乃木さんちの青葉くんはこんな感じである 作:ቻンቻンቺቻቺቻ
勇者達に無期限の休暇が与えられた。体が鈍らないような最低限の鍛練はしなければならないが、間近に迫る総力戦に備えて体を休ませて心を安定させよと大社から皆に通達されたのだ。しかし、休まねばならない皆と違って僕には常に余力を保たねばならない義務は無い。背中の抜糸も済ませた僕は今日も今日とて最大限肉体を鍛え、技を練り上げ続ける。
「青葉、ちょっと付き合ってくれないか」
「ん?」
黒いヒトガタに見られながらの柔軟体操を済ませたタイミングで同じように柔軟体操を済ませた姉が日常会話の延長のように口を開く。
「鬼ごっこをしよう」
「ん~?」
姉にしてはなかなかに突拍子の無い発言に思えるそれの真意を問えば、返ってきた言葉は「鍛練だ」の一言と上機嫌な笑顔のみ。よく解らないが姉が笑ってくれてるのならばいいやと思った直後、スマホを操作して勇者装束を身に纏った姉によって脳内が困惑で埋めつくされた。
「追い掛けるから全力で逃げてくれ、勇者の研ぎ澄まされた感覚で青葉の優れた体捌きを盗ませて貰う」
「!」
姉の言葉によって瞬間的に燃え上がった心。互いの技術の基礎は同じ流派の居合術のもの、しかし、身体の変化や想定する敵の変化によって技術の進む先を違えた姉が僕の培った技術を必要としている。勇者装束を身に纏った文字通り神憑る身体能力と反射神経の全てを用いてまで僕の技術を学ぼうとしている。
僕の鍛え練り上げた技が姉の力になる!
いつか誓った"姉の力になる"が果たせるのだ。これに心が燃えないはずがない、気づけば頬が上がり口が大きく弧を描いていた。
「喜んで。僕の全てを使って逃げるから、僕の全てを盗んでよ」
「ものすごいやる気だな」
「おもしろそう! 見学希望の高嶋友奈、邪魔にならないように二人を追い掛けちゃいます!」
視界の端で丁寧な柔軟体操をしていた友奈が稚心を隠さない満面な笑みでスマホを操作して勇者装束を纏う。もしかしたら、友奈も僕達の鬼ごっこを見て技術を盗んで自分の力にしてくれるかもしれないと考えると、尚更に心が燃え滾る。
「うむ、それではさっそく始めよ──ぬっ!」
特に細かなルール定められる事もないまま姉が開始を宣言し始めたので、僕が最大限僕の技を生かせるであろう場所に向かうために宣言を聞ききらない内に道場の出入り口を蹴り破って疾走する。
驚きの声を上げつつも瞬時に姉の足音が背後に迫って来たのにはさすがと思わざるを得ない。
「戸が外れちゃった! え? これこのままにしちゃうの!?」
友奈の困惑の声を置き去りに走る。袖から抜いた小刀を鏡に背後を確認すれば僕へと手を伸ばす姉の姿、瞬間的な減速から大きく脚を伸ばして加速する歩法で間合いを狂わせて回避。
「思った通りだ! 勇者の動体視力なら細かな体重移動まで詳細に見れる!」
姉の歓喜、それに僕の心が歓喜する。
勇者の身体能力ならば只人の僕を捕まえる事など容易いだろう。しかし、姉は僕の速度に合わせて背後を走り、手の伸ばし方を変えたり一瞬だけ人を超える加速をしたりとあの手この手で僕の持てる技を引き出そうとする。
背を狙う掌打のような手の突き出しを飛び前転で体勢を低くしつつ躱して低い体勢から全身を伸ばす勢いで即座に加速。
横薙ぎに振るわれる手を全身を捻りながらのスライディングで躱してうつ伏せの体勢から地面を蹴って空振りした姉真横をすり抜ける。
軌道の低いタックルを側転宙返りで避けて電灯の柱に着地、そのまま三角飛びで姉の頭上を飛び越える。
硬軟織り交ぜて攻めてを変える姉に応じて僕も万策を尽くす。
「すごいな青葉! 凄まじくしなやかで美しいほどに強靭だ!」
とても楽しそうで、とても嬉しそうな姉の声。
「コーー……フーー……」
姉に言葉を返せる程の余裕は無い。呼吸の一つが狂うだけで最高潮に整っている今の状態がほつれてしまうからだ。まだ僕は全てを見せきっていない、姉に僕の持ちうる技術を盗ませていない。ここで止まるわけにはいかないのだ。
言葉を返せないが、狂おしいほどに僕も嬉しくて楽しい。
「嗚呼! もっと早くにこの鬼ごっこを思い付いていたかった!」
攻め手の鋭さが増していく姉から逃げつつ辿り着いた先はかつて皆でバトルロイヤルをした時に主な戦いの場となった丸亀城敷地内の林、姉の手を避けて間合いから離れた直後に脚を止めて振り返る。
「ヒュッ……コヒュ……コーー……フーー……ふぅ……」
「ここは……ふむ、そうか……そうなのか!」
僕が呼吸を整えている間に周囲を見回した姉が確信を持った頷きと共に笑顔を更に輝かせる。何も言わずとも姉は僕の意図を察したようだ。
「ん、ここからが僕の本領」
「以前ここで対峙した時は青葉の体術の全貌は見えなかった。たが、今なら全て眼で追える!盗めるぞ!」
「んふふ、倒れるまで走り切るからさ、僕の持ちうる全部を持っていってよね!」
合図は無い、再度疾走する。
地を蹴り、幹を踏み、枝を渡り、宙を回る。身体を回転させながら移動して常に全方位を視認、姉の攻め手の予兆を察知しながら把握していた足場に脚で触れて加速し続ける。
「やっと見つけたと思ったら青葉くんがまたお化けみたいになってる!」
「は は は は は は !!」
目まぐるしい視界の中にひょっこりと入り込む友奈の驚く表情、僕が蹴り破って外した戸を直してから追い掛けてきたのだろう。構わずに加速し続ける。
「これはどう躱す!」
「は は は !!」
激しさの増す姉の攻め手。逃れるために小刀を抜いて投げ捨て、鞘で逸らすように姉の手をするりと回して払う。
「見える! 青葉の剣、その術理も見えるぞ!」
ただ捕まえようとするのではなく自身の技すらも織り交ぜ始めた姉との鬼ごっこがとめどなく加速していく。
「あははっ、こうするんだな!」
「若葉ちゃんもお化けになってる……」
僕が見せた技を笑いながら模倣する姉。二度、三度と繰り返すとすぐに動きが身体に馴染んでいくのが見て解る。
楽しい。
思えば姉と二人でこうやって全力の鬼ごっこをするのはいつぶりだろうか。懐かしさに記憶を振り返ろうとするも、これは集中力の乱れだと自覚して思考を振り払う。
「コーー……ヒュ、フーー……っ!」
駆け続けて迫り来る肉体の限界が煩わしい、まだ僕は全てを出しきっていない。荒れ始めた呼吸を精神で捩じ伏せつつ飛び回り続ける。その最中で見えた光景の一部に驚愕し、更に呼吸が乱れた。
僕と姉が駆け回る林の中、見学に徹する友奈とは別の第三者が激しくも洗練された挙動で僕の目の前を横切った。
黒いヒトガタ。今までただ僕の近くで沈黙を続けていたそれが突如として宙を舞うように疾走を始めたのだ。
見惚れた。
只の人間には届かない頂きにあるような、神秘すら感じる脚捌きと身のこなし。小指よりも細い枝を踏み折らずに身体の流れを変えるのに利用する繊細で超常な疾走。鬼ごっこの最中であることも、驚きも、迫る肉体の限界も、何もかもが一瞬だけ頭から抜け落ちて遥か高みにある技量に見惚れた。
僕にしか見えない闖入者、ただ黙して見ているだけだったはずの存在が顔らしき部分を僕に向けながら見せびらかすように音もなく駆け続ける。それは、まるでお前にこれができるかと挑発しているように思えた。
おもしろい、やってみせようじゃないか。と、眼で追えた形無い足跡に重なるように自らの脚で突き進む。
「ヒュコッーー……スッフーー……!」
地から幹へ、また幹へ、高く蹴って次の幹へ、更に蹴って太い枝、枝を渡って次の幹、飛んで枝。
肺腑に残った一搾りの空気を吐き出しながら、熱を帯びて軋む筋肉を稼働させ、神秘の足跡を辿り、宙を渡って風を追い越す。
渡った先、触れれば折れるか細い枝、風が撫でるかのように枝を撫で踏みほんの少しだけ体の軌道を逸らして次の枝。
──できた! なにが神秘だ、只人の僕にも届く領域じゃないか!
いや、神秘だと思ったのは僕が勝手に思っただけだったか。と、そんな事に思考を割いて集中を乱してしまったせいか、枝へと渡った更に先に踏む場所を見つけきれずに慣性に従った身体が空中に投げ出される。妙に落ちている時間が長く感じるのは高く登ったせいで地面が遠いからだけではなく、頭を地に向けて落下しているせいで命の危機を感じているからかもしれない。
「カヒュ……っ!」
身を捻って足から着地しようと試みるも、今まさに肉体が限界に至り、呼吸さえままならないまま受け身の体勢を整える事もできずに地面へとに落ちていく。このまま地面に衝突すれば頭蓋が割れるか首が折れるか、もしくは両方かだろう。
「青葉!」
しかし、姉が近くにいるならばそんな心配は不要の物だ。重力に引き寄せられる僕の身体を横から掠め取るように抱きかかえて地を滑りながら軟らかく着地する。
「フヒュッ……ヒュッ……」
「しっかりしろ! 意識はあるか!」
大丈夫だと伝えようとするも、口から放たれる音は喘ぐような吐気の荒々しい音。切迫していた姉の表情がより不安の色を強めていくなかで慌てずに最大限の効率で呼吸を整える。
「ゴフ……スーー……ふぅ……ん、大丈夫さ。今の見た? 凄か──もご」
安心させるため、自身の技が向上した喜びを共有したいがため、思い付いたままに言葉を伝えようとするも、言い切る前に姉が僕の頭を胸に抱えて強く腕を締め付けてきた。心底から落ち着く匂いとどうにも気恥ずかしい軟らかな感触を同時に感じて反応に困る。
「よかった……あまり驚かせてくれるな、心臓が止まるかと思ったぞ」
触れてしまっている胸から感じる鼓動は止まるどころか激しく強いもの、よほど驚かせてしまったのだろう。絞め潰されそうなこの抱擁からもそれがよくわかる。が、がっしりと絞められて苦しいので手探りで姉の肩を軽く叩き離して欲しいと伝える。
「見えない何かを追ってどこかへ消えてしまうような、そんな疾走の後にこの有り様だ……本当に驚いた」
伝わってなかった、離すどころか力を増して締めつけられる。酸欠に再度力が入らなくなってきた四肢に焦りを憶えつつ、意識を絞め落とされそうな苦痛の中で何度も姉の肩を叩いて降参を伝える。これは抱擁ではない、ただの絞め技だ。
「青葉くんがタップしてるから試合終了だよ、若葉ちゃんの勝ちだから離してあげて」
「え、タップ?」
「──ぶはぁっ!」
やはり、姉にはまったくもって伝わってなかったようだが、観戦に徹していた友奈が意図を察してくれたようだ。姉が友奈に聞き返しながら腕の力を弛めた隙に死力を尽くしたもがきによって顔をずらし、新たな酸素を得ることに成功した。
「勝者! 若葉ちゃん! 決め技は勇者式ハグ!」
「ん? んんん?」
友奈が首を傾げる姉の手をとって掲げさせる。この鬼ごっこは絞め技で僕の降参を引き出した姉の勝利に決まった。
─────
ぐでーっと、自室の床にうつ伏せで寝そべる。
「ほー、タマ達がお菓子作りしてる間にそんな面白そうな事があったのか」
「青葉くんが珍しくこんなにぐったりしてるのは倒れるまで全力疾走してたからなんですね」
「ぐったり青葉ちゃんです」
姉と友奈から別行動してた間の話を聞いた球子が興味を惹かれているような発言をし、杏が納得したように苦笑いをこぼす。そして、幼馴染がなにやら楽しそうな声色をさせながら脱力しきった僕の腰を絶妙な力加減で揉みほぐす。疲労によって嫌な虚脱感に苛まされる腰が一揉みごとに微量な回復をしているのではと感じるくらいに心地好い。
「青葉はすごかったぞ、最初は動きを観察するためにしか勇者の力を使わずに私の動きそのものは常人の範疇に加減していたのだがな、最後の方は夢中になってほんの少し加減を間違えてたのに全て技術で対応されてしまった」
「それで、最終的にかなり加減を間違えて乃木くんを絞め落としかけたのね……貴女最近も同じ失敗したばかりじゃない」
嬉々として饒舌に語る姉に色濃い呆れの表情で返す千景、それでも姉は瞳を輝かせながら上機嫌に言葉を繋ぐ。
「青葉の身軽さは羽毛、速さは豹、巧さは達人、まさに有翼の獣に人の技だ!」
「……身内自慢に夢中で全然人の話を聞いてないわね」
「熱弁若葉ちゃんですね」
姉の情熱に呆れるばかりの千景、幼馴染が再度楽しそうに笑う。
姉に褒められるのはとても嬉しいが、こんなにも押しの強い自慢をされては照れの感情も強く湧いてくる。しかし、楽しそうな姉を止める気にはならないし疲労で言葉を放つのも億劫に感じるのでさせるがままにしておく。
「最後に見せてくれた空気を踏むかのような体術はまさに神域、勇者の身体能力でも模倣はかなり難しいだろうな。明日からはなんとしてでもあの技を我が物にすべく鍛練あるのみだな」
「えぇぇ。勇者でも難しいって……そんなにすごかったんですか?」
引いたように困惑する杏が自慢に夢中の姉ではなく友奈へと向けて訊ねる。この状態の姉に訪ねても身内贔屓の強い証言をされると思ったのかもしれない。
「うーん」
ぐに、むに、と、大胆な力加減で細やかに指を動かしながら僕のふくらはぎを揉みほぐす友奈が少し唸る。どのように答えるか言葉を選んでいるのかもしれない。
「……少なくとも私には真似できそうにない動きだったなぁ」
「ええぇぇぇ……」
「こいつ、やっぱりちょっとおかしいな。いや、ちょっとか? そもそも勇者と鬼ごっこが成り立つ時点でかなりおかしいな」
称賛にも困惑にも羨望にも聞こえる友奈の簡潔な言葉、それに杏がただただ引いて球子が変なものを見るような目で僕を見た。
「ん~ふぅ~、かぁなり手加減されてたからねぇぇ」
林に入るまで姉はほぼ直線的な動きしかしなかったし、林に入ってからちょっと加減を間違われても大きく人の力から外れた速度で追われる事はなかった。姉は常に僕の全力より少し上の力で追い続けていたのだ。と、説明したのだが、腰と脚の疲労を揉みほぐされる快感に声がふにゃふにゃと揺れてしまった。
「乃木くん、ふにゃふにゃね」
「マッサージきもちい~んふふぅ」
「蕩け青葉ちゃんです」
「いやいや、自分より常に早い速度で追いかけてくる相手から逃げ続けられるだけでも人としてちょっとおかしいだろ。…………いや、今更な話か、青葉だもんな」
投げ遣りに吐き捨てた球子が「それはそれとして」と前置いて友奈へと視線を向ける。
「ひなたがマッサージしてるのはいつもの世話焼きだからわかるけど、なんで友奈までそんなウキウキな顔でマッサージしてるんだ?」
「ふっふっふぅ」
球子の問いに僕の疲労を揉みほぐしてくれている手を止めないまま友奈がわざとらしい意味深な笑い声を漏らす。なんとなくの流れで友奈もマッサージしてくれていたと思っていたのだが何か明確な目的でもあったのだろうか。
「若葉ちゃんと青葉くんの鬼ごっこを見て実はスッゴい事に気付いちゃったんだー」
「スッゴい事? それは何だ?」
勿体ぶるような物言いの友奈に姉が興味津々で喰い付く。
「勇者の装束はバーテックスの攻撃でもちょっとくらいなら防いでくれるくらいには強いよね」
「限度はありますけど、かなり私達の身を守ってくれてますよね」
相槌を打つ杏、それに頷いた勇者が説明を続ける。
「たぶん……ううん、絶対に人が棒で叩いたくらいじゃ怪我しないくらいには勇者の装束は強いのです!ふっふっふ!」
「友奈、まさか……!」
「そのまさかだよ。青葉くんが若葉ちゃんの手を鞘で払ってるのを見て気づいちゃったんだ~」
つまり、どういう事だろうか。少しだけ身をひねって友奈へと視線を向けると、実にエンジョイな輝きを瞳に宿した友奈と視線が絡んだ。
「勇者の装束を着てれば木刀装備の青葉くんが私に本気を出して組手しない理由が無くなるのです!」
つまり、友奈は僕に勇者装束を纏った万全の状態な勇者と組手をしろと言いたいのか。その弱い者虐め一歩手前な事をしたいがために明日には僕のコンディションが万全に戻せてるようにマッサージを施してくれていたのか。
「勇者と正面から殴り合えって事かな? 今までで一番のムチャぶりな気がする。まぁ、やるけどさ」
「やったぁーー!」
「ぐぅ、鬼ごっこしてる場合ではなかった! いや、しかし、あの体術を見れた事は大きな成果だしな……うぐぐ、私も青葉と全力の試合がしたい、だがあの体術を会得したい……ぐぬぬ」
「なんだこの脳筋達、欠片も共感できないぞ」
全力で喜ぶ友奈と全力で悔しがる姉、それを見て球子がドン引きしていた。
「そうと決まれば明日にはしっかり疲れを無くしておいてね! あっ、疲れた時には甘いもの。そして、今日はぐんちゃん達がプリンを作ってくれてます!」
「そうね、そろそろ冷えてる頃合いかしら」
「お茶も用意してお茶会を始めましょうか」
とめどなくテンションが上昇している友奈の言葉に時計を見た千景と幼馴染が台所へと向かう。
プリン、素敵な響きだ。この言葉だけで幸せになれる気がする。ましてや、大切な友達が丁寧に作ってくれたお菓子ならば得られる幸福感は凄まじいものだろう。
「ぐんちゃん達の美味しいお菓子を食べれば明日はもう元気百倍だね!」
「んふふ、もうヨダレが出てきたよ」
「ふっ……」
僕と友奈のやり取りを見て怪しい笑みを浮かべた球子がいたが、そんな事よりプリンである。
「あまりハードルを上げられても……困るわ」
「千景さんのお菓子作りの腕前は上昇し続けてますから、皆さんどうしても楽しみにしちゃいますよ」
「……そぅ」
頬を軽く朱に染めて照れくさそうな表情を見せる千景がトレイに載せて持ってきたプリンを配膳し、幼馴染がティーカップを配る。
戦いが迫る休暇の中、愉快なお茶会が幕を開ける。
プリンかと思って食べたら球子がすり替えていた茶碗蒸しだった。もちろん完食した後に千景のプリンも美味しく楽しんだ。
青葉くん
たかが鬼ごっこ、されど鬼ごっこ。はしゃぎ過ぎてぶっ倒れる。禁止されてなければセーフの精神で扉破壊。積み上げ続けた鍛練、自分よりも絶対的に早い相手、完成度の高いお手本、3つ揃った結果人類種の限界へと少し踏み込む。マッサージとプリンで回復、明日は友奈ちゃんとバトルだね!死ぬがよい。
若葉さん
最愛の半身は人間の括りの中なら四国で一番強いかもしれないと思ってるおねーちゃん。身のこなしを参考にしたかっただけだけど鞘で剣術も披露して貰えてご満悦。半身の関節の柔らかさが必須なモノは難しいけどそれ以外はほとんど技を盗んだ、対怪物剣術と対人間居合が合わさってパーフェクト若葉さんが誕生した。後は最後に見せてくれた神域の歩法を会得すればアルティメット若葉さんになれる。勇者式殺人ハグの使い手。
ひなたちゃん
鍛練を終えて疲れた幼馴染達のためにお菓子とお茶の用意。かつてないほどにぐったりとした青葉ちゃんのためにLet's マッサージ。世話焼きひなたちゃんです。
タマっち
インスタントのお吸い物に卵入れてレンジでチン!おら、食えよ。最初の一口を食べる前に匂いでバレた。
杏ちゃん
お菓子作りしながら些細な変化も見逃さないようにしっかりと皆を見てた、今日はみんな変調無しでとってもニコニコ。青葉くんには引いた。
友奈ちゃん
武道家の魂に火が点いた。私とデュエルしようよー、ねぇーデュエルデュエル~~!揉んだふくらはぎがずっしりしてるのに凄く柔らかくて「ふむふむ……」ってなった。これがあの動きの秘訣かな?
千景ちゃん
プリン作った。一つ一つの行程に全力集中してたからネガティブな事は全然考えなかった。ニコニコゆるゆるな顔にご満悦。
黒いヒトガタ
見てたし見せた。魅せた。