【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜 作:ちょっつー
16話、6章の時ならもう獅子王との決着だったのに……バビロニア長い!そして茨木ちゃんとキングゥとアナちゃんとメインに添えたい子が多い!!
感想、評価お待ちしてます
誤字脱字、ご指摘ありましたら気兼ねなく
『頭ぁ! 魔獣たちのことは俺たちに任せてください。頭たちの邪魔はさせませんから!!』
『ふっ! 死ぬのも、戦うのにも怯えてたお前らが……。吾の邪魔をするなよ?』
『攻めながらも守り続ける。その大役我らにお任せください藤丸殿! 貴方たちを守り通し、鮮血神殿までの道を作りましょうぞ!!』
ベリアルさんの予想通り、10万の魔獣は北壁へは目もくれずアナちゃんだけを狙って突進してきた。
茨木ちゃんと一緒に山賊をやっていた人たちがベリアルさんの特訓の結果、獣たちを駆って戦いに参加してくれたり、結界を破壊するだけでよかったマルドゥークの斧がマーリンのせいで神殿に直撃してケツァ姉さんの神性が半分まで落ちちゃったりとサプライズやハプニングが続いたけど、何とか鮮血神殿に辿り着いた私たち。
「これは……壁一面に繭のようなものがありますが……。中に何かの影が……」
「連れ去られた人間どもだ。愚かなものだ、人間に復讐するための道具の贄が人間そのものなんだからな」
「「「!!!!」」」
「やはりそうだったか。この地で殺された人間たちは皆遺体が残らなかったからね、想像は出来ていたよ……」
「だからってこれはやり過ぎよ。人間への復讐のために、人間以上の生産性を求めたなんて、本末転倒だわ」
マーリンやイシュタル、サーヴァントのみんなは落ち着いているけど私とマシュは動揺が隠せない。
この繭一つ一つがゴルゴーンの魔獣で、この地で生きていた人たち……。魔獣に変容されている最中なのか、繭の中をよく目を凝らして見ると人間の身体に魔獣の頭が付いているような状態や、胴体だけが魔獣になり、頭は人間のままの人たちもいる……。
「先輩。……この人たちは生きています。変わってしまっていても、まだみなさん生きています。心臓を鳴らしています!」
「でも、助けられない……。せめて、せめてゴルゴーンを倒してこれを止めようマシュ?」
悔しそうな顔をするマシュの手を握り、一緒に進もう! ってゴルゴーンを倒そうって伝えると、そんな私たち2人の頭をベリアルさんが掴んで繭から目を逸らせないように、頭を強引に繭の方へと向けさせられた。
「目を背けるな。あの蛇を否定するならコイツらの命も胸に刻んでいけ」
「「…………はい……」」
「ようやく会えましたね。ゴルゴーン」
「醜い。……醜い醜い醜い!! なんだ! 何なんだ貴様は!?」
鮮血神殿の最奥。まるで生き物の腹の中のようなそのただっぴろい空間の中心で、ゴルゴーンが右手で頭を抑えながら佇んでいた。
彼女は話をする気もないのか、アナちゃんを見るとすぐに髪の毛の蛇が襲い掛かってくる。
「やはり、アナタには私が見えていないのですね、ゴルゴーン」
「耳障りだ! その声を発するな! その瞳で私を見るな!!」
アナちゃんの言葉を邪魔しないために、牛若丸と茨木ちゃん、そしてマシュがアナちゃん目掛けて迫ってくる髪の蛇を片っ端から倒していく。
見えていない。今のゴルゴーンにアナちゃんはどんな風に映ってるだろう? モザイクがかかって、その輪郭しか捉えられないとか?
「何故だ! 何故届かない!! 消えろ、消えろ、消えろ!!」
「私が見えなくても、他のみんなは見えているはずです。アナタを倒すために、この地に住まう人たちを守るために私が
アナちゃんの方はゴルゴーンとは違う。その瞳に確りと相手を映して、倒す覚悟。私たち全員で戦うんだって意志を示してくれた。
そんなアナちゃんの後ろにベリアルさんが立つと、両肩にその手をのせた。
「
「……はい」
「|変えてこい。お前の覚悟を見せつけろ《大丈夫、キミならみんなと一緒に運命を変えられる》」
「────はい! 見ていてくださいマスター、ベリアル!」
私にはベリアルさんの声しか聞こえなかったけど、アナちゃんには博樹さんの声も聞こえたのかな?
2人の手に背中を押されたアナちゃんは両手で鎌を強く握りしめて、ゴルゴーンへ向かって駆け出した。
「うがああああああ!!! その浅ましい姿を、私に前に現すなぁ!!!」
「行くぞアナ!!」
「行きましょうアナ殿!!」
「被せてくるな牛若ぁ!」
「なあに、これも仲が深まっている証拠だな茨木! はあっ!」
アナちゃんの持つ不死殺しの鎌【ハルペー】。あれをゴルゴーンの心臓に届かせることが出来れば、彼女の不死性を無にすることが出来る。
その為の道を作るために、行く手を阻む髪の蛇たちを倒していくんだけど、茨木ちゃんと牛若丸は余裕そうに対処していく。
そうだよね、これでゴルゴーンと戦うのは二回目だもんね。
私の方も慌てずに周りを見て、アナちゃんの死角から迫ってくる髪の蛇に向かってガンドを撃って止めたりしながら戦いを続ける。
「ベリアルが戦ってくれれば楽なんだがね。ああわかってるわかっているさ、これは彼女の戦いだ。キミという存在が手を出していいわけがない」
「本当面倒くさいわねアンタ。女神であるこの私が力貸してやってあげてるんだから、手の一つくらい貸しなさいよ……ねッ!」
「ぐっ! 目障りだ!! 死ねしねしね!!!」
後ろの方に座ってだんまりを決め込んでるベリアルさんにマーリンとイシュタルが一言愚痴を言いながらも攻撃に加わってくれる。
イシュタルの正確な矢が彼女の鋭い爪を砕き、マーリンの魔術によってアナちゃんの地面を駆ける速度が上昇する。
ゴルゴーンも負けじと髪の蛇、そして自身の瞳から光線を放ち始める。
その一つ一つに石化の効力が乗せられているため、みんな当たらないように、マシュは盾で防御したりとそれぞれがそれぞれの対処をする。
「させません!! はああっ!!」
そんな中、ゴルゴーンの瞳から直接放たれる石化の魔眼は、アナちゃんも魔眼から光線を放ち相殺する。
だけど、このままじゃ近づくことが出来ない……。そうだ! 茨木ちゃんの手なら!!
「茨木ちゃん!!」
「ちぃっ!! 魔酒、行くぞ!!」
「へっ!? 茨木さっきゃあ!!」
茨木ちゃんに魔力を回し、その流れでどう動いてほしいのか伝え、茨木ちゃんは直ぐに行動に移してくれる。
茨木ちゃんは鬼の手を出現させ、その手でマシュのことを掴んで持ち上げる。
「機動は吾に任せろ魔酒! 貴様はその盾を振るうことだけに集中しろ!!」
「はっ、はい! 茨木さん」
「茨木! お願いしします!!」
「これも持っていきけ!!アナ!!」
鬼の手にマシュを乗せた茨木ちゃん。そんな茨木ちゃんに向かって投げられた鎖を掴み、アナちゃんの事を宙へと投げ飛ばす。
そんなアナちゃんに向けて茨木ちゃんが自分の持つ骨刀を投げ渡した。
「借ります茨木!はああああ!!!」
宙に飛んで逃げ場のなくなったアナちゃんは、鎌と骨刀の二刀流で迫ってくる髪の蛇たちを斬り倒していく。
アナちゃんの事を呑みこんでしまおうと巨大な口を開けた相手に対しても、鎌と骨刀を器用に使ってこじ開けるように切り裂いてく。
「「「「「「「「茨木! 私を足場に!!」」」」」」」」
「はっ! 吾の事を落とすなよ牛若ぁっ!!」
牛若丸が宝具【壇ノ浦・八艘飛び】を使用し、8人に分身したその彼女の背を駆けながら茨木ちゃんがアナちゃんの隣まで近づく。
ゴルゴーンが接近してきたアナちゃんに向かって光線を放ってくるが、もう茨木ちゃんが追いついてる!
「魔酒ぅ!!!」
「マシュ! その魔眼を! ゴルゴーンの復讐を否定しろ!!」
「はい! 【それは全ての疵、全ての怨恨を癒す我らが故郷────顕現せよ、『
ゴルゴーンの身勝手な復讐を否定するために、マシュがその盾を顕現させる。
ゴルゴーンという存在は人間たち生み出したもので、その復讐に正当な権利があるからって……。
「「私たちは、アナタを認めない!!」」
「ほざくなぁああ!! 人間ごときがあああああ!!」
石化の光線と白亜の城がぶつかり、大きな爆発が生まれマシュたちの事を爆発が包む。
けど大丈夫。私はマシュの盾を、心を信じてる!
「いっけええええええ茨木ちゃああああん!!!!!!」
「誰にものを言っている立香ぁ!!!」
マシュを持っているのとは逆の手を巨大化させ、爆炎を掃いながらゴルゴーンへと迫る茨木ちゃん。
ゴルゴーンも対処しようと髪の蛇たちを向けようとするけど、それらはもう全て牛若丸が斬り落としてる。
「はあああああああああ!!!」
「クッ! ────-なにっ、貴様は!!!?」
そのまま殴られると思ったんだろうけど違う。茨木ちゃんはその握った拳をゴルゴーン眼前で止め、その握られてた拳からアナちゃんが姿を現す。
そう、あの爆発に包まれているその中で、茨木ちゃんは鬼の手でアナちゃんの事を包み込んでいたんだ。
「来るな! くるなくるなくるな!! 私は原初の女神、ティアマト神なるぞ!!」
「────つないだ手と手のお陰で、私はここまで来ることが出来ました。これがすべてを否定して、自分の名前も、
「ねえ……さま……? がっ、があああああああああっっ!!!!」
ハルペーがゴルゴーンの胸に突き刺さり、彼女の巨大な身体に罅が入りその霊基が消滅していく。
ゴルゴーンの身体に溜め込まれた魔力が全て開放され、この寝床全体が崩壊を始めるほどの衝撃が生まれたのと、もともとこの鮮血神殿はゴルゴーンの存在ありきのものだったからゴルゴーンが自身の後ろに出来た穴へと吸い込まれるように落ちていく。
「貴様も私なのなら共に死ね! 私の存在が認められないのならそれも貴様も同じだろう!!」
「お断りします」
消滅するその直前まで諦めない。握りつぶす程の力は残っていなくても見動きを取れなくする事は可能だったゴルゴーンがその手でアナちゃんを掴んで離さない。
「この地に召喚されたばかりの私ならその終わりを望んでいたでしょうが、今は違います。だって私はメドゥーサではなく
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『マスターの子どもが小さい頃に書いた物語?』
『そう、だから花売りの少女の作者は娘の
それはいつかの夜。アナは自分の名前の元になった物語【花売りの少女アナ】の話を博樹から聞いてみたところ、その物語は著名な作家が書いた有名な話でも、一部のマニアの人たちだけが知っているようなマイナーな本でもなかった。博樹だけが知る物語だった。
『愛は小さいころ、ウルトラマンが怪獣を倒すと泣いちゃう子だったんだ。それがどんなに悪い宇宙人や怪獣でも。でも、見るのやめるって聞いても見続けてさ。そんなある日だったんだ、愛が画用紙に一枚の絵を描いてたんだ』
『絵、ですか?』
『そう。真ん中に愛が考えた女の子が怪獣がいて、その子が花を持ってる。そんな絵だったんだ。愛にこれはって聞くとさ』
────このこは
『まから始まるのはママだけだからって理由だったかな? 愛は小さいこと自分の名前をアナって勘違いしててね。だからその怪獣の女の子の名前も自分と同じアナだったんだ。あとは、ちょうどその時幼稚園で泣いた赤鬼を読み聞かせて貰ったのも影響してたんだろうね』
────アナはかいじゅうだけどみんなとなかよしさんになるの! こまってるこも、ないてるこもたすけておともだちになってくださいっておはなをあげるの!
『それは、花を売るとは違うのでは……?』
『はっはっは。そう友達の証が花だから売ってはないんだよね。子供の描くことだからさ、話が飛び飛びになったり、突然へんなことが起きたりして物語っていうのは確かにあれなのかもしれないんだけだ。あの話は私に心に一生消えることのない大切な物語なんだ』
現に契約したナーサリー・ライムが共有した彼の記憶から取り出したのは、彼の心の本棚に保管されている本の中で最も輝いていたのが【花売りの少女アナ】だったのだから推し量るべきだろう。
「愛のお陰で、どんなに悪い相手にでも真摯に向き合えば理解しあえるんじゃないかって。ただ日々の平和を守る事が、悪人と決めつけた人たちを捕まえることだけが警察の仕事じゃないだって心を入れ替えるキッカケになった。愛は大きくなって忘れてしまっているけどね」
『そんな博樹の娘さんと同じ名前を、それほどまで大切な名前を私が名乗っていいのですか?』
『いいんだよ。まさかアリスちゃんがその名前持ってくるとは思っていなかったけど。アナの名前は今のキミにピッタリだからね』
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(だから私はまだ、こんな所で死ねない!! 私は!!)
「生きていたい! みんなと仲良くしたい! だから、私はこの運命に背いてみせる!」
アナちゃんの叫びが響く。茨木ちゃんから借りた骨刀を使ってゴルゴーンをこじ開け、引き抜いた鎌でその腕を斬り落とした。
「マシュ! 茨木ちゃん! アナちゃん!!!」
「ぐぅうう、魔酒! 貴様は、先に行け!!」
「きゃああ、茨木さん! アナさん!!」
「茨木、私の手を掴んでください! 早く!!」
崩壊の揺れのせいでマーリンたちも助けに向かえない中でマシュ一人が飛んできた。
このままじゃ2人が崩壊の道ずれになる、そう思っていると穴の中からアナちゃんの鎖が真っ直ぐ伸びてきた。
そしてそれを掴んだのは、一切今回の戦いに関与してこなかった、この崩落の中でもびくともしてないベリアルさんだった。
「
「────ただいま! マスター! ベリアル!!」