「叛逆の意味すらも履き違えてる貴様は、誰が相手であろうと同じ最期を迎える。 それが……貴様の宿命だ 」
・・・・・・・・・・
「────はっ!! …………クソッ、サーヴァントは夢を見ねえんじゃねーのかよ 」
魔神柱を打ち倒してからの記憶が曖昧なまま目が覚めたモードレッドは苛つきながら立ち上がると、瓦礫の山をどかしているマシュとジャンヌオルタへ歩み寄る。
「あらやっと起きたわけ? 随分と長いお眠りだったこと 」
「うっせー芋女。 そこに立香のヤツ埋まっちまったのか? 」
「はい、アステリオスさんが守ってくれたので先輩のバイタルに異常はありません……ですが 」
死ぬ行くマキリ・ゾォルケンが最後に残していった切り札。狂化を施されて召喚されたサーヴァント『ニコラ・テスラ』 登場した彼の魔力によって山が崩れ立香とアステリオスが埋まってしまい、近くにいたモードレッドは彼の放つ雷の直撃によって気絶してしまっていた。
そんなニコラ・テスラがこの特異点を破壊するために地上を目指しているという。
「わーった、オレが先に行く。 テメーらは立香のこと速く助けとけ 」
「モードレッドさん! 」
「あ? 」
「その……気を付けて下さい…… 」
────◇◆◇────
"ウルトラマンジード マグニフィセント"
ゼロと父、べリアルさんと因縁のある2つのカプセルを使って再び立ち上がった『強大な力を秘めた崇高な戦士』
一度は負けた相手、しかも相手は暴走しているとはいえ、6本のウルトラカプセルを体内に取り込んだ強力な敵ではある、けど逃げない。 2本の足で大地を確りと踏み締めてペダニウムゼットンを迎え撃つ。
泣いてた頃の小さな自分を抱き上げてくれた大切な人に、自分は大きくなったんだとその成長させてくれた姿を見せながら……
『造られた道具がっ!! 創造主に刃向かうというのかぁ!? ひざまづけ!! 地を舐めろ額を擦り付けて許しを請え!! 終わるときが来たのだぁ!! キサマの首をべリアル様への手土産とする!! 』
ペダニウムゼットンから、変身者である伏井出ケイの声が聞こえてくる。ウルトラの父のカプセルを起動させたことでべリアルさんが復活するのに必要だという8つのカプセルが揃ったから、リクくんは要らないのだと
『キサマの価値はあ! べリアル様の遺伝子をもっていることぉ!! それ以上何物もでもない模造品だぁあ!! 』
『模造品なんかじゃない!! 僕はリク! 朝倉陸!! それが僕の、名前だぁ!! 』
『キサマの人生に価値などなぁぁい!! お前という肉片に命を与えたのはこの私だぞ? 産声を上げる瞬間に磨り潰すことも出来たのだぁぁ!! 』
勝手に言っていればいい。 どんな言葉で罵ろうと、陥れようとしたってもう無駄だ。 自分の生きる意味を、貰った名前の意味を知ったリクくんには通用しない。
『貴方にはわからないんだ! 人の幸せが!! 僕には! 仲間がいる!! 帰る場所も!! 』
互角の勝負を繰り広げていた両者の攻防に亀裂が入る。ペダニウムゼットンがジードの攻撃に押され始めたんだ。
『僕は僕の人生を生きてる! 誰にも価値がないなんて言わせない!! 』
『キサマが価値あると信じている全てのものはクズだ! 薄っぺらい貴様のような存在にはお似合いだがなァ!! 』
それでも伏井出ケイはリクくんのことを否定しつづける。 そのむき出しの感情からは怒りと、そして嫉妬が入り交じっているのがわかる。 べリアルさんが求めているのはジードで、自分じゃないことへの身勝手な嫉妬心を剥き出しのして
『可哀想な人だ……! 貴方には何もない! 空っぽだ……! 』
自分は独りじゃないと理解したからこそ、リクくんは人の心が分からない独りぼっちに敗けやしない。
『ビックバスタウェイ!! 』
放たれた必殺光線が、ペダニウムゼットンのバリアを容易く打ち破り、宿敵とも言える伏井出ケイを撃破した。
大きくなったね……リクくん……
────◇◆◇────
道行きを邪魔してくるホムンクルスやヘルタースケルターを薙ぎ倒し突き進んでいったモードレッドは地下迷宮を歩いて進むニコラ・テスラに追いつきその剣を降り下ろした。
ニコラ・テスラの放つ雷は周囲の魔霧を活性化させる力があるらしく、他者の魔力を吸収するという性質を持った霧へと変化していた。 その霧をモードレッドは自身の宝具『我が麗しき父への叛逆』の真名解放による大量の魔力放出を吸収させることで吹き飛ばすという荒業を使い戦闘を行っていた。
「ははははは! クラレント、その剣は素晴らしいものだ。しかし────君自身に迷いが見えるようだね、モードレッド卿 」
「────迷いだと? テメーをブッ飛ばす以外に考えることなんてあるわけねえだろ!! 」
傍目から見ても分からない、敵意を向けられるニコラ・テスラだからこそ気づいたほんの少しの心の迷い。 それを指摘されたことを紛らわすように声を荒げるモードレッド。
(あんなんただの幻覚だ。捨てろ、忘れろ、思い出すな!! )
───誰が相手であろうと同じ最期を迎える。それが……貴様の運命だ。
つい先ほど頭の中に流れ込んできた景色、想像、妄想……どう言えばいいのか分からないそれが、モードレッドの心の迷いの原因だった。 そのせいもあってかモードレッドは攻めきれず真名開放によって払った霧がまた展開を始めてしまう。
「此度の余興はここまで! ……君はその剣に見合う騎士ではなかったようだ!! 」
「待ちやがれ!! 」
そして、自身が何処へ向かい何を為そうとしているのかを告げ地上に向かって歩いていった。それを果敢に追いかけようとしたモードレッドだったが、足を止めると壁にもたれながら座り込んでしまう。
「オレが、クラレントに見合わねえか…………。 そんなこと父上から奪った時からわかってただがな…… 」
王位継承権を示す剣である我が麗しき父への叛逆。しかしモードレッドは王と認められてこの剣を授かったのではない、アーサー王の武器庫から強奪し今の今まで使用していた。
見合わない、認められていない。そんなことはモードレッド自身が誰よりもよく知っている、知った上で使っている。 今更誰にどう言われようが心を乱すことはなかったはずだ…………。
「────オレは叛逆の騎士モードレッドだ。 アーサー王の国を終わりへと導いたのはこのオレだ。 だから、このロンディニウムを壊していいのはオレだけなんだ…………。無駄な考えは切り捨てろ、オレは円卓の騎士にてアーサー王へ叛逆した騎士── 」
────その影法師だ
「ははははははははは! ははは!! 最早、私を止める者は何処にも現れはしないか! 」
「と~っても長い階段ね♪ 空へと続くこれは巨人の家へと続く豆の木のよう! 知っていて? あの先には幸せが待っているのよ! そうは思わない、怖いおじさま? 」
「……だ、そうだ。 あの先に辿り着くのが貴様の、いや貴様を召喚した屑の幸せだというのなら、このオレはそこへ届かせない障害となってやる。 ありがたく思うんだな 」
「君は……人、地、星どれにも当てはまらない君が私を止める勇者になるか! 」
「それはこのオレに最も遠いものだ。 アイツらが戦うのにそれが邪魔だからな、払いに来ただけだ 」
金時さん&玉藻は霧に喚ばれることはありませんでした。金時は「子どもを守る英霊」であるように、彼女は「子どもの夢を守る英霊」だもの。 そう思うと彼女は本来その為にロンドンに召喚されたのでは?
ジードのフュージョンライズの好きな順(テレビ未登場形態は除く場合)は
ウルティメイトファイナル≧プリミティブ=マグニフィ≧ソリバ≧アクロマ=ロイメガといった感じ。
マグニフィセントは登場時のその格好良さに惚れるし、ジードお得意の開幕蹴りも好き。
ロイメガは嫌いなわけじゃないけどちゃんと理由があるんでロイメガ回の時にでも……