乃木さんちの青葉くんはこんな感じである 作:ቻンቻンቺቻቺቻ
僕と姉が産まれ育った家を取り壊す事が決まった。
天災の折りに電線が断線してショートした火花から燃え広がり全体の半分が炭と灰になったかつての僕達の家。前々から「いつまでもこのままにはしておけない」とどうするべきかの話は時々していたのだが、両親と祖母の行方が掴めなくなって半年たった今、ようやく僕と姉は半焼した我が家を取り壊す決断ができた。
「何度みても酷い有り様だな」
「ボロボロだねぇ」
「…………」
燃えて無くなった所を申し訳程度にブルーシートで隠した武家屋敷風の民家、僕は入院していた病院から直接丸亀城の寄宿舎に移ったのであの天災以来では初めて家に帰ったのだ。
「こんな状態で半年放置したんだ、危ないから中に入りたいなんて言ってくれるなよ」
「うん、改めて中を見たくなる程家の事を忘れちゃいないさ。大丈夫。」
「…………」
それでも鍛練に忙しい姉が時間を割いてここまで一緒に来てくれたのは不器用な姉なりの優しさなのだろう。あの天災で多くの大切な物を無くした僕達姉弟が、それでも大切な物を記憶に焼き付けておけるように考えてくれたのだ。
「明日からだったっけ?取り壊し」
「あぁ、大社を通して依頼した業者がキレイサッパリやってくれるらしい。」
「そっかぁ、これで見納めなんだね」
「…………」
風に波打つブルーシートが、物悲しい。あのシートに隠された部分は丸々祖母の部屋で、日本舞踊を嗜む祖母に舞踊における踊りの動作、いわゆる足運びを教わったりしたものだ。
「なんにも無くなった後に父さんと母さんと婆ちゃんが帰ってきたらきっと驚くだろうね」
「……だろうな。そうなると、いいな」
「…………」
先ほどから一言も喋らない幼馴染の顔が歪む。何故なのかなんて問うまでもなく、僕ら姉弟の為だ。音もなく涙を流す幼馴染は、泣かないと言葉を交えずに決めた僕達の姉弟の代わりに涙を流してくれている。
「ひなた」
「ひなちゃん」
「…………」
『ありがとう』
僕達姉弟は幼馴染がいるから今もこうして強がっていられるのだ。家族を失い、腕を失い、これから家を失う。それでも、一番大切な幼馴染がいるから僕らは笑っていられる。
最近、硬さを増した指で幼馴染の頬を滑る大粒を拭う。白く柔らかい肌を傷つけないように優しく、そっと。 姉が反対の頬をフワリと柔らかく撫でて水滴を隠した。
「帰ろう、丸亀城に」
「久しぶりに三人で出掛けてるんだ、寄り道していかないか?」
「いいね」
「…………」
「行こう、ひなた」
「行こうよ、ひなちゃん」
「……はい」
家が無くなったとしても、僕の帰る場所は姉と幼馴染のいる場所と決まっているのだ。今は丸亀城が僕達の家だ。
これから壊れる僕達の産まれた場所に背を向けた。
─────
僕達三人が買い物をする時によく足を運ぶ商店街に到着する頃には幼馴染の涙は治まり、いつもの暖かみのある優しげな表情に戻っていた。
天災の影響なのか以前より活気の衰えたように感じる商店街はそれでも見慣れた風景で、馴染みのコロッケ屋のおじさんが僕達三人で歩いているのを見て驚いた顔をしていた。
「三人組じゃないか!久しぶりに見たな!」
そう言われるだけ商店街に顔を出してなかったのだろう、記憶を掘り返せば確かに最近は三人で出掛ける事なんて余り無く、出掛けたとしても丸亀城の周辺で用事を済ませてばかりだった。僕自身だけで言えば天災以来では初めてこの商店街に来たのだ。
「坊主の腕……そうか、これ持ってけ。お見舞いだ」
「いいの?ありがとう」
「ほら、嬢ちゃん達のもだ」
『ありがとうごさいます』
肩からペタリと垂れ下がる左袖を見てコロッケ屋のおじさんは中身が無いと見抜いたのだろう、食べ歩き用の小さな紙袋に揚げたてのコロッケを入れて渡してくれた。
祖母の代からずっとお世話になってる商店街なだけあって殆どの人達が僕達の事を知っていて、立ち寄った先々で似たようなやり取りを繰り返しては気付けば僕達の財布の中身は減らないままちょっとした食べ歩きツアーのようになってしまった。
「うーん、こうもタダでいっぱい食べると謎の罪悪感が沸いてきたよ」
「青葉もか、私もだ」
「そろそろ、帰りましょうか」
春が近いとはいえまだ日が落ちるのは早い、刃物男が何処に潜んでいるのか解らない以上暗くなり始める前に丸亀城に帰りたい僕に反対する理由はない。
三人揃って丸亀城に帰るために歩きだす。
「今日は久々に休日にじっくり羽を伸ばせた気がするな」
「若葉ちゃんはいつも頑張ってますから」
「若姉さんはやる気スイッチのオフが無いからね。今だって生大刀を持ち歩いて、常在戦場だもんね」
「そういう青葉こそ、そうだろう?」
姉が当たり前の事を問われたかのように小首を傾げて僕の左袖を指差す。ドキリと胸の内が跳ねた。
「クリスマス位から袖に木刀か何か仕込んでるだろう」
「そうなんですか青葉ちゃん?」
「何故バレたのか」
風が吹いてもなびかない袖、不意な物事に反応して左袖に伸びる右手、中身の無いはずの袖なのに何かにぶつかれば音が鳴るなどと列挙する姉にはもう閉口するしかなかった。とどめに「隠してるつもりだったのか?」とも言われてしまえばもうどうにもならない。
「やっぱり若葉ちゃんはお姉さんですね、青葉ちゃんをよく見ています」
「何を今更、当然だ」
「まったく、若姉さんには敵わないなぁ」
鼻息荒くどうだと言わんばかりに胸を張る姉の動きに、麦穂の優しい色合いの金糸がサラリとゆれる。僕と同じはずのその髪色がこの世界に唯一無二の、どんな黄金よりも尊いと思える。
自慢気な姉の顔が、不意に萎れる。
「青葉の目指す"日常の居合"、それを否定するつもりはないが、それでも武器を持ち歩くのはどうかと思うぞ?……左袖のそれ、木刀とは言ったがどうせ仕込み刃なんだろう?」
姉は僕の事をどこまで見抜くのか、きっとどこまでも見抜くのだろう。
「ほんと、敵わないや」
「青葉ちゃん、護身用ならせめて刃物はやめましょう。危ないですから。」
「その内やめる~」
姉と幼馴染が顔を見合わせていつもの溜め息を吐く。日常だ。
「ずっと、剣士としての青葉に対して侮辱になりうると思って言わずにいたが……この際だから言うぞ」
「んー?」
「私は、青葉に微かな争い事からも離れていて欲しい。私に護られていて欲しいんだ」
言いたい事は解る、僕は油断など無くても簡単に四肢を落とすほど脆く、弱い。対して姉は強い。
普段のじゃれあいのような格闘術の組手では大差なんて無いが、勇者としての力を全力で使用すればこの差は超人と子供の差に広がるだろう。勇者としての力が全開ならば僕は杏にだって軽く負ける程度だ。そんな僕が武器を持ち歩いて備えるのが不安なのだろう。
立場が逆ならば僕も同じ事を考える。逆ならば、良かったのに。
逆ならば、姉が、戦いの義務を背負う所を見なかったのに。
「それでも、答えはわかってるんでしょ?」
逆ならば、同じ事を考える。それは、姉も一緒だ。
姉は、僕が譲らないのを、知っている。
「自分に出来ることを……か……例の刃物男から私達を、クラスメイト達を護りたいのだろう?」
「そーゆーことさ」
「袖に仕込み始めたのも、刃物男が出てきたのも同じ時期だったものな。解りすぎるのも、嫌なものだ」
「青葉ちゃんはいつもブレないですものね」
色々な感情が入り交じるが、それでも三人で顔を見合わせて笑う。この一時が一番心の底から安らげる。
この一時に、不粋なくぐもった悲鳴が割り込んだ。
「今のは?」
「あの路地からですね」
また、路地裏なのか。こんな短期間で似たようなトラブルに遭遇するものなのだろうか。異変の正体を確かめるべく、姉と幼馴染が少し先の路地裏に向かって歩みを進める。僕は頭の何処かが警鐘を鳴らすのを感じながら二人に続いた。
「あれは!」
「大変!」
除き込んだ路地裏の先に腹を押さえて座り込む、恐らくはまた浮浪者の壮年、両手で押さえた腹が赤く滲んで見える。壮年が震えながらも所々を腫れさせた顔で此方を睨み付けて小さく首を左右に振っていた。
──何故?何が?
壮年のその顔に思考を割いてしまったのが悪かった、止める間もなく幼馴染が壮年に向かって走り出す。
──なんで!なんで見知らぬ誰かのために咄嗟に駆け出してしまうほど君は優しいんだ!
「駄目だ!ひなちゃん!」
止めようと伸ばした手が宙を切る。追い付けなかった杏の時もそうだった。彼女達は余りにも優しすぎて、誰かの為ならば常の力を越えてこんなにも頑張ってしまう。
「待ってて!」
詳細を告げずとも、姉ならば伝わる。
幼馴染を追って駆け出してすぐに追い付く事ができた。できたが、遅かった。
「駄目だぁ、逃げぇ!」
視界の先で壮年が絞り出すような震え声で叫ぶ。表通りからは見えなかった路地裏の死角に、もう一人の浮浪者がいた。いつかみた半分の顔が、テレビでみた似顔絵の顔が弓形に口を歪めて何かを振り上げていた。
それが何かを確かめる隙は無かった、抜刀する間もない。僕はただ、幼馴染に飛びついて全身を盾に抱き締めるしかできなかった。
パツ、と左肩で裂ける音を聞いた。
「青葉アァァァ!!」
姉の咆哮。僕は生きてる、幼馴染は硬直しながらも胸の中に収まっている。
「またお前かクソガキィィィイ!」
足がもつれたのか腰が抜けたのかその場に崩れ落ちる幼馴染を抱き締めたまま一緒に僕も倒れた。左肩から背中まで走る痛みは切創の冷たい痛み、傷口は長いようだ。でも、生きてる。
幼馴染から手を離して狂乱する刃物男に対峙する形に片膝立ち、背に庇う幼馴染に絶対に触れさせてなるものかと刃物男を睨み付ける。いつか感じた震え上がる程の恐怖は無い。
視界に入れた男は、順手に持った小刀を引き戻して振り上げようとしていた。
「ひなちゃんを、狙ったな!」
──その子は、僕の、大切だ!
既に抜刀だけならば健常の居合剣士と張り合える。脳髄を焼く激情のままに左袖からの抜刀、男が振り上げきる前には構えていた。柄を逆手に持ち、手首を曲げて上腕に峰を沿わせる。力でも体勢でも不利ならば、その他の要素で受けきってみせる。
「毎回邪魔しやがって!」
「ああああぁ!」
一撃目は真っ直ぐの振り下ろし、小刀で受け止めて、まるごと押された腕をまた額で更に受け止めて堪える。腕が潰れて鈍痛が響くが指の力は抜けない、骨は無事だ。だが、全身で力んだせいか傷口から熱いものが吹き出すのを感じる。全部まとめても、腕を喰われた時より痛くない。
鉄の打ち合いに、火花が咲く
「死ねよ!」
「断るぅぅぁぁ!」
二撃目は袈裟斬りの斜め軌道。指で回した小刀を順手に持ち変えての掬い上げる切り上げを袈裟斬りに打ち合わせて軌道を真横にずらさせるが、力が足りなく逸らしきれなかった鋒が左眉の上を掠めた。引っ掛けられた皮膚が裂ける。また肩の傷から熱いものが吹き出す。狭まる視界に恐怖を感じるが、背の幼馴染に傷つけられる方が怖い。まだ耐えられる。けど、吼えなければ心が折れそうだ。
鉄の滑り合いに、火花が流れる。
「クソガキがぁ!」
三撃目は突きだった。真っ直ぐ胸に向かって突き下ろしてきたそれを避ける事はできなかった。
避ければ幼馴染に届きうるそれを半端に残った左腕の二の腕を盾に捨てて受け止めた。貫通した鋒が懐の携帯電話に当たって止まる。怖くてたまらない。痛くてつらい。でも背の大切が傷つけられる位ならまだ戦える。
「ああう"う"う"う"!」
鉄が肉を喰い抜き、血飛沫が散る。
痛みと恐怖に喰い縛る歯が、軋む。それでも、
──この触れ合う距離なら、僕の短い腕でも、心の臓に届く!
四撃目は無かった。弓のように引き絞った右手を突きだす前に駆け寄った姉が、見事な峰の一撃で男の意識を断絶させた。男が僕の二の腕に小刀を残したままズルリと崩れ落ちる。
「青葉ァ!大丈夫なのか!」
「青葉ちゃん!血がっ!血がぁっ!」
抜き身の生大刀を片手に僕に詰め寄る姉と後ろから腰に抱きつく幼馴染。腰の衝撃に、意地でも離す気が無かった得物が手からこぼれ落ちる。
「はえぇぇ~、すげぇもん見た」
恐らくは僕よりは重症なはずの壮年の浮浪者が呑気な声で眼を剥いていた。見た目より傷は浅いのだろうか。
「あっ、僕生きてる?」
ふと思い付いた疑問である、街中での突然の切り合いなんて時代錯誤な事を大人と子供でやらかしたのである、子供側の僕が死んでいてもおかしくない。
「生きてるけど青葉お前真っ赤だぞ!」
「青葉ちゃんが死んじゃう!またっ私のせいでっ!」
久しぶりに見た姉の心底からの焦り顔と脇腹越しに見た茜色の瞳が溺れそうな程に涙を流す幼馴染に、切り合いという非日常が終わったのだと感じる。そして、非日常を感じていた事に僕の望む"日常の居合"の遠さもまた実感してしまった。
「やばい、痛い」
「だろうな!」
「ああっ救急車呼ばなくちゃ!」
「俺にも頼むよ嬢ちゃん、腹を刺されてるんだ」
「でも腕食べられた時より大丈夫っぽい」
「それでも救急車だ!」
場が混迷してきたが、やらねばならない事がある。
「若姉さん、そいつ縛るかとどめ刺すかしないと」
「なんでお前はそんなに冷静なんだ!……縛っておく」
「血が抜けてるからかな?」
納刀した姉が放置されてた行灯看板からコードを引っこ抜いて刃物男を縛り付け、幼馴染が半狂乱になりながらスマートフォンで救急車を呼ぶ。
「おじさんはなんで刺されてたのさ?」
「嬢ちゃん達を釣り上げる餌だってよ、ボコボコに殴られて引き摺り回されて刺されたわ」
「酷い話だね」
「だから何故重症人のくせに二人とも冷静なんだ!」
「救急車が二台で全身真っ赤とお腹開いてます!」
救急の電話口の人と会話が成り立ってるか怪しい幼馴染、腰に抱きついたままのその腕を優しくほどき体ごと振り返って幼馴染の頭を包むように抱き締めて陽光に輝く黒髪を撫でる。僕は、また泣かせてしまった。泣かせてしまったが、守れた。
「大丈夫だよひなちゃん、僕は生きてる。腕を落っことしても生きてたんだから大丈夫」
「あぁっ、青葉ちゃん!青葉ちゃん!」
「もしもし、場所は──」
スマートフォンを放り投げてまた抱き締めてきた幼馴染、こうして見た感じやはり幼馴染に怪我は無いようだ。背中に回された腕が傷口に触れてとても痛むが、この痛みが誇らしい。平静に戻ってきた姉が地面に落ちたスマートフォンを拾い上げて通話を引き継ぐ、このまま姉に任せておけばいずれ救急車は来るだろう。
「あっ、忘れてた」
泣きじゃくる幼馴染にされるがままになりながら本来の用途とは別に僕の命を護り、大いに助けてくれた携帯電話を懐から取り出す。鋒を画面で受け止めたそれは今の僕と同じようにボロボロで、砕けた画面に本来の用途を果たせるのか疑問だったけどボタンを押せば確かに軽い電子音が鳴った。押したボタンは一番、耳に電話を当てる。
ワンコール分の呼び出し音ですぐに聞き慣れた声の馴染みの薄い真面目な声が耳を打つ、その迅速な対応に格闘術の先生の本質は普段の軽薄な振る舞いではなくあの熱い瞳なのだろうと思考がズレた。
『どこで、なにが』
ズレた思考のまま考える、なんとなく報告しなければと掛けた電話だったがどう状況を説明したものか。チャンバラしました、捜査の邪魔になったかも、怪我人が出ました等と言葉が頭の中に沸いては弾けるので取り敢えず僕は万感の思いを込めて宣してみた。
「やったぜ!」
『はぁ?』
「青葉、すぐに救急車が来てくれる。まだ頑張れるな?」
「ごめんなさい青葉ちゃん!ごめんなさい!」
「やべー、おじさんちょっと朦朧としてきた」
『何が……田島ァ!GPS確認しろぉ!』
電話の先も混迷しているらしい、格闘術の先生の怒鳴り声とガシャガシャと何かの機材をいじる音が聞こえる。
「あっ」
「青葉、痛いのか、もう少し耐えてくれ」
『救急車ってどういう事だ!誰がそこで泣いてる!』
再び詰め寄る姉の顔に色濃い不安の影。
「この場合のやったぜは多分若姉さんが言うべきじゃない?」
刃物男を気絶させたのは姉の一閃、捕らえたのも姉の手によるもの、僕はただ凶刃を受け止めただけなのだ。姉がいなければ僕はいずれ押しきられて幼馴染を護りきれなかっただろう。姉にまた、護られたのだ。
それでも僕の大切は、僕が護れた。
「どうでもいいっ!大人しくしてろ!」
『状況!説明!しろォ!』
ステレオの怒鳴り声。なんとなく、この怒鳴られてる状況が心地よい。
背中の熱が怠さに変わり始め、頭がフワフワと浮くような感覚が迫る。
「ひなちゃん、僕らは生きてる。もう、大丈夫なんだ。大丈夫なんだよ」
近付いてくるはずのサイレンが遠ざかる音を耳にしながら、気付けば何も握ってなかった右手で幼馴染の頭を包むように撫でる。
手の甘やかな感触に、心満たされた。
赤葉くん
家なき子、何があっても姉と幼馴染がいるなら頑張れる。どんなに怖くても幼馴染の為なら躊躇わない。懐の最強は武器ではなく防具だった。大人相手に三合(二合?)耐えれた。やったぜ!
若葉さん
家なき子、ワンショットワンキル、華麗なヘッドショット。滅多に無い弟の大声に従ったらちょっと離れた場所でバッサリやられてた、それは、私の、逆鱗だ、報いを受けろ!弟がいつも通りだから落ち着けた。
ひなたちゃん
慈愛発動の結果幼馴染がいびつな赤い噴水になる。フラッシュバック。滅多に無い幼馴染の叫びと呻き、フラッシュバック。あーあ、泣いちゃった。
「ひなちゃんを、狙ったな!」と滅多に無い怒鳴り声を上げた幼馴染に眼を向けると、赤い筋の通った背中が見えました。聞き慣れない大人の怒号に叫び返す幼馴染はいつものぽやぽやした雰囲気とは違い、その背中だけでも激しく怒りの感情を抱えているのがわかりました。金属音の瞬間、赤い筋が赤い帯に変わり鉄の臭いを撒き散らしたんです。「あ、血」と気付いたときには二度目の金属音。帯の中心から吹き出した赤が私の頬にまで飛びました。獣のような息遣いの幼馴染の普段に無い攻撃的な叫びに身がすくみ、幼馴染と見知らない大人がぶつかり合うように重なった時の幼馴染の怯えた獣の威嚇のような呻き声に、いつかの火炎に身を焼く幼馴染の姿が脳裏に甦ったんです。「青葉ちゃんが、死んじゃう」全てにおいて理解が及ばないまま、私はそう思ってしまいました。私の大切が死んでしまう。その恐怖に一度思考が白く染まり、気付いた時には幼馴染の腰に抱き着いていたんです。見上げた幼馴染の横顔はいつものぽやぽやした顔でした。特に深い意味の無い青葉くん視点以外の練習です。
刃物汚とこ
追い詰められた結果生きた人間を釣り餌にする、これには戦場のゲリラやスナイパーもニッコリ。青葉くんを赤葉くんにしてワンアウト、ひなたちゃんを危機に晒してツーアウト、若葉さんという最大戦力に気付かなかったのでスリーアウト、チェンジ。代打に立った若葉さんにホームランされる。
善の汚っさんB
踏んだり蹴ったりな餌、活きが良い。
格闘術の先生
また子供に頼られる、ニッコリと思いきやイタズラ電話かな?いいえ、勝鬨です。
田島
怒鳴られる。
─────
何故のわゆ原作なのに人間同士の似非剣客バトルになるのか。違うんです、プロットの段階ではもっとマイルドでポップな話の予定だったんです。
誤字報告ありがとうございます。