【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

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マグニフィセントォォォォォ!!!!(ウルトラアーツ発売を知って)
ウルティメイトファイナルゥゥゥッ!!(ルーブの映画を見て)

ジード好きにも堪らない映画でしたね劇場版ルーブは! もう、20歳になった朝倉リクが……リクくんがあああ(語彙力down )

今回で長かった4章もようやく終結。
キーワードは「目が縦になって頭の付いたガンQ(コードNo.2)」

感想、評価お待ちしてます。
誤字脱字の報告いつも助かっています。


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「あぎゃっ!! 」

 

「だ、大丈夫ですか先輩! すみません、私もとっさの事で反応できず…… 」

 

「いいよいいよ、反応しろって言う方が難しいし……。 ここは、アングルボダがあった高台? 」

 

 着地に失敗して打ったお尻をさすりながら辺りを見渡す。 私たちに背中をみせいるのがウルトラマンだって名乗ったベリアルさんで、目の前にいるソロモンと向かい合っているのを見て、ここがアングルボダが設置されていた高台だってことが分かる。

 

『────立香ちゃんっ!? ようやく繋がった、そちらは今どうなってるんだい? 』

 

「ドクター! カルデアとの通信回復しました先輩! 音声だけですが…… 」

 

「ええと、ウルトラマンが私たちを助けてくれました!! 」

 

『へっ? …………ももも、もう一度聞いてもいいかな立香ちゃん。 どうやらまだそっちとの通信に不備があるみたいなんだ 』

 

「はい!! ベリアルさんの正体がウルトラマンで、そのウルトラマンになったベリアルさんが私たちのことを助けてくれました! 」

 

 包み隠さず、ソロモンが来て今私たちの目の前で起きたことを話したんだけど、映像が届かないのにカルデアの方が慌ただしくなってるのが分かる。 まあそりゃあテレビの中だけの存在が現れたって言われても普通信じないよね。

 

『……ん〜、ちょ〜っとロマニが放心状態になったから変わるね〜。 マシュ、立香ちゃんは冗談を言ってる訳じゃあないのかい? 』

 

「はい、ベリアルさんの契約者である宮原博樹さんが目を覚ましていたらしく。 彼が協力者であるサーヴァントから不思議な道具も譲り受けたと思ったら…… 」

 

『目の前に、存在しないはずに巨人が現れた……と。 う〜ん、それだけの質量を生み出すならカルデアの魔力ソリースが大量に消費されていて問題はない。 が、問題なのはその魔力が一つとして使われていないと言うこと。 使われていてもサーヴァント一人分との契約魔力しか使われていない。 それ程までにウルトラマンという存在は私たちの常識から逸した存在だとでも言うのかい? あ〜〜!! 直ぐにでも其方へ行きたいが、ここは我慢だ。

 マシュ、少しでもいいから情報が欲しい、今から起きること、既に起きたことでも何でも構わない。 君が見て思ったこと、口頭で伝えてくれ 」

 

「わ、わかりました。 宮原さんの部屋にある情報媒体にある光の巨人とは大きく印象は変わりますが、50メートルはゆうに超える巨体に、胸に光る球体を持っていること、そしてベリアルさん本人が自身のことを“ウルトラマン”と名乗ったことから、目の前に現れた巨人はウルトラマン、他のウルトラマンの方々と同じ敬称を付けるとすればウルトラマンベリアルだと推測しました 」

 

 マシュがベリアルさんと宮原さんのことをダヴィンチちゃんに説明していると、ソロモンの方にも動きがあった。アイツは手を大きく広げると、地面に大きな魔法陣が形成される。そこから、大量に出現した魔神柱が文字通り生えてきて、一本一本が集合し、形を作っていく。足を、腕を、胴体を、そして頭を、一本一本が元から巨大だった魔神柱は、いつのまにかウルトラマンへと変身したベリアルさんと同じくらいのサイズをした人型の化け物へと姿を変えていた。

 

 手の先から足の先、全身の至る所に目玉がギョロギョロと忙しなく動き、首元から股下までぱっくりと開いたそこには巨大な目玉が鎮座している。 その完成を見たソロモンが浮き上がり、その巨大な目玉の中へとトプリと、お風呂に浸かるような感覚で全身を浸からせると、ただ赤いだけだった目玉に黒い十字の亀裂が入り、その巨体が動き出した。

 

 見ているだけで吐き気を催すほど醜いその化け物を見て、きっと私たちだけであのもう柱とは到底呼べない魔神を前にしたら、手も足も出せなくて、絶望して、身も心も敗北していたんだと思う。

だけど、遠くから見ているからかも知れない、その渦中に私たちがいないからかも知れない。 不思議と、恐怖も絶望も感じていない私がいる。

 

 魔神を前にしても何も驚いていない。 身体を慣らすように肩を回し、首をゴキゴキ鳴らしながら歩いていくベリアルさんを見て、絶対大丈夫だって安堵の感情しか浮かび上がってこない。

 

「…………がんばれ……、頑張れっっ!! ベリアルさんっ!! そんなヤツけちょんけちょんのぐっちょぐっちょにしちゃえっ!! 」

 

 だから、せめてもの思いでベリアルさんのことを応援することにした。 力量的にも、サイズ的にも一緒に戦えないなら、せめてこの声援が少しでもいいからベリアルさんの力になればという気持ちを込めて、腹の奥底から力を込めて精一杯叫んだ。

 

「そう、です!! ベリアルさん!! ソロモン王は間違っています!! その間違いを肯定しないためにも、負けないでください! ベリアルさん!! 」

 

「はんっ! そんなでかい図体をしているんですもの、目玉だけの化け物に負けるなんて許しませんからね!! 」

 

「テメーにも、それと契約してるおっさんにも言いてえことが山程あるんだ、無様に負けたら容赦しねえからな!!! 」

 

 私の言葉につられてか、他のみんなもそれぞれの方法っていうか、ジャンヌオルタとモードレッドのそれは声援って言うのかな? って感じだけど、ベリアルさんに向けて声を届ける。

ふと気がつくと、博樹さんに不思議な道具を渡したサーヴァントらしき女の子が私の前にやってきていた。

 

「ふふふ、やっぱりおねえさんはスゴイ人ね。 こわいおじさまのことを見て、怖がらずに応援するんですもの! 尊敬しちゃうわ 」

 

「え? う〜ん、確かに私の知ってるウルトラマンとはまるで違うし、見た目も怖い見た目をしてるけど……ベリアルさんだって分かってるもん。 怖いはずないよ!! 」

 

「あはははははっ!! ステキ! やっぱりステキよ!! きっとそのステキな心が、怖いおじさまがウルトラマンになるための力になるんだわ!! 」

 

 

 

 

『…………聞こえますかベリアルさん。 立香ちゃんたちが応援してくれるこの声が 』

 

【…………ふっ 】

 

 人理を完全に焼却させるために、我らが悲願を成すための最大の障害と判断した。そう言ってソロモンは数え切れない数の魔神柱を召喚し、巨大な人型の化け物になった。

目の前に立ち塞がる壁……ベリアルを倒すために度量を同じくするために変わったのだろうが、当のベリアルも、彼と一体になっている博樹すらも、ソロモンの話を聞いてすらいなかった。

 

 二人の耳に届いていたのは、このままでは巻き込まれてしまうことを考慮して瞬間移動させた立香たちがベリアルへ向ける声だった。

聞いたことはあった、何度も、何度もその声を目の前で聞いたことはあった。しかし、その声が自分に向けられたことは一度としてなかったベリアルの心の乱れを感じた博樹は、彼にこれが声援なんだと、応援なんだと伝える。

 

 ウルトラマンへと向ける応援の言葉。 自分たちを守ってくれるヒーローを信じているから送る言葉。ウルトラマンたちはいつも、何時も何時もいつも、どんな絶望的な状況ですらその声援が届くだけで立ち上がっていた。 その声援が、ベリアルに向けて送られている。

 

『ベリアルゥゥ!! 我らが同胞の名を語る愚かな者よ!! 貴様はこのソロモンが! 72の魔神全ての力を持って消滅させよう!! 』

 

【…………耳障りだ、死体に巣食う蛆が 】

 

 ゆっくりと、しかし確かに苛立ちを見せながら魔神ソロモンへと向かっていくベリアル。 久しぶりの本来の肉体だから、肩を慣らし首を回しながら歩いていく。 一歩、また一歩歩くだけでその威圧は増していき、魔神もその姿に息をのんでしまう。

 

『我が、我らが蛆だと……! 巫山戯るな!! 蹂躙されるべき、存在を間違えたのは人間どもの方だ!! 低脳な虫とはアイツらの事において他ならない!!! 』

 

 魔神の背後に数十、数百の魔法陣が一瞬のうちに生み出され、それぞれ違う性質を持つ魔術がベリアルに向けて放たれる。 一撃一撃が大都市を一発で破壊できる程の威力を秘めた魔術。 対策をしようにも、撃ち出される魔術一つ一つが別物のため、一つ対策している内に十の魔術の直撃を受けてしまう。

 

『アーッハッハッハッハッハッハッ!!!! どうだ!! これこそが我らが力!! 人類を滅ぼす焼却式!! 人間は愚か英雄も!! まして神ですら耐えることは不可能だ!!! 』

 

【そんなものか、人類を滅ぼす業火とやらは 】

 

『──────!!!!!!! 馬鹿な……有り得ん、有り得ない!!! 】

 

 魔神によって放たれた大魔術によって辺り一面が炎の海と化した。その中をベリアルは平然と、一切のダメージなく歩いている。 それだけではない、驚愕に染まる魔神の視界は、その後方にもあった。

 アングルボダがあった高台。 ベリアルが立香たちを移したその高台が、バリアのような膜で守られているのだ。 誰がやったのかなど考えるだけ、目の前でその爛々と輝く瞳を持つ巨人において他ならなかった。 自分たちの放った最強の一撃を、無傷はおろか背後にいる小さきものたちすら守る力すら簡単にやっておけたのだ。

 

【今度はコチラが行くぞ。 耐えて見せろよ、魔術王 】

 

『ぐうぅ!!! 我らを舐めるなあああああっ!!! 』

 

 ベリアルの挑発に乗り、三十を超えているであろう魔神柱を右腕だけに集結させその肥大化した腕をベリアルに向けて振り下ろすが、そんな努力すら無意味だと言わんばかりにその腕を、片手を軽く前に突き出すだけで受け止める。 そしてあろう事か、受け止めた腕を軽く握っただけで、まるで砂のようにサラサラと消滅させた。

 

 ソロモンは理解出来ない。 いくら魔神柱の数だけ思考を持っていても、その誰もが眼前で起きた一瞬のことに意思が追いついていかない。 そんな事御構い無しに、ベリアルはソロモンの腕を握り潰した手とは逆の手の先、五本の鋭い爪で魔神の胴体を切り裂く。 苦痛すら感じる余裕すらなく、足を前に突き出して蹴りつける──ヤクザキックで後方に蹴り飛ばされ、ようやく魔神は痛みを知覚出来た。

 

『『『『『グアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!!』』』』』

 

 地面に転がりながら、消滅した腕先、切り裂かれた胴体を修復しようにも、ベリアルの力なのか直ぐに行うのは不可能だった。 レフ──フラウロスも顔面を傷つけられ修復するのに長い時間を掛けていたことを思い出しながらも、引くことのない痛みに声を上げる。

 

【所詮、人間を虫同然と笑う貴様には、それが限界だ 】

 

『見せてやりましょうベリアルさん。 ウルトラマンの力を、ベリアルさんの力を!!! 』

 

【ふっ……。 魔術王、貴様らに教えてやる。 これが次元の違いというものだっ!! 】

 

 博樹の言葉に応えるように、ベリアルは首を回しながら右手に痛々しく、禍々しい赤いエネルギーを込め始める。 その余波により大地は割れ始め、欠けた大地は重力から解き放たれ浮き上がる。

 ベリアルを前にしても闘う意志があったソロモンも、それは駄目だと全魔神が叫んでいる。 あれはダメだ、アイツは我らの計算式から完全に外れた存在。 この地球に本来存在してはいけないモノだ。 あれを受ければ、我らの悲願は達成しない。 いくらカルデアの者たちでは残り3つの特異点を渡って来ることが不可能だとわかっていても、我らが完全に敗北を、消滅をしてしまえば計画が泡となって消えてしまう。

 

『『『『『否、否、否、否、否、否、否、否、否、否、否、否、否、否、否、否、否、否、否、否、否、否、否、否、否、否、否、否』』』』』

 

【デエヤアッ!!!!! 】

 

『デスシウム光線!!!』

 

 べリアルと一体となっている博樹も、同じ動きを完全にシンクロした状態でとる。

 両手を十字になるように組み、エネルギーを溜めた右手の掌を相手へと向けて放たれたベリアルの必殺光線。あまりにも強大なその光線は大地を抉り消滅させながら魔神へと向かっていく。 その直撃を何とか避けようと幾重にも防御壁を展開した魔神だったが、そんなものは無意味だ。 元から何も無かったかのように防御の陣を壊しながら、漆黒の稲妻を纏った赤の光線は魔神を包み込んだ。

 

『やった……んですか?』

 

【逃げ足だけは一級品のようだな。 ……それにこちらもどうやら時間のようだ 】

 

 ベリアルがそう呟いて変身を解除すると、博樹は自分の身体が光っていること以前に、自分の身体にのしかかってくる疲労と、全身を針で刺されたような痛みで膝をつきそうになる。

 

「勝者が膝をつくな。 …………今度の眠りは浅い、お前は休んでいろ宮原博樹 」

 

『ははは、それじゃあ……あとは、お願いしますね……ベリアル……さん…… 』

 

 

 倒れそうになる博樹を支えるため、身体の主導権を博樹から奪い。 博樹の心を休ませ、自身は聖杯を獲得したことでカルデアに戻るレイシフトの光に包まれるのを、起動した一本のカプセルを見ながら待つ。

 

「べリアルさ~~ん!! 博樹さ〜〜ん!! ありがとーーー!! 」

 

「………いつも五月蝿いな、アイツは」

 




【魔神ソロモン】
まだ冠位のキャスターの皮を被っているソロモンがベリアルに対抗するために、72全ての魔神柱を召喚し魔神となった姿。 前書きに書いたように”目が縦になって頭の付いたガンQ(コードNo.2)“なイメージ。
本当なら長々と召喚の口上を言っていたり、魔神柱はソロモンがいる限り無限に再生を繰り返すことが出来るとか色々大事なことを言ったはずなんだけどベリアルさんと博樹さんのどちらとも聞いていないのでカット。
最強クラスの力を持ってる筈がベリアルさんの前では只のかませになってしまった可哀想で不憫なボスキャラ。

【ウルトラマンベリアル】
言わずもがなな最恐最悪のウルトラマン。 ステータスが上限が10なのに平気で15とか叩き出すバグキャラ。
既に肉体が崩壊しているため、カプセルの力を使うことで仮初めではあるが肉体を取り戻した姿。 と言ってもカイザーベリアルかそれ以上には強いためfate世界で太刀打ち出来る存在が皆無。
骨格基盤や、肉体は博樹をベースにした変身なため特に変身時間に制限はないが、博樹への負担がとてつもないため長時間の変身は現在の所現実的ではない。
それにこのウルトラマン主兵装であるギガバトルナイザー、まだ使ってない状態である。

【ウルトラマンジード ウルティメイトファイナル】
ギガファイナルライザーを使って変身するジード究極進化形態。オーブオリジン見たいな「本来の姿」ではないで注意。 本来の姿を究極進化させた姿。使用するカプセルは「エボリューションカプセル」
・腕力を除く全てのスペックが全形態最強。
・今までの形態全ての上位互換技が使える。
・活動限界は無く、リクの想いが強くなればなるほど強くなる。
ギガファイナライザーには「善の心をエネルギーに転換する力」があるため、ウルティメイトファイナル自体その力を使うことが出来る。
正直言って神トラマンたちすら太刀打ち出来なくなる可能性無限のチートラマン。
変身した最初は弱いかもだが、戦う内に進化していく。その最もな例が劇場版ルーブで見れるのでそこをチェックすると素晴らしい。

使用する技の中に「ウルティメイトファイナル」という詳細不明の謎の技が存在するんですが、これがジードマルチレイヤーの進化版なんです?

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