【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜   作:ちょっつー

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 アーリーベリアルさんが……!アーリーベリアルさんがカッコ良すぎる!!!
まず映像作品で戦闘してくれただけでもありがたいのにウルティメイトウォーズ時代の話を簡易的にまとめてくれただけではなく、ちゃんと他の光の国の奴らはベリアルさんを笑っていたというのが分かったのが良い。全員が全員真っ白な訳ないんだって……。

 ケンとの正義に対する向き合い方の違いとか完全に解釈一致すぎて辛い。けどタルタロス、テメーはダメだ。
お前はジードの事を「お前の遺伝子から作られたウルトラマン(ただの模造品)」って言ったかも知れないが、アーリーベリアルさんは「息子」ってちゃんと認識したって事はもうお前に勝ち目はない。せいぜいトレギアのこと引き入れて笑ってろ。そいつ実技試験落ちてるから本編始まる前のZより明らかに弱いからな。

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「報告、報告────!! 王よ、失礼致します。ウルク南門より火急の報あり! 南門、消滅! 至急応援寄越されたし、との事!」

 

「敵襲か! ええい物見は何をしていた! 魔獣の群であれば襲撃の予兆があろう!」

 

 それが、敵影はただ一人だと、不敬を構わずジグラットまで駆けてきた兵士が叫んだ。

立香たちが冥界に最も近いとされるクタ市へ向かって数刻が経ち、直ぐには戻ってこれる距離にはいないであろうこのタイミングでの襲撃だ。

 

「“ケツァル・コアトル”……南米で引きこもっておった女神が今更なんのようだ! シドゥリ、民たちでは荷が重い! 戦えるサーヴァントたちはいないのか!」

 

「弁慶殿、そしてレオニダス王は今なお北壁で守りを固め、他のサーヴァントの方々は皆立香へ着いていってしまいました!」

 

 ゴルゴーン、エレシュキガル、『三女神同盟』の最後の一柱、南米の女神“ケツァル・コアトル”は素手で南門を粉砕し、ここジグラットに一直線で向かってきている。

ギルガメッシュ王の持つ聖杯を手にした女神が勝者である同盟。太刀打ちできるサーヴァントが不在の中で、対処を悩ませる王の元に一つの便りが届く。

 

「王よ! アナが……あの娘が単騎で南米の女神に向かって行ったと!!」

 

「むう……。まずは住民の避難が最優先だ! 足止めは任せ、お前たちは一人でも多くの民を救うために動け!!」

 

「「「「「はっ!!!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

「ハアアアアアッッ!!!!」

 

「フフッ! 良いわ、とても良いわ! もっとお姉さんを楽しませテ!!」

 

 ウルク南門付近。エレシュキガルが差し向けてくるガルラ霊たちを駆除していてウルク全域を回っていたからこそ直ぐに駆けつけることが出来たアナは、アステカの衣装を身にまとった金髪長身の女神“ケツァル・コアトル”と交戦していた。

 相手はこちらを探るように攻撃をしてくるが、アナは最初から全力でウルクの民たちを守るために鎌を振るう。

 

「貴女の目的はっ、やはりギルガメッシュ王の持つ……聖杯ですか?」

 

「違いマース! 確かに聖杯は三女神同盟の最終目的ですけど、今日はここにる戦士たちを滅ぼしに来ただけデースッ!!」

 

「クッ!! させま……せんっ!!」

 

 振るった鎌を簡単に弾け飛ばしアナの手から離れるが、鎌はアナ本人と鎖によって繋がれているため、その鎖を引き寄せそのまま戻ってきた鎌を相手に叩きつける。

 

「Oh。アナタから悪性の香りを感じましたが、どうやら気のせいだったみたいデース。きっと善き心を研ぎ澄ましている最中なのでしょうネ。……ここで倒さなきゃいけないのが、残念なくらいデースッ!!」

 

「ッッ!!」

 

 アナの攻撃を受けても無傷だった彼女は、アナとの距離を詰めると足を払い、浮かんだその両足をがっちりと掴んで大きくスイングさせ始める。

その回転の勢いを止めぬままに宙へと放り投げると、ケツァル・コアトルは辺りの建物や木々を使って高く飛ばしたアナよりも更に高くへ跳躍。

 

 そうして両手両足を大きく広げて、自身の身体全体を使ってアナの事をプレスし、地面へと叩きつけた。

 

「ガハッ!!」

 

「ふうっ。さて、あと試合は47戦残ってるので、手早く済ませるとしましょうカ!!」

 

「…………まだ……、です……」

 

 渾身のフライングボディプレスでアナを倒したと確信したケツァル・コアトルが次の相手へと向かおうとしたがそれが出来なかった。

足にアナの鎖が絡みついていたせいで進行を邪魔されたのだ。アナは鎌を杖代わりにしながらも叩きつけられた衝撃で生まれたクレーターから出てきて、ケツァル・コアトルと向き合る。

 

「う~ん。手加減はしていませんし、立ち上がってくるとは思いもしませんでしたネ! ────いいの? 次は完全に貴女の霊核を砕くわよ?」

 

「はぁ……はあ……はあ……。そこの人は、私にお菓子を分けてくれました……」

 

「ん~?」

 

「彼は一緒に戦闘訓練をしているとき、小さな私の身体を心配してくれました。…………麦の上手な刈り方を教えてくれました」

 

 羊が嫌がらない毛刈りの方法。石材の上手な組み方。アナは、このウルクの地で自分が関わった人たちの事を忘れないように心がけていたから、周りで怯えている人、怯えながらも民を守ろうとする戦士たちの中に見覚えのある顔を見つけてケツァル・コアトルに伝える。

 

「だから……ここにいる人たちに……手出しはさせません……!!」

 

「────!!! そう。貴女が()()を隠しているのはそういう事だったんですネ。その輝く瞳、お姉さんとっても好みデースッ!」

 

 アナのことが大層気に入ったのか自分の身体を抱きしめ喜んだケツァル・コアトルは、だからこそ本気で迎え撃つ覚悟を決めたのか右腕に太陽の炎を纏わせる。

 

「に、逃げろアナちゃん!」

 

「はあ……はあ……はあ……ッ!!!」

 

 周りの人たちが逃げろと、立ち向かわなくていいと叫ぶがアナはその声を無視する。ここでこの相手を無視したらその魔の手が他の人たちの手に渡ってしまう。それだけは絶対に避けるためにアナは鎌を強く握りしめる。

 

「こ れ で !!! 試合終了デースッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「人間臭ぇ良い悪い目をするようになったじゃねえか、アナ。……ふんっ!!」

 

「カッッハッ……!??????」

 

「…………ベリ……アル……」

 

「遅くなってごめん。よく一人で頑張ったね、アナちゃん」

 

「……マスター!!」

 

 アナにラリアットを喰らわせようとしたケツァル・コアトルですら認識することが出来ない速度で現れ、逆にケツァル・コアトルは全力でラリアットを喰らわされジグラットに叩きつけられた。

攻撃を与えたのはベリアルだが、アナへ振り替えるとその意識は博樹へと移り、一人で頑張った彼女を労うために強く抱きしめ、目一杯に頭を撫でる。

 

「フフフ♪ すごいわ、すごいわ! 流石善性の頂点ね! 怖いおじさまの攻撃でも倒れないなんてとてもすばらしいわ!」

 

「……貴方がベリアルですネ。キツーイ一撃、貰っちゃいましタ」

 

 ジグラットに叩きこまれたのならそのまま王のいる玉座へ向かえばいいものの、ケツァル・コアトルはそんなものに興味はない。今興味があるのは目の前の存在だけだと言わんばかりに目をギランギランに輝かせる。

 一方で博樹はアナのことをライムに預け立ち上がると、その意識はベリアルのものへと変える。

 

「ムーチョ♪ ムーチョ♪ 貴方、とっても面白いですネ。慈愛に満ちた善性を持っていたと思ったら、突然テスカにも負けないくらいの悪性を放つんですもの。お姉さんびっくりしちゃった!」

 

 そう言いながらも果敢に突撃してくるケツァル・コアトル。普通だったら致命の一撃になるかも知れない攻撃を喰らわせてきた相手に少なからず恐怖を覚えるものだが、この女神はそんなもの一切なし楽しさを爆発させたような笑顔で突っ込んでくる。

 

「でも、人の対戦相手を横取りするのはマナー違反ね。まだ決着はついてなかったでしょう? そういうの、私の主義に反するのよネ」

 

「テメーの勝手をコッチに押し付けるな。押し付けるんなら……このオレ様に勝ってからにしろ」

 

 ケツァル・コアトルの連撃を簡単にいなし、彼女の頭をアイアンクローで鷲掴みにした状態で地面に叩きつける。

が、その状態からベリアルの手を両手で掴み自分が跳ね起きる勢いのまま回転を加えて、今度はケツァル・コアトルがベリアルの事を叩きつけた。

 

「舐めるな小娘!」

 

「ワーオッ! ガハッ!!」

 

 背中から地面に落とせると思ったがベリアルはそれを覆す。叩きつけられる衝撃を足だけで受け止め、驚く相手に頭突きをかまして吹き飛ばす。

超能力も、ギガバトルナイザーも、ましてや光線技も使わずにベリアルは吹き飛ばしたケツァル・コアトルの方まで走り追いかける。

 

このままでは絶対に負けることを確信したケツァル・コアトルは空中で態勢を立て直し、辺りの被害を考えずに両手に灯した炎から灼熱を放つ。

 

「み、みんな逃げろ!! 炎が迫って……こない?」

 

「────ッ! そんな繊細そうな技も使えるのね? パンチはルール違反ですが、仕方ありませーんっ! はあああああっっ!!」

 

「フッ……ハアアアアアっ!!!」

 

 周りに被害が出ないように灼熱の風すら通さない薄い膜で出来た高強度のバリアを発生させるベリアルを見て感心しながらも、目をぎらつかせ魔力を開放させる。

イシュタルと同じ金星の女神にしてトステカの太陽神であるケツァル・コアトルが右手に収束させた太陽の熱を込めた一撃。

主神クラスの彼女のその一撃はもはや太陽そのものをぶつけられるのと変わらない熱量と衝撃が込められている。

 

 ベリアルはその一撃を避けるでもなく、拳には拳で迎え撃つ! のでもなく。

人間大のウルトラマンの姿へと変身して胸で受け止めた。

 

「ベリアル……ベリアルだ!!」

 

「本当だ! 頑張れ、頑張れベリアル!!」

 

 ベリアルのその特徴的な見た目をウルクの民は忘れるはずもなく、一度北壁の魔獣たちを一掃してくれた英雄の登場に歓喜の声を上げ、声援を送る。

その声援にベリアルは鬱陶しそうな顔をしながらもフッ、と鼻で笑い、ケツァル・コアトルの拳の勢いが止まるまで受け止めきった。

 

「太陽の熱……。オレがかつて"求めた熱"は、この程度だったか。で、どうするアステカの太陽神、まだやるか?」 

 

「これは……ちょっとヤバイかも知れませんね。()()()()()を使わないと敗北は確定しちゃいマース……」

 

 宝具の真名開放もしていないがやったところで同じ、仮に自分の神殿に祭ってある()()()()()の力を使ってようやく傷をつけることが出来るかどうか。

流石の彼女でもこれ以上戦っても無意味だと察し、両手を上げて降参のポーズをとる。

 

「それに、ワタシは反則技を使ったのに貴方は最後までルチャ・リブレに反した戦いをしなかった。お姉さんの負けデース、焼くなり煮るなり好きにしてくださーい」

 

「誰が殺すか、お前には利用価値がある。アイツらの成長の糧になってもらうためにも、お前にはまだ敵対して貰わなきゃいけねえからな」

 

 敗北を確信し、自分の事を見下ろすベリアルを見て、彼がこれ以上戦う気がないことを理解したケツァル・コアトルは、その理由を問いかける。

何故トドメを刺さないのか、ここで自分を終わらせることが一番楽なのではないか? 

 

 その問いにベリアルは、彼女にはカルデアの、立香とマシュが成長するためのピースの一つとして存在して貰わなければ困ると、だからここで終わらせないのだと

 

「ん~~。貴方ほどの悪性を受け止めているアナタにも興味がありますケド。貴方がそれほどまで期待するカルデアのマスターさんに会わないで終わるのは確かに寂しいネ!」

 

 かくして、南米の女神ケツァル・コアトルの襲撃は、アナの迅速な対応とべリアルの助けによって人的被害は最小限に抑えることが出来た。

 

「おい、忘れ物だ」

 

「んにゃ? あ~気づいてらっしゃっいました? こりゃあ人間たちの回収は無理だし、あそこ迄飛んでったククルんの所まで送って行ってくれないかにゃ? ほら、貴方空飛べるんでしょ? びゅびゅーんびゅびゅーんてにゃ。え、ちょっと、そんな振りかぶらないで、あ、ちょ、らめ、そこはらめにゃ~~~~~~~~!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────一方、冥界へと向かった立香たちはというと…………

 

「エレシュキガル!」

 

「エレシュキガル!」

 

「茨木ちゃん!」

 

「エレシュキガル!!」

 

「エ、もう長い! エレちゃんで!!」

 

 冥界の七つの門を超える試練、通称【どっちの女神でショウ?】を行なっていた。

 

「ま、まあ? 本音と建前って言葉もあるって言うし? アイツに合わせるのがセオリーでしょうけど……ちょっと泣けてくるわね」

 

 

 

 

 




冥界へ下りだと思った?残念、ベリアルさん&アナ回です。
あんなの見せられて冥界に下りてなれるかっての!!

6章では博樹さんがメインだったため言及出来なかったですが、基本ベリアルさんは太陽関連のサーヴァントの事好きになれません。人工太陽(プラズマスパークタワー)の事があるからね!
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