【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

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レッドファイッ!なベータスマッシュ。マッシブボディ系ウルトラマンっていいですよね……。
 ギガスを倒すことでゼットの踏み台、前座にさせないの本当好き。

 ゼットは最終フォームはゼット(Z)、ゼロ(Z)、ジード(Z)のアルファベットの最後の文字3枚を使った「オメガ○○○」になると予想、アルファ、ベータ、ガンマだしね

感想、評価お待ちしてます

誤字脱字、ご指摘ありましたら気兼ねなく


3

「大丈夫ですか?」

 

「あ、はい……私は……」

 

「おかーさん、お腹すいた──!!」

 

 聖都へと向かう最中に出会った、村が焼かれてしまい同じく聖都へと向かう難民の方たちと一緒に進む次いでに情報収集している中で、私はまだ年端もいかない子供を抱き上げながら歩く女性、近くには父親らしき影も見えないその親子と話をしていた。

 

 男の子の方は、照り付ける大地の熱、押し寄せる熱風から守るために目元以外全て布で守られている。その証拠と言っては何だけど、男の子は痛みを嘆いたりせずただ普通に空腹を訴えていることからこの子が大切に守られてきたんだってことが分かる。

 

 私は警察時代から懐に常備している飴玉を取り出して男の子へと分け与える。

 

「はい、口を開けて」

 

「? あーーんっ!!

 

「口の中でコロコロ~って転がして食べる物なんだ。他の人たちには内緒だよ?」

 

 ドクターや他のみんなに怒られてしまうかも知れない、ベリアルさんに至っては呆れるかも知れないけどつい手が伸びてしまった。

 ん~っと美味しそうに飴を舐める顔を見ると、こちらも自然と笑顔になっていく。

 

「す、すいません。貴重な食料を……!!」

 

「いいえ、善意でやっていることなんで気にしないでください」

 

 ────強いなと、素直にそう思った。

 こんなにも絶望的な状況でもこの人は弱音一つ見せない。子供を不安にさせないために、息子に笑顔でいてほしいから。そんな愛情が見て取れるほど溢れている。

 娘を抱きかかえている腕は熱に負けて色が変色するほど酷い火傷を負い、ずっと地面を歩き続けたその脚は焼け爛れ倒れてしまっても可笑しくないはずなのに、それを周りに悟られないように歩くペースを合わせ続けている。

 

 自分も同じ状況に陥った時、娘と息子に対して同じ事が出来るのかと言われたら出来ると、口では即答出来るけど本当に出来るかはわからない。

 だから、目の前の彼女を見てただただ誇らしいとさえ思った。

 

『他の奴等からすれば、其処の親子は邪魔でしかないだろうな』

 

「(ベリアルさん。邪魔って……そんなこと!!)」

 

『邪魔でしかないだろう。力もない女に、貴重な食糧を消費するしかない子供。言葉通り命を賭けて聖都へ向かう奴等からすれば……一番に切り棄てる存在だ』

 

 ────っ! 反論したいけど、出来ない。ベリアルさんの言う通りだ。この極限状態の中でみんな仲良く、手を取り合って生き延びようなんて虫が良すぎる。

 

『絶望の中で、殆どの人間は簡単に腐り落ちる。 他を蹴り落とし、自分だけが助かる道を見つけようと必死になり、命を奪う事すら躊躇らわない』

 

 でも、それでも!! 今日を生きる事で精一杯な中で、子供に傷一つ付けないために頑張り続けているこの人のことを!! 私は、否定したくない……!! 

 

『忘れるな宮原博樹、此処はお前が住んでいた平和ボケしていた場所とは違う。人間の命は紙よりも軽い』

 

 違う、違うんだベリアルさん!! どんな環境でも、どんな絶望的な状況であったとしても!! 命の重さは変わらない、変えちゃいけないものだ!! 

 

「おじさん?」

 

「────っ!? な、何かな?」

 

「ありがとう♪」

 

「ど、どういたしまして」

 

 

 

『(絶望の中にありながら、腐り落ちずに歩き続けるヤツほど……()()()を目覚めさせるだろうがな)』

 

 

 

 

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

「すごい……! ここが、聖都エルサレム……!!」

 

 遠目から見てもわかるほど巨大な壁。まるで外部からの一切を拒絶しているかのような白亜の城壁が見えてきた。

 難民の人たちを魔獣なんかから守りながら来たからもう日が沈んで夜になってしまったけど、正門に人が集まっているところを見るとどうやらここで行われているという“聖抜の儀”には間に合ったみたいだ。

 

「いやあ、ものすごい数の難民が集まっているねえ。千人は軽くこえているんじゃないのかい?」

 

『いい機会だ、僕たちもその中に紛れさせてもらおう。 サーヴァントが一斉に集まっていると悪目立ちしそうだからできる限り離れた形でね』

 

 ドクターの言う通り、相手にこちらがサーヴァントだと悟られないように分散することになった。私はマシュとダヴィンチちゃんと、博樹さんはベディヴィエールさんと、そしてモーさんはニトクリスのあの耳みたいな髪を掴んで引っ張っていった。

 

「よっし! じゃあ私たちも準備しようか!」

 

「はい! 難民の方たちの集団へ混ざり込むならやはり端の方でしょうか……?」

 

 モーさんが被っていたのと同じダヴィンチちゃん製魔力遮断外套(マント)を羽織り、難民群の中へ紛れ込むことに成功した私たちは、周囲を囲んでいる騎士たちへの警戒を怠たらずに様子を見ることにした。

 

 高濃度の魔力を纏った騎士は、一体一体がシャドウサーヴァントと同等の力を持っている強敵で、生半可に挑んでは負けてしまう可能性のある脅威。モーさんなら相手が剣以外の武器を使ってきたとしても制圧できるけど……

 そんな考えを張り巡らせていると、突如として空が明るく────っ!! 

 

「突然昼になった!! 何これ!?」

 

「目の錯覚ではありません。夜だったのに突然昼になりました!」

 

 ゲームの日付変更の裏技を使ったかのような昼夜逆転のその現象に私たちも、難民の人たちも慌てていると正門から誰かが姿を現した。

 何かを話し始めるだろうからスカサハ師匠から学んだ聴覚強化のルーンを自分にかける。

 

「これこそは我が王が私に与えたもうた祝福(ギフト)。“不夜”の祝福(ギフト)

 

()()()()()()!! 円卓の騎士、ガウェイン卿だ!! 聖抜が始まる、聖都に入れるぞ──!!」

 

 ガウェイン卿……? 円卓の騎士? 聖抜を取り仕切っているであろう騎士の登場に喜びの声を上げながら難民たちがテントから出てくる。

 円卓の騎士っていう事は、モーさんやベディヴィエールさんと一緒の……? 

 

「我らが聖都は完全、完璧なる純白の千年王国。この正門を抜けた先には貴方たちが望む理想の世界が待っています。我が王はあらゆる民を受け入れます。異民族であっても異教徒であっても例外なく」

 

 ────ただし、我が王からの赦しが得られば、の話ですが

 ガウェイン卿がそういうと、正門の上から尋常じゃないほどの威圧感を放つ存在。獅子の兜を被った大きな槍を携えた騎士がそこに立っていた。

 もしかして、あれがオジマンディアス王の言っていた純白の獅子王? 

 

「────最果てに導かれる者は限られている」

 

 その言葉の重みが、ズシリと胸を貫いてきた。

 言葉を聞いているだけで息がつまりそうになるその威圧感は、全然違うけどベリアルさんのことを彷彿とさせる。

 まるでヒトではない、()()()()()が話をしているような感覚……

 

「生まれながらにして不変の、永劫無垢なる人間を」

 

「────何この光っ!!?」

 

「攻撃ではありません。なんでしょうこの光は、こんなにも強い光のはずが少しも眩しくありません!!」

 

 獅子王が槍を天に掲げると、辺り一面が光に包まれる。

 目を瞑ってしまいそうなほど明るい光のはずなのに、眩しくない。その光の中で目を開いていられる。

 

 その光が何をするのか見ていると、難民の中にいる人たちの何人かに光が降り注いでいる。その光の数は()()

 

「聖抜はなされた。そこにいる三名のみを招き入れる。回収するがいい、ガウェイン卿」

 

「……御意」

 

 ガウェイン卿の傍に控えていた騎士たちが、光に、獅子王に選ばれた3名の難民たちを正門奥へと連れて行こうと動く。

 

「……? 何か、揉めてる……?」

 

「子連れの親子のようですが……?」

 

 あの親子って確か、ここに来るまでの間に博樹さんが話をしてた親子……? 彼女たちがどうしたんだろうか、ガウェイン卿に何かを訴えている。

 

「その子供は置いていきなさい。聖抜に選ばれたのは貴女だけです」

 

「騎士様……どうしても、駄目なのでしょうか? この子は私の宝、私の人生(いのち)そのものなんです!! どうかこの子も聖都へ!! ダメなのなら、私ではなくこの子だけでも聖都へ!」

 

「なりません。我が王の決定は絶対。聖抜に選ばれたのは貴女ただ一人、その子供を忘れ聖都へと歩みなさい」

 

「────なら、私は聖都へ行きません。せっかく選んでいただきましたが、辞退させていただきます」

 

 その返答が驚きだったのか、ガウェイン卿は目を瞑ると一人頷き片手を挙げて騎士たちへ指示を出したようだった。

 

「この聖抜を拒んだのは、貴女が初めてです。その高貴な魂が、王に選ばれた所以なのでしょう。────これより、()()を始める!!」

 

 ────その声が引き金となった。

 難民たちを囲んでいた騎士たちが、ガウェイン卿の指示を受けて何の罪もない難民たちを斬り殺し始めた。

 

「何これ……!? 何が起きてるっていうの!!」

 

「落ち着きたまえ、マシュ、立香くん。彼らは最初からそのつもりだったんだよ。だから、誰一人として逃げられないように囲んでいたんだ」

 

 私はダヴィンチちゃんの言葉を聞きながら、別の場所で控えているモーさんへと念話を繋げる。

 

(モーさん!! ソッチにいる難民の人たち、ニトクリスと一緒に任せていい?)

 

(お前ならそう言うと思ってたぜマスター! あの筋肉ゴリラも()()()も気に入らねえからな!! こんなクソみてーな儀式、ぶっ潰してやる!!)

 

「(よし!! やるよ! モーさん!!)マシュ、ダヴィンチちゃん! みんなの突破口を開くよ!!」

 

「はい!! マスター!! わたしは、絶対に負けません……!!」

 

「……やれやれ。まっ、こうなるであろうことは分かっていたことだが、いくら万能だからといって骨が折れてしまいそうだ」

 

 分かってる、この行為がどんなに無謀なもので、どんなに偽善に溢れてるのかなんて。

 けど、ここでこの人たちを見捨てたら私は私のことを嫌いになる!! だから、自己満足かも知れないけど助ける! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴンッ!!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「!!?」」」

 

 気合十分! と騎士に向かって行こうとしていたら、何かが壁にぶつかる、違う。叩きつけられた大きな音が響いた。

 騎士たちも何ごとかと音が鳴った方へと視線を向けると、まるであり得ないものを見たかのように握られた剣が止まってしまっている。

 

 それもその筈だ。私だってこんなに驚いているんだもの。

 音の発生源へと目を向けた私の瞳に映ったのは…………

 

()()()()()()()()()()()()()()()()と、()()()()()()()()()()()()()()()()姿()だった。

 

「何をやっているんだよ……アナタはああああああ!!!!! 

 

 穏やかな性格をしている博樹さんからは考えもつかないほどの怒号が響き渡る。

 その瞳を、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 




こっちもレッドファイッ!!
 理不尽には暴力という理不尽で立ち向かっていくスタイル。

妻子持ちの博樹さんがあんな絶望を許すと思うなよガウェイン!!
次回!不夜のガウェインvs赤目博樹!!
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