【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜 作:ちょっつー
須賀川でのExpoで販売すると信じてる!!
そんな感じで今回もよろしくお願いします。
感想、評価お待ちしてます。
誤字脱字、ご指摘くださりいつもありがとうございます。
激昂しているモードレッドの目には、自らの宿命である黒馬と槍を携える騎士王しか見えていない。だからこそ接近してくる存在に気づけなかった。
「がはっ……!! 」
モードレッドと黒馬に駆る騎士王との戦闘。卓越した剣技と槍技の激突の間に突如として割って入ってくる者がいた。
その男は、
『べべ、べリアル!! どうしてモードレッドにまで攻撃を……、やっぱり彼はっ!! 』
「待ってくださいドクター! あれは違います……違うと、思うんです…… 」
何棟もの建物を突き破っていったモードレッドを追うように消えていったべリアルを見て、彼の事を敵だと睨んでいるロマニは通信越しに慌て出すが、彼の事を現地で見たマシュは声を荒げて否定した。
「べリアルさんのあの目は……。 ────っ、飛ばされたアーサー王復帰してきます!! 」
モードレッドを吹き飛ばした場所へと降りてくると、直ぐ様魔力を放出させた剣が迫ってくる。
「
「あのまま続けていたとしても、貴様は同じ運命を辿っていただけだ 」
「同じ運命。 ────っ! オレが、この私があの槍に貫かれ潰えると言うかっ! 舐めるなよっ、今の私は生前の時とは違う!! 」
「違うものか 」
剣技に時折拳や脚での攻撃を混ぜてべリアルへ向けたとしても、一撃として届く気配がない。 べリアルは完全にモードレッドの動きを見切り、最小限の動きで避け続けている。
「貴様はこの世に産まれ落ちた時から何も変わっていない。 何一つもだ 」
モードレッドの攻撃を避け続けていたべリアルが動いた。片手だけで彼女の剣を掴み取ると、モードレッドが素手での攻撃へと転じるよりも素早い動きで黒き鋼を腹部へ当て、そこから放出されるエネルギーの塊を零距離でぶつける。
「ガアアアアッ!! 」
爆発によって今いた建物は崩れ落ち、着ていた鎧のおかげか消滅を間逃れたモードレッドは地面に倒れ伏せていた。
「創造主の目的の為だけに造り出され、決められた道を歩くことを強いられた 」
倒れている彼女の頭の上に足を乗せながら、相手を確実に陥れるそんな悪意の籠った声で語り出す。
「人ではない自らの存在を恥じ、王に焦がれ一度は真っ当な騎士になろうと目指したお前は、自らの真実を知り父親に拒絶されたことによって、定められた道を歩むことになった 」
「うる……せえ…… 」
「自らの命と引き替えに騎士王の歴史を終わらせた? 驕るのも程々にしろ、貴様は只決められた道を駆け抜けただけだ 」
分かっている、言われなくても分かっている。 モードレッドが謀叛を起こさなくてもブリテンは崩壊の一歩を辿っていた、モードレッドはその時をただ早めただけにしか過ぎない。
それでも彼女にはそれしか道がなかった。 ただ偉大な父に一個人として、息子として認めて貰いたいという幼子のような想いも、自分を見てくれない、息子と認めてくれなかった憎しみの籠った愛憎。
その全てを、目の前の男に見透かされているほどに自分の一生は軽いものだったんだと自覚したモードレッドは悔しくて知らぬうちに頬を涙が伝っていた。
「なら……どう、すれば……よかったんだよ…………! 」
地面を涙で濡らしながら弱音を吐くモードレッド。その髪を強引に掴み顔を持ち上げられる。顔を向かい合う形にされたべリアルのその目は、とても冷たいものだが確りとモードレッドの目を見て言葉を口にする。
「運命を変えろ。誰でもない、お前自身の運命をだ 」
「オレの運命を、変える…… 」
「造られた存在である恥を捨てろ、短命を乗り越えてみせろ。 己のに定められた運命をひっくり返せ。 それが、ジードだ 」
ジード、その言葉の意味をようやく理解したモードレッドは、そんな力を自分にあるのか悩んでしまう。 そんなモードレッドの思案などお構いなしにべリアルは掴んでいた彼女の髪から手を離し立ち上がる。
「ジードを成すというのなら立て。 そしてあの剣を抜いて見せろ、まずはそこからが始まりだ 」
べリアルの視線を辿ってみると、そこには彼の攻撃によって手から離れていた燦然と輝く王剣が、崩れてできた巨石に深々と突き刺さっていた
『勝利すべき黄金の剣』のようだと、その突き刺さる剣を見て彼女はそう感じた。アーサー王が引き抜き王となった選定の剣、直接その瞬間を見たわけではないが、聖杯への願いだったからこそ、そこへと思いたった。
「ぐっ……あぁぁ!! 」
軋む身体に鞭をうちながら立ち上がったモードレッドは、使い物にならなくなった鎧を消し、弱々しい足並みで石に刺さる剣へと向かっていった。
────◇◆◇────
────ジーっとしてても、ドーにもならねえ!!
自分に勇気をくれるその言葉を胸にキメラべロスから抜け出したリクくんは、家族のような仲間がいるから、たとえそれが本物じゃなくてもソレが本当なんだと証明するため自分の運命と戦うことを選んだ。
レッキングバーストを使い、キメラべロスごとと一緒に地球へ戻ってきたジードは、べリアルさんのことをそして彼を連れてきたんじゃないかとジードのことを恐れる人々の目を受けながらも戦うと決めたからこそジードは立ち上がる。父を前にして恐れないための
『ストライクブースト!!!! 』
地球に住む人々に、そしてキメラべロスに向けて生まれたその日から決められていた、その向かい風に抗う
『コースクリュージャミング 』
戦場にたたずむ大きな影を前に怯むことなく立ち向かっていくジードに、みんな希望を見出していく。 そんなみんなを、
次第に恐れていた人々はジードに声援を送る、そんな声がジードに力をくれる。
『僕は、あなたを越えてみせる!! 』
自分がべリアルの息子だってことを認めた上で、リクくんはべリアルさんを越えると宣言する。
その覚悟に、想いに伏井出ケイも、べリアルさんすら予想もしなかったウルトラカプセルが起動する。
"ユーゴー!! "
1本目は、今自分が相対している越えると宣言した父親────ウルトラマンべリアルのカプセルを。
"アイゴー!! "
2本目は、全てを超越している王の力────ウルトラマンキングのカプセルを使用する。
"ヒアウィーゴー!! "
今までのフュージョンライズとは明らかに違う。リクくんの目の前に出現した杖のような剣──闇を切り裂く王の剣を手にその姿を変える。
"変えるぜ運命!!"
闇に染まる前のべリアルさんにキングの鎧と風格を纏った定められた運命を引っくり返す姿『ウルトラマンジード ロイヤルメガマスター』
『貴方は強い。だけど、間違っている!! 』
戦いの舞台を空へと変え、邪魔なものが無くなった2人の戦いは熾烈を極めていく。
『オレをどれほど否定しようと、お前はべリアルの息子。 生きている限りオレの名前からは逃れられん 』
自分のことを否定してきたウルトラマンキング。 そのキングが力を貸すほどに認めたジードのことを、もう一度吸収するのではなくキメラべロスは、ベリアルさんは一体の怪獣として立ちふさがる。
『逃げるつもりはない! この身体が貴方から造られたものでも、この魂は……僕のものだ!! 』
『変えられるものかっ! 運命をっ!! 』
『変えてみせる!! 僕の運命は……僕が決める!! 』
それでも、与えられたものではない。自分で決めた自分だけの運命を歩むと決めたジードは彼の力にも言葉にも負けず超えていく。最初はジーッとしてても、ドーにもならなかったからこそなったジードじゃない。遺伝子のGENEと運命のDESTINYを組み合わせた名前『GEED』を胸に、運命をひっくり返すその一撃をキメラべロスへ刻み込むことで勝利を収めた。
運命を引っくり返す。 だからGEE⇆D。 ……そうか、それが君の歩むヒーローとしての道なんだねリクくん。
…………でも、支えてくれる頼もしい仲間がいなかったら、生きる意味を見つけられなかったら、ジードという言葉がなかったら…………憧れとなるヒーローが存在しなかったら──
リクくんはきっとなっていたんじゃないのかな、孤独を満たしてくれる唯一の肉親を守る──そんなウルトラマンに……
────◇◆◇────
『貴公には、王としての器がなかったからだ 』
「はあ、はあ、はあ………… 」
『何を遊んでいるのですモードレッド! 』
覚束ない足取りながらも、石に突き刺さった燦然と輝く王剣の前へと辿りついたモードレッドの頭には、父と母、二人の言葉が何度も何度もループしていた。自分を息子と認めてくれない父、自分のことを息子ではなく復讐の道具としか見てくれない母の声が……。
そのせいなのか、モードレッドの伸ばした手は剣の柄の前で止まってしまう。
(燦然と輝く王剣……王位継承を示すお前も、言うならば選定の剣だ。 何ビビってんだよ、コレはオレが何よりも望んでたことじゃねえか)
目の前にある刺さるクラレントを彼女は握ることすら出来ずにいた。 どうしても手が震えて動かなくなってしまうのだ、コレを抜いて本当に運命を変えられるのかと脅えている。
『貴公は王になる資格はない 』
『モードレッド、貴方はアーサー王のブリテンを滅ぼす。 そのためだけに私が産み落としたのです 』
(無理だ……やっぱり無理だ。 オレを認めていないコイツを引き抜くなんて…… )
役目をこなす人形。 入るはずのない両親の幻覚を見るモードレッドは、自分では燦然と輝く王剣を引き抜くことは出来ないと思い込んでしまう。 蛇のように絡み付く母に支えられながら剣を握り、抜こうと力を込めるが抜けないようにアーサー王がクラレントを抑え込んでいる限り、その剣は抜けないんだと……。
『貴公を認めるものは誰もいない。それはこの剣も同じだ 』
『貴方の運命は決められています。 その通りに、母の望み通りに進めばいいのです 』
(…………ほらな、やっぱりだ。 やっぱりオレなんかに、運命を変える力なんてねえんだよ )
燦然と輝く王剣を引き抜けず、自分にはジードの力はないんだと諦め俯いてしまうモードレッドの思考は闇のなかに沈んでいく。
そんな彼女のことを引き止める、不思議な温もりがモードレッドのことを包み込んだ。
「大丈夫だよモードレッドちゃん。 ジードは、運命を変える力は誰にだってあるものなんだ 」
(なんだ……これ。今まで感じたこともない気持ち悪い何かが手から、背中から伝わってくる…………。 でも何でだ、気持ち悪いはずなのに……嫌じゃねえ )
優しい、柔らかな声と一緒にモードレッドの背中に手を添え、彼女の手を包み込むようにクラレントを握っていたのはべリアルだった。だが、今のべリアルからは父や母と同じく感じた感情とは別の、生前では感じたことのない
「一人ぼっちじゃ誰だって出来ることに限界がきてしまう。 けど、こうやって! 」
「あっ! 」
べリアルの握る手の力が強くなり、反射的自分の手にも力が入るモードレッド。背後から聞こえてきるんーっとしまりのないその声と一緒に、巨石に刺さっていたクラレントが引き抜かれていく。
突然のことでどうすることも出来ないモードレッドはクラレントが最後まで引き抜かれるのを見ているしかない。
「ほら、
「な、なんで………… 」
選定の剣。王を選ぶ剣は一人で抜かなければ意味がない。それなのにそれを簡単に抜けるんだ、さが認めたのか…………色々な事が頭の中で渦巻いて、まとめることが出来ずそんな一言しか出せないモードレッド。すると、手を離し彼女と正面から向き合ったべリアルは、幾分小さい位置にあるモードレッドの頭に優しく手を置いた。
「”ジーっとしてても、ドーにもならない!”だからね 」
「はあ? なんだよ、それ…… 」
「運命を変えるための合言葉……みたいなものかな? どうすることも出来なくて立ち止まってしまった時、一歩前に進むための力になるんだ 」
驚きを通り越して呆れていると、頭を撫でながら人の良さそうなその顔を向けながら恥ずかしかったのか、モードレッドはべリアルの手を払いのけて少し後退る。
「ああ、わーったよ!! 見せてやる、見せりゃあいいんだろ! やってやるよ、ちゃんと見てろよオレのジードってヤツを!! 」
「はは、うん楽しみだよ 」
「モードレッド! 大丈夫……って訳でもないのかな? 」
「ああ? こんなん掠り傷だ、唾つけときゃ治るっつーの。 ────それよりもだ 」
「??? 」
「オレと契約してくれ、藤丸立香 」
モードレッドがどんな答えをジードを見つけたのかは次回。 正直ベリアルって書いてるのに優しいとか柔らかなが自分的にも違和感あるけど仕方ないとしか言えない……。
ロイメガはショーで映えると思ってる。TV本編だと基本晴天で輝いてるイメージ強いけど、ロイメガは実際暗く所でスポットライトに当たりながらマントを輝かせるのが一番好き(ジードExpoを見て!!)
後初登場回が全フュージョンライズ大盤振る舞いの挿入歌『フュージョンライズ』のお披露目で全部持ってかれてると思う。後ドンシャイン
嫌いじゃない! 嫌いじゃないんだけど……惜しい……それがロイヤルメガマスター