【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜 作:ちょっつー
至らないところばかりですがよろしくお願いします。
誤字報告、ご指摘ありがとうございます。
とても助けになりますのでこれからも間違っている箇所がありましたら教えてくれると嬉しいです。
感想、評価などもお待ちしてます。
『お前だってっ!! 』
『
────◇◆◇────
『…………来たか』
洞窟を抜けた先の拓けた場所、光の柱のようなものが立っている岩山の上に、キャスターが言ってた最後のサーヴァント、セイバーが剣を地面に突き立てながら立っていた。
『ほう盾か、面白い。 』
冷たい眼差し、最初に戦ったランサーとは比べもにならないくらいの威圧感……
黒い鎧を纏った、声からして女性のセイバーは、岩山から降りてくるとその手にもつ剣を構えた。
『盾を構えるがよい名も知れぬ娘よ。 その守りが真実かどうか、この剣で確かめてやろう。 』
「敵セイバーとの戦闘、開始します!! 」
地面をひと踏みするだけで、マシュとの距離を詰めたセイバーが振り下ろした剣。
その一撃一撃をマシュはしっかりと目で捉え、盾で剣を弾くようにして返していた。
「ベリアル!! 何をしているの!! アナタもマシュと一緒に戦いなさい! 」
「断る 」
腕を組んで戦闘を見ているだけのベリアルさんに所長がそう言うけど、キッパリと断られた。
「コレはあの盾の女の戦いだ。 盾を持ち、闘うことを選択したのなら……オレが闘う必要はない 」
ベリアルさんはそう言うけど、マシュはさっきの戦闘で結構なダメージを負ってる。 私が今着てるこの制服に専用の魔術が組み込まれてるらしくって、その中にある回復魔術を所長のアドバイスと一緒に使ったお陰で少しは回復してるかも知れないけど、そんなの気休めでしかない。
その筈なのに、セイバーは一向にマシュに決定的な一撃を喰らわせられずにいる。
『マシュの動きが、さっきよりも良くなっている? 』
「(落ち着いていられる。 ダメージを負ったぶん、余計な力が入らないお陰でセイバーの攻撃に対処していられる……。 ここっ!! )はああああっ!! 」
盾に全体重を乗せたタックルでセイバーの隙をついたマシュは、その勢いを殺さずに盾を薙ぎ払ってセイバーのことを吹き飛ばす。
ドクターが言ったように、ベリアルさんと戦って疲労している筈のマシュはランサーと戦った時よりも動きが良くなってる。
マシュの攻撃を受けて、目元を覆っていたバイザーが砕けたセイバーは、マシュのことを睨みながら剣を両手で握りしめる。
『少しは出来るようだな、ならばこの剣の真名、解放してやろう 』
「魔力反応増大、先輩、所長わたしの後ろに隠れていてください!! セイバーの宝具がきます!! 」
セイバーがマシュにそう言うと、両手で握った剣から素人の私での目に見えるくらいの魔力が溢れでる。
その凄さがわかる所長は腰を落として震えているから、逆に分からなくてよかったのかも知れない。
「ほう、光を呑む闇の力か…… 」
【卑王鉄槌 極光は反転する…………光を飲め!!!
これが宝具…………キャスターの宝具も充分凄かったけど……これは……この闇は……。
闇の極光は真っ直ぐに私たちを飲み込まんと地面をいとも容易く削りながら迫ってくる。
『約束されし勝利の剣だって!? ということはあのサーヴァントの真名はかの有名なブリテンの王 アーサー・ペンドラゴンかっ!! みんな逃げるんだ!! 分が悪すぎる!! 』
「そんなこと言ってももう遅いわよ!! べリアル貴方があれを何とかしなさいよっ!! 」
宝具の名前からセイバーがどの英霊かを理解したドクターと所長が慌てて指示を出すけどもう遅い。
ベリアルさんも動く気はないらしくて、マシュが私たちを守るために正面に盾を構えるのをじっと見ているだけ。
『な、なななな何をやってるんだべリアル!! 君は英霊だから死んでも座に還るだけかもしれないけど、憑依している宮原さんの体は生身のものだ、宝具の直撃を受けてしまえば死んでしまうだぞ!! 』
「そうだろうな、人間の身体というのは総じて脆い……。 ほら、来るぞ盾の女 」
「っ!! 宝具、直撃……来ますっっ!!!! 」
セイバーの宝具がマシュの盾に直撃した。
その宝具はマシュの盾を
「あ、あああ、あああああ!!! 」
「マシュ……!! 」
「お前は見ているだけか 」
「ベリアルさんっ!? 」
マシュがセイバーの宝具を受け止め、それを見ている私の隣にベリアルさんが立つと、私の頭に手を置いてきた。
「ただそこに立っていることしかできないお前に、面白いものを見せてやる 」
「っ……!! 」
ベリアルさんが手に力を込めたのがわかって目をつぶる。 そうすると、頭の中に何か、これ……声だ!! 声が、聞こえてきた。
(怖い……怖くて、逃げ出したい…… )
「これっって……!! 」
マシュの声、そう理解した私はベリアルさんのほうに顔を向けるけど、何も言ってくれなくて、私はマシュの心の声に集中することにした。
(わたしたちの存在そのものを赦さない、重い一撃……!! )
それなら、やめたっていい!! 逃げたっていい!! そう思うけど……口に出すことはできなくって……
どうすればいいのかわからない、何をするのが正解なのかわからなくって悩んでると、ベリアルさんの手が私の肩に移って、顔を耳元に寄せてきた。
「あの女を助けたいか? 」
「たす、けたい……! 助ける方法があるなら、助けてあげたい!! 」
「なら諦めろと、そう言えばいい 」
ベリアルさんが私に言ってきたその一言は、とても、とても魅力的な甘い囁き。
けど、それをベリアルさんが言うのが信じられなくて、ベリアルさんならセイバー相手にも戦えると思ってたから、その言葉がより一層信じることができず固まってしまう。
「声を聞いただろう? あの女は今恐怖に怯え、逃げたいとそう思っている。 だからこそ、マスターであるお前が一言『諦めろ』そう呟くだけで、あの女は軽く折れる 」
「…………あ、あ…… 」
ベリアルさんの言う通りだ。 今日あったばかりで、なんでこんなにも私のことを信頼してくれるんだろうって不思議に思うけど……。
きっと、ううん。私が諦めていいって言ったら、マシュはきっと迷いなく諦めてしまう、その確信だけはあった。
「う……うあああああっ!!! 」
「マシュ…………!! 」
瞳に涙を浮かばせながらも、その盾を持つ手を離さずに、しっかりと大地を踏みしめて私たちのことを守ろうと必死になってくれてるマシュを見て、私は
「ふんっ!! 」
「な、なにやってるのよ!! こんな時に自分の顔を殴るなんて、とうとう頭もいかれたのあなたは!! 」
「どうした。 諦めろとは、言わないのか? 」
思いっきり自分の顔を殴ったから鼻から血がつーと流れてくるのがわかる。 けどこれで、何となく落ち着いた。
だから私は、ベリアルさんの目を見て、はっきりと言ってやる。
「まだマシュは、
肩に添えられたベリアルさんの手をはじいて、私は怖くて震えてる、けど私たちを守るために盾を構えるその手を後ろから強く握りしめた。
「せん……ぱい…… 」
「ははは……やっぱり怖いやマシュ 」
強く、強く握りしめて、怖いけど逃げないって、一緒に立ち向かおうって言葉にできない気持ちをマシュに伝える。
「せんぱい……先輩っ!! 」
伝わるって、信じてた。 だから私は所長に使うなって言われてた右手に浮かんだマスターの証『令呪』を使用する。
『令呪』 私のような素人のマスターでも使える魔力の結晶。 3画あるそれは、サーヴァントに使用すれば1画消費するだけでも大量の魔力が送られて一時的なパワーアップに繋げることができる。
だけど、それにはデメリットが存在する。 これは私が素人のマスターだってせいでもあるんだけど、この令呪は私の中にある魔術回路っていうのと連結してるから、まともに魔術を使ったこともない私が使えば激痛が走るって教えられてた。
けど、そんなのマシュが味わってる恐怖や痛みに比べれば、怖くなんかない!!!
「マスター立香。 指示を!!」
『令呪をもって命じる!! マシュ!! この攻撃……防ぎきろう!!!』
手に浮かんでる3画の令呪のうち、一つが滲んで消える。
体中に痛みが入る。 体中の血が沸騰したみたいな激痛、それを耐えて真っ直ぐ前を見つめる。
(偽物でもいい。…………みんなが、先輩が消えてしまわないように! この力を貸してください!!)
「はははははっ!!! やはりお前らは
元よりその盾に力を入れる必要などない。 必要なのは心、精神とかいう不安定で形のないものだ」
「【仮想宝具疑似展開!! 】 はああああああっ!! 」
「このオレにその輝きを見せろ!!
結論から言えば、満開の花のように開いた透明で巨大な盾は、マシュの出した宝具はセイバーの宝具に打ち勝った。
ただ守ろうとしてしたマシュの願いに応えてくれた宝具は、お伽噺みたいだって所長は言ってたけど、宝具に名前がないと不便だからって"
「はあ、はあ、やりました先輩!! 」
「うん、うんっ!! やったよマシュゥゥゥ 」
「先輩!? 」
令呪を使った影響だからか、立ってられる力がなくってその場に座り込んでしまう。
マシュも私と同じで、何とか盾から手を離さないけどその場にへたり込む。宝具を受け止めただけど、まだセイバーは健全なのに……!!
立たなきゃ、立たなきゃって思ってると、私の頭に暖かさが広がってきた。
べリアルさんの言ったとおりで、立っていられなくて座り込んじゃった。
マシュのことを見上げてると、立ち上がったべリアルさんが、マシュの頭に手を置いて、ぽんぽんってしてあげてた。
「…………? ベリアル……さん? 」
「…………? あの、この手は……? 」
「ああそうか。 これは
私とマシュ、二人の頭に手を置いたベリアルさんが一番驚いた顔をしてるのがなんだが可笑しい。
こいつの記憶ってことは宮原博樹さんの記憶に引っ張られたとか、そういう感じなのかな?
ベリアルさんは、その行為を鼻で嗤うと私たちの頭をわしゃわしゃと撫で始めた。
やってもらったマシュも、やった本人も驚いた顔してるのがなんだが可笑しいけど、べリアルさんは鼻で嗤うと今度は無造作にマシュの頭を無造作に撫で始めた。
「あの程度、出来て当たり前だ。マシュ・キリエライト、藤丸立香 」
「………はいっ!! べリアルさん………… 」
「だが、有意義なものを見せた礼をしてやる。 あの雑魚の相手はオレがやってやろう 」
私たちの頭から手を離したベリアルさんは、武器の金棒を肩に担ぎマシュの盾の先へと向かっていった。
「「英霊! カプセルナビ!! 」」
「今回は〜〜こちら!! 」
「アーチャー・エミヤさんですね。この方なんですが……他の英霊の方たちとは出典が異なっているようです 」
「? 冬木でキャスターが戦ったアーチャーだよね? あの時みたいに顔に線みたいなのないけど 」
「はい。 彼は本来“守護者”と呼ばれる存在であるらしく、名もない人々が選出した正義の味方……のようなものなんだそうです 」
「……みんなが仮◯ライダーって呼んでくれるから、仮◯ライダーは正義の味方なんだよ!! 的な感じ? 」
「概ねそれで合っていると思います。それでは今回はこのあたりで…… 」
「次回もよろしくお願いします!! 」
「私も英霊の力が宿ったアイテムとか使って変身出来たりしないかな? 」