【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

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ガンマフューチャーカッコいいやったあああ!!!!
 幻影で召喚されたガイア(v2)がスプリームになるって卑怯過ぎません?そんなん好きに決まってるやん。
来週はストレイジカスタムになる素体のキングジョーが登場。

タイガ、ニュージェネクライマックスも見てきました。
ネタバレは避けるために言うと……トレギアの執着がきもい!!
 親関連になると尊くなる朝倉リク卑怯じゃないです?
ルーブ兄弟のあの2人にしか出せない雰囲気大好きです。

感想、評価お待ちしてます

誤字脱字、ご指摘ありましたら気兼ねなく





おかえり


12

「教えてくれ獅子王! ()()()()()、誰につけられた!! 

 

 聖都決戦が始まる少し前、玉座にランスロットを除く円卓の騎士が集結した中で、発言を許されていないはずのモードレッドが叫んだ。

 獅子王の額に付けられた傷。獅子王ならばそんな傷を許さない、ついたとしても治っている筈だと……。

 

 それなのに獅子王の額に傷が付いている。いや、つけた奴がいるとモードレッドが気付いたからこそ叫んだのだ。

 

「私の兜を破壊し、この額に傷を付けた者は彼方側のモードレッドだ」

 

「ッッ!!! アイツが…………ッッ!!」

 

「彼の者はもういない。ロンドミニアドによって貫いた。モードレッド、お前が気にすることはない」

 

「────ッッ!? んだよソレ、勝ち逃げじゃねえか……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「テメらの首を獲りに来てやったよ。アイツはもういねえ見たいだけどなっ!!!」

 

「モードレッド卿!!」

 

「…………モーさんの事、知ってたんだ……」

 

「知ってるに決まってんだろ!! アイツはオレとの決着をつけねえで消えた所か、獅子王に傷を残しやがった!!!!! フッざけんなよっ!!」

 

 聖都に中へ侵入し、獅子王がいる城へと向かっている私たちの前に敵のモードレッドが奇襲してきた。

 モーさんが獅子王の裁きに包まれ消えていった事を知っていた彼女は、自分と決着を付ける前に消えた事、そして獅子王に傷を残したのだと! 

 

 良かった、モーさんはただ消えただけじゃなかったんだ。って喜びが相手のモードレッドにとっては怒りに変わっている見たいだ。

 

「オラ、かかってこいよ雑魚ども!! せめてもの情けだ!! このモードレッド様の手にかかって死にやがれ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう急かすなよ。お前の相手は…………()()だろ?」

 

 

 

 

 

 

「え……?」

 

 同じ、声だ。目の前にいるモードレッドと同じ声が、私たちの後ろから聞こえてくる。

 信じられない。だって、だってあの時消えたはずじゃ!! 流れてくる涙を抑えることが出来ないまま、振り返って後ろを見た。

 

「ったく、お前らは本当泣き虫だなあ立香、マシュ」

 

『おい、おいおいおいどういう事だ!!! 君はあの時に完全に消滅したはずだ!! 何でココに!? いや、()()()()()()()()()()()()

 

 涙を溢れさせる私と、同じように涙を溢れさせるマシュの頭の上に、その手を乗せてクシャクシャと撫でてくれながら、ドクターの質問に堂々と答えた。

 

「走って来た!!!!!」

 

 

「モーさんっ!!!!」

 

 髪もボサボサ、服も所々破れてるし、身体の至る所に切り傷だってあるのに、そんなこと関係なさそうに、満面の笑顔でモーさんはそう言い切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「やあモードレッド。目が覚めたようだねえ」

 

「…………折角いい夢見れてたってのに、何でテメエがいやがる……」

 

 獅子王の放った裁き光に包まれ、消滅したとばかり思っていたモードレッドは自分に意識が、そして身体から感じる痛みから自分が消滅していないことを感じ取り目を開いた。

 目を開けたモードレッドの前に立っていたのは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だった。

 

「おやおや、サーヴァントである君が夢を見ることがあるとはねえ。まあそのおかげで君の事をここへ引きずり込めたんだけどね」

 

「……どこだよココは? 特異点じゃねえ見てえだが」

 

 真っ二つに折れたクラレントを見ながら立ち上がると、何処とも分からない光に覆われた空間を見渡し、そこが先ほどまでいた特異点ではないことを理解し目の前の魔術師問いかける。

 

「ここは最果てと君たちが正そうとしている特異点との間。本来なら繋がることのない朧気な最果てへの道さ」

 

「……ああそうか。オレが最果ての槍(ロンゴミニアド)に包まれたから、理想郷(アヴァロン)との道が出来たってことか……」

 

「ご明察。まあ彼方の最果てとコチラでは少しばかり勝手が違うんだけどねえ。まあそこは私が頑張ったという事さ。いやあ成長して勘が冴えわたっているじゃないかいモードレッド」

 

「うるせえ。んで? なんでお前がオレに干渉してくるんだよ。オレの事なんてどうでもよかったはずだろお前は」

 

 最果ての地【星の魂の置き場所】である理想郷(アヴァロン)、そしてロンゴミニアドは【世界の裏側の最果てにて輝く塔】。本来ならば別のものである二つを自身の力で繋げるなんて面倒なこと、目の前の魔術師は自分からやろうなんて思わない存在だとモードレッドは知っていた。知っていたからこそ、魔術師が干渉したことに疑問を覚えた。

 

「はっはっはっは確かにねえ。ま、でも私は女の子の涙というものどうにも弱くてねえ、君がいなくなってしまうと涙してしまう少女たちがいるだろう? それをどうにか出来ないかと思ったのさ」

 

「ああ? 妙に目が腫れてると思ったらお前()()()でアイツらの事ずっと見てたのか。相変わらずいけ好かねえ趣味してやがる。まあ、今回はテメーの女好きに助けられたってわけだ。で、どうやったらあそこに戻れる?」

 

「走るしかないね」

 

「あ?」

 

 笑顔で、殴りたくなるほど爽やかな笑顔を振りまいて魔術師はモードレッドにたった一つの戻り方を提示してきた。

 

「君のことを送り届けてあげたいのは山々なんだけどねえ。コチラと彼方を繋げるのだけで十分に力を使っているからさ、エルサレムへ戻るなら来た道を走って戻るしかない。なーに心配いらないさ、君が全力で走れば1週間もかからないだろうからね♪」

 

「チッ!!」

 

「まあまあ待ちたまえモードレッド。鎧も砕け、燦然の輝く剣《クラレント》もその有り様だ、それでは獅子王に辿り着けずにまた彼女たちを泣かせてしまう。うん、それはいけない。私もせっかく助けた意味がなくなってしまう。だからね、()()を持っていくといい」

 

 魔術師がそう言って呼び出した花びらが散ると、そこから出てきたのは【岩に刺さった1本の剣】だった。

 

「もう片方は彼が持っているからね。燦然の輝く剣《クラレント》が認めた今の君なら、コレを引き抜けるはずだ。そしてコレを抜けば、君は彼の王と同等になれる」

 

「…………」

 

 モードレッドは利き手に持っていたクラレントを持ち替えながら、その剣の前に立つ。

 彼の王。自分が憧れ、そして認められたいと思い続けた王が、王の事を【選定した剣】。

 

 まるで光に吸い寄せられる虫のように、モードレッドはその剣の柄に手を……

 

「え?」

 

「フンッ!!!」

 

「イッタアアアアッッ!!! ななな、何をするんだいモードレッド!! 僕の顔に頭突きするなんて酷いじゃないかい!!」

 

 そう、モードレッドは剣を握らなかった。

 伸ばした手を魔術師の襟に持っていき、彼を引き寄せる勢いで思い切り頭突きしてやった。

 

「テメェが見守り、選定の剣を抜く。確かにそれはオレが何度も夢見た、憧れた儀式そのものだ。だけどいらねえ」

 

「………………」

 

「夢は夢で、憧れは憧れのまま散っていく。今のオレが選び、掴んだのはいっつも足が震えてるような怖がりで、なんかあれば直ぐに泣いちまうような泣き虫の剣であることだ。王になることじゃねえ、だから今のオレにはコイツは抜けねえし、そもそも抜く気がねえ。それに……」

 

 剣に選定される未来ではなく、自分で選んだ道を歩くんだと宣言したモードレッドは、半分に折れてしまい、その輝きを失いそうになっているクラレントに目を向ける。

 

「王としてじゃなく、オレを、()()()()を認め、共に歩くと誓ったんだ。そんなコイツを、オレは絶対に裏切らねえ」

 

「ふっ、まさか君からそんな言葉を聞けるとはねえ」

 

「うるせえ、時間がねえんだ。もういくぞ!」

 

 喜びを表すような輝きを見せたクラレントを見て、自分も笑顔を浮かべたモードレッドは魔術師にそう言って立香たちの元へ戻るために走り出した。

 彼女が走って行った事を確認して片付けようとした魔術師の耳に、自分の名前を呼ぶ声が聞こえ顔を上げると、モードレッドがこちらに顔を向けて何か言おうとしていた。

 

「言ってなかったからな、助けてくれてありがとうなクソ魔術師!!!」

 

「…………」

 

 まさかあのモードレッドから感謝の言葉が返ってくるとは思いもしなかった魔術師は、彼女の姿が見えなくなるまで放心してしまった。

 

「ぷっ、ははは、あーっはっはっはっはっはっは! あのモードレッドが、僕に感謝を告げるなんて……まさか本当にそんなことがあるとは思わなかったよ」

 

 涙が出るくらいの大笑いを始めた魔術師は、岩に刺さった剣を「ほっ」と簡単に引き抜くとその剣をくるくると回転させる。

 

「せっかく妖精の湖から持ってきて使えるように打ちなおしたというのに、用済みになってしまったね。よし、仕方ないから私が使おうか。それには誰にもバレないように加工しなくちゃいけないね、この装飾とか私の趣味とは合わないし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「だああああああ!! いつまでくっついてんだよ離れろっての!!!」

 

「だあ゛あ゛あ゛あ゛っでえ゛え゛え゛え゛え゛!!」

 

「もう、モードレッドさんとは会えないと……思っていたので……」

 

 モーさんのカッコ良すぎる登場に感動を抑えられなかった私とマシュは、敵のモードレッドがいるというのにモーさんに抱きついて喜んでた。別れたサーヴァントはまた召喚すればいいって言う人もいるかも知れないけど、私たちと仲良くなったモーさんはこのモーさんだけだから一際嬉しさが爆発してしまう。

 

「最果ての塔が完成するまで時間ねえんだろ? 早くベディヴィエールの事連れて獅子王んとこ急げ!!」

 

「え? でもまだ相手のモードレッドが」

 

「いらねえよ、てか邪魔だ。アイツの相手は他の誰でもねえ、オレだけだ。なあ、そうだろ獅子王の騎士様?」

 

 折れたクラレントを肩に担ぎながら相手のモードレッドにそう言うと、怒りを孕んだ目でモーさんの事を睨み、クラレントの切っ先をモーさんへと向けてくる。

 

「お前らの処分は他の円卓がやる。仮に獅子王に辿り着いた所で、お前ら雑魚どもじゃあ勝ち目はねえよ。だが……テメーだけは別だカルデアのオレ!! 獅子王に傷を付けたテメーだけは、オレがこの手で殺す」

 

「なっ?」

 

 自分の事は自分が一番分かってるんだって感じの顔してこちらを見るモーさん。

 確かに、このまま最果ての塔が完成してしまったら私たちの前は確定しちゃう。あっちのモードレッドも賛同してるし行ったほうが……。

 

 あっ!! 

 

「モーさんモーさん!! 忘れてる、忘れてるよ!!」

 

「ああ? 何だよ忘れてるって……」

 

 先へ進もうとしたその時に思い出した。結構元気だったから気づかなかったけど、今のモーさんと私の主従契約切れてるんだった! 

 それに気づいた私は直ぐにモーさんの手を握って再契約の準備をする。

 

 深呼吸してっと……

 

 

────告げる。汝の身は我が下に──我が命運は汝の剣に

 

「────っはっ! そういうことかよ!!」

 

──その身に宿し聖杯に従い────この意この理に従うならば

 

 モーさんも私が再契約しようとする事が分かると、私の手を強く握り返し満面の笑みを浮かべてくれる。

 

【【我と共に歩め!! ────ならばこの運命、共に叛逆へと導こう!! 】】

 

 一緒に笑顔で同じ事を言い、モーさんとの再契約を果たす。

 契約の台詞を言い終わると、2人して笑い出して最後に拳と拳を合わせる。

 

「約束だよモーさん。今度も絶対、私たちと一緒に運命に叛逆するって!!」

 

「────ああっ!! 任せろマスター!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




【岩に刺さる選定の剣】
花の魔術師がモードレッドの為に用意した正真正銘【勝利すべき黄金の剣(カリバーン)】。
今のモードレッドなら引き抜けることも出来たかもしれないし、もし引き抜けたなら【王】となれたかもしれないが、モードレッドはそれを断った。

ほら、言った通り僕が登場しただろう?

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