乃木さんちの青葉くんはこんな感じである   作:ቻンቻンቺቻቺቻ

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46:買い物する感じの外出、もしくは飛ぶ話

「青葉くん、何か気になる物でもあったの?」

 

「ん、植木鉢」

 

 幸せな気分になれたお茶会が記憶に新しい二月の下旬、未だに元旦のテロ実行犯が存在をほのめかしたカルト集団を特定できていない状況のため単独行動を避けるように厳命されている勇者達。そんな状況の中でも物を使えば消費するし消耗するのは当然で、そうなればちょっと買い物に行きたいという事も当然有り得るし、『ちょっと買い物に付き合って欲しいな』と言われれば付き合うのもそれなりに当然である。

 

「植木鉢ぃ? なんだって急にそんなもの」

 

 暇を持て余していたらしく散歩変わりに着いてきた球子の訝しむ声に振り向けば声の通りに訝しむ表情をした球子と膝に手を当てて屈んだ友奈が僕の見ていた植木鉢をまじまじと覗く姿。はたから見れば中学生三人が花屋の店舗前に無造作に置かれた空の植木鉢に注視する不思議な光景なのだろう。

 

「ん、実は僕もなんか新しい事やってみようかなって考えててさ」

 

 脳裏に浮かぶのは空いた時間に時折お菓子のレシピ本を捲る千景の穏やかな表情。聞けば学校の調理実習以外ではあまり料理をしていなかったと言う千景だが前回のお茶会から料理への意欲が湧いているらしく、そんな新しい事に挑戦している千景を見て僕も居合以外にも手軽にできる趣味を探してみようとおもったのだ。

 

「ぐんちゃんのお菓子作りの影響?」

 

「ん、そんな感じだね」

 

 そして、たまたま植木鉢が目に留まった瞬間に何か植物でも育ててみようかとピッカーンと思い付いたのだ。本格的にやるなら別だろうが部屋の片隅で軽くやるなら肥料と水やりを忘れなければ隻腕でも簡単そうだなと思ったのである。

 

「それで植木鉢って、盆栽でもするのか?」

 

「ん~、花でも育ててみようかなって思ったけど盆栽も有りかもね」

 

 丸亀城には警備との兼業ではあるが立派な庭園を管理する庭師もいるのでちょっとしたアドバイスを貰いながら挑戦できるかもしれない。

 

「ぽやぽやしながらお茶啜ってるやつが盆栽って……実は青葉の中身お爺さんだろ」

 

「僕がお爺さんなら同い年のタマっちもお婆さんになるんじゃない?」

 

「残念だがこれは青葉にのみ適用されるルールだ、タマがお婆さんになるのは後数十年必要だな」

 

「そっかぁ」

 

 僕が盆栽をするとお爺さんになるらしい、別に急激に老けたりしない限りお爺さんと呼ばれる程度ならどうって事無い気がする。どうって事は無いが今回の買い物で色々と買い揃えるつもりは無いのでそのまま花屋の前から離れて歩き出す。

 

「ねぇ二人とも」

 

「ん?」

「どーした、友奈」

 

 商店街で目的だった買い物を終えて余った時間で宛もなくブラブラと歩き回る中で文房具の入った紙袋を手に持つ友奈がほんのわずかに眉間を寄せた難しい顔をして口を開く。

 

「今更かもしれないけど……なんだかスッゴく注目されてるよね私達」

 

 首を動かして周囲を見回す友奈に釣られたのか球子も同じように周囲を見回す。商店街を行き交う人達は僕達三人には数歩の間合いを開けて近付いては来ないものの多くの人達が僕達に視線をよせていた。

 

「あぁ、うん。そりゃそうだろ」

 

「タマちゃんは何か心当たりあるの?」

 

 納得している風な球子に小首を傾げる友奈。

 

「ほら、それ」

 

 訊ねられた球子が指を指し示したのは友奈の腰、そこには快活な雰囲気の服装に似合わない神々しくも重々しさを感じさせる手甲、友奈の神具である天ノ逆手が赤い紐で吊り下げられている。

 

「それにコレもだな。」

 

 そう言って体全体を反転させて見せられた背中には活動的な服装の球子の雰囲気のせいかなんとなく変わったデザインの肩掛け鞄に見えなくもない感じで背負われている球子の神具である旋刃盤。

 

「勇者のタマ達が武器持って商店街歩いてんだ、そりゃかなり目立つだろ」

 

「あっ! ……そうだよね、普通は武器なんて持って歩かないもんね、感覚が麻痺してたよ」

 

 やれやれと言わんばかりの球子にハッとした顔をする友奈。大社が安全確保のため勇者達に単独行動の厳禁と同時に厳命した神具の携帯をしっかりと守るが故に注目を集めているのだろう。ただでさえこの四国内にて絶対的な知名度を誇る勇者が元旦の演武でも見せた神具を携えているとあらばこの結果は当然だと思う。

 

「友奈の感覚の麻痺はあれだ、このアンポンタンのせいだろうな」

 

「ん?」

 

 なんて事無いように言いながら僕の肩を小さな手でてしてしと叩く球子。なんなのかと球子の顔を覗いて見れば呆れの表情で覗き返された。

 

「このアンポンタンがこの現代日本で堂々と街中を二本差しして歩いてるせいだろ。青葉は、ここにはいないけど若葉も、居合にガチ過ぎて刀を持ってても違和感無さすぎるせいだと思う」

 

「若葉ちゃんも常在戦場って言いながらいつも生大刀持ち歩いてるもんね」

 

「タマ達は居合姉弟のせいで武器が身近過ぎるんだ」

 

 なんか凄い許可証を今回も活用してみたのだがそのせいで武器の携帯の違和感を持たなかったと主張する球子。僕が思うに二人が違和感を持たなかったのは常日頃の鍛練で自分達が武器に馴染んでしまっているからなのではないかと思わなくもない。

 

「旧刃物男からその称号を奪った刃物男子のせいでタマ達の感覚が狂っちまってんだろ」

 

 たしかに刃物を持ち歩いてはいるがその呼び方は辞めて欲しい。

 

「青葉くんは刃物が似合うんだね」

 

 屈託のない笑顔の友奈、きっと悪気なんて一欠片も無いのだろう。

 

「つーかよ、目立ってるのはタマと友奈だけじゃなくて青葉も理由の半分はあるだろ」

 

「んん?」

 

「んん? じゃねーよ。カメラの前で派手に飛んで隠してた手裏剣とか短い刀を人にぶん投げた似非忍者がとぼけんな。お前は刃物男なのか忍者なのかはっきりしろよ」

 

「居合剣士だよ」

 

 何故か責めるような口調の球子。僕は邪道ではあるが居合剣士である、これだけは譲れない。

 

「そう言えば青葉くんも変な意味で有名人だったね」

 

 納得した様子の友奈が「武装中学生が三人」と小さく呟く。字面だけを見るならばとんでもない不良集団に思える。

 

「更に今更かもしれないけど……青葉くんが平然と刀を持ち歩いてるのってもしかしてツッコミ待ち?」

 

 勇者が神具を持ち歩くのは護身のためであるが急なバーテックの襲来に対して迅速に対応するためでもある。対して一般人である僕が帯刀している理由を友奈は訊ねているのだろう。

 

「変な人が寄ってこなくなるから持ち歩いとけって大社の人が言ってた」

 

「へー」

 

 変な人どころかありとあらゆる人が僕達三人から数歩の間合いに入ってはこないあたり効果は抜群らしい。

 

「この刃物男、大社公認かよ。世も末……末になりかけだったな、本当に今更だった」

 

「青葉くん、ブラックジョークはコレくらいの黒さを参考にするといいんじゃないかな」

 

「んー、絶妙だね。ちょっと難しいや」

 

 世の末になんかさせるつもりなんて一切無いであろう球子が言うからこそこの黒さなのではないだろうか。

 こんな感じでぐだぐたと駄弁りながら街をブラブラしているとなんとなく気付いた僕たちの後ろをずっと着いてくる足音、三人横並びで歩いていたのをそっと一歩分遅れるように調整して歩いて振り向けば歩きスマホをしているように見せ掛けたくたびれたジャージ姿の若い男。スマホのカメラ部分が不自然に球子と友奈に向けられていた。

 

 足を止めて腰の相棒の柄に手を乗せて体を半分振り返らせてジャージ男を見つめてみる。

 

 手元のスマホから視線を動かさないまま動きを止めたスーツ男、もしかしたら発生するかもしれないと睨んでいた勘違い野郎なのかもしれない。

 

「盗撮は、犯罪らしいよ」

 

 僕の勘違いかも知れないが、警告代わりに諌める。もしも本当盗撮している変質者だとして、こういう輩は次第に行動がエスカレートするかも知れないから見つけ次第多少強引でもかまわないから追い払えと格闘術の先生は言っていた。

 

「消して消えろ、じゃなきゃ消す」

 

 何をとは言わないが精一杯の脅し、実際にそんな事はできないが言うだけタダであるし僕の勘違いならごめんなさいで済む程度だと思う。

 

 ほんの数秒の間の後、その場でスマホを操作する指の動きをしたジャージ男がスマホをポケットに入れて何も言わないまま震える足取りで脇道へと進んで姿を消した。

 どうやら僕の勘違いではなかったらしい。写真だか動画だかは知らないが馬鹿な奴だ、「ファンなんです、一枚写真お願いします」と正面からお願いすればあの二人はかなり戸惑うし照れるだろうけど無下にはしないだろうに。

 

「おーい、何やってんだよ青葉ー。おいてくぞー」

 

「また何か見つけたのー?」

 

 僕が足を止めている間に少し先に進んでいた球子と友奈が僕の止まった歩みに気が付いたらしく、こちらに振り向いて早く来いと呼び掛けて急かす。

 

「なんでもない、今行くよー」

 

 そう、なんでもないのだ。

 ちょっと買い物に出ただけで見ず知らずの相手から無遠慮に撮影されていただなんて二人が知っても気持ちの悪い思いをしてしまうだけだろう、僕が特に理由なくぼんやりと足を止めて楽しく買い物と散歩をしていた二人がそんな僕を急かす、それでいい。日々を鍛練に捧げて戦いに備える二人の大事な平穏の時間をわざわざ変質者を認識させて気分の悪いモノにするのはナンセンスに過ぎる。

 足を止めて僕を待っててくれる二人の元へと駆け足する。

 

 駆け足の途中で、懐のスマホが嫌な警報を鳴らした。

 

「わっ、樹海化!」

 

「やっこさん達、来やがったな」

 

 視線の先、言葉では驚きつつも慌てた様子を見せない友奈と鼻息強く戦意を燃やす球子。友奈がちょっと困ったように手元の紙袋を見てすぐさま思い付いたように駆け足のままの僕を見る。

 

「青葉くん、これお願い!」

 

 軽い力で放られた紙袋が友奈の手から控え目な放物線を宙に描いて反射的に動いた僕の手へと収まる。戦いに赴くのに余計な物を持っていたく無かったのだろう。

 

「任された、身命を賭して丸亀城に届けるよ」

 

「文房具に命かけるのは大袈裟だよ! 何かあったら迷わず文房具を捨ててよ!」

 

「文房具を捨てなきゃ死ぬってどんな状況だよ」

 

 目を丸くする友奈と燃やしていた戦意を一旦引っ込めて呆れの表情を見せる球子。

 

「そんなことより青葉!」

 

「ん!」

 

 気を取り直したようにやる気に満ちた表情を輝かせる球子の大声。二人が間もなく止まった時の中へと赴くと経験的に知っているので言葉短く返事を返す。

 

「文房具は任せたから四国は任せろ!」

 

 更なる返事を返す前に、二人の姿は消えた。

 幼馴染が神託に授かったかつて無い総攻撃の応戦に向かい、このまばたきよりも短い刹那の内に戦いを終えたのだろう。

 

「…………ッ」

 

 胸を締め付けながら内側をかき混ぜる嫌な感情のうねりに息が詰まる、今回も本来ならば姉の心は不安に蝕まれ怒りを激しく滾らせる程の戦いだったのだろう。

 

「勇者は四国の未来を背負い、ただの僕は文房具を任される……か」

 

 多分、意味なんて無い独り言。

 任されたからにはしっかりと皆が帰ってきているだろう丸亀城に届けようと、見送ったまま止めていた足を丸亀城へ向けて踏み出した。

 

 

 ─────

 

 

 遠い空を飛んで私達の方へとまっすぐ進んでくるたくさんの、本当にたくさんのバーテックス。きっと今日これから始まる戦いはとても大変で辛い戦いになるんだと目で見てすぐにわかるほどにたくさん飛んでいる。

 

「なるほど、星の数ほどとはよく言ったものだな」

 

「数で攻めるのを強力な範囲攻撃で阻止されたから……今度は一度や二度の範囲攻撃では殲滅されない程の数を用意してきたのかしら?」

 

 圧倒的な数でやってきたバーテックスを見ても全然動じてない若葉ちゃんの言葉にバーテックスの大軍を見てちょっとだけ眉を寄せたぐんちゃんが言葉を続ける。バーテックスはいつも前回の戦いで何が駄目だったのかを考えて攻めてくる、こうやってどんどんと手強くなっていくのはとても怖いことだと思う。

 

「なんだよ、タマ前回ちょっと本気出しただけだぞ……いずれ物凄い数で攻めてくるってのは元々予想してたじゃん」

 

「誰もタマっち先輩を責めてなんかいないよ」

 

 ぐんちゃんの言葉によってタマちゃんに視線が集まってタマちゃんがちょっとばつの悪そうな顔をして、アンちゃんが苦笑してなだめる。

 タマちゃんの言う通りバーテックスがいずれ物凄い数で攻めてくるのはひなちゃんが神託を授かる前から私達は何度も繰り返していた作戦会議の中で予想していた。勿論、予想したからにはアンちゃんとぐんちゃんが中心になって皆で色んな対策法を考えてきたので今回もきっと大丈夫なはず。皆で一緒に頑張れば、きっと大丈夫!

 

「そうだ、みんなでアレやろうよ! 皆で肩を組んで丸くなって『やるぞー!』ってやる奴!」

 

 皆で声を揃えて息も揃えればきっと連携の息ももっと揃うかもしれない、元気よく声を出せばやる気だってもっと湧いてくるはず。

 

「円陣か、いいな、やろう!」

 

「わわっ」

 

 乗り気になったタマちゃんがアンちゃんの手を引き寄せて肩を組み、反対側の手を若葉ちゃんの肩にまわす。私もすぐに合わせてくれたタマちゃんに嬉しい気持ちになりながらちょっと戸惑った表情になっていたぐんちゃんに手を伸ばす。

 

「ほら、ぐんちゃんも! 皆で息を揃えてバーテックスなんてやっつけちゃおうよ!」

 

「……うん」

 

 伸ばした私の手を掴むぐんちゃんのじんわりと暖かい手、戸惑いがちだったぐんちゃんの表情も暖かな微笑みに変わる。

 

「よし。リーダー、なんか号令かけろよ」

 

 円陣を組んだままニヤリと笑うタマちゃん。何を喋ろうか考えていたのか若葉ちゃんが一息二息の間の後に口を開いた。

 

「大社に行っていたひなたが言うには四国の外にも人類が生き残っている可能性が見つかったらしい……この四国以外にも人類の希望は見つかったんだ、希望がある以上私達は負けるわけにはいかない」

 

 北の大地北海道と南西の諸島沖縄にほんの微かにだけど生存者の反応があったらしい、もしかしたらそこにも私達と同じように勇者として戦っている仲間がいるのかもしれない。もしも本当に私達以外の勇者がいるのなら、いつか合流して一緒に戦えればいいなと思う。

 

「ひなたが教えてくれたことは希望の話だけではなくマイナスな話もあった、私達の切り札は肉体への負担だけではなく精神にも穢れ……心の毒を溜めてしまうことがわかったらしい」

 

 大社から帰ってきたひなちゃんがとても心配そうな顔で説明してくれた切り札と穢れの話、切り札をたくさん使うと心が不安定になっちゃうかもしれないらしい。

 

「不利を跳ね返す切り札にデメリットが有ると解り今まで以上に切り札を慎重に扱わなければならなくなってしまったが、それでも私達は希望のために、四国のために負けるわけにはいかない」

 

 若葉ちゃんの言う通り、私達はどんなに不利でも負けちゃ駄目なんだ、負けたら全部終わっちゃうんだ。

 若葉ちゃんの言葉に思い返すのは沢山の人の事、両親、丸亀城の人達、商店街の人達、奈良から一緒に四国まで来た人達、ここにいる大切な皆、ここにいない二人の大切な友達。私達が負けちゃったらみんななくなっちゃうんだ。そんなのは、嫌だ。

 

「私達は、絶対に負けるわけにはいかないんだ! 行くぞ、」

 

『おーっ!!』

 

 皆で揃えた大きな声が樹海に響き、お腹の奥底から元気が湧いてくる。

 

「作戦通りの配置に付いて下さい!」

 

 アンちゃんの指揮で近付いてくるバーテックス達に対して若葉ちゃんを先頭にした陣形に並ぶ、私は若葉ちゃんの右側で反対側にぐんちゃん。前回の襲撃の最初と同じ陣形。

 

「数を揃えただけで我等勇者を陥せると思うなぁーっ!」

 

 一番最初にバーテックスとぶつかった若葉ちゃんが相変わらずのいせいの良さで激しく跳ね回って次から次へとバーテックスをやっつけていく。

 

「私も負けてられないや……せやぁっ!」

 

 若葉ちゃんに殺到する一群から漏れて私の方へと流れて来たバーテックス達、その中から真っ先に私に噛み付こうとしてきた相手をその白い歯の上に拳を突き入れて弾き飛ばし、動きの流れに無理を作らないように間髪入れずに現れるバーテックスをやっつける。

 ちらりと視界に入ったぐんちゃんがくるりするりと大鎌を回しながらとても自然で綺麗な動きでバーテックスをやっつけているのが見えた。

 

「友奈、交代だ」

 

「うん、しばらくお願い」

 

「任せろ! 青葉にもそう言って来たしな……ん?」

 

 何度目かの交代の時、ニヤリと強気な顔で笑っているタマちゃんと交代しようとした時に空気を引き裂くような甲高い笛の音が耳に届く。

 

「あんずの合図だな、囲まれかけてるみたいだ」

 

「みたいだね、急いで移動しなきゃ」

 

 何度も繰り返した作戦会議の中で決めた事の一つ、バーテックスに囲まれ始めたらアンちゃんの笛の合図で急いで移動。笛の音を追い掛ければバーテックスの薄い所を見つけているはずのアンちゃんと迅速に合流しながらそのまま移動できるはず。

 

「あっ、見つけた! 合流するのは私達が最後みたいだね」

 

「そうだな……なんで一番前にいたはずの若葉がタマ達より早く合流できてるんだ? いや、若葉へのツッコミなんてもう今更か」

 

 笛の音を追い掛けて行き先を塞ごうとするバーテックスを無視してやり過ごしたりどうしようもなく邪魔なやつを蹴散らして走ればすぐに足を止めていた三人と合流。なんで足を止めていたんだろう。

 

「全員合流したな」

 

「そうだけど……なんで移動を止めてたの? 囲まれかけてるんじゃ?」

 

「状況が変わりました、あれを見てください」

 

 そう言ってアンちゃんか指差した方向には私達を包囲しようと動いているバーテックス達に隠れて進化しようと融合を初めているバーテックスの塊。

 

「わっ、いつの間に。全然気付かなかったよ」

 

「よく気付いたなあんず」

 

「えへへ……私達が包囲への対策をしている事を予測されて対策されるのも予測していたから、更になにかされるんじゃないかって移動しながらずっと観察してたんだよ」

 

 まるで自分の事のように誇らしげに褒めるタマちゃんと嬉しそうにするアンちゃんのいつものやり取りに樹海の中なのにちょっとほっこりしてしまう。

 

「さて、杏が予測していたのなら何か手は考えているのだろう?」

 

「勿論です」

 

「……頼もしいわね」

 

 いつになく強気な微笑みのアンちゃんになんとなくタマちゃんみたいな頼もしさを感じているとぐんちゃんも同じように感じたみたいでポツリと呟くように褒めていた。

 

「反転して包囲の厚い部分を抜けて最初の戦いの時の若葉さんみたいに融合途中の個体を叩きます」

 

「むっ……? 危険ではないか?」

 

「若葉の口からそんな言葉がでるなんておっタマげだな」

 

 訝しげな若葉ちゃんに本気で驚いている顔のタマちゃん、アンちゃんがそんなやり取りをよそに説明を続ける。

 

「あの融合を放置すればこれから先の戦いは進化体を相手にしながら包囲から逃げ続ける鬼ごっこになっちゃうから多少の無理をしてでもあの融合を阻止しなければいけません」

 

「たしかにそんな鬼ごっこは……避けたい事態ね」

 

「最初に若葉さんが斬りかかった時にバーテックスを倒せば倒しただけ周りの個体がそれを補おうと融合に混ざるのは確認済みです、皆でひたすら融合途中のやつを攻撃し続ければ逃げ続けるより負担も少ないかもしれません……今回はひたすら攻撃するのが大事です」

 

 アンちゃんの説明に若葉ちゃんもタマちゃんも今までで一番強気な笑いを浮かべて、ぐんちゃんもキリッとした顔でやる気に満ちた顔をする。そして、私もそのわかりやすい作戦にとっても『いける』って気持ちを感じている。つまりは動くだけの大きな的をいっぱい叩けば皆が安全になるんだ。

 

「一度始めれば長時間の連続攻撃が予想されます。心の準備は良いですか?」

 

「勿論だ」

「滾ってるくらいだ、任せタマえ!」

「鏖殺して全員無事に帰る、やる事は変わらないわ」

 

 やる気満々なみんながアンちゃんの問いかけに意気揚々と返す。もちろん私もお腹の底から湧いてくるやる気のままに口を開く。

 

「みんなで一緒にバーテックスをやっつけちゃおう!」

 

 みんなのやる気が揃った所で今しがた走って来た道を若葉ちゃんを先頭に逆走。ちらっとだけ後ろを見るとたった今包囲を完成させたばかりのバーテックス達が包囲を維持したまま蠢いているのが見えた。

 

「突撃一番槍はタマだ!」

「私も援護します!」

 

 逆走した先には融合途中の塊を守るように入り乱れるバーテックスの壁、そんな壁に対してタマちゃんとアンちゃんが走りながらの投擲と射撃で進行方向に蠢く一群の一部を倒してびっしりといたバーテックスの壁に隙間を作る。

 

「その穴、私が拡げる!」

 

 続けざまに若葉ちゃんが加速して一群に斬りかかり、何度も跳び跳ねては斬り捨ててバーテックスの壁にみんなで通れる大穴を確保。

 

「まっすぐ道を作るわ! 横から来るのはお願い!」

「うん!」

 

 ぐんちゃんがとても長い一筆書きをするような回転を一切緩めない大鎌の連撃で融合途中の大きな個体に向けて突き進む、私を含めた残るみんなで後に続きながら後ろから追い掛けて来るバーテックスや横から飛び出して来るバーテックスを返り討ちにしてぐんちゃんを援護。

 

「スッゴいの、いくよ!!」

 

 皆で協力してたどり着いた融合途中の個体の真下、連携の流れで力を温存できた私が最初に行くのが一番良いと思って全身に力を込めて地面を思い切り蹴りつけて大きな個体まで全力で跳び上がる。

 

「勇者アァァ、パァーーンチッ!!」

 

 振り抜いた拳に感じた感触は重たくて柔らかい物が弾けるなんだか嫌な、それでももう慣れてしまった感触。

 目に映るのは光の粒を撒き散らしながら消し飛ぶ半端な進化体の身体の一部。

 

「バーテックスどもの動きが変わった、削った分を補われる前に削り尽くすぞ! 友奈に続け!」

 

 若葉ちゃんの力いっぱいな号令で手当たり次第に攻撃を始める皆、なんとなく蛇っぽかった形の半端な進化体を破壊しては流れ込むバーテックスが復元するを繰り返して周りのバーテックスが少しずつ数を減らしていく。

 

「こいつはいいな、大きなサンドバッグに的当てするだけでバーテックスがどんどん減っていくぞ!」

 

「油断しないでタマっち先輩」

 

「おう!」

 

 とっても余裕たっぷりに投擲しては半端な進化体を壊し続けるタマちゃんを援護し続けるアンちゃん、ちらりと確認した時に見えた一方的な削り合いになっても油断なく周囲を確認し続けるアンちゃんの姿には流石だなぁって気持ちが浮かんでくる。

 

「再生速度が落ちてきてないか?」

 

「……! 進化体への融合がもう一体!?」

 

 何度も何度も攻撃しては補われるを繰り返してちょっと疲れてきた頃に半端な進化体の再生が遅くなった事に若葉ちゃんが気付き、直後にアンちゃんが離れた場所で融合をはじめている一群を察知していた。

 

「手分けしよう、私があっちに──」

 

「駄目です!!」

 

 手分けする事を提案して今にももう一つの半端な進化体の場所へと駆け出そうとした若葉ちゃんを強い語気で止めるアンちゃん。出鼻を挫かれた若葉がたたらを踏みながら何故だと言わんばかりの顔でアンちゃんを見る。

 

「再生速度的に人数を別けて削る速度が落ちたら両方の融合を阻止できません!」

 

「しかし……こっちに集中したらあっちがそのまま進化してしまうぞ」

 

「だから、あまり削れてない私がここからあっちの融合を抑えます。皆さんはまずこっちに集中して下さい!」

 

 若葉ちゃんを止めたまま決意に満ちた表情をするアンちゃん、アンちゃんのすぐ近くにいたタマちゃんがぎょっとした顔でアンちゃんを見た。

 

「なっ!? あんず、もしかして切り札を!?」

 

「大丈夫、みんなそれぞれ一回以上切り札使っても平気なんだからまだ一回も使ってない私なら穢れの影響もほとんど無いはずだから」

 

 そう言い切ったアンちゃんは次に私が半端な進化体へと攻撃してまた振り返った時にはもうゆったりとした衣を纏い、弩の神具を掲げて吹雪を巻き起こしてもう一つの進化体とその周辺のバーテックスを凍りつかせていた。

 

「わっ、スッゴい強力……って、余波でこっちまで寒い!」

 

「姉妹分揃って……切り札の攻撃範囲が大雑把ね」

 

 半端な進化体を攻撃しながらすれ違う短い時間の間にぐんちゃんと感想を交わしあってちょっとだけ笑い会う。呆れるような言い方だったぐんちゃんだったけどとても余裕がありそうな表情をしていて、きっと私と同じように今回大活躍なアンちゃんの指揮と切り札を頼もしく思ってるんだろうなと簡単に想像できた。

 

「こいつ、他のバーテックスに見捨てられたな」

 

 急激に再生速度が落ちた蛇っぽかった形の半端な進化体、若葉ちゃんが鼻で嗤いながら端から徐々に斬り落としていく。

 

「アンちゃんの凍らせてる方を完成させようとしてみんなあっちいっちゃったね」

 

「ざまぁ無いな」

 

「あっちのデカブツが……本命だったみたいね」

 

 皆で再生を止めたボロボロの半端な進化体を壊しながらアンちゃんが抑えているほうの進化体を見てみると吹雪の奥でゆっくりと大きくなっていく影、周りのバーテックスが吹雪の中に殺到してなんとか融合している所に辿り着いた分だけ融合が進んでいるみたい。

 

「それにしても……巨大だな」

 

 最後の一部を両断して完全に進化前に倒しきった若葉ちゃんが吹雪の中の影を見上げて呟く。吹雪の中のぼやけた輪郭はいつの間にかとんでもなく大きくなっていて、きっと丸亀城よりももっと大きな姿になっていた。

 

「このまま切り札で押しきれないかと思ったんですけど……大き過ぎて足止めが精一杯みたいですね」

 

「無理すんなあんず、まわりの雑魚も全部あのデカブツ作るのにいなくなったし後はタマ達に任せておけ」

 

「……うん、あとはお願い」

 

 切り札の負担が激しいのかこんなに吹雪の余波で空気が冷えているのに額から大粒の汗を流すアンちゃんを心配するタマちゃん。タマちゃんの制止の声から少しの間を置いてから徐々に吹雪か晴れていく。

 

「戦う前から……ボロボロね」

 

「うん、アンちゃんの吹雪のおかげだね」

 

「よくやったあんず、やっぱりあんずは凄いな!」

 

「……えへへ」

 

 晴れた吹雪の後に見えた巨大なバーテックスの姿は所々が不完全な融合だったのかなんとなくいびつで、隙間ができていたり形が掛けていたりしているのが目で見てすぐに解るくらいにボロボロだった。あんなにも大きな相手を戦う前からこんなに追い詰めていたアンちゃんをタマちゃんがとっても嬉しそうに手放しで褒めちぎり、褒められたアンちゃんも疲れた顔をふにゃりと崩して嬉しそうにしている。

 

「このまま正面から戦ってもなんとかなりそうだが……みんな、あのデカブツのあそことあそこと、そことあの部分がかなり脆弱なのは解るか?」

 

「えっと……あのくびれてる部分のこと?」

 

 じっくりと大きなバーテックスを観察していた若葉ちゃんが指差した場所を目で追い掛けて解ったが部分を私も指差して訊き返す。タマちゃんとぐんちゃんも口に出したり指差したりして若葉ちゃんに訊き返して確認しているみたい。

 

「杏の疲労も激しいみたいだし効率的な脆弱な部分をバラしてさっさと崩壊させてしまおう」

 

「若葉が『バラす』って言うと言葉以上に攻撃的に聞こえるな」

 

「……そうか? まぁいい、あのデカブツが何かする前にやるぞ」

 

 タマちゃんのわりと際どいジョークを意に介さず構える若葉ちゃん。切り札を使ってないまだ元気な私達もそれに合わせて構えて、アンちゃんは今度こそ疲労を隠せなくなったのか膝をついているけど油断無く周囲を確認しながら弩の神具を握りしめていた。

 

「やると決めたが、これだけ大きいと脆弱な位置も高くて骨が折れそうだな」

 

「……あっ、それなら私にいいアイデアがあるよ!」

 

 若葉ちゃんの呟きを解決するのになんとなく良さそうなアイデアを思い付いたので数歩前に出て若葉ちゃんに向き直り、片膝を着いた体勢で両手の指をガッチリと組み合わせてしっかり繋ぐ。

 

「私が跳ね上げるから踏み台にしてよ!」

 

 青葉くんの部屋でみんなで集まっていたときに点けっ放しのテレビで放送されてた時代劇、その中で忍者の人が塀を越えるのに仲間の忍者を跳ね上げていたのと同じ体勢になる。こうやって力を合わせればきっと大変な事も少しは楽になるはず。

 

「友奈は凄いこと思い付くな、だが助かる。遠慮なく行かせてもらうぞ」

 

「タマも頼んでいいか?」

 

「うん、勿論! ばっちこーい!」

 

 一瞬だけポカンとした表情をしていた若葉ちゃんだけどすぐに気を取り直して少しの助走の後に私の指を組んだ両手に脚をかける。その瞬間に勢いよく腕を跳ね上げると若葉ちゃんも思い切り踏ん張り、瞬間的に物凄い力が生まれたのを全身に感じた。

 

「うわアアアァァァァァァ……」

 

 若葉ちゃんの普段にない叫びが樹海の空気を震わせて尾を引きながら飛んでいき、ちゃんと狙った場所に飛んだか確認しようと振り向くと若葉ちゃんは既に巨大なバーテックスの一部をバッサリと斬ってもっと遠くへと飛んで行っていた。

 

「成功だね! タマちゃんもどーぞ!」

 

「いや、やっぱりタマは遠慮しておく」

 

「え?」

 

 ドン引きな顔をして腰を引いたタマちゃん、ついさっきまでは乗り気だったのになんで急に遠慮しちゃったのかな?

 

「乃木さんがミサイルみたいに飛んで行ってしまったのだけど……大丈夫かしら?」

 

「これをやらかして笑顔で成功と言い張る友奈がタマは怖い」

 

「あの状況でしっかりスレ違いざまに斬っていた乃木さんも……なかなかのモノよ」

 

「飛ばないの?」

 

『うん』

 

 声を揃えたぐんちゃんとタマちゃんは飛ばないらしいので踏み台の構えをとく。

 

「さーて、バーテックスクライミングだ」

 

 何もなかったかのように意気揚々と走り出すタマちゃんを追い掛けて走り出すぐんちゃん、私もなんとなく釈然としない感じを覚えながらも一緒に走り出す。

 

 私達が巨大なバーテックスの上の方にある脆弱な部分にそれぞれたどり着いて攻撃を始めた頃、何処かへ飛んで行った若葉ちゃんも戻ってきて下側の脆弱な部分を壊し、巨大なバーテックスの全身は崩壊した。

 

 

 ─────

 

 

 急ぎ足で丸亀城へと向かい初めて数分後、懐の重たいスマホが警報音とは違う軽快な音を鳴らして振動した。何かと思いながら紙袋を脇に抱えつつ取り出して確認すると勇者教室の皆で共有しているグループチャットの着信通知を確認。

 

『全員無事に帰ってきたよ!』

 

 友奈のアイコンから伸びる嬉しそうな声の聞こえてきそうな一文、続けざまに皆の無事な姿での集合写真も送られてきた。

 

『今回も絶好調なタマ達の大勝利だ!』

 

 写真の中でいつも通り元気な笑顔の球子、先ほど自分で『任せろ』と言ったからにはやり通してくれたのだろう。

 

『凄い戦いだったけど皆大きな怪我はないよ』

 

 写真ではあからさまに疲労しているのがわかってしまう杏の文、もしかしたら今回は杏が切り札を行使したのだろうか? 心配だ。

 

『今回も私達は強かったわ』

 

 文だけを見れば簡素にも素っ気ないようにも見える千景の文。でも、写真の中の千景はとても優しげに微笑んでいて、高知からの帰りに交わした約束を今も大切にしてくれているのだと嬉しい気持ちが湧いてくる。

 

『私達はこのまま一応程度の検査をしに病院へ行くから気をつけてゆっくり帰ってこい』

 

 写真の中でなんとなく青いような顔色の姉の文、姉がここまで疲労しているのだからきっととんでもない戦いだったのだろう。それでもみんな無事に帰って来てくれた事が堪らなく嬉しい。

 

『みんな、おかえり』

 

 本当は直接言いたかったが、それでも今すぐに伝えたい言葉をスマホに打ち込んで送信。そして、直後に一斉に返信されるみんなからの『ただいま』の文。それを確認してから懐にスマホをしまって再びゆっくりと歩きだす。皆無事だとわかったし、急いで帰っても誰もいないなら僕の用事を済まそうと今度はゆっくりと寄り道して帰る事にする。

 目的地はホームセンター、買うものは燃料と火種だ。











青葉くん
誰かと丸亀城の外にいるときは凄く周囲を気にしてる、視覚以外にも嗅覚も聴覚もフル活用、歩くセコム。変質者に対して威嚇、イキリカピ葉羅。友達が消えて心配だったけど無事とわかったので安心、ちょっと寄り道して帰ろう。

タマっち
暇をもて余してたので買い物についてきた。背中にはショルダーバッグスタイルな神具、カジュアルな感じな神々しい盾(刃付き)背中が神々しくてまるで後光を背負ってるようだ。ゴッテスタマっち。そんな空の飛びかたはマジ勘弁。

友奈ちゃん
発射台型勇者。ひとっ飛びで数百メートルの脚力とバーテックスを爆発四散させる剛腕体術が合わさり勇者がミサイルに見える。武器がとっても身近に感じる、それが良い事なのか悪い事なのか友奈ちゃんにはわからない。

若葉さん
ミサイル若葉ちゃんです。スレ違うすべてを一刀両断。ドップラー効果で叫び声がいつもより低く聴こえたかも。サンドバッグ型バーテックスを最も削った勇者、かなりノリノリで斬り刻んだ。

千景ちゃん
遠心力を利用した連続攻撃が得意、実は継続的な攻撃力が高め。なにがなんでもみんなで無事に帰る。そうすれば『友達』も皆も笑顔になってくれる。そこにきっと私の価値がある……気がする。

杏ちゃん
今回は作戦指揮にデカブツの足止めにと大活躍。予測される事を予測して作戦を沢山考えてた、採用したのは若葉ちゃん戦術、つまりひたすら殴る。攻撃が最大の防御だった。

ジャージ男
盗撮はいけません。ちょっと小便ちびって路地裏でへたりこむ。『勇者様のお供おっかないなう』

蛇型バーテックス
通称サンドバッグ型バーテックス。産まれる前からフルボッコ。完成する前から見捨てられてた哀しみを背負うバーテックス。もしも完成したとしても杏ちゃんにすぐ凍らされて再生能力を活かす前にヤられてた、哀しい。

巨大バーテックス
バーテックス達の今回の本命。本命だけど完成にこだわり過ぎて払った犠牲も巨大だった。最初から大ダメージ。隙を見て蛇型完成→蛇さんのいる鬼ごっこ→更にその隙を突いて巨大バーテックス完成の予定だったけど杏ちゃんに台無しにされた、哀しい。うわぁ!勇者が飛んでくる!

───


50話?35万文字?まだ原作上巻終わってない?……どうしてこんなになってしまったのか。書き始めのころは50話も書かないだろなんて思ってたのに。
違うんです、最初はもっと軽い感じのつもりだったんです。
若葉さん「樹海の中で青葉のいたところに接ぎ木したら青葉の頭にタンポポ生えた」
位のノリになる予定だったんです。
何故こうなった。
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