【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

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BOXイベント!!!!!!
QPは底をつき、種火は0な作者にとって待ちに待ったイベント。素材も要求量の多い骨や羽根といった良素材ばかりで嬉しいのなんの……。

目標としては500箱行ければいいかな?くらいを目指してます!

感想、評価お待ちしてます

誤字脱字、ご指摘ありましたら気兼ねなく



4

「土塊の人形だと……! 僕を侮るなよ、旧人類!!」

 

 ベリアルの介入によって立香たちを処分する事が出来なかった偽エルキドゥは、その邪魔をしてきたべリアルを倒そうと向かってくる。

 ベリアルの四方により出現した金の鎖は彼の手足を縛りあげる。

 

「お前は母さんにとって最大の障害だ。だからこそ、今ここで排除する!」

 

 それは驕り。自身が神々よって作られた最強の兵器であるならどんな相手にも負けるはずがないという心の余裕。

 現に相手は鎖で縛られて何も出来ない状態だ。

 

「鎖……鎖か。笑えるな」

 

「何……?」

 

「鎖に縛られてるのは貴様自身だろ、これが笑えなくてどうする?」

 

 ベリアルはそう言って両腕を縛る鎖をいとも簡単に壊すと、迫って来ていた偽エルキドゥの頭を掴み地面へ叩きつけた。

 そうして足を縛っていた鎖も砕くと、倒れた偽エルキドゥの頭を踏みつける。

 

「どうした? 神が造りだした最高傑作ってのはこの程度の実力しかないのか?」

 

「グッ!! 舐めるなっ!!」

 

 踏みつけられていようと、身動きが取れなかろうと関係ない。偽エルキドゥは何もない所から鎖を出しベリアルへ攻撃を繰り出すが、何処から出現するのか予測できないその攻撃を全て片手一本で対処し偽エルキドゥへと話を続ける。

 

「……()()になると思ったが、他人に注がれた意志を自分の物だと驕っている時点で使えないな」

 

「何を……言ってガハッ!!」

 

 興味を失ったのか、ベリアルは偽エルキドゥの事を蹴り飛ばし大木へと叩きつけると、トドメを刺すために蹲る偽エルキドゥへと歩み寄る。

 

(このままじゃ僕はコイツに……。そんなはずがない! 僕は母さんの息子、最強の兵器であるエルキドゥの身体を持つ母さんの息子だ! そんな僕が……なんだ……手が……)

 

 自分が負けるなんて有り得ない。そう何度も心の中で叫びながらも近寄ってくる死の恐怖(ベリアル)に、気づかぬ内に手が、全身が震えていることに気づいた。

 それと同時に彼の頭の中に、本物のエルキドゥが生きていた時の記憶が流れ込んでくる……。神に逆らった罰として熱病に侵され、ゆっくりと、ゆっくりと衰弱し死を待つだけになってしまった時のことを……。

 

『ギル。時代にと共にとって代わる……ただの道具にすぎない僕のことは忘れてほしい……』

 

「あ、ああ、あああああっ……」

 

 ギルに会いたい、話したい。自分の事を忘れてほしいと願いながらも、その土塊の身体に友と共に歩く未来を夢見ながら生きを引き取ったエルキドゥ。

 意識が朦朧としているせいで記憶が流れてくるのかは定かではないが、偽エルキドゥは震える身体を守るように抱きしめながらつぶやいた。

 

「死に……たくないっ! ……ぼくは……いき、たい……っ!」

 

「……ほお」

 

 無意識だったのか分からないが、偽エルキドゥの口からでたその言葉を聞いてトドメを刺そうと手を振り上げていたベリアルの手が止まった。

 ベリアルはその手を下ろすと、偽エルキドゥの髪を持ち上げて強制的に自分と目線を合わせる。立香たちのことを追うように偽エルキドゥに背中を向ける。

 

「それを感じるカケラが残っているならまだお前に利用価値はある。他人に命令された意志ではない、自分だけの意思を持て。そうでなければ、貴様の宿命(さだめ)はただただ虚空(そら)へ消えるだけだ」

 

 言葉を言い残し偽エルキドゥの事を放り投げると、ベリアルは一度も振り向かずに、空を飛んで森を抜けていった。

 ベリアルの一撃のダメージが大きすぎたせいで立ち上がることすら困難な偽エルキドゥは今まで感じたことのない動機を抑えるために胸を掴みながら、飛び去って行くベリアルを憎ましげな眼で睨みつけていた。

 

「……縛られているのは僕自身? 他人に命令された意志だと……? 違う、僕こそが新しいヒトの形だ……!」

 

 

 

 

 

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「どうしても(おれ)の役に立ちたいと言うのであれば、下働きから始めるがいい」

 

 

 ベリアルさんの介入のお陰で無事に城塞都市ウルクへと辿り着いた私たちは、胡散臭いお兄さん“花の魔術師マーリン”の顔パスで王の間へ招き入れてもらうことができた。そこでウルクを統べる王であるギルガメッシュと会ったけれど、彼は私たちに一緒に戦うのではなくここウルクを見ろと言ってきた。魔獣に攻められている状況でも絶望せず、戦う意思、生きようとする活力で満ち溢れているこの都市を知れと……。

 

 そうして私たちは、祭祀場を取りまとめている王の補佐官“シドゥリさん”の案内の元、拠点となる宿舎へと案内してもらいこの特異点での行動を開始することになった。

 

「私たちは私たちの許される範囲でアナタの力になりましょう! よろしくお願いしますね立香!」

 

「僭越ながらこの弁慶もアナタ様方の力になれればと……」

 

 驚いたことに、この地にはアナちゃんやマーリン以外にもサーヴァントが存在していた。“牛若丸”“武蔵坊弁慶”“レオニダス”どうやらギルガメッシュ王が持つ【ウルクの大杯】を使って召喚されたらしく、マーリンもその内の一人なんだという。本当は他にも召喚したサーヴァントがいたらしいんだけど、この戦いの中で散っていったしまったらしい。

 

『いや~しかし、この特異点に来て直ぐに拠点を持てるとはね。最初はどうなることかと思ったけど、これなら安心だ』

 

「はい、ですが……ベリアルさんの姿が見当たりませんね?」

 

「おじさまならウルクへは来ないわ」

 

 私たちの事を逃がしてから随分立ったし、あのベリアルさんが偽エルキドゥ相手に今の今まで苦戦しているなんて有り得ないと思っていたらミルクを飲みながら私たちに色々と教えてくれた。

 ベリアルさんは私たちがレイシフトするよりも一週間早くこの地に降り立ち、いつも通りやらかしていたということ……。

 

『ははははは! 数万を超える魔獣を一掃って、本当規格外だなあベリアルは!!』

 

「なんたって私の千里眼に介入してくるような存在だからね! もう笑うしかないさ! はっはっはっはっは!!」

 

「けど、ウルトラマンに変身したのはその一度きりで後は周辺の村々を転々としてるってこと?」

 

「そうよ、ここは大丈夫だからって他の村の人たちを助けていたの」

 

「その活躍はコチラにも聞き及んでおります。ベリアルに助けてもらったという話は民の方々は大変喜んでいました」

 

 偽エルキドゥの真実を知った時は全然動じなかったけど、それにはベリアルさんの事を知る全員がびっくりした。

 ライムちゃんから詳しい話を聞かせてもらうと、どうやらこの地で博樹さんも自分の事をベリアルと名乗って過ごしている。何か目的があってんの事なんだろうけど……? 

 

「ふふふ、今では子供たちからはちょっとした憧れの目で見られているですよ。こう……だったでしょうか?」

 

「ああ、ベリアルさんのは手の平を相手に向けて放つみたいですよ?」

 

 

 

 

 

 

 

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「行くぞ、藤丸立香」

 

「え? きゃあああああああああああ!!!」

 

「せんぱ~~~~いっぅ!!!」

 

「連れていかれましたね……」

 

「こわいおじさまだもの。それよりもわたしたちはこっちのお仕事をがんばりましょうアナ?」

 

 お店の手伝いや羊の毛刈りや麦の収穫、魔獣討伐に地下世界の攻略など、拠点を持ってからここウルクの地で困っていることを解決しながら、英霊のみんなやこの地に生きる人たちと交流を深めていたら突然現れたベリアルさんによってどこかへと連れ去られている。

 苦しくないんだけど、猫を掴むように首を掴んで空飛ぶの結構怖いんだけどどこに連れていかれるんだろ? 

 

「あれって確か……女神イシュタルがいるっていう“エビフ山”だっけ? イシュタルに用事があるんですか~~?」

 

「あんな駄女神にようはない。用があるのはこっちだ」

 

「ふぎゃっ……!」

 

 話している内に目的に着いていたみたいで突然手を離されて受け身を取れずに地面に落とされてしまった。

 ぶった鼻をさすりながら立ち上がると、どうやらエビフ山の麓へと連れてこられたけどイシュタルにようがないならここに用ってなんだろう? 

 

「ここに()()()()()がある。それを輝かせるのは藤丸立香、お前だ」

 

「鍵……? それって「「「GRrrrrrrrrrr!!!」」」うわあっ!!」

 

「邪魔だ。お前らに用はない」

 

 鍵の事について詳しく聞こうとしたら、魔獣の女神によって産み出された魔獣たちとは違う、この地に元からいた獣たちが私たちに襲い掛かってきた。

 マシュのいない今の私じゃ戦う術はないからベリアルさんの後ろに隠れさせてもらう。

 

「逃げってった……。ベリアルさんが怖かったから?」

 

「どうでもいい、早くいくぞ」

 

 ベリアルさんの威圧で文字通り尻尾を巻いて逃げていった獣たちの後を追いながら一緒に歩いていく。

 

『やっと通信が回復した! 立香ちゃん、大丈夫だと思うけど今どこにいるんだい?』

 

 エビフ山の山頂へと向かう道とは別、注意しないと分からないよう、意図的に隠された道を進んでいる最中にドクターから連絡が届いた。

 ドクターにこの先に何があるのか調べてもらうと、どうやら小さな集落のようなものが出来ているらしい。

 

「……なんだ余所者か?」

 

「ここは頭の術で道が見えないはずだろ? どうやって来たってんだ!」

 

「ここの人たち、獣たちと共存してる……?」

 

 岩や藁などで作ったであろう家、と呼ぶには拙い出来の雨風だけを防げればいいと言ったような場所で生活する人たちは、私たちの存在を確認すると後ろの方へと下がり彼らを守るようにさっき襲ってきた獣たちも合わせて威嚇してくる。

 

「魔獣どもとの戦いから逃げ出した人間ども。親、子、住む場所を魔獣によって荒らされ居場所がなくなった獣ども。そいつ等が集まって意地汚く生き続けているのがココだ」

 

「え、でも……?」

 

『キミが立香ちゃんを連れてきたのはそういう事か。いくら居場所のない人たちが集まってこの集落を作ったのだとしても、そこで獣たちと共存していることも、生きていくことすら普通なら在り得ない。ということはだ』

 

「サーヴァントが関わってる?」

 

「獣どもがうるさいと思って起きてきてみれば……誰だ、(なれ)らは……」

 

 獣たちの合間をかき分けて現れたのは私たちの予想通りサーヴァントだった。金髪、朱瞳をした着物を着崩して着る少女と言える姿をしたその子の一番の特徴は額から生えている2本の角、人ではないという事が分かるそのサーヴァントのことを私は見覚えがあった。

 

「茨木……童子……?」

 

「……なんだ貴様、何故吾の名を知っている……」

 

 大江山の鬼の首魁“茨木童子”。カルデアには呼び出せていないけど、羅生門や鬼ヶ島といった微小特異点で敵として私たちに向かってきた彼女。

 人間の敵である鬼の彼女が、人と獣たちを守っていた。

 

 

 

 

 




【ベリアルが求める“カギ”】
この地で生きる人々を助けるのとは別にベリアルが求めているもの。
アナ、偽エルキドゥ、そして茨木童子がそれに当て嵌まるらしいが……?

【茨木童子】
 ギルガメッシュが召喚したサーヴァントの内の1人。7章クリア後のエビフ山や金時の幕間などでその姿を確認することができる。アニメバビロニアの第二EDでもちゃっかり映ってるため知っている人は多いかも……?
カルデアから増援として他サーヴァントを呼べない立香にとって救いの一手となるのか? 
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