【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

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ギャラファイでレジェンドが出た喜び?いいや違う、次回からようやくアーリーベリアルさんが出るんやああああああ!!

 ソラさんもギャラクシーレスキューフォースに加入したって事は度々出番があるかもしれないッテことですよね?

感想、評価お待ちしてます

誤字脱字、ご指摘ありましたら気兼ねなく


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「なんだ、なんなんだアイツらは……」

 

 ニップルの遥か上空。聖杯を手に入れ、博樹たちから逃げるようにニップルへとやってきたキングゥは、そこで行われている戦闘を見て困惑を隠せずにいた。

 

「彼女の力はアイツらがどんなに集まろうと打ち勝てるものじゃない。それなのに何で、何でアイツらは諦めない……!!」

 

 サイズも、保有している魔力の量も桁違いの相手を前にしたら、他人を犠牲にして生き延びる。人間は必ずそう言う行動に出ると読んでいたキングゥの予想がまるっきりひっくり返っていた。

誰も犠牲にしないように、細い、いつ千切れてもおかしくないほど細い糸にしがみつきながら戦い続ける立香たちを見て、またキングゥの心臓部が不調を起こす。

 

「また……っ! 何だっていうんだよ……!!」

 

 悪態を吐きながらも目を背けることはなく、視線は立香たちに向けられていた。

その中で、顔をしかめながらしかして、自分でも気づかないうちに羨望の眼差しを向ける存在がいた。

 

 何の力もなく運命に争い続ける人類最後のマスター? 違う。

 その身に盾の英霊を宿し、残り少ない命を燃やし続ける少女? 違う。

 天賦の才を有しながら、その行動原理は慕う者の為に有り続けるライダーのサーヴァント? 違う。

 ろくでなしの花の魔術師なわけが無い。

 

「鬼……人と敵対するべくして生まれた存在であるお前は、何故そんな顔をしている……!!」

 

 敵対者であるはずの、人から恐れられ、嫌悪される存在であるはずの鬼の、しかもその中でも鬼の首魁を名乗る者が、人と手を取り合い戦っているその姿がキングゥには醜いまでに美しく見えていた。

茨木童子。ギルガメッシュによって召喚された当初からキングゥは彼女の存在を知っていた。人外であるために恐れられ、迫害の後にこの地を彷徨うことになっていた。自ら手を下さなくても勝手に死にゆくだろうと考え手を下さなかったことに今更になって後悔していた。

 

『たとえ土塊の肉体だって、血が流れていなくたってそこにあるのは確かな“心”だ』

 

(違う、これは身体(エルキドゥ)は反応しているだけだ! 人ではない彼が人と歩んだ記憶が身体に残っている。ただそれだけだ!)

 

「────ッ!」

 

「あら? こんな所で高みの見物なんていいご身分じゃないの? ねえ、偽のエルキドゥ」

 

 胸の痛みに理由をつける言い訳を何度も思考していると、突然キングゥに向かって魔力の矢が向かってきた。 牽制の意味を込めた一撃だったこともあって簡単に対処したキングゥが視線を向けると、そこには立香たちの戦いには参加していなかったイシュタルが睨んでいた。

 

「────ああ、姿が見えないと思ったらこんな所で暇を潰してたのか。なんだい? あそこにいないって事は邪魔者扱いでもされたのか」

 

「ああっ!? 偽物だろうが何だろうがアンタはアンタみたいね。いいわ、ここで潰してあげる!!」

 

「はあ、こっちは折角彼女たちを助けてあげようって言うのに。邪魔をしないでもらえるかな。それとも金星の女神は彼女たちがこのまま死んでしまうのがお望みなのかな?」

 

「はっ、そんな言葉鵜呑みにすると思って……ってちょっと待ちなさいよ!!」

 

 イシュタルの一撃によって目が覚めたのか、胸の痛みを感じなくなったキングゥはイシュタルの言葉など無視してゴルゴーンの石化の熱線を防ぎ切り、今にも崩れてしまいそうな立香たちの元へと降りて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ははは……。まだ手、震えてるや……」

 

 あの後、私たちにトドメを刺そうとしてきたゴルゴーンを止めたのは意外にも偽のエルキドゥ──キングゥだった。

 まだその時じゃない。真の目的は他の二神だとゴルゴーンを説得し、10日後に攻めてくることを伝えて鮮血神殿へと戻っていった。

 

 そのおかげで私たちは誰一人として欠けることなく生き残ることが出来た。

レオニダスさんは大丈夫だったけど、王命を破ったとして臣下をクビになった牛若丸はこれから私たちカルデア組と一緒に戦ってくれることになった。

 

『はははは! なんだ茨木、私の酒が飲めないのか?』

 

『ええい五月蝿いわ! けえきを寄越せと言っておろう! 後急に距離が近いわ貴様は!!』

 

 生き残ったお祝いの席で、私やマシュにもそうだけど、助けられた恩なのか茨木ちゃんにもワンコみたいにぐいぐい仲良くしようとする牛若丸と逆に怖がる茨木ちゃん。

 

『やはり私は弁慶殿にはなれない臆病者です。主君の危機であるというのに足が震え、私は貴方様の元へ向かえなかった! この臆病者の頸、今すぐ切り落としください!!』

 

『顔を上げろ常陸坊。お前は王命に従い生き残った。私が運が良かっただけに過ぎない、今後も王に従い一人でも多くの民を守れ。これは源義経である私からの命だ』

 

 こんな一幕もあったりときっと牛若丸が消えていたらこんな光景見れなかったんだろうなぁ〜って思いながら十分に楽しんだあと。みんなが寝静まり月が真上に立つような時間に目が冷めた私は、屋上で風に当たりながら今日一日を振り返っていた。

 

「隣、いいかしら?」

 

「イシュタル。戻ってたんだ」

 

「ずっと空から見守っていたみたいよ。声をかけるタイミングを逃してしまったみたいだけれど」

 

 まるで他人事のように自分のことを話すイシュタル。夜、私が一人になると話をしに現れる儚げな彼女は、今日もふっと現れ私の隣に腰をかけた。

くしゃみをすると金髪に、ていうか服装とかもまるっと変わるんだけど今日は最初から夜の姿で来てる。いつもは私がこれまで歩いてきた6つの特異点や微小特異点なんかの話を聞いてもらっていたけど、どうやら今日は彼女の方から話したいことがある見たい。

 

「ねえ立香、聞いてもいいかしら? 何故貴女はゴルゴーンに立ち向かえたの? 勝てる見込みも、何か驚くような策があったわけでは無いでしょう? あっ、それともベリアルが来るかもしれなかったからかしら?」

 

 これまでの旅の中で、私がどれだけベリアルさんに助けられてきたのか話していたからそう思いついたんだろう、両手を叩いて閃いた顔をするイシュタルに私は顔を横に振って否定する。

 

「確かにベリアルさんならあの状況を打破できる。むしろゴルゴーンを倒すのだって訳ないかも知れない。けど、それを信じて戦っていたらきっと今頃私たちの誰一人もここにはいなかった」

 

「??? な、なかなか難しいことを言うのね。だって貴方は彼をとても信頼しているのでしょう? ならその力に頼るのが当たり前じゃない」

 

「その当たり前を、当たり前だって甘えちゃダメなんだ」

 

 空を見上げながら、あれがそうなのかもって感覚だけで決めた星を掴むように手を伸ばしながら、私はイシュタルに思いを伝える。

 

「ベリアルさんってさ私のこと“藤丸立香”ってフルネームでしか呼んでくれたことないんだ。これまで出会ったサーヴァントの何人かは認められて名前で呼ばれるなんてことはあるのにだよ? だから私はベリアルさんに“立香”って呼んでもらえる私になるために足を止めない。どんな困難や理不尽が襲い掛かってきても足掻き続けるだ」

 

「…………貴女にそんな顔をさせるベリアルが羨ましいのだわ。んんっ、強いのね貴女は、それにとても眩しくも映る」

 

「ははは、強くなんてないよ」

 

 私のことを強いと褒めてくれたのは嬉しいけど、それは違うって否定するために私は両手を胸の前で組みながら話すイシュタルのその両手を包み込むように掴む。

 

「ひゃっ!? な、何をするのだわ?」

 

「私の手、すっごい震えてるでしょ? あの時感じた死がどんどん近づいてくる恐怖も、たった1分1秒生き抜くことも苦しかった胸の痛みも、まだ全ッ然収まってくれなくてさ」

 

 へへへってイシュタルに笑顔を向けながら私の弱味を曝け出したんだけど、普段のイシュタルだったら笑いなが励ましそうなところを彼女はポロポロと涙を流し始めてしまった。

 

「え? え? い、イシュタル?」

 

「違う、違うのよ。こんなか細い手をしているのに、すぐに折れてしまうような弱い身体しか持てなかったのに……それでも貴女は理不尽に挑み続けた。そして生き続け、今私の目の前にいる! それが嬉しくて、私が守りたいと思った、守護するに相応しい可能性を! 今ここにいるんだと思ったら涙が出てきてしまった……!」

 

 

 悲しくないのに涙が止まらないことに驚くイシュタルを見て、驚きと一緒に嬉しさが込上がってきた。神と人は違うって言ってたのに、とても人間らしい反応を見せるイシュタルのその姿が嬉しいんだ。

 

「イシュタル。涙は、嬉しいときにも出るんだよ? その涙は悲しくて出てるんじゃない。嬉しいって気持ちが抑えきれなくて涙になって出てきちゃったんだよ」

 

「そんな、そんなことって〜〜!!」と言って更に涙を流し続ける彼女の事をあやしつづけるだけで夜が明けた。

うん。()()と出会えたら、絶対にその手を握ろう! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁああ〜〜。ン?」

 

「今日もありがとうねえアナちゃん」

 

「いいえ、私がやりたくてやっている事ですからおばあさんが気にする必要はありません」

 

「あ奴は……、やはりそういう事か……」

 

 ゴルゴーンとの戦いの翌日。他のみんなが働きに出るなか魔力を使いすぎたや疲労が抜けないだの言い訳をして任された仕事をサボりウルクの町をぶらぶら歩いていた茨木は、腰の曲がった老婆が一人で切り盛りしているであろうと花屋の手伝いをするアナに興味を持った視線を向ける。

 

 すんすんと鼻で何かを感じとった茨木は、確信めいた笑みを浮かべ手伝いをするアナへと近づいていく。

 

「…………。貴女は……」

 

「なれと同じ()()()()だ。のう、()()()()

 

「ッッッ!! それを、どこで!!」

 

 茨木がアナの耳もとでその名前を呟くと、驚愕と共に後ろに飛び退き市民がいるというのに鎌を取り出し茨木に敵意を剥き出す。

 

「カカカッ! 我は鼻が良い。今は以前よりも調子がいい事もあってなあ。あれと貴様が同じ匂いをしているのがなあ」

 

「……ということは、この事実は貴女しか知らないと言うことですね。ワタシノ秘密を知ってどうしたいんですか?」

 

「どうもせんわ」

 

「え?」

 

 どうもしないという茨木の言葉にアナは動揺を隠せなかった。昨日の今日ということもあり、自分の重要性をアナは誰よりも知っているからこそ、彼女が何かしてくると思い込んでいた。

 

「だがまあ、鬼の首魁であるこの我が、あんな蛇ごときに遅れをとってしまったからな。その憂さ晴らしだ、少し遊べ」

 

「…………わかりました。勝ったほうには何かあるのでしょうか?」

 

「う〜む、そうさな。しどぅりの作るけえき、あれを賭けるぞ」

 

「!! ……負けられません」

 

 

 

 

 

 

 

 




博樹さん&ベリアルさん側はアナ。
立香ちゃんサイドは茨木ちゃん。
そしてその他がキングゥと3基のサーヴァントが今章のメインサーヴァントですからね、茨木ちゃんの出番が多いのは仕方がない。

アナは常時博樹と共にいるのではなく自由にメソポタミアに住まう人々と交流を持つように動いています。
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