【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

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FGO5周年おめでとうございます!
 福袋は2019を選び、清少納言とクィリヌスの2枚抜きでどちらも宝具が2になりました。普通にうれしい!!

 ところで映画キャメロットの新pvにも藤太が出てこなかったんですけど……出ますよね?cvの鈴村さんはロマニじゃなくて藤太のことですよね?

感想、評価お待ちしてます

誤字脱字、ご指摘ありましたら気兼ねなく


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「私が卿らを招集したのは、この計画には卿らが必要だからだ」

 

 冷たい目。人の道を外れ、より完璧な王へと至ったアーサー王。獅子王にそう言われて溢れてきたのは、歓喜の感情だった。

 彼の王が自分を必要だと言った。王に叛逆し、王が築いたブリテンを滅ぼした自分の事を必要だと……。

 

 恨まれていても、見限られていて当たり前だと思っていた。今ここに呼ばれなかった隻腕の騎士と盾の騎士と同じように王は自分の事を呼び出さないと……

 だからこそ、他の円卓の者たちが悩んでいる中で、モードレッドが答えを出すのに時間は必要なかった。

 

「モードレッド、お前には“暴走”を授ける」

 

「ああ……ああっ!! 望むところだ!!」

 

 敵対することを選択した円卓の騎士たちを斬り伏せ、残った円卓たちがそれぞれギフトを選択する中で、自分はその選択を許されなかった。

 与えられた祝福は“暴走”。獅子王より与えられたその祝福の意味はとうに理解していた。

 

 王は自分を憎んでいる。自分には最果ての塔に収容される資格はない、その身滅び尽きるまで我が手足となって暴れ続けろ。

 まるで使い捨ての道具の扱いだ。だが、それでいい、それが最善だ。

 

 ただ暴れるだけなら、面倒なことは考えなくていい。

 

 この身滅び尽きるまで暴れ続けられるなら夢を見ることが許される。

 

 それで獅子王の目指す争いのない理想都市を気づけるのなら、この命どうなろうと構わない。

 

 

 

 

 

『叛逆しながらも、王に仕えるという矛盾しかない儚い夢を……』

 

 

 

 

 だから、だから…………!!!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オレの邪魔をするなああああああああ!!!!!!」

 

「邪魔するに決まってんだろ!! その為にあんなクソ遠いとこから来たんだからよ!!」

 

 剣と剣、魔力と魔力が衝突しあう。“暴走”の祝福によって辺りかまわず放出してくる魔力を、モードレッドは朽ちたクラレントで対処していく。

 欠けたクラレントにはもう、刀身に魔力を留めることが出来ず、その魔力を増大することも適わない。出来るのはモードレッドから伝わった魔力を放出することだけ。

 

 モードレッドもその事については理解しているからこそ、相手の放出した魔力を相殺できるだけの魔力をクラレントから放出して対処していく。

 

「はっ!! オレの癖に随分と芸達者なことしてるじゃねえか!!」

 

「王を打ち倒すにはこれくらい出来なきゃダメなんだよバーカっ!!」

 

「ちっ、なら……コイツならどうだ!!」

 

 傷つき、欠けた剣を使っているのに余裕の表情を見せてくるモードレッドに怒り、獅子王の騎士は高速で移動を始め四方から連続でモードレッドへ攻撃を仕掛ける。

 四方からの攻撃に、暴走によって一発一発の振り幅が違ってくる魔力。いくら聖杯による強化によって直感が未来予知に近いものになったとしても、その両方を連続で対応するのは難しくなっていく。

 

 暴走の魔力を上回る魔力量を放出させ続ければ対処することは容易だが、それをしてしまうとクラレントに限界が来てしまい武器を失ってしまうことになる。

 だからモードレッドは極力少ない魔力で獅子王の騎士と向き合っている。

 

 現に、直撃は魔逃れているが何発かはモードレッドの肉を抉っている。

 

「ぐっ……はあ、はあ……フッ!!」

 

「おらおらっどうしたオレっ!! 息が上がってんじゃねえか?」

 

「────タイミング見計らってたんだ……よっっっ!!!!」

 

 背後からモードレッドの首目掛けて獅子王の騎士が襲い掛かってくる。

 

 

 対して、モードレッドは落ち着いて対処していく。

 裁きの光に敗れ、身体の傷は癒えていない、クラレントにいたっては折れたままだ。

 

 それでもモードレッドは一歩も引かずに獅子王の騎士と戦い続ける。

 いつ魔力が暴発しても可笑しくないクラレント。そのギリギリの塩梅を経験と直感で無意識に行いながら、獅子王の騎士の攻撃が自分に届くその一瞬にだけ魔力を纏わせたクラレントを()()()()()()()()

 

「なっ!! 岩が!!? あがっ!!」

 

「つ・か・ま・え・たあああああっ!!!! ぶっとべ!!!」

 

「がああっ!!」

 

 魔力放出によってモードレッドを中心に大地が隆起し獅子王の騎士の一撃を防いだ。それだけではモードレッドは止まらず一瞬の隙が出来た相手の髪の毛を掴んで持ち上げると、魔力を纏わせた拳でその顔面を思い切り貫いた。

 

 顔面を貫かれた獅子王の騎士は鼻や口から血を流しながら地面を跳ねていくが、自らの剣を地面に差しその勢いを止め次に来る攻撃に備える。

 顔を上げるとモードレッドの拳が眼前に迫って来た。

 

「嬉しかったよなあ! 王に呼んでもらえて!! オレが、オレ自身が王を終わらせた筈なのによおっ!!」

 

 相手が剣を振るう暇も、魔力も爆発させる時間すらも作らせない近接戦闘。後ろに退かすことすら足を踏みつけて許さないモードレッドは、連続で拳を放ちながら話をする。

 

「恨まれて、憎まれていて当たり前のことやったってのに。選んでくれた、それだけで十分だった!!」

 

「────っ!! うるせえっ!!」

 

 このままモードレッドによる一方的な展開になるかに思えたが、モードレッドの拳を受け止め獅子王の騎士も拳で殴り始め、2人の殴り合いが始まった。

 

「あんなひよっちい奴のこと主人にしやがって! オレが仕えるべき主は、アーサー王しかいねえんだよ!!」

 

「だからって、叛逆しながら王に仕えるなんて夢見続けてんじゃねえよ!! アーサー王に心の底から仕える時なんてのは、()()()()には永遠に訪れねえんだよ!!」

 

 顔がボロボロになってもどちらも引かない。自分の意思を曲げないために拳を止めない。

 

「だけど……! 王は求めてくれた!! オレの力を! 王に最期を与えられなかった力不足なオレの力を頼ってくれた! だからオレは……王に仕え続けるんだああああ!!!」

 

 獅子王の騎士の渾身の一発。モードレッドはその拳を受け止めると、彼女のことを引き寄せ、その矛盾だらけの哀しみを受け止めるために抱き寄せた。

 

「王に仕える。確かにそれは、王に憧れ認められたかったオレにとって史上の喜びだ。けどな、夢は夢なんだよ」

 

 獅子王の騎士はどこまでいっても、たとえ敵対していようとも自分自身であることには変わりない。

 だからこそ自分も、同じように呼ばれたらきっと同じように夢を見る。それが分かっているからこそモードレッドは自分自身の事を抱きしめる。

 

「叛逆しながら王に仕える。そんな矛盾抱えたまんま戦い続けんの…………疲れたよな? もう、終わりにしようぜ……」

 

 自分が間違っていることは分かっている。だが、獅子王の騎士である彼女は止まらない、止まれない。

 最期の最期まで王の騎士であるために、抱きしめられたその手を払い、霊基が崩壊することも厭わずに授かった“暴走”の祝福を開放させる。

 

「うるせえっ!! わかったような事言ってんじゃねえよ! お前はオレじゃねえ! オレは、()()()()が、獅子王の騎士モードレッドだああああッッ!!!!」

 

 魔力を暴走させたモードレッドの宝具【我が麗しき父上への叛逆(クラレント・ブラッド・アーサー)】がモードレッドを包み込むように天に向かって魔力の柱が出来る。

 モードレッドはその一撃に対抗するために、折れたクラレントに話しかける。

 

「いくぞクラレント。王に憎まれたまま、王に仕えるなんて無邪気な夢を見る()()()()()()の目を覚まさせるためにな」

 

 今のモードレッドと欠けたクラレントでは宝具を打てない。正確には打った瞬間に暴発してモードレッド自身が消えてしまう。

 だからこそモードレッドとクラレントが()()()()のは欠けたクラレントを突き付けながら相手の宝具に向かって突貫することだった。

 

「があああああああああああっっっ!!!!」

 

 放たれた莫大な赤雷を纏った魔力の塊とモードレッドとクラレントが衝突する。

 暴走によって強化された宝具に押し切られそうになるが、モードレッドは声を張り上げながら耐え続ける。

 

 このままでは負けるかも知れない。そんな時に応えたのがクラレントだった。

 

「(クラレント……お前……)はあああああああ!!!」

 

 モードレッドの意思に関係なく、折れたクラレントがガシャンガシャンと音を鳴らしながら展開する。

 クラレントもあの夢見るモードレッドを止めたいという意思の表れだと受け取ったモードレッドは、自身の中に眠る聖杯の魔力を開放させクラレントに魔力を送る。

 

 相手の宝具全てを打ち消すんじゃない。たった一本の道を切り拓くために、欠けた刀身部分を賄うように、凝縮された魔力の剣で魔力の塊の中をかき分け突き進んでいく。

 

「消えろ! 消えろ!! 消えちまえええええええええ!!!!!」

 

「とっとと目え覚ましやがれえええ!! この大馬鹿野郎!!!!!!」

 

ドガアアアアアンッッッ!!!!!!!! 

 

 宝具を掻き分けた先。獅子王のモードレッドに向かってクラレントを握ったままのモードレッドの拳が届く。

 地面に叩きつけられるように殴られた獅子王のモードレッドはそれがトドメになったらしく立ち上がる気力もなく、倒れ伏した。

 

「ちくしょう……ちくしょう……! 侵入者一人止められないんじゃ訳ねえよ……。やっぱ、オレに獅子王の騎士は向いてなかったのかもなあ……」

 

「やあっと目が覚めたかよオレ。いい夢見れたか?」

 

「最っ悪だっ!! ────最悪過ぎて、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 悔し涙を流しながら、獅子王のモードレッドが自分の持つクラレントをモードレッドへ差しだしてきた。

 

「いいのかよ、コイツを渡すってことは王への不義に値する。アグラヴェイン辺りが黙っちゃいねえぞ?」

 

「はっはっはっは、確かになあ。────でも、獅子王の騎士としてずっとお利巧さんにしてたんだ……。一度くらいドデカイ叛逆しても許されんだろ?」

 

「確かにな。んじゃまっ、お前の叛逆の意思は受け取った。安心して眠りな、獅子王は必ずオレが殺してやる。まあ終わらせるのはアイツの役目だけどな」

 

「────ん。任せたぜ……オレ……」

 

 こうして、獅子王のモードレッドは悔し涙とうれし涙の両方が混じった涙を流しながら消えていった。

 もう一人の自分にクラレントを託して……

 

 

 

 

 

「んしっ!! んじゃあ獅子王んとこ向かうとするか。────ッ!? ()()()()!?」

 

 

 

 

 

 




【モードレッドはもう一本のクラレントを手に入れた!】
 折れたクラレントともう一本のクラレント、何か起きないはずがなく……。

今回の殴り合いからの戦闘はあるシーンのオマージュ。
どちらも考え方によっては同一存在だったこともあるんで……ね?
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