【一部完結】Fate/Grand Order〜Bの因子〜 作:ちょっつー
シャイニングになるときにウルティメイトブレスは完全に身体と一体化していたような気がしていたけど一体化する前にイージスにしておけば関係ないよね?ってことなんでしょうかね。 サーガかグランセイザードゼロになってくれると思ってたから衝撃がすごい……。
それ以上に主題歌と共に勇敢に戦うメビウスの姿に泣きそうになりましたけど……。
感想、評価お待ちしてます
誤字脱字、ご指摘ありましたら気兼ねなく
「その顔で堂々とこの我の前に姿を見せるとは思わなかったぞ? キングゥ」
「五月蠅いな。そう言われるから今
ウルクの大杯を手に入れたことで全快したキングゥはあの後、シドゥリを連れてギルガメッシュのいるジグラットへとやってきていた。
しかも彼は来て早々シドゥリにその緑の長い髪を短く切り揃えてもらっていた。
「『この身体はキミに会いたい、話がしたい』と願っていたけど、今はもうその記憶が僕の心を縛ることはない。ははっ、心が縛られていないというのは気分がいいね」
「────貴様のこれまでの行いを許さないものがいるかも知れんが我は許す!
カルデアの者たちはどこにいる。とキングゥに問いかけるギルガメッシュ。
自らがシドゥリの救出を命じた立香たちカルデア組が帰って来ていないことに疑問を持った彼は事情を知っているであろうキングゥに問う。
「彼女たちならペルシャ湾の方へ向かったよ。ベリアルが母さん────ティアマトと戦うのを援護するとか何とか言ってね」
「うむ、そういう事か……(ベリアル、この我が見た未来……貴様は変えられるか?)」
新しいヒトのカタチ、ラフムを産み出す黒い生命の海。キングゥから魔術王の聖杯を手に入れたラフムがその中心にその聖杯を落としたことで、虚数に封印されていた原初の女神がこのメソポタミア世界に顕現した。 山羊の角に似た幾何学な模様が入った大地を象徴する大角、星の内海を映す悲しげな瞳、今にも砕けそうなほど儚げな印象を与える彼女こそが創世の女神ティアマトだ。
自分からは何かをする気がないのか、もしくは何らかの理由があって自身を縛っているのか定かではないが手足を鎖で巻きつけ身動きが取れない。
そんなティアマトの前に、55mの巨体でこの海を歩いてきたベリアルが立つ。
[A────]
「これだけの事をやりながら、まだ人類を庇護したいと欲を見るか」
笑わせるな。ベリアルはそう言って160あるかないかと言った小さな身体を巨大な手で容赦なく握り潰した。
いくら女神でも巨人の手で、ベリアルの力で握り潰されればひとたまりもなく、ベリアルが手を開くと元のカタチが跡形もなくなったティアマトが海の中へと沈んでいった。
「とっとと目を覚まし、創世ではなく回帰の獣としての力をこのオレに見せてみろ。ティアマト」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!
あれでティアマトを倒したことにはならないことをベリアルは分かっていた。だからこそ海面を、この大地を揺るがす振動にも微動だにせず、
[Aaaa────────-]
自らを縛っていた鎖から解放されたティアマトは、先の優し気で儚げだった名残は捨て頭から生えた大角や身体の全身には赤く黒いラインが走る。
そして何より目を見張るのはその大きさだ。封印から解放されたティアマトはベリアルと並ぶとも劣らない巨体へと姿を変え、背中から生える巨大な翼にも成り代わりそうな2対の角も合わせれば70mはくだらないサイズを誇っている。
(これが、回帰の獣。ティアマトの姿なんですね……)
「呆けてないでいくぞ」
相手が何であろうとのやる事は変わらない。ただ目の前に存在する敵と戦うだけ。
小手調べで手から光球を放つ、どれだけ弱くても並の怪獣なら一撃で沈むその攻撃をティアマトは自身の目の前に魔術の障壁のような薄い膜を作って防ぐ。
[Aaaa────────-!! ]
今度はコチラの番だ言っているのか獣のように鋭い牙が生えた口を大きく開け、周囲に無数の歪みを生み出しそこから光線を放ちベリアルに襲い掛かる。
一発一発が最高ランクの宝具と大差ない威力のソレが四方からベリアルを襲い爆発が彼を包み込む。
「そんなもんか? ティアマトッ!」
だが、そんな攻撃でもベリアルに傷をつけることは出来ない。爆発の中から腕を伸ばし、常時張られている透明な防御壁にその手が届く。
ティアマトは自身を守るその壁を壊されないように更なる魔力を流し込んで強化を施していくのと同じくガンッ! ガンッ! ガンッ!! と壁を殴り続ける。
ティアマトの修復&補強よりもベリアルの拳の方が強い。拳一つで防御壁を破壊したベリアルは、ティアマトに攻撃を畳み込もうとするがそうはさせなかった。
元より聖杯7つを超える超々々級魔力炉心を有している彼女は更に、魔術王の聖杯、冥界の聖杯、南米の聖杯、そしてゴルゴーンが消滅する際に同化していたことで頂いた聖杯の4つが追加で埋め込まれている。
海面の黒い泥に触れていれば無限に魔力が供給され続ける彼女にこれ以上の魔力炉心はいらないのではないかと思うが、そうではない。
ティアマトは背中から翼のように生える大角に特大の魔力を流し込み、それぞれの角から別の性質を持った極大の光線を放ってくる。
最初に撃ってきた光線とは密度も質量も増されたソレをもしベリアルが避けてしまえば、彼の背後に存在するメソポタミアの大地が消滅してしまうほど。
「グッゥ! ガアアアアッ!!」
防御する隙もなく、避ければすべてが終わる、ならやる事は一つしかない。ベリアルは2本の極太光線をその身一つで受ける。
最初は耐えていたが、流石のベリアルでも耐え続けることは不可能だったのか吹き飛ばされ海面に叩きつけられた。
[Aaaa────……、Aaaa────────!!! ]
「フフ……フハハハハハ!! 面白い、こうでなければなあっ!!」
自信を失う、戦意が喪失する。そんなこと起きるはずもない。むしろベリアルはこの地球に来て初めて自分が相対するのに相応しい相手が現れたことに喜びの声を上げながら立ち上がろうとする。
その時だった……。
[[[[[[[シャハハハハハハハハハ!!! ]]]]]]
戦いの場である黒い生命の海。そこから一瞬で生み出された10数万を超える数のラフムがベリアルの身体に纏わりついてくる。
(これが彼らなりの歓迎なのかしら? これじゃあガリヴァーも裸足でにげだしてしまうわ)
(こんなガリヴァー旅行記誰も喜ばないよ。そうですよねベリアルさん?)
「ふっ」
死骸に群がる蟻の大群のように群れてくるラフムたちをガリヴァー旅行記にでてくるリリパット国の小人たちのように称する2人に呆れながらも嬉しそうに声を出し、身体に力を入れる。
群がるラフムたちなど気にもせず立ち上がったベリアルがティアマトに向かって咆哮を上げると、その衝撃だけで纏わりついていたラフムたちは海へと還っていく。
ティアマトも有効打であったことは確かだが倒しきれるとは思っていない。極大光線を出すための溜め時間を作る為にラフムに足止めを命じ、自身も背中から生えるもう一対の細身の角を自在に伸ばしてベリアルへ迫る。
「そんな小細工が効くと思うなよ?」
[AAAA────────-!! ]
迫る二双の角の一本は掴み、もう片方は爪で切り落としながら前進していくベリアル。ラフムの突貫はダメージにすらならないのか対処もせずベリアルの身体に当たっては消滅していく。
しかし、ティアマトにはまだ手が残っていた。
(尻尾で首を……!)
「ほう……」
[Aaaa────……、Aaaa────────!!! ]
海面に忍ばせていた尻尾を使いベリアルの首を背後から締め上げることで彼の動きを止めたティアマト。
それと同時に魔力の充填が溜まり、狙いをベリアルへとロックオンする。
だが一度目とは違い対処するだけの時間がある。ベリアルは右手にエネルギーを溜め込み、ティアマトの極太光線を光線で打ち返す準備を始める。
光線を発射するだけのエネルギーを溜め終えると、ベリアルは先ほどと同じように咆哮でラフムの突貫やティアマトの角を退け構えを作る。
────────その時だった。
「「ベリアルさんっ!!」」
「!?」
(立香ちゃんにマシュちゃん、どうして!?)
「私たちに何かできる事ありますか!!」
ケツァル・コアトルの使役する翼竜に乗ってベリアルの傍まで飛んできた立香とマシュ。
この戦いで何か出来ることはないかと、ベリアルのことを援護できないかとやってきた2人に視線を奪われたその隙を、ティアマトが逃すはずがなかった。
自在に伸びる角2本を使ってベリアルの左腕を縛り上げ何も出来ないように封じ込める。
[AAAAAAA────────!!! ]
「チッ! 小賢しい真似しやがって!!」
そうしてティアマトは2本ある極太の光線の内の一本を収束させ、立香とマシュを狙った超高密度の極細の光線を放ち、もう一本の方は普通にベリアルに向けて放たれた。
咄嗟のだったためベリアルは自身に当たる光線は無視して、エネルギーの溜まった右手を立香たちの前に出すことで彼女たちを守る。
「グウウッ!!!! ガアアアアアアッッ!!!!
「べ、ベリアルさんっ!!」
「ああもう何やってんのよ立香、マシュ! アンタらが母さんに太刀打ちできるわけないでしょ! とっとと下がりなさい!!」
ベリアルが自分たちを守ってくれたことに驚き動けない2人のことを個人の飛行手段を持つイシュタルが戦線を離脱させる。
だが、彼女たちが完全に当たらない場所へ移動するまで守り続けなければいけないベリアルは、腹部と右手に光線の直撃を一身に受ける。
[AAAAAAA──-!!! Aaaa!!!! ]
ダメ押しで2本の光線に更なる魔力を流し込むティアマト。流石のベリアルでも苦悶の表情を浮かべながら耐え続けていたが、ベリアルの右手は光線を放つために膨大なエネルギーが集約されていたこともあり、ティアマトの攻撃を一身に受けた結果ベリアルの手の中で暴発し、その煙がベリアルを包んだ……。
「…………アイツを全面に信頼しているアンタらじゃ理解が追いつかないかも知れないけど、これが現実。あれが母さんの力よ」
「うそ、ですよね……先輩……」
「ベリ……アル……さん……」
きっとベリアルなら大丈夫、煙の中から無傷で現れてティアマトの事を倒してくれるはず。そんな幻想が、破られてしまった。
右手に集約していたエネルギーの爆発によってベリアルの右手は肘から下は跡形も無くなり、腹部には大きな風穴がぽっかりと空いてしまっている。
それを確認してベリアルの首を縛っていた尻尾と左手を封じていた角を戻すと、あのベリアルが膝をつき水飛沫が上がる。
「ハア……ハア……ハア……グッ!?」
[[[[[[[シャハハ! イマダ イマダ イマダ イマダ イマダ!! ]]]]]]
ベリアルの防御を破れなかったラフムたちが一斉に海の中から飛び出し、腹に空いた風穴を、腕の露出した肉面を抉り喰らい始めた。
いくら外が硬くても中身は弱い。それはベリアルも同じだったらしく露出した肉面が抉られる痛みから口から大量の血を吐き出す。
肉を内側喰われ、このまま海へと沈んでいくこれで自分の勝利は揺るがないものになった。それを示すかのように歌声のような叫びを空へ向かって響かせようとするティアマト。
「どこを見てる、ティアマト?」
ゾクッ! と、理性を失ったはずのティアマトが恐怖を、死という概念そのものが存在していない筈のティアマトの脳裏に死のビジョンが頭をかすめる。
そんなはずはないと空へ向けていた顔をベリアルへ戻そうとすると自身の頭を鷲掴みにされる。
「このままやられっぱなしは性に合わねえからな。ハァアアアアアアッ!!!!!」
渾身の力で、ベリアルは左手だけでティアマトの巨体を持ち上げて投げ飛ばして見せた。
もう死に体の身体の筈だ。ラフムたちに肉を喰われる苦痛が全身を襲う中で何故それだけの力が出せる。
そんな疑問よりも今は一刻も早くベリアルを消滅させなければいけない。投げ飛ばされながらも態勢を立て直し、更に口から魔力の塊を吐き出しベリアルへと放つ。
「お前の恐怖はこの地に、アイツらに刻みこんだ。しばらく眠ってろ」
[Aaa……aaa……]
ティアマトの攻撃が直撃し倒れながらも左手を伸ばし、その手を握りしめるとティアマトを包み込むようにドーム状の膜が出来上がり彼女のことを閉じ込めた。
そして海面に倒れたベリアルはラフムたちに引きずり込まれるように海中へと沈んでいった。
「嘘……ベリアルさんが……負けた……。私のせい……?」
ベリアルさんが負けた……。私が余計なことをしてしまったから?
絶望に打ちひしがれる私たちの元届くアナちゃんの言葉
「絶望を砕き続けろ」ってどういう事?
次回、Fate/Grand Order〜Bの因子〜
「絶望を超えて行け」
ジーっとしてても、ドーにもならないよねベリアルさん!!
【短髪キングゥ】
自分だけの心を獲得したためいつまでもエルキドゥと同じではいられないと考えた結果シドゥリに髪を切ってもらうことにしたキングゥ。
実際自分で姿を変えられるから切ってもらう必要はなかったけどそれはそれ、気持ちの問題。
【ティアマト】
とある理由から絶対にベリアルと敵対する海から現れ出でる怪獣、世界を自分の闇で覆うとするその力。海から無限増殖するラフム、そして女神態とまだ形態を残しているところからガタノゾーアとゾグが合わさったかのような化け物。
本編では大角を魔力で大翼に変えて空を飛んだがベリアルが相手だったため強力な魔力砲として使用するなど理性がないながらも応用のきいた戦い方が出来る。
【ベリアルコクーン】
海に沈む寸前にベリアルがティアマトに張った膜。巨大化した状態で張ったものなため5章で作ったものよりも強度は高いがどれだけ中にいるティアマトを抑え込めていられるのかは不明。
正直ベリアルさんが強すぎるせいでどう負けさせればいいのか悩んだ作者……いっつもゼロやジードに負けてる姿見てるのに……。
感想、評価お待ちしてます