【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

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トライストリウムが出たと思えばタイガが終わり、ゼロ&ジードクロニクルが始まっていた……時の流れが早過ぎる……。お久しぶりです、生きてます。

感想、評価お待ちしています。

誤字脱字、ご指摘ありましたら気兼ねなく〜


3

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 夢を見た……。 それは、カルデアのマスターになってから良く見る真っ白な部屋にいる真っ白な少女の夢とは違うもの……。

 

 おぼろげな闇の中で、ランプを手にした婦人が長い長い寝床の列をひとつひとつ確認しながら歩いている。

 その寝床に横たわる人のすべてが大小構わず怪我を負い、身体中の至るところに包帯を巻いている。

 

「お前は何故、ここまで人間に尽くす必要がある。 コイツらの為にお前が睡眠の時間を割く必要はないはずだ」

 

 そんな彼女の側には、いつしか黒い服を着た綺麗な青の瞳をした、どこか人間離れした美しさを持つ女性が寄り添って歩いていた。

 

「人間は愚かな生き物だ。土地を手に入れたいがために同族同士で争い、血を流しそして死んでいく。 それで出来た惨状がこれだ、自ら招いた愚骨によって死んでいく人間に何故お前は手を差し伸べる?」

 

 婦人は、少女の問いに応えることなく部屋の中を見回り、異常のきたした患者がいないことを確認するとその部屋を後にする。

 しっかりと扉が閉まったことを確認すると、婦人は少女へ身体を向けて話をする。

 

「○○○○、私が人を救うのは──────

 

 そこで、夢を見ている私の意識が途絶えた。

 

 

 

 

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「ねえ、ナイチンゲールさん 」

 

「どうしましたか立香。体調を崩しましたか? それとも歩行中に何処か怪我をしましたか? 」

 

 夜が明けて、仲間に加わったロビンとビリーの二人のサーヴァントの案内のもと次の町へと向かい、小休止している時に私は夢でのことをナイチンゲールさんに話すことにした。

 

「ああ違うの。 ナイチンゲールさんに聞きたいことがあって 」

 

「私に? なんでしょうか 」

 

 私は夢で見たことをナイチンゲールさんに話した。

 患者を看護しながら黒い服着た、青い瞳の少女と話をしていたことを。

 

 そしたら、ナイチンゲールさんは驚いたように目を見開いて少しでも動いたら顔がくっついてしまいそうなくらい顔を寄せてきた。

 

「何故、なぜ貴女が彼女のことを知っているのですか。 彼女を知っているのは私ただ一人のはずです 」

 

「へ? なんでって言われても……夢で見たってしか説明できないし…… 」

 

『夢……契約したサーヴァントの生前の記憶を見るってことがあるっていうのは聞いたことがあるけど……。ナイチンゲールはこの特異点で喚ばれたサーヴァントで立香ちゃんとは契約も魔力経路も通っていないから…………ん? んん!! 』

 

 なんでナイチンゲールさんの夢を見たのかは私にも分からないから、詰め寄ってきた彼女にどう説明すればいいのか悩んでいると、通信越しに話を聞いていたドクターが突然慌て始めた。

 

 どうしたのかとナイチンゲールさんと二人で慌てるドクターの様子を観察してみる。

 

『驚いた。立香ちゃん、君とナイチンゲールの魔力経路がいつの間にか繋がっている。これなら彼女の夢を見たっていうことに理由もつく。立香ちゃん 、いつマスター契約をしたんだい?』

 

「えっ? 」

 

「私には覚えがありません、立香貴女は? 」

 

「私も思い当たる節は…………あっ 」

 

『ななな何かあったのかい立香ちゃん!! 』

 

 私とナイチンゲールがいつの間にか契約している理由に心当たりがないと思っていたけど、ふと1つだけ思い当たることがあった。

 

 監獄塔だ。

 

 あの場所で私と契約してべリアルさんと一緒に戦ってくれたのはメルセデスさんだったけど、その姿はナイチンゲールさんと瓜二つだった。 根拠はないけどその契約がまだ続いているんだとしたら……

 そう思い、私はドクターにそのことを話してみた。

 

「此処ではない何処かで、私は立香と縁を結んでいたということでよろしいですね? 」

 

 私がナイチンゲールさんの夢を見た理由が分かったとなると患者であるラーマさんを寝させている場所へ戻ろうとした彼女に、最後の質問として声をかける。

 

「あのっ!! ナイチンゲールさんはあの女の子のこと、どう……思ってたんですか? 」

 

「…………彼女は、私が振り捨てたものの一つ。 ただそれだけです 」

 

「それだけって…… 」

 

「現に、私は彼女の名前すら思い出すことが出来ません。そう言うことですよ、立香 」

 

 そう言い残して、ナイチンゲールさんはラーマさんの治療へと向かっていった。

 

 振り捨てた……だから夢の中で女の子の名前を呼ぶときだけノイズが走ったみたいになってたってこと? 

 

 それならどうして、ナイチンゲールさんはあんなに寂しそうな顔をしていたんだろう? 

 

 

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『どうしたんですかべリアルさん? 』

 

 シータちゃんが囚われている島から空を飛んで離れてから数分。 べリアルさんは木々が生い茂る森の中に降りた。

 

 人に見られることを考慮した? べリアルさんがそんなこと考えるとは思えないし、もしかしてここにラーマさんがいる……? 

 

「宮原博樹。 サーヴァントに襲われた時、お前はどう守れば、どう防げばいいのか考えていたな 」

 

『え? それは突然のことでしたし 』

 

「夢の中でお前を鍛え続けてきたが、やはり実戦が足りないようなだからな。 ここで積ませてやる 」

 

 そう言ってべリアルさんは、ナイザーを地面に突き刺すように置くとテン、テン、テンとメーターが上がるようにナイザーに光が点り、そこに溜まったエネルギーをこの森全体に広げるようにして放った。

 

 辺りが更地になったりしてないことから破壊のエネルギーを振り撒いたってわけじゃないのはわかるけど、何をしたんだ?

 

「ある程度の力をもったモノ共を百体呼び寄せた。 ソイツらを一体残さず平伏させろ 」

 

『ひゃ、百体!!? そ、そんなの無っ』

 

 理に決まっている、何て言ったところでべリアルさんが聞いてくれる訳がないことは判りきってる。

 

 ん? そう言えば、殺せとは言わないんだな。何か考えがあるのかな? 

 

 そんな事を一人で考えていると、べリアルさんは腰に下げている大きな本に変わっていたアリスちゃんのことを放り投げ、アリスちゃんの姿になって着地した彼女にナイザーを突きつけた。

 

「貴様も、覚悟を決めておけ 」

 

 それだけ言ってべリアルさんは、身体の主導権を私に戻し百体の魔物を倒さなければいけなくなってしまった。

 

「ふーっ。 アリスちゃん、巻き込まれないように離れていて 」

 

「………… 」

 

「アリスちゃん? 」

 

「へっ!! あ、わ、わかったわおじさま!! 」

 

 少し変な様子のアリスちゃんが離れていったのを確認して、百体の魔獣討伐が始まった。

 

 

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「ああもう!! 鬱陶しいわねっ!!」

 

「うむ、余の舞台を観に来た者たちなら歓迎するが、心を持たぬ者たちがこうも多いとは……なっ!!」

 

 二つ町を巡り、エリザベートとネロ……ネロは第二特異点で生前に会ったから向こうは私たちのことを懐かしいと感じはするけど覚えていないけど顔見知りと言っていい2人のサーヴァントが味方に加わってくれた。

 

 そこで戦い、倒した敵のサーヴァントから手に入れた情報によるとシータさんは脱獄不可能の監獄アルカトラズ島にいるらしい。

 

 まさか夢の次は現実で監獄島に行くことになるとは思わなかったけど……。

 

 そうして私たちは監獄島へ向かうメンバーと、女王メイヴが街でパレードを開くということから暗殺にいくメンバーとで別れようとした、その矢先だった。

 

「チッ、こうやって正面からやり合うのは性に合わないんですがねえ」

 

「いくらサーヴァントだからって、この数の敵を相手するの……はっ!! 流石に骨が折れるねえ!!」

 

 まるで私たちの動きを予知していたかのようにアメリカ軍とケルト軍が私たちを挟むようにして戦争を始めた。

 少しでも速くラーマさんとシータさんを再会させて上げたいと言うのに、戦うことを強いられた私たち。 

 サーヴァントのみんな頑張ってくれているけど……流石に数が多すぎる。

 

「ドクター!! 何処かに抜け道とかないんですか!!」

 

『ごめん立香ちゃん!! こっちも全力で探して入るけど見つからない!! 意図的に退路を封じられていると見ていいだろう!! なんせ相手はフィン・マックールとディルムッド・オディナだ!!』

 

 どうにか退路を見出そうとするけど、無限に沸き続けるケルト兵の存在がそれを邪魔してくる。運悪くそうなってるのかと思ったけど、そうじゃないみたい。

 

 今ケルト側を指揮しているのはフィン・マックールは親指を噛むことであらゆる情報、状況を整理し「最善の答え」を導くというドクターやマシュが真顔で説明してくるから最初はふざけるのかと思ってたけど……どうやら本当みたい。

 

 この特異点に来て一番最初に戦ったサーヴァントでいきなりマシュに求婚してきた頭のおかしい人だと思ってたけど……実力は本物だって思い知らされた。

 

『令呪を使う? だとしても誰に……エリちゃんやネロの宝具で道を切り開けたとしてもそれを相手が予想してない筈がない。 ディルムッドが動いてないのはきっとそう言う時のためにだと思うし…… 』

 

「あらあらうふふ♪ どうやらお困りのようねえ立香?」

 

 どうすればこの状況を打開出来るのか頭を悩ませていたそんな私の頭上から聞いたことのある声、けど少し大人びた声が聞こえてきた……。

 

「っ、おいおい……。悪趣味だなあ、誰の趣味よ」

 

「うっそ!! 何よそれイメチェン!?」

 

「…………ライム、ちゃん?」

 

 ロビンやエリちゃん、それにネロも驚いた顔をしているけどもしかして面識があるのかな? けど、そんなことよりも驚いたのはライムちゃんのその姿だ。

 

「ふふっ、あはははははははは!!! さあ悪夢への一頁を捲りましょうか」

 

 以前の綺麗なお人形の女の子という印象を受けた姿とは一変して、紅い唇を三日月の形にして微笑むその姿は、御伽噺に出てくる悪役のようだった……

 

 

 

 




3話というよりは3話前といった感じ。
ナイチンゲールが生前出会っていたという女の子は一体誰なのか?
ライムを活躍させるためにフィンとディルには生贄になってもらいます。
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