【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

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まさかセレブロの最終憑依先があの人だったなんて……。
最後まで卵を守ろうとするレッドキングの尊さに、人類を守る為の兵器を滅亡の為に、しかもそれはゲームだと言いのけるセレブロの屑さ加減が輝いた23話。

正直デストルドスのあの見た目は好き。怪獣の命を冒涜し、人類の努力を無にしたあの不気味で凶悪な姿はラスボスに相応しいかと。

EXPO THE LIVE ウルトラマンゼット。ゼットとジードの出会いの物語を描くって……配信は!配信は無いんですか!!情勢的に神奈川と大阪は厳しくないですか!!

あ、明日のギャラファイのサムネだけで無事死ねました……

感想、評価お待ちしてます

誤字脱字、ご指摘ありましたら気兼ねなく


12

「クカカカッ! 力を抑えているにしては幾分動けるではないか!」

 

「貴女だって、本気を出していないじゃないですか」

 

 ウルク郊外で茨木がこっそり持ち出したケーキを食べながら地べたに座りながら休んでいる茨木とアナ。

茨木が遊びだと言ったのは本当だったらしく、アナに多少の怪我を負わせることはあっても本気で攻撃したりはしなかった。

 

「……正直、意外でした」

 

「む?」

 

「鬼、しかもその首魁と聞けば誰しもが怯え、恐怖し、震えあがる。周りのことなど気にせず自分の気の向くままに暴れ回る。それが私の鬼という存在に対して抱いていた印象でした」

 

「随分とまあずけずけと言ってくるではないか」

 

「ですが、貴女は違いました。私が本気で戦えないのを考慮するばかりか、近くにある作物に影響が出ないように立ち回り、炎を使うこともしなかった」

 

 アナの言うことは本当だ。郊外を選んだのも最初から本気で戦う気などなかったし、時間的に丁度人がいない場所を選んだのだこの鬼は。

英霊として鬼の知識も与えられていたアナにとって、知識とはまるで違う行動をする茨木にただただ驚くしかなかった。

 

 自分の気遣いを指摘されたのが小恥ずかしいのか、手に残っていたケーキを口の中に放り投げそっぽを向きながらもぐもぐと食べ、アナの言葉に返答する。

 

「鬼というのは殆どが馬鹿ばかりだ。略奪、暴虐、性欲、数えだしたら切りがないがまあ、自らの欲望の事にしか頭が回せんような奴しかおらん。その首魁たる吾までそうでは駄目に決まっておろう。酒呑のように己の持つ気質によって鬼たち纏め上げることが出来たとしても、率いるためにはそ奴らの事を知らなければどうにもならん。なればこそ、一番手っ取り早い方法が拳を合わせることだ」

 

 酒呑童子の“圧倒的なまでの鬼としての気質”に茨木も、他の鬼たちも惚れこみ崇敬していたため彼女に着いていくが、一騎当千の鬼たちを最後まで率いていたのは茨木本人だ。

その日だけの“楽”を選ぶ鬼たちの中で明くる日の“生”を繋げることを考えていたのはきっとこの律儀で真面目な鬼だけだろう。

 

 アナは、じゃあ自分と手合わせしたのは知ろうとしてくれたから? と疑問に思いそっぽを向く彼女の顔を覗き込もうとするとその尖った耳がほんのり赤くなっていることに気づく。

 

「貴様に何等かの際があることは分かっていたわ。何故直ぐにでも吾奴を討ちに行かぬのかと思うたが……穴、いや孔か……うむ、貴様に合う良い名だな」

 

「???」

 

「その胸に空いた孔。それを埋めるために人間どもと無理にでも関わっておるのだろう?」

 

 本当に少し手合わせしただけで理解したのか、アナが博樹たちと離れてまでこのメソポタミアに住まう人たちと関わる真意を言い当てた。

ただ、少しだけ語弊があるとすれば“無理にでも”というところだろう。

 

「人と接するのは今でも怖いです。今なお続く惨劇を引き起こしている罪悪感もありますし……けど、無理はしていません」

 

「んむ」

 

「私の“マスター”が、臆病風に吹かれていた私の背中を押してくれました。ほんの少しだけでいいから勇気を振り絞る、やってみれば意外と簡単なことでした」

 

 博樹の事を正式にマスターだと信頼したその言葉に、仮ではあるが立香と契約している茨木は一瞬顔をしかめるがアナの口から続く言葉に興味を示す。

 

「握ってみて、その人の事を少しずつ、少しでも知っていくと恐怖が薄まるんです。初めて関わる時は恐怖と緊張で頭が混乱しますけど、勇気を出したあとは楽になれる。充実しているとは、きっとこういう事をいうんですね?」

 

「随分とまあ回りくどいことをする。だがまあ、あれなる者を討つには突飛な搦め手も必要か……。どれ、興が乗ったわ! この大江山の首魁である吾も手伝ってやろう!!」

 

 アナの事が気に入ったからなのか、立香たちが引っ張っていっても戦闘以外では頑ななまで働こうとも動こうともしなかった茨木の重い腰があがった。

と、思った矢先だった。茨木が何かを感じ取ったのか、アナの背中に隠れると皮も骨格も今着ている服すらも変化させここウルクに住む成人女性と瓜二つの姿へと変わる。

 

「あ、アナ殿!! 丁度よいところにおりました!!」

 

「あ、牛若丸。ど、どうかしたんですか?」

 

「茨木の事を見ませんでしたか? 家で寝転がっていると思えば姿が見えず、聞けばここいらで剣を振るっているというではないですか! しからば、私も参加しようかと思いまして!!」

 

「……え、あ……」

 

加減も知らぬうつけ者と誰が戦うものか。牛若丸殿の気配を感じ取ったのでしょうか? 魔獣退治に行くと仰り城壁の外へ駆けていきましたよ?」

 

 重力を感じさせない身軽さで詰め寄られてしまったことと、突然姿を変えた茨木のせいで余計に頭が混乱してしまったアナが言葉を詰まらせいると、成人女性に化けた茨木が普段の彼女では絶対にありえないような口調で牛若丸に嘘を伝える。

 

「なんと! ならばどちらが多くの魔獣どもの首を主どの差し出せるか競争といこう! ありがとうございましたお二人とも! では!! ぽんぽこ、りん!!」

 

「────城壁へ向かうだけで宝具を使うなあの馬鹿狸わ」

 

 もうギルガメッシュ王の臣下ではないからなのか、立香に「そんなにかしこまらなくていいよ、もっと友達っぽくしよ!」と言われたせいなのか戦闘時以外はまるで童心に帰ったかのような態度の牛若丸をなんとか退けた茨木は、また何時牛若丸が襲来するかもわからないため変化を解かずにアナの手を握り都市部へと歩き出す。

 

「ほら早く行くぞ孔! 牛若に見つかるのもイヤだが立香らにも見つかると面倒だからな!!」

 

「ふふ……はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「王様!! 緊急の要件って!!」

 

「遅いわ戯け!!! もう少し遅いと今度はこの我が過労死する所だったわ!!」

 

 ゴルゴーン襲来まで時間がない中、状況を一変できるような画期的な打開策があるわけじゃない私たちは、北壁の魔獣を倒したり、マシュは今度は一人でゴルゴーンの光線を受け止めきるんだってレオニダスさんと張り切って特訓してたっけ……。

 

 一応の穏やかさを取り戻した私たちの元に、王様からの緊急の招集がかかった。急いできたのに怒られたけど、それほど重大な案件ってことだよね……? 

よく見れば、味方に引き入れてから一度もジグラットへは足を踏み入れなかった茨木ちゃんもアナちゃんと一緒にいるし。

 

「ゴルゴーンめが襲撃してきてから早2日、魔獣たちの侵攻はある程度は収まったがその反面、新たな問題が浮上した! シドゥリ!!」

 

「はい。王が言う通り、ここ2日の内にウルク市内の衰弱死が多く報告されています。その異常すぎる事態からこれは三女神同盟の行いだとコチラでは判断しました」

 

 衰弱死……、ゴルゴーンにそんな間接的な行いが出来るとは思わないし、南米の女神も弱らせて殺すなんて回りくどいことはしないような気がする。

だとするとあと一柱……。

 

 私がイシュタルに目をやると、王様が鼻で笑ってそれを否定してくる。

 

「イシュタルめは三女神同盟ではない。ゴルゴーン、南米の女神、そして残る最後の女神の名は“エレシュキガル”!! そこの阿保女神と同じここメソポタミアの土地神にして冥界の女主人、死と亡霊の支配者だ!」

 

 ああ、そういう事か! と隣に並んでいたマーリンだけが知ったような顔するから牛若丸に目配せをして脇腹を小突いてもらう。

ふむふむ、イシュタルの依り代になった人が愉快な性格をしてたから善悪綺麗に分かれて、それがイシュタルとエレシュキガルになったと……。

 

 あれまって、ていう事はやっぱり()()()()()()()って……

 

『そうか……豊穣の女神であるイシュタルは人間の生を表すグレートアースマザーと言える。対して、人間の死を表すエレシュキガルはテリブルアースマザーだ。この二柱は表裏一体、同一の神性から生まれたものなのかもだ』

 

「うっわぁ……じゃあなに、アイツ今までこっそり私の器使ってたかもしれないの?」

 

 何かドクターが小難しい感じで説明しているけどようするにあれでしょ? ウルトラマンギンガとダークルギエルみたいな関係ってことでしょ! 

この特異点に来る前にベリアルさんのことを知ろうの会で直近で見たばかりだからわかりやすいや! 

 

「御託を並べるのはどうでも良いわ! して、その女神を討ち取れば、衰弱死した者たちは生き返る。そいう理屈でよいのだろう金ぴか」

 

「うむ。エレシュキガルのガラル霊どもが体力のないものの魂を抜き取っていったのであれば可能性はある。冥界の檻に閉ざされた魂を開放すれば眠ってしまった民たちも目を覚ますだろうよ!」

 

 このままでは一番疲れている我が冥界へ連れていかれてしまうわ! と冗談に聞こえない王様ジョークを聞きながら、私たちは冥界に向かうための準備をすることになった。

とと、そうだ。

 

「茨木ちゃ……」

 

「茨木、おばあさんを……他の方々を助けるのを、頼んでもいいですか?」

 

「顔も知らぬ奴らならばどうでもよいが、あの婆たちには菓子や食い物を貰ったからのぉ。その借りは返すとする」

 

「……あの2人、いつの間に仲良くなったんだろう……?」

 

「お前はその間死霊の相手でもしておれ。お前のその鎌なれば霊だろうが斬れるのだろう?」

 

「はい、任せてください茨木」

 

「いや!! 絶対にイヤよ!! なんでまた冥界になんていかなきゃいけないのよ!! 離しなさいよ!!」

 

「暴れないでくださいイシュタルさん!! 冥界へ向かう方法は貴女しか知りません!!」

 

 冥界に連れていかれた誰かを助けるために、来ることすら拒んでいたジグラットまで登ってきた茨木ちゃんと、そんな彼女といつの間にか仲良くなっていたアナちゃんのやり取りにほっこりしてたのに……。はあ……

 

「それじゃあ王様! 女神エレシュキガル攻略に逝ってきます! ……ガンドッ!!」

 

「あぎゃ!?」

 

「いまだよみんな! ガンドの効力切れる前にイシュタル縛り上げて連れていくよ!!」

 

「了解しました主殿!」

 

「手荒になりますが、すいませんイシュタルさん!」

 

「ちょ……なんで、アンタのガンドこんなに効くのよ…………」

 

「そりゃあ立香ちゃんの師匠が神殺しの影の女王様だからねえ。令呪を使用しなくても立香ちゃんと魔力経路が繋がってるキミなら結構簡単に縛れるじゃないかい?」

 

 

 

 

 

 

「…………あのイシュタルをあそこ迄飼い慣らせるのは一種の才能やもしれんな。どう思うシドゥリよ?」

 

「────ノーコメントでお願いします」

 

 

 

 

 

 

 




女神攻略の順を逆に、理由は次回語るかな?

【ベリアルを知ろうの会】
カルデアで定期的に開かれている、ベリアルの事を少しでも知ろうと言う事で博樹の持つウルトラマンの映像作品をみんなで見るという会。博樹の提案で悪トラマン系が出るヤツから見始めたため無事全員ネクサスで一回心が病んだとか病んでないとか……。

【牛若丸】
もうギルガメッシュの臣下ではなく、立香と共に戦う仲間になったため戦闘時以外は童心に帰ったような態度を取る。水着牛若ちゃんに近い生活&茨木と仲良くしたいが当の本人からは逃げられてしまう。
茨木ちゃんの変化超便利。
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