【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

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グルジオライデン、改造された生物兵器であのグルジオという事から、もしかしたら戦士の頂に選ばれた誰かが負けて改造されたのかもと考えると……辛い……。ジャグさんが不敵な笑みを浮かべていたのも怪しいし……。

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誤字脱字、ご指摘ありましたら気兼ねなく



3

「私は何をやっているのでしょうか……」

 

「何ってお手伝いじゃない。突然どうかしたのかしらアナ?」

 

「そうではなく! む──」

 

 最近では姉妹として見られているアナちゃんとアリスちゃんの2人が何か話をしながら花屋さんの花を並べているのを横目に、私は畑を耕すのを手伝っていた。 

 ここに来てからの生活には慣れたもので、今では村の人たちから頼られる存在になったと思う。

 

(────来たか)

 

(来たって……ああ〜! そう言えば今日でここに来て一週間になるんですよね!! どうします、すぐに迎えに……)

 

 慣れてきたせいで忘れていたけど、私たちが先行レイシフトしてからもう一週間が立っていた。ベリアルさんが行った通りなら立香ちゃんたちがレイシフトしてきたことは確実で彼女たちのことを迎えに行こうとしたんだけど……。

 

(まだ耕すのが終っていないだろ。やってからいくぞ)

 

 最後までやってから……立香ちゃんたちのこと、そんなに心配ではないのかな? 

 まあ、私も中途半端で終わらせるのは嫌だからいいですけど……ね! 

 

 

 

 

 

『う〜ん、今までの特異点のようにどこにいるのか判らないって訳じゃなさそうだ。このまま彼に着いてウルクへ案内してもらおう』

 

 指定していた座標へのレイシフトが拒まれ空中からの突入となった今回の得意点攻略。都市であるウルク周辺へ着くはずだったのだが、廃墟に降り立った私たちは見たこともない敵性生物を相手取ることとなった。

 途中、黒髪ツインテールのサーヴァントに助けられながら状況を打破した私たちは、サーヴァントと別れた後に出会った謎の青年"エルキドゥ"の案内の元、ウルクへと向かっていた。

 

「どうやらお仲間ともはぐれてしまったようですね。先にそちらの方たちと合流しましょうか?」

 

「大丈夫です。あっちは私たちよりの何倍も強いですから!」

 

『いや〜それにしても今回は運がいい! なんたってあのエルキドゥが味方してくれるんだからね!』

 

 世界太古、私たちが今いるこの時代の英雄譚であるギルガメッシュ叙事詩に登場するのがここにいるエルキドゥらしい。

 神々によって”泥”をこね上げて作られた世界最強の”意思を持つ宝具”。人と同じ魂を持ち、自在に肉体を変形させ、時に宝具そのものとなって敵を穿つ力を持っている”神造人間”、それがエルキドゥ。

 

「えっと。そこまで持ち上げられると、いささか照れますね」

 

「……エルキドゥさんは兵器のようには見えません。ちゃんと人としての心があるようです」

 

 そんなエルキドゥに案内をして貰いながら、私たちはこの特異点で起きている異常に付いても彼から話をして貰うことができた。

 

「あれこそが人類の希望、四方世界を守る最大にして最後の砦。絶対魔獣戦線バビロニア、と」

 

 魔獣の侵攻を止め続けているその砦の異常さにも驚かされたけど、それ以上に興味深い話がエルキドゥの口から聞こえてきた。

 

「黒い巨人?」

 

「はい。本来ならばあの砦が今日この日を迎えるのは不可能でした。それを止めたのが一週間前に突如として現れた黒い巨人だったのです」

 

 黒い巨人と聞くとどうしてもベリアルさんのことが頭をよぎるけど、ベリアルさんもこの特異点に来たのはついさっきのはず。もしかして別のウルトラマンがこの地には存在するのかも!? 

 

『こちらが指定したのは今日この日のレイシフトだ。それを書き換えて一週間前へレイシフトするなんて存在証明が確立出来るはずがない、いやでも彼のことだしな〜〜もしかしたらもしかするのか?』

 

 ドクターが頭を悩ませているのを横に杉の森を進んでいく私たちだけど、このままエルキドゥの案内通り進んでいったら逆にウルクへと遠ざかっている事に気づく。

 その事について指摘する前に私は、この特異点の異常の一つとして挙げられた聖杯について質問して見ることにした。

 

「聖杯……ですか? 確かに、このウルクの地に魔術王が送り込んだ聖杯は5つあると、そう言われています。そして魔獣の女神はその内の一つを既にその手に収めている」

 

「「っ!!!」」

 

 どうやら魔獣の女神はその聖杯を炉心として大量の魔獣を産み出しているのだという。敵が聖杯を利用してるって予想は正解みたいだ。

 でも、彼の話では他の聖杯はその場所すらわかっていなくて三女神同盟はウルクへの進行と同時進行で、他の聖杯を探していると……。

 

(どうしましょう先輩……? ウルクから離れている事を指摘するべきでしょうか?)

 

「ああ、方角がきになるのですね。この先の川に波止場があるんですよ。そこまで行けば、後は川を下るだけです」

 

「なんと! それはいい事を聞いてしまった! この先に波止場があるとは知らなかった!」

 

 怪しさ満点なエルキドゥに指摘しようとしたら、私たちの後ろから大きな声を上げながらフードで顔を隠したこれまた怪しさ満点な男性が駆け寄ってきた。

 誰だろうこの人……? はっ! 不審な人たちに囲まれてる!? 

 

「やあこんにちは、驚かせてすまないね。怪しい者ではないから、まずは話を聞くと言い。私はある目的のためにこの森を探索していた物なんだがね、その探し物を三日も飲まず食わずで探していたからもうくたくたで……。このまま魔獣に遭遇してしまったらエサになるしかないと悲観していたが、やはり私はついているね!」

 

 パーソナルスペース狂ってるのかなってくらい初対面の私たちに接近してくるその人に怪訝な目をしながら、彼は私たちに名前を聞いてきた。

 ……困ってるのは本当みたいだし、不安だけど名前を教えることにした。

 

「私は立香、藤丸立香。そしてこっちがマシュで、この人がエルキドゥ……どうしたんです?」

 

 自己紹介を終えると、胡散臭いお兄さんはこれまたわかりやすく腕を組んで困り始めた。

 どうやら彼がエルキドゥ本人であることが可笑しいらしく、その事を指摘してくる。

 

「だってねえ? いまウルクで戦線を指示しているギルガメッシュ王は、不老不死の霊草探索から戻ってきた後の王様だ。つまり────」

 

『────この時代がギルガメッシュ王の不老不死探索の後だとしたら、辻褄が合わない!』

 

 友であるエルキドゥを失った事で、ギルガメッシュ王は不老不死の探索を始める。それが終わった後の時代なのだとしたら、エルキドゥはとっくの昔に死亡している。

 てことは、今私たちの目の前にいるのはやっぱり……。

 

「ふ────ふふ、ふふふふふ「ガンドッ!!」ッ!!?」

 

「マシュっ!!」

 

「はいっ! はああああっ!!!」

 

 もしかしたら、その可能性があったから私とマシュは何時でも動けるように準備していた。通常時だったら効かなかったかも知れないけど、完全な虚を突いた普通のガンドは偽エルキドゥの事を一瞬縛ることに成功し、容赦なくマシュの盾で偽エルキドゥの事を殴り飛ばした。

 

「よっし! 逃げるよマシュ、それに胡散臭いお兄さんも!!」

 

「はい!」

 

「いやいやいや、君たち容赦ないね! 敵だと分かっていても今の一瞬で判断するかい!?」

 

「あのエルキドゥの強さがどれだけかはここに来るまでで十分に分かってる! 今の私たちじゃ絶対に勝てないってわかってるなら逃げるのが一番! でしょ?」

 

 私たちが選んだのは逃走。当たり前だ、ここに来る前に何度か魔獣と遭遇して偽エルキドゥがどれだけ強いのかは嫌というほど分からされた。今を思えばその実力差を見せつけて絶望させようって魂胆だったんだろうけど、()()()()()()()を見せつけられてたじろぐ私たちじゃない。

 

 どんな状況化でもガンドだけでも打てるように特訓……うん、特訓をしていたから常時魔力が指先に集まっているのに偽エルキドゥも可笑しいとは思わなかった。そのお陰で難なくガンドは当たり、マシュの一撃のお陰で距離をとることが出来た。

 

『気を付けるんだ立香ちゃん! 彼、偽エルキドゥは本来の力を隠していた。何故だがは分からないが彼が開放した魔力は魔神柱のものに近い、今の君たちでは勝ち目はない!』

 

「だと思った!」

 

「ふむふむ、ここは万事休すってヤツだね。どおれ私の力を「逃がすと思っているのかい、カルデアの無能なマスターさん?」

 

「「!!」」

 

 胡散臭いお兄さんが持っている杖で何かしようとしているけど、それよりも早く偽エルキドゥが私たちに追いついてきた。

 やっぱり普通のガンドじゃ直ぐに動けるようになるよね……。令呪を使用したガンドなら彼から逃げ切る事が出来るかも知れないけど、この特異点に到着して日が浅いのに三画しかない令呪を消費するのは得策じゃない。

 

 じゃあどうするか? そうこう考えているうちに偽エルキドゥの手が私たちに向けられる。その瞬間だった……。

 

「死ねばいい。旧型のお前たちは罵倒と共に死ねばいい。完璧な兵器である僕を羨みながらね!」

 

「ほお、ならその力。このオレに見せてみろ」

 

「────ッ!? 誰だ!!」

 

「「ベリアルさんっ!! …………???」」

 

 どうにもならない、そんな時に空から来てくれたベリアルさんだったけど、私もマシュも今のベリアルさんの姿を見て頭に疑問符が浮かび上がった。

 だって、顔に泥をつけながらライムちゃんとあともう一人小さな女の子を小脇に抱えて登場したんだもの、びっくりする以上に困惑しちゃうよ……。

 

「ベリアル!! まったく、何てタイミングで来るんだいキミは! ここは私がお得意の魔術で偽のエルキドゥを騙して彼女たちの道を作るという、信頼を得るための絶好のシチュエーションだったじゃないか! それをどうしてくれ「黙れ、夢魔(クズ)」あがっ!! また……また私の目に目潰しを……、キミ僕の目に何か恨みでもあるのかい?」

 

 ベリアルさんとお兄さんって知り合いなの? 慣れ親しんだ友達のようにベリアルさんへ歩み寄ったお兄さんは喋ってる最中にベリアルさんから容赦のない目潰しをくらって倒れてしまったけど、そんなの関係ないという感じで偽エルキドゥと向かい合ったまま、ライムちゃんたちに指示を出す。

 

「アナ、アリス。そこの夢魔(クズ)も一緒にソイツらのことをウルクへと連れていけ」

 

「面倒ですが、仕方がありません」

 

「それじゃあふたりとも、一緒に行きましょうか♪」

 

「え、あ、はい……」

 

 ライムちゃんがお兄さんの事を魔術で浮かせ、マシュの手を握るとアナと呼ばれた少女はライムちゃんと私の事を交互に見ながらおどおどと落ち着かない様子だ。

 

「ほらアナ? 手を引いてあげないと彼女迷子になってしまうわ、おかしの家に連れて行かないようにつかまくちゃだめよ」

 

「う、うう。────手を……」

 

「…………うん! よろしくね、アナちゃん!」

 

 そうして、怯えながらも私の手を離さないように強く握ってくれるアナちゃんに手を引かれながら、私たちはウルクへと向かうことにした……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうか、キミが母上の魔獣を一掃した巨人か……」

 

「御託はいいからかかってこい。自分の意思も持たない、土塊の人形が」

 

 

 

 

 

 




【マーリンの動向】
本来ならアナを見つけて味方に加え、立香ちゃんたちに同行するはずが千里眼も易々と使えないことからベリアル側にいることを知らず、ガチで3日間森の中を彷徨っていた。

普段から千里眼で立香たちの戦いを見続けていた彼だが、いつもイイ所でベリアルに目潰しされていた。それでも懲りなかったためその回数は20は超えている。

【偽エルキドゥへの対処】
 ベリアルと一緒に旅をしてきたため相手がどんなに脅威だとしても動じないだけの心を手に入れている立香、マシュは驚きはするが冷静に対処できるだけ成長している。
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