【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜 作:ちょっつー
けどグリージョ登場と一緒に「Blue Spinning」が流れたのは最高。あの曲はあさひとつるちゃんの曲なんや……。一瞬でもいいからつるちゃん出てこないかな?
宇宙恐魔人ゼットの誕生もウルフェスの時と一緒で嬉しかったですねはい。
感想、評価お待ちしてます
誤字脱字、ご指摘ありましたら気兼ねなく
「これで
メソポタミアの遥か上空。高速で移動しながらその手に
「ケツァル・コアトルが三女神同盟を裏切るかも知れない可能性は元から考慮していたから問題はない。だけど、問題はアイツだ」
元より善性の頂点に立つケツァル・コアトルが人間たちを滅亡させる気がないことを理解していた。
だからこそキングゥは漁夫の利を狙うことにした。立香たちとの戦闘で疲労し、隙を見せたその一瞬で聖杯を奪い取ったのだ。
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『監視していて正解だったよケツァル・コアトル』
茨木の攻撃を受けボロボロな状態で、全力で投げつけられた立香を受け止め立香の事を無傷で受け身を取ったコアトル。
『人間が大好き』なコアトルなら絶対に助けてくれる事に賭け、それに勝った立香に負けを認めたコアトルはそのまま女神同盟を辞め、立香と契約することを約束した。
その時だった。コアトルと立香を含め、そこにいたサーヴァント全員が鎖によって身動きできなくなった。
『キングゥ……!!』
『これは元々魔術王が僕らに与えたものだ。僕らを裏切ったキミが所持していいものじゃない。おっと、危ないじゃないか
『クッ!』
縛られていながらも魔眼から放つことが出来る光線でキングゥへ向かい攻撃を繰り出すがあっけなく避けられてしまう。
当てられなかったことを鼻で笑おうとしたが、外したというのに諦めていないその瞳を見て、考えを改める。
『フッ!!』
『危ないじゃないか。……まさか僕の鎖をこうも簡単に抜け出すとはね』
『隙を付けると思うたが、なかなかどうして……吾のことを見ておるではないか』
「仕切り直し」のスキルを使ってキングゥの鎖から抜け出し背後から刀を振るう茨木だが、それもギリギリで反応したキングゥに弾かれてしまう。
初めて出会う自分のことなど眼中にないと思っていた茨木だったが、キングゥからすればここにいる誰よりも注意していたからこそ反応できた。
『…………君たちをここで終わらせるのは簡単だ。だけど、それじゃあつまらないからね。最後まで足掻き続けるといいさ』
『待ちなさいキングゥ!!』
立香たちにトドメを刺さずに飛び去ろうとしたキングゥに一言あるのか、アナが声を荒げて叫ぶ。
『…………』
『ゴルゴーンに伝えなさい。貴方を止めるのは私だと、その命を刈り取って見せると』
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(あの鬼だけじゃない。…………彼女を見ていた時も同じように胸の動悸が激しくなっていた……)
ゴルゴーンの待つ鮮血神殿へ向かう最中、キングゥはなぜあの時立香たちにトドメを刺さなかったのか。
生かす必要性などない、彼女たちを殺せば人類の滅亡が確定される。それならばあの時トドメを刺すのが最適解だったはず。
そう何度も何度も思考を巡らせていくうちに、キングゥはいつしか茨木とアナの2人の事を考えるようになっていた。
人と手を合わせるだけではなく、鬼と女神が背中を合わせて戦っていた。それもお互いがお互いを信頼しあった関係を作って
(だからこそ
「…………見せてみろよカルデア。いや、茨木童子、そして幼きメドゥーサ。
「戻ったなカルデア一行! ではゴルゴーン迎撃作戦会議を開く!」
「現在、ウルク北壁にはゴルゴーン本隊の大侵攻に備え、残された兵力を集結させております。魔獣たちも杉の森に集結し、その数は目算で10万頭。こちらの十倍以上の数です」
杉の森、最初に私たちのことを騙してキングゥに連れていかれそうになった所。あの森を抜けた先にゴルゴーンのいる鮮血神殿がある。
こちらの守りには弁慶さんにレオニダスさんが中心になってくれるから侵攻が始まったとしてもゴルゴーン本人が攻めてこない限りは1日は持ち続けると言ってくれた。
その1日を使って私たちは最大戦力で鮮血神殿へ向かい、ゴルゴーンを叩く。
神殿の機能を停止させられれば、それに連なってゴルゴーンの機能を低下する。
「鮮血神殿を破壊するったってどうするのよ? 何度か飛んで様子を見ていたけれど、あれ神殿というよりは“要塞化した山”よ? あああれ? 巨大化したベリアルのビームでなら山一つ消し去るのなんて容易いんじゃない?」
「ベリアルの力を借りることはせん。そもそも風読みよりも読めん奴に期待するだけ作戦の成功率も下がるに決まっているだろう? 少しは頭を使えイシュタル」
本当だよ、そもそもここにベリアルさんと博樹さんがいないんだからそこから察してほしいよイシュタルには。
鮮血神殿を破壊するのに使うのはケツァ姉さんの太陽神殿の後ろに突き刺さってた巨大な斧『マルドゥークの斧』だ。
ウルトラマンサイズだったら片手で持って振り回せそうだけど、そんなの出来る訳ないから、今ケツァ姉さんの使役する翼竜三百匹の編隊が3組のローテーションを組んでウルクに向かってきている。
急いでも2~3日かかるっていってたから今必死になって頑張ってるんだろうな……指揮してるジャガーマンも
「よし! ならば作戦の最終確認をする! ゴルゴーンの大侵攻を待たず、我らは明朝、夜明けと共に行動を開始する。 カルデアの勇者たちによる、敵陣への単騎突入である!」
「全軍アナにつけろ。そうしなけれなこの戦いお前たちの負けだ」
「ベリアルさんっ!?」
「この我の軍すべてをアナにつけるだと? どういう事だベリアル」
鮮血神殿の麓まで最短距離で向かい、マーリンの合図があり次第、ケツァ姉さんがマルドゥークの斧を投擲……。その斧で鮮血神殿の閉じられた扉を破壊し、深部まで突入して女神ゴルゴーンを討つ。
その作戦で行こう! ってなっていた私たちの前にベリアルさんがジグラッドに足を踏み入れた。
全軍って全軍、だよね……? 。北壁を守る軍も纏め上げたら誰もウルクを北壁を守る人がいなくなってしまうのにどうして……?
「魔獣の女神。アイツの目にもうお前たちは映っていない。アイツは今、目に映らない恐怖に怯え、それを取り除くことだけを考えている。だからだ」
『────そうか! ゴルゴーンにとってアナちゃんは天敵。どうしても排除したい相手のはずだ。でも、だからといって10万の魔獣を全てぶつけてくるものかい?』
「それほどまでにゴルゴ―ンにとってアナは遠ざけたい存在なのだろう。今までこのジグラッドに足を踏み入れなかった貴様がそれを伝えにきたのだ。それだけで十分な証明になろう」
そうだ、確かベリアルさんってこの特異点に来た最初の時にしかジグラッドに来てないんだ。だからここに足を踏み入れること自体がそれだけ重大なことを伝えにきたって証拠になった。
だから王様はベリアルさんの言葉を直ぐに信じて考えを頭に巡らせ始めた。
王様が結論を出すまでの間に、カルデア側、ドクターの方からこの戦いで懸念しなければいけない部分の指摘をする。
『冥界の聖杯、太陽の聖杯、そしてゴルゴーンの持つ魔獣の聖杯。この特異点を作り出している聖杯も彼方の手にあることを考えると合計4つの聖杯を有していることになる。願いを叶える大杯ではないことは確認済みだけど、一つ一つが強大な魔力炉心だ。戦いが長引けば長引くほどコチラが不利になる』
「カルデアの事前の情報ではギルガメッシュ王の持つウルクの大杯を除いてこちらの特異点に送られた聖杯は5つ。残された最後の一つをこちらが確保できればまた違ってくるかも知れませんが……」
「────ないものに縋っては仕方がなかろう。聞けば聖杯を所持しているのは
「愚問です。このウルクに住まう人たちを救うために、私は私の因縁に決着を付けます。……一人ではなく、ここにいるみんなと一緒に」
「カカっ! あの大蛇には借りがあるからのお。この鬼の力、貴様に貸してやる」
「ゴルゴーンに借りがあるのは私も同じです。この刃、今度こそゴルゴーンへ届かせて見せよう!」
心配は無用……だったかな? 聖杯の有無に関わらずにアナちゃんたちはやる気満々みたいだし……。
結局、王様はベリアルさんの言葉を信じて全軍でアナちゃんの事を守りながら杉の森へと向かい、その間に予定通りマルドゥークの斧で神殿を攻撃。最後は私たちが神殿へ突入してゴルゴ―ンを討つという作戦に決まった。
作戦開始は明日の朝、私もそれまでに準備できることはしておかなくちゃ!
「何なんだこの寒気は? 全身が震える……複合神性が保てない……!
(戻ってからずっとこの様子。しかも魔獣の生成すらもままならないなんてね……)
鮮血神殿の深部。ゴルゴーンは寝床で見えない何かに怯え、暴れ回っていた。
それは今まで隠していた神性をアナが開放してから起きた現象。ゴルゴーンは本来いるはずのないその神性を感じ取り、恐怖を感じているのだ。
本来ならばこのように精神が安定しない場合は、キングゥが彼女の前に出てなだめているのだが、肝心のキングゥは遠目から見るだけでゴルゴーンに対して何もしない。
「ああっ!! 我が子らよ! この正体不明な原因を崩せ! 私に、女神ティアマトに安らぎを寄越せ!!」
(さあ、これで魔獣たちの狙いはウルクや北壁ではなくなった。どうでる、カルデア?)
「おばあさんっ!」
「む、おばばよ。貴様目が見えんのだからこのような場所を出歩くでない」
明日に備え、手合わせをしようと歩いていた茨木とアナの前に、2人がずっと手伝っていた花屋を勤しんでいたおばあさんが壁伝いに歩いていた。
年のせいでもう殆ど目が見えていない彼女が外出することはなく、花屋でも動いていたの茨木とアナだったため、そんなおばあさんが外に歩いていることに驚き、身体を支えるために駆け寄る。
「ああ、よかった……。ジグラッドの方に歩けば、アンタたちに会えると思ってねえ」
「私たちに……?」
「むう、用があるのなら呼べばよかったであろう。吾の耳ならおばばの小さき声でも聞き届けることが出来たぞ?」
「ははは、そうだったねえ。けど、どうしてもアンタたちに会いたくてねえ」
おばあさんは2人がそこにいる事を確かに確認するために、それぞれ握った手をぎゅっぎゅっと何度も掴みなおしながら感謝を告げる。
目が見えなくなって、店先にも出られない。呼び込みもできない。家族の反対を聞かずに続けた格好ばかりの花屋は、置いてある花をただ枯らすだけの場所でしかなかった。
そんな毎日を、アナと茨木が変えてくれた。
「目が見えなくなって、心まで真っ暗になってた私の心を救ってくれたのは他の誰でもない。アンタたちだったんだよ」
「そんな、私たちはただ手伝いをしただけで」
アナのその謙虚な態度を否定するかのように、握っていたその手を2人の顔へと移しその頬を優しく触れる。
「見えなくなった目にも、真っ暗になった心にも、光を感じることが出来るんだよ。アンタたちはこんな私の光になってくれた、だから最後に言いたかったのさ」
今までありがとう。その何気ない一言は、人でなしの2人が生前決して言われることのなかった言葉だった。
「無口なところと、口が達者なところはまるで逆だけど。不器用で、怖がりなところは一緒なアンタたちに出会えて、長生きした甲斐があったよ……」
「はい。私もこのウルクで、おばあさんに出会えたこの奇跡を、絶対に忘れません」
「怖がりという点は否定したいがな。おばば、お主は生を全うした上で安らかに死ね。魔獣どもに喰い殺されるなど吾が許さん」
「ソイツは心配してないよ。だって、アンタたちが守ってくれるんだろう?」
もう色を、絵を移さなくなってしまった目。それでもこの2人の事を信じているその思いを受け取ったアナと茨木は、自然と彼女に向かって満面の笑みで返した。
「「はい(ああ)」」