【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜 作:ちょっつー
そしてU-40の2人が並ぶとこんなにもカッコいいんだなと、タイタスのマッチョさにも引けを取らないCGとアニメと特撮が合わさったようなジョーニアスさんかっこよすぎない?
タグで博樹さんのことをおじさんマスターって表記してるんですけど、あれ博樹さんおじさんってよりお父さん、父親マスターなんじゃ?と思い変えました
前々から見る専ように使っていたTwitterのアカウントで更新情報なんかを投稿出来たらと思ってますのでよろしかったら
【https://twitter.com/cyocuo0841】
『なんでだ? いくら調べても聖杯の反応がない。魔術王の聖杯はゴルゴーンが持っていた筈なのに……』
魔術王の聖杯を所持しているゴルゴーンを倒して一件落着。ってなるはずだったんだけどそうはならなかった。
倒したはずのゴルゴーンから魔力炉心だった聖杯のほうはゴルゴーンと一緒に消滅し、特異点の修復が始まる気配すらない……。
「
ベリアルさんに抱えられて戻ってきたアナちゃんが私たちにそう告げる。
てことはゴルゴーンに恩恵を与えた誰かがいるってことだよね。その誰かって……
その答えに辿り着くという所で、誰かがぱちぱちぱちと拍手をしながら歩いてきた。
腰まで届く淡い萌黄色の髪、幼さを残したような人間離れした美しい容姿……
「キングゥ……!!」
「やっと……やっと理解することが出来た。人ではないお前たちが、人と手を取り合い本来勝てるはずもない神さえも穿った。それを見て、僕の
そう言って、予備動作もなしに飛び出してきたキングゥは私やマシュには目もくれず。人ではないお前たちと言ったアナちゃんと茨木ちゃんに攻撃を仕掛ける。
2人ともさっきまでの戦闘の疲れが回復していないから、防御するのが一歩遅れてしまい身体の一部に傷を負ってしまう。
「随分なご挨拶ではないか、土塊が」
「クッ!!」
「茨木さん! アナさんっ!」
「今助けっ……ベリアルさんっ!?」
《「邪魔をするな。黙って見ていろ」《/b》
襲われた2人の事を助けに入ろうとしたら、ベリアルさんが光の輪で私たち全員のことを動けなくしてきた。
どうして? って疑問は出るけど、この輪を自力で解除するなんて女神のイシュタルだって無理なことは分かっているから、無駄に叫ぶことはしないでベリアルさんの言う通りにする。
「ゴルゴーンを、彼女を見殺しにしてでも知りたいという欲が勝った。それで見つけた答えがこんなに醜いものだったなんて思いもしなかったよ」
感情的になったキングゥの攻撃は単調なのか、それともまだ殺す気はないのか茨木ちゃんもアナちゃんもギリギリの所で攻撃を防いでいっている。
醜いって、あの2人を見てどうしてそんなことが言えるの?
「僕は
「憧れる? 酔狂なものだなあ!」
「ああ、狂ってる。狂っているとも!! 君たちの泥臭い顔が! 絶望に立たされても諦めることのない顔が! それが人間と一緒にいるから得られていることが!! ココから離れないんだ! いくら頭で処理しようと消えない。考えないようにしても湯水のように湧いてくる! 邪魔だ、邪魔だ邪魔だ邪魔だ邪魔なんだよ!!」
可笑しくない。可笑しくなんてないよキングゥ! その感情を、心から思ったことを否定しちゃだめだ!
茨木ちゃんとアナちゃん。この地で私たちとずっと一緒に戦ってきた彼女たちを見て心を揺さぶられたから、その原因である彼女たちを消すなんて間違ってる!
「だから
「そこまでだ」
「グッ!? ベリアル!! またお前は僕の邪魔を!!」
鎖で縛り上げた2人を最大の一撃で倒そうとしたキングゥの事をベリアルさんが私たちと同じように押さえる。
身動きが出来なくなったキングゥの髪を掴んで持ち上げる! ……てあれ?
掴まないで……頭を撫でてる。もしかして博樹さんに変わった?
「やっと、心に正直になれたんだね。えらいよ、キングゥ」
「気安く触れるな……」
「アナちゃんと茨木ちゃんが、キミの心の鎖を解いてくれた。けど、まだ鎖は消えてない。後は壊すだけだ、そうすれば大丈夫」
私からだと博樹さんの言ってることが理解できないけど、キングゥはその言葉の意味を理解したのか先ほどまでの怒りの感情はなりを潜め、怪訝な表情を浮かべる。
「まだ僕は、母さんの縛りから抜け出せていないと。そう言いたいのかい? なら、これ以上どうすればいいっていうのさ!」
「どこに行けばいいのかは教えてやる。後は自分の心に従え────迷うなよ、取りこぼさないためにもな」
「え? え~~~~~~????」
「キングゥ。光の輪に拘束されたままどこかへ飛ばされていってしまいました……」
あっちか、って言って方角を確かめた後壁とか関係なしにその方向にキングゥの事を投げ飛ばしてしまったベリアルさん。
その後すぐにメソポタミア世界すべてを揺らす時空震が起きるわ、マーリンは突然吐血して消滅しちゃうし訳が分からないことが津波のように押し寄せてきた。
「『七つの人類悪』のひとつ、
「グッ……。ここは……? エリドゥか? 何故ここに……?」
ベリアルに投げ飛ばされ、空を飛んでいる途中で光の輪の拘束が解け態勢を立て直したキングゥは、今自分がいるのがエリドゥの真上だという事に気づく。
拘束が解かれたタイミングも、ベリアルが当てずっぽうで投げるはずがないとキングゥもわかっているからこそ、直ぐに飛び立とうとせず空の上からエリドゥを観察してみることにした。
[6ma7! 6ma7! g@ffffffffffff! ]
「あれが母さんから産まれた新しいヒトのカタチか……。どうして人間たちを捕らえて集めてるんだ?」
それは、生物というには余りにもおぞましい姿をした化物だった。
腕の代わりなのか甲殻類の脚のような形をした鉤爪を肩を思われる部分から2本ずつ付けたような身体。
縦方向に開いた白い歯がむき出しの口以外なにもついていない奇妙な形をした頭部。
見るだけで生理的な嫌悪感を催されるその新人類。黒紫色の肉体というのも嫌悪感を更に増長させている。
一億を超え、今なお増殖中だという新人類は、ペルシア湾海中から突如出現しメソポタミアの地を踏み荒らしていった。
幼子のような無邪気さで人間を虐殺して回るその様は今現在立香たちが味わっている最中だろう。
そしてここエリドゥでは、虐殺は行われずメソポタミア中から人間が集められていた。
「あれは確か、ギルガメッシュの所の……? 大方、他人を助けて自分が犠牲にでもなったんだろう」
「何を、させようというのですか!」
攫われた人間たちの中に、キングゥはシドゥリが混じっていることを目ざとく発見した。
シドゥリは攫われた人間たちの先頭に立つと、怯える人たちを守るように立つ。
戦う力もないくせに何を馬鹿な事を、そう馬鹿にするキングゥだったが何故だか彼女から目が離せないでいる。アナや茨木を見ている時と同じように……。
[b¥d35]
[[[b¥d35! b¥d35! b¥d35! ]]]
理解不能な言語を歯を鳴らし、ケタケタと笑いながら何かを強要してくる。
1人が逃げ出そうとすると問答無用で殺し、その男を喰らうと男が持っていた剣を拾いシドゥリたちの目の前に投げる。
「まさか……殺しあえと、そう……言いたいのですか?」
[[[b¥d35! b¥d35! b¥d35! ]]]
シドゥリの答えが正しいと言わんばかりに先ほどよりも熱を上げて新人類は叫びだす。
そこいらにあった武器を集め、攫ってきた人たちの前に投げて殺し合いをしろと強要しているのだ。
「────」
絶対に助けがくる。だから相手に乗せられてはいけない。恐怖と狂気に呑まれそうな中で、シドゥリだけは確りとした強い意志を持って反論し、他の人たちも元気づける。
ただ、それは新人類が見たいものでは決してない。シドゥリがいるとこれ以上進まないと理解したやつ等は、殺し合い云々よりも最初にシドゥリの事を殺そうとその爪伸ばす。
「やめろ。こんな意味の無い事をする必要はない! ウルクを襲うのはいい、敵を殺すのもいい。だがこれは違う」
「エル……キドゥ……?」
その伸ばされた鉤爪がシドゥリの心臓を貫くよりも早く、キングゥが出した鎖がその爪の進行を防いで見せた。
目の前にいるのが偽物だと分かっていても、そう簡単に本物の事を忘れることが出来ないシドゥリはついエルキドゥの名前を呟くが、キングゥはそれに怒る様子も見せず、新人類と会話をしようと試みる。
「殺す意味の無い者まで殺す必要はない。いずれティアマト神の手で淘汰されるだけのものを殺し合わせようだなんて、オマエたちの行動は余りにも愚かしい!」
[[[────────::: ::: ke kekeke ケケケケケ!!! ]]]
「(一瞬で言語を習得した?)何だ、何が可笑しい」
何も応えず、ゆらゆらと揺れていた新人類が突然に言語を習得し笑い声をあげる。
[邪魔 ウゴクナ]
「!? (何だ……身体、突然動かなく…………!!)」
[[[シャハハハハハハハハハ!!!!! ]]]
キングゥが動かなくなったのをいいことに、新人類たちは気味の悪い笑い声を上げながら捕えていた人間たちを殺し始めた。
その醜い行為を止めようとキングゥが鎖を出そうとするが、身体が突然動かなくなったのと同じように鎖すらも出せなくなってしまい、何も出来ない。
「ああ、やめて! やめてください!! どうして、こんな酷いことを!!」
[ソンナノ、決マッテイル 楽シイカラダ]
[楽シイ。楽シイ。楽シイ。楽シイ。楽シイ]
[ニンゲンヲ 殺スノハ トテモ 楽シイ! ]
まるで最後まで狂気に呑まれなかったシドゥリの事を絶望させるために、彼女には一切手を下さずに周りに人たちから順々に、より苦しんで死ぬように学習しながら殺すことを楽しみ始めた。
[母ハ 我々ニ 命ジタ。新シイ ヒト トシテ学習シロ、ト]
[ヒト トシテノ 在リ方 ヒト トシテノ 定義]
[ヨリ 人間ラシイ モノ ソレガ コノ 結論 ダ]
[ニンゲンヲ 殺スノハ トテモ 楽シイ! ]
[────ダカラ ツマラナイ オマエハ 邪魔]
(ああそうか。これが母さんの、ティアマトの出した結論か……)
ティアマトの従うだけの人形だったキングゥだったならばアイツらの言葉に反論していただろうが、今のキングゥは違う。
ベリアルや博樹、茨木童子やアナのせいで赤子同然だった心が成長した今のキングゥは、アイツらが言っていることが本当の事だと、自分はティアマトにとって眠っている間に良いように行動してくれればそれでいい操り人形でしかなかったのだ。
(つまり、今この身体が動かないのは……僕に埋め込まれた聖杯。魔術王の聖杯の本来の所有者がティアマトだから。彼女の真の仔であるアイツらの言葉の強制力によるもの……)
『鎖に縛られてるのは貴様自身だろ、これが笑えなくてどうする?』
(ああ、本当だ。笑えるよ、自分の愚かさが……真実を知るのが遅すぎた……)
キングゥが絶望しているうちに、新人類による虐殺が終わり、残ったのはただ一人シドゥリだけとなってしまった。
目の前で民が無残に殺されていく様を見せられたシドゥリは、もう立つ力も残っていないのか地面に座り込んでしまっている。
[最後ハ────オマエダ]
[[[[[オマエダ オマエダ オマエダ オマエダ オマエダ オマエダ オマエダ オマエダ オマエダ オマエダ オマエダ]]]]]
(ああ、彼女も終わってしまうのか……)
「──────エルキドゥ」
「!!」
目が合った。風に消えてしまいそうな小さな声だったが、確かに自分だけど自分じゃないその名前を呼ばれたキングゥは下を向いていた顔を上にあげると、新人類に首を掴まれ持ち上げられているシドゥリと目が合った。そのシドゥリが口をパクパクとさせて何かを伝えようとしていることに気づいたキングゥは彼女の口元に注目する。
(どうせ助けてと救いを求めるんだろう? こんな道化でしかなかった人形に何を求めるっていうんだ……もう、僕に出来ることはなにも」
「ありがとう」
「────!!!」
『誰かに縛られて、自分の意思を、心を正直に出せないんだったら、それが辛くて胸が痛むんだったらそんな鎖引きちぎればいいんだ。キミなら出来るよ、私もベリアルさんもそう信じてるから』
「ああああああああああああああッッ!!!!!!」