【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

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自分は絶対強者だと信じて止まない相手の鼻っ柱を粉々に砕く。 そんなスタンスでお送りします。

魂ウェブのゴールドラッシュ。あれの対象商品の【?】部分にウルティメイトファイナルのフィギアーツが来ること信じてます。 映画公開だからってグルーヴかグリージョだしたら許さんからなぁ!!

カイザーベリアル改造セットだったら? 神、一生ついていきます。

そんな訳でよろしくお願いします。
感想、評価頂けると幸いです。

ご指摘、誤字脱字の報告ありがとうございます。


10

「よっし!取ったぜマスター、ホラよ! 」

 

「わわわっ! ほっ、とっ 」

 

 令呪を一画切った最後の一押しだと言わんばかりのモードレッドの宝具によって、嵐も、アーサー王すらも呑み込んで勝利を収めた私たちは、アングルボダのある地下空間まで戻ってきていた。

 

 理由としてはニコラ・テスラを追うことに夢中で忘れてた聖杯を確保が目的。 だからってアングルボダから取り外した聖杯を投げ渡さなくたっていいのに、()()()()()()()()()()ガサツなのは変わらないんだから……。

 

 そう、今のモードレッドはさっき戦ったアーサー王と同じくらいに成長していた。身長はさることながら、髪の毛は纏めてないと地面に届いてしまうほど長くなり、顔からあどけなさが消えてキリッとしてる。まあ、胸の方はアーサー王みたいには大きくならなかったみたいだけど……。

 

 そんな驚異的な変化はドクターたちの見解では、いつの間にかモードレッドの霊基に埋め込まれていた冬木で獲得した聖杯が何らかの変化をもたらしたことで今の姿に霊基が変わったんだという。

 

 聖杯はダヴィンチちゃんが他の誰にも悪用されないように管理しているから持ち出せる人なんて一人しかいないんだけど……、なんでモードレッドに貴重な聖杯を持ち出してまで使ったんだろう。

 

 

 聖杯を回収して大円団で終わるはずだった第四特異点の旅。そのはずだったのに……

突然としてカルデアからの通信が音声だけしか拾えない状態になってしまい、地下空間の一部が歪んでできた穴のなかからソイツは私たちの前に姿を現した。

 

「あ、あれは────ヒト? 」

 

「下がってろマシュ。 お前は後ろでマスターのこと守ってろ。 行けるかアステリオス、セイショジョ様? 」

 

「見くびられたものねぇ。 ちっ、ふざけた魔力……これじゃあまるで──── 」

 

 悪魔、天使すらも越えると、この場所に集まったサーヴァントの一人であるシェイクスピアが言った。無尽蔵とも感じる魔力の量、存在するだけでこの領域を圧し潰してしまうほどの支配力をもった相手だと。

 

「無様にも。無惨にも。無益にも。生き延びている無力な船 」

 

「ぐあっ! 」

 

「ガッ! 」

 

「っ、ふたりとも、あぶないっ!! 」

 

「みんな!! 」

 

 歩きながら伸びてきた槍のようなものがシェイクスピアとアンデルセンを容赦なく貫いた。 そして、その槍のようなものに唯一反応したアステリオスは、ジャンヌオルタとモードレッドを守るために盾となって貫かれてしまう。

 

 突然の出来事に驚くばかりだったけれど、串刺しにしたサーヴァントたちを持ち上げたそれは、一本一本が魔神柱そのものだった。

 みんなが消えてしまうのと同じくして、全体が見えたその褐色の男は、自分が作り出したこのこの惨劇に驚愕している私たちを嘲笑いながら自らの名前を口にする。

 

『我が名は()()()()。数多無象の英霊ども、その頂点に立つ七つの冠位の一角と知れ 』

 

 発する声一つひとつに押し潰されてしまいそうなほどの圧がかかってくる。屈しろ、ここで諦めろと言うように……。

 

『楽しいか、問うのか? この私に、人類を滅ぼす事が楽しいかと? ああ────無論、無論、無論、無論、最ッッ高に楽しいとも! 楽しくなければ貴様らをひとりひとり丁寧に殺すものか! 私は楽しい。貴様たちの死に様が嬉しい。貴様たちの終止符が好ましい。その断末魔がなによりも爽快だ! そして、それがおまえたちにとって至上の救いである。なぜなら、私だけが、ただの一人も残さず、人類を有効利用してやれるのだから────』

 

 その圧倒的なまでに絶大な魔力に屈しかけた自分の心を奮い立たせ、私はソロモンへと疑問をぶつけた。 そうして帰ってきた答えは酷く歪んだ、狂っているもの。 全人類を、自分自身に快楽の為だけに滅ぼし、そに考えが私たちの救いだと本気で思っているイカれた思考回路。

 

 その考えが許せなかった、許してはいけない。 だから闘いを挑むけれど、私たちの力は全くといっていいほど歯が立たない、ソロモンに届かない。 こっちには聖杯の力を有しているジャンヌオルタにモードレッドだっているのに……それなのに!! こっちは、喰らい付いていくのに精一杯だ。

 

『そう悲哀するな娘よ。 そも、この私と貴様ら非凡な英霊共では英霊としての格が違う、届くわけがないだろう 』

 

遊ばれている。手を抜かれている。手加減されている。

そうだと言うのに、それが分かっているのに私たちはソロモンに傷一つつける事が出来ない。四体の魔神柱を前にどうすることもできない、何か出来たとしても相手は後六十八体の魔神柱を召喚出来る余裕さえ残してる。

 

『フッハッハッハ!! 心が折れたか娘よ!! ならば良い! 祭壇を照らす篝火だ! 盛大に燃えるがよい!! 』

 

 四体の魔神柱の目玉が不気味に輝き、私たちを襲おうとする。

炎が、あの時私以外のマスター候補を、人理を焼き払った業火、篝火がついに私のことを燃やしにきた。

何も出来ない、諦めるしかなくて体から力が抜けて崩れ落ちていく……。

 

「オレが、コイツらがお前のこと引っ張ってってやる。 だから、諦めんじゃねえよマスター!! 」

 

「モードレッド……!! 」

 

 そんな絶望に思考が染まりそうだった私の身体をモードレッドが受け止めてくれて、叱咤してくれる。 足を止めるなって、契約する時に決めた約束を、モードレッドは守ってくれた。 けど、放たれる炎をどうにか出来る力は私たちにはない。

 

「そうだ、それでいい。 どんな絶望の中であろうと、その弱々しい足を止めるな──ジェアッ!!!! 」

 

 その言葉と一緒に、私たちを影が横切った。その影は私たちの前に立つと、手に持つ武器を一振り……たった一振りしただけでその炎を消し去って見せた。 それは、絶望の雨にうたれている私たちの道を晴らしてくれる。 希望に見えた……

 

「ベリ……アル……さん…… 」

 

 ベリアルさんならソロモンを相手でも何とかしてくれる。 そんな安堵から視界が歪むのを必死で抑えながら、魔神柱から放たれた炎がまさか消されるとは露とも思っていなかったソロモンの表情が驚愕に染まっている。

 

『馬鹿な……。 焼却式・べレトを消し去っただと……! 貴様、一体何者だ!! ────待て、何者か、だと? 』

 

「どうした、その眼でこのオレのことを見通して見せろ 」

 

『あ、ああありえぬ、ありえぬありえぬありえぬ!! この私が見通せないだと? 何もわからないだと! この千里眼を持って何故貴様ごとき英霊風情が見通せない!! 』

 

「答えは貴様自らが吐いただろう。 ──格が違うんだ、オレと貴様ごときではな 」

 

 何もかもを見透かしている。そんな気色の悪い余裕を見せていたソロモンに焦りが見える。 どうやらソロモンでもベリアルさんのことは何もわからないみたいで、その事が許せないのかソロモンは子供のような癇癪を起こしている。

 

「うふふふ♪ 未来を真っ赤に燃やしてしまった悪者でもそんな表情をするのね? ねえ、良いおじさま。 早く見せてくださいな、悪いおじさまの本当の姿を♪ 」

 

「え、誰? 」

 

 場違いにも程があるほど陽気で、くるくるとその場所で回り続ける黒いドレスを纏った小さい女の子。 ここにいるって事はサーヴァント何だろうけど、彼女は可愛らしい足取りでベリアルさんの所まで歩いていくと、その手に見たことのないような物体が握られていた。

 

何かを差し込む穴が2箇所空いている長方形の物体に、もう一つは握力計の形に似たナニか。 黒を基調として所々には赤色の装飾が使われているその物体を、ベリアルさんが笑顔で……笑顔!? を浮かべながら感謝と共にそれを受け取る。

 

「やっぱりコレがないと始まらないわよね。 ヒーローもヒロインも素敵な姿に変わるその瞬間が一番ステキなんだもの!! けどごめんなさい、色違いのものしか用意出来なかったわ 」

 

「そんなことない百点満点だよ()()()()()()。う〜ん、黒いから『ベリアライザー』ってところかな? 」

 

「応えろ! 貴様は何だ? 我が瞳を持って見通せない貴様は何者だ!! 」

 

「────魔術王ソロモン……でしたっけ? 貴方は立香ちゃんたちに言いましたよね、『知る必要はない、ここで終わる貴様らには』と。 馬鹿なことを言わないでくれ、立香ちゃんたちの未来はこんな所で何て終わらない、それに私たちは───ここからが、スタートラインなんだ!! 」

 

 柔らかな口調、優しい目。 その雰囲気から分かった。 あの人はベリアルさんじゃない、ベリアルさんが憑依していた身体の本当の持ち主である宮原博樹さんだ。 彼は、女の子から受け取ったベリアライザーと呼んだその道具を胸の中心にかざすと、赤い球体のようなモノに全身が覆われていった。

 

中で何が起きているのかは分からないけど、赤い球体を白い光が膜のように覆うと、それら全てを遮断するように黒い闇が包み込んだ。

黒い球体は一度大きく膨張すると、次第に小さくなっていく。 そうしてある程度まで小さくなったその塊は見る見る内に四肢の生えた人間に近しい貌へと変わり、言葉に表せない奇声を上げ始めた。

 

【────! ────────!!!! 】

 

 おおよそ人間の喉から出てはいけないその声は、痛みや苦しみの感情に他に、自分を蝕んでいる何かに抗っているように見える。

そんな異様な光景に、誰も動けない。 目の前で起きている意味のわからないその光景から目が離せなくなっている。

 

【────! ぐうっ!! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ、う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!!!!!】

 

 声が聞こえた。 私たちでも理解できる声が。痛みに耐え抜いたのか、それとも打ち勝ったのかはわからないけど、喉が潰れてしまう程の大声を出し切った瞬間何かが切れた。

ヒトガタの身体から力が抜け、糸の切れた操り人形のように腕がダラーンとぶら下がる。

 

『フハハハハっ! どうやら、儀式も徒労に終わりただの見かけ倒しだったようだな!! 』

 

【だから、貴様のその眼は節穴だと言っている 】

 

 動かなくなった博樹さんであろうヒトガタをソロモンが嘲笑う。けどその瞬間、心臓を鷲掴みされたような圧のある低い声が耳を通り越して頭に響く。

ぐん、ぐぐん、ぐぐぐぐんっ!!

エネルギーの集まりのようなヒトガタが、その大きさを変えていく。1度目はアステリオスよりも少しだけ大きくなったように見えたけど、それだけでは留まらない。

見る見る内にヒトガタは巨大になっていき、一分もしない内に高層ビルと同じくらいまで高く、大きくなっていた。

 

【知りたがっていたな。 このオレが何者であるのか……。 今のオレは気分が良いからな、教えてやる 】

 

 巨大化が止まると同時に、エネルギーだった身体が実体を持ち始める。全てを呑み込んでしまうような漆黒に、全身を這うように血のように濃い赤のラインが走る。

鋭利な爪、強靭な顎、溶かされてしまいそうな程赤く鋭い眼。 今まで、こんな生き物を見たことが無いはずだけど、私は目の前に現れた巨人にどこか既視感を覚えた。

 

確かに、見たことのない凶悪な見た目をしているけど……胸の中心に赤く光る流れ星のような輝きを放つ結晶体に、巨人の身体……。

どうやら、マシュとジャンヌオルタもおんなじ結論に至ったみたいで顔を見合わせる。

テレビの中でしか見たことないけど……きっとあの巨人は……

 

────このオレの名は

 

 

【ウルトラマン】だ

 

 

 




"ここからが、スタートラインだ!"
宮原博樹が変身前に言った一言。べリアルと一緒に歩いていくという意志表明と共に、伏井出ケイがべリアル融合獣に変身する時に言っていた『これで、エンドマークだ』をひっくり返した覚悟の言葉。

"ベリアライザー&装填ナックル"
宮原博樹が変身する際にナーサーリー・ライムから受け取った変身アイテム。 ライムが、陣地作成のスキルで応用することで造り出した舞台装置。 当然のことながら変身する機能は備わっていないが博樹とライムいわく『気持ちが大事』らしい。

プレバン限定のリデコ商品。多分べリアルさんのボイスが多数収録されており、ボタン長押しで(宮迫さんver・小野さんver・少ないが高塚さん、藤原さんverもある)声を変更できる。 オリジナルのカプセルが4本収録。

”モードレッド〈宿命に叛逆せし者〉”
ジードを成したことによって、いつの間にか埋め込まれた聖杯が発動したことによって成長した【短命を乗り越えたモードレッド】。
胸がないのか、本当はあるけどサラシで巻いているのかはイメージしだい。


次回「あたし(ありす)あたし(アリス) あなたと僕 」

べリアルVSナーサーリー・ライム戦。 結果はもうお察しだけど……ね?
何故ライムが味方としているのか、ベリアライザーを造り出せたのか、目覚めた博樹は何故ライムのことをアリスと呼んだのかなどをちゃんと掘り下げる回……の予定
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