【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

87 / 147
ギャラファイが始まり、マックスや海外マンといった久しぶりなウルトラマンたちに感動を覚えながら……80先生知ってます?その怪獣一応ルーブのラスボスなんですけど……?流石本編無敗の80先生。

あとソラさんがリブットが幼馴染ってなんて美味しい設定なんです?

Zは遂に最終局面へ向かいもう絶対にテラノイドからのゼルガノイドフラグでしかないの人間の業の深さが……。

感想、評価お待ちしてます

誤字脱字、ご指摘ありましたら気兼ねなく


8

 

 

“ジャガーマン”

 中南米に伝わる古き神霊の一柱。ジャガーとは『戦い』と『死』を象徴していて、各時代の中南米文明で永く崇められている存在なのだという。

 

正直、ベリアルさんに吊し上げにされてるし腰が低い態度をとっていたから、戦闘もそれほどじゃないんだろうなあって楽観視してた部分はあった。

 

だけど、それが訂正しなくちゃいけない。

 

「クッ! ちょこまかちょこまかと鬱陶しいわ猫風情がっ!!」

 

「猫は猫でもジャガーはジャガー。────、ほっ?」

 

「んぎゃっ! 貴様!! また吾を狙いおったな!!」

 

「はあ? 違うわよ、アンタこそちゃんと避けなさいよね!!」

 

 茨木ちゃんと接近戦で互角に渡り合いながら、死角から撃たれたイシュタルの魔術の矢を見ないで避け、それを茨木ちゃんへ被弾させる。

そしてその隙をついて鎖鎌の鎖を伸ばし、ジャガーマンの動きを封じようとしたアナちゃんだったけど、それも読んでいたのか逆に鎖を両手で掴みそれをアナちゃんごと振り回してイシュタルへと放り投げる。

 

「っ、あっぶないじゃないの! 気をつけなさいよね!?」

 

「すいませ「気をつけるのは両方共にゃ」ッッ!!」

 

「ジャガーっハンマーッッ!!」

 

「「ゥゥゥっ!!」」

 

 瞬間移動ともいえる速度でイシュタルたちの背後を取り、組んだ両手を振り下ろし地面へと叩きつけるジャガーマン。

その回転のまま宙に放り投げていた棍棒を足場にしてマシュへと突撃してくる。

 

「マシュ、守る事を第一に! 攻撃は他のみんなに任せて!!」

 

「はいっ先輩!!」

 

「ほお、堅実な考え実に結構。戦闘職が3人もいるんにゃからマシュちゃんは防御に専念するのが一番、理にはかにゃってるが……ジャガーに理屈は通じないのにゃ?」

 

『ジャガーパンチ!!』と言いながらマシュの防御すら意に介さず殴り飛ばしその反動で地面から足が離れたのを見逃さずに足払いし、マシュの両足を掴んでまるで武器のように振り回して茨木ちゃんへと振り下ろす。

 

『ジャガーシールドっ!!』

 

「ンギギギっ!! 武器にされるでないわ馬鹿者!!」

 

「すいません茨木さん!」

 

 ジャガーマンが予想外に強いっていうのもあるけど、同じ神霊であるイシュタルがいながらここまで手も足も出せない状況なのは圧倒的な連携不足だ。

アナちゃんはもともと博樹さんと契約してるサーヴァントだから親交は深めることは出来たけど戦闘なんかは一緒に行ったことはなかった。けど、本人は前に出すぎず周りの動きを見て動いてくれているからそこまでの心配はない。

 

 問題はイシュタルと茨木ちゃんだ。あの2人、仲が悪いのか元からそりが合わないのかしょっちゅう喧嘩していて連携どころの話じゃない。

ジャガーマンもそこが穴だとわかっていて攻撃しているっぽいし……。

 

「たく、パンチだのキックだの。神ならもっと神秘性ってのを大事にしなさいよね!!」

 

「神? 神秘性? にゃはははそんな時代遅れなものこのジャガーには必要なっしっ! 教えてやるにゃ!!」

 

 ジャガーマンがその身を魔力で発光させて一瞬だけイシュタルの視界を奪うと、容赦のない蹴りが腹部に刺さる。しかもその蹴りで飛ばされた先に瞬時に移動して次の攻撃を加え、イシュタルに反撃を与えない連続攻撃を加え始めた。

 

「誰ににゃんと言われようがジャガーは叫ぶ! だってその方が覚えてもらえるんだもん。大事なのは大人の思い出ではなく、子供の笑顔!! そしてこれがジャガー必殺の~~~~!!!!」

 

「いや~すごいね彼女。言っていることは意味不明だけどその行動に隙が無い。多分だけど彼女、考えられるイシュタルの行動パターンを野生の勘だけで嗅ぎ分けて最善の攻撃を加えてるんだね。はっはっはっはっアルトリアとは別の意味で化け物じみた直感だよあれ」

 

 

          メガ        

                        

       「うにゃ────!!!」       

                            

                        

 

 

「きゃああああああああっ!!!」

 

根本的な問題(クラス相性)から、やり直してくるにゃ」

 

 なんか一瞬エフェクトみたいな感じで必殺技の名前が流れたように見えたそのキックを受けたイシュタルが爆発に包まれた。ふざけているように見えたその攻撃だけど実際の所相当なダメージだったみたいで、イシュタルは気を失い地面へと落ちていく。

 

「茨木ちゃん!! イシュタルの事を助けて!!」

 

「気が乗らんが仕方がない…………ふっ」

 

 イシュタルの事をは一番近くにいた茨木ちゃんに助けてもらいながら状況を整理してみても、これは完全に相手の力を見誤ったのと味方との連携の乱れが生んだ敗北。

「次はだれが相手になるにゃあ?」といいながらシャドーボクシングするジャガーマンを横目に、ここからどうすればいいのか悩んでいる私の前にベリアルさんが立つ。

 

「貴様の負けだ、藤丸立香」

 

「────ッ!! …………はい」

 

 負けてない! そう言いたかったけど、これ以上頑張ったとしても今の戦力でジャガーマンに決定打を与えるものがないのは確かで、負けを認めるしかない。

悔しさに拳を握りしめ、唇を噛み締めているとさっきまでのカッコいい姿はどこへやら、ベリアルさんに向かって手をさすりながらこびへつらうジャガーマン。

 

「や、約束通り見逃してくれるのかにゃあ……?」

 

「ああ、ここにいる人間たちの事についても今のところは何も関与しない」

 

「ベリアルさんっ!?」

 

 このまま生贄を捧げることで生き永らえる。そんな苦しみを続けさせるってこと? そんなの駄目だって声を上げようとしたけど、ベリアルさんが私の事を睨んできたため声が上げられなかった。

私たちが負けたから。ウルの人たちを助ける事が出来なかった……そんな自己嫌悪に陥っているとベリアルさんが私の顔を無理やり上げ瞳を合わせてきた。

 

「いいか藤丸立香。お前は敗者だ、アイツに手も足も出せなかったお前は何か意見できる立場ではない」

 

「彼らを救うことは諦めたほうがいいようだね立香ちゃん。ジャガーマンのことやウルの状況を知っただけで価値はある。後このままベリアルの事を待たせると何故だか知らないけど私が何か攻撃を受けそうだからさっ!!」

 

「ジャガーも早くいってほしい! 行かないとまた襲っちゃいそうだし、そしたら逆に倒されちゃいそうで怖いのよ!」

 

  ……悔しい。神性を纏うサーヴァントには同じ神性を持つサーヴァントでしか攻撃が通らない。だけどこっちにはイシュタルがいたから太刀打ちできる筈だった。今を思えば野生の勘でそういうの感じ取ったからジャガーマンはイシュタルの事を集中して狙ったのかな? 

 

 でも、私の指示が足りなかったのは本当のこと。今回はベリアルさんのお陰もあって命の奪い合いまで発展しなかったからよかったけど、本当だったら今ごろ……。

イシュタルと茨木ちゃんのスキルや戦闘時の動きの確認。あと2人の性格の熟知に相性……、茨木ちゃんもイシュタルも気難しいからなあ……。

 

「────よっしっ!!」

 

「おっ、立ち直りが早いねえ。流石6つの特異点を旅してきただけのことはある、ベリアルにおんぶにだっこじゃなかったんだね?」

 

 私たちの力が足りなかったからウルの人たちを救うことは適わず、しぶしぶ密林を後にするしかなかった。ベリアルさんならあの状況も、ウルの先に潜む三女神の内の一柱も倒せただろうけどそれはしない。流石にもう長い付き合いになるからベリアルさんの思惑もわかってきた。

 密林を歩きながらさっきの戦いを反省しながら気持ちを切り替えると、マーリンが嫌味に聞こえなくもないことを言ってくるけど無視しながらウルクと戻ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私はマシュのスキル“奮い断つ決意の盾”を発動! 次の私のターンまで相手はマシュしか攻撃できない!! 加えて“時に煙る白亜の壁”を使用してマシュを無敵状態に!!」

 

「この我の前でそのような小細工は無駄だ! 天草四郎の宝具【双腕・零次収束(ツインアーム・ビッククランチ)】。貴様のサーヴァントたちに付与されていた強化を全て剥がしダメージを与える!」

 

「うそ!? 天草ってそんな効果なの? ズルじゃん!!」

 

 ウルでの戦いから帰って来てから数日。私たちは傷を癒しながら茨木ちゃんやイシュタルとの仲を深めるために頑張っていると、そこに突然ギルガメッシュ王が現れて何でも海に調査があるから護衛しろという事で馬車に揺られながら海へと向かっていた。

 

 そんな私が王様と対戦してたのは【英霊召喚ボードゲーム 聖杯戦線】というゲームに興じていた。

実はコレ、戦闘経験とマスターとしての指示能力が低いということからスカサハ師匠が容易してくれたものなんだけど……ゲームというには本格的な遊戯なんだよね……。

 

 限られたコストから召喚するサーヴァントを選び、相手のマスターを打ち取った方が勝ち。1騎につき3つのスキルと宝具を有していてそれを活用して相手サーヴァントを倒すもよし、無視してマスターを直接倒してもよしなコレを今、私はギルガメッシュ王を相手に遊んでいた。

 

「あ~~~また負けた~~次こそはいけると思ったのに~~」

 

「ふん、この我に勝とうなど2万年は早いわ。実戦とはかけ離れたものだが、必要なものは確かに学べるように作り出されている、貴様には過ぎたほど良い師がいるようだな」

 

 常勝していて気分がいいのか、遠からずスカサハ師匠の事を褒めながら次の対戦の準備を始めるギルガメッシュ。

私はマシュ、茨木ちゃん、イシュタルの3騎制限(アナちゃんもいればもう少し上手く動けるかもだけど私が契約したんじゃないから無理)しながら代る代るギルガメッシュのサーヴァントたちを相手に臨機応変な対応を求められる。第6特異点の時には渡されてたんだけど、こんなにゆっくり出来たことなかったからできなかったんだよね。

 

「いよっしっ!! 次は勝ちますからねえ王様!!」

 

「ふっ、何度やろうとこの我が勝つことは変わらんという事を教えてやる!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………負けました……」

 

 ウルクから少し離れた場所にある町。今現在、博樹とベリアルそして茨木童子の元にいた元盗賊団の面々はこの場所を拠点として活動している。

その中で、立香たちと別れてからのアナは何か考え事をしているのか足を組みながら蹲っていた。

 

「こんな場所で足踏みしている暇はないと言うのに……、あんなふざけたサーヴァントに私は負けてしまった……」

 

「そんなに気負わなくても大丈夫だよ、アナちゃん」

 

 そんな彼女の隣に、契約者である博樹が座り優しく声をかける。

 

「茨木童子やイシュタルが問答無用って感じでジャガーマンに攻撃しているとき、アナちゃんはマシュちゃんと一緒にあそこにいる人たちの安全を確保しながら戦っていたよね? あの時、周りの事なんて度外視で茨木童子とイシュタルを全力でサポートしていればジャガーマンに負けることなんてなかった。けど、アナちゃんはそれでよかったと思う?」

 

「…………」

 

 少し目を離したら見えないほど小さくではあるが、首を横に振る。博樹の言うように、アナがマシュと共にジャガーマンの道を遮り茨木とイシュタルが気持ちよく戦えるように支援していればあの戦いは勝つことができたかも知れないが、アナはそれ以上にウルに住む人々へ被る被害を心配していた。

 

 戦場に居合わせて死んだのなら仕方がない。他の英霊たちのようにそう割り切ればいい話なのだろうがアナはそれをしなかった。

 

「なら、負けてよかったんだよ。あの敗北には意味があったんだ」

 

「意味……? 負けることにですか?」

 

「うん。ウルの人たちを助けるためには勝利しなければいけない戦いだったかも知れないけど、負けたらそこで終わり。死んでしまうような戦いじゃなかった、()()()()。だから負けてもよかったんだよ」

 

 これは“今”を生きる博樹と“昔”生きていたアナとの価値観の違い。アナは敗北は即、死につながる時代を生きていたからこそ敗北することに恐怖を覚えるが博樹は違う。

負けても、失敗しても次がある。その失敗を繰り返さないための反省や改善点を考え改める。そうやって大人になっていった博樹だからこそ()()()()ことに迷いがない。

 

 アナのフードを外し、その頭の上に手を置き撫でながら博樹はアナに優しく語る。

 

「人間が嫌いでも、人間が怖くても。アナちゃんの心に“守りたい”って気持ちがちゃんと芽生えているならそれでいいんだ。それがあるだけで人間は、いいや。鬼だって神様だって()()()()()()、ましてやウルトラマンだってどこまでも強くなれるんだ」

 

「……ですが! 彼女を倒すためなら後れをとるな、倒して見せろと言いました!!」

 

「ベリアルさんの言う通り、彼女と()()()()()()()()で戦ってたら確かに勝っていたし、彼女に後れをとることはなくなるだろうね。けど、それ以上を望んでるんだよベリアルさんは」

 

 最初から、立香たちとジャガーマンの戦闘は立香たちの敗北に終わることをベリアルは分かっていた。分かっていたからこそ戦わせたのだ。

常勝し続けた立香とマシュに、そしてアナに敗北を知ってもらうために。墜ちた穴から見えるものがあることを知ってもらうために……。

 

「今芽生えた“守りたい”って気持ちを、ほんの少しだけ“誰かと手を握る”そんな勇気に返ることが出来たら、きっとアナちゃんはもっともっと強くなることが出来る。って戦いも何もかもベリアルさんありきな私がいっても信じられないかな?」

 

「……誰かと手を握る勇気。持てるでしょうか、こんな私に……」

 

「────大丈夫だよアナちゃん。だって君は花うりのアナ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と同じ名前を持っているんだから」

 

 

 

 

 




クラス相性も悪けりゃ茨木ちゃんとイシュタルの相性も悪い結果の敗北。
あと多分ジャガーの方に挿入歌流れてたせい。

多分海域調査と天命の粘土板のくだりはやらないと思います。イシュタルと茨木ちゃんがついていくだけで原作と殆ど変わりませんからね。


【人間が大好きで、人間と友達になりたい一心で花を渡しつづけた怪獣の女の子】
アナとの話の中で出した博樹しか知らないワード。一体だれが書いた物語なのか、博樹はその物語をずっと忘れていないくらいには心の奥に大切にしまっていた。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。