幾何学ドーム・グレイファントム   作:鎌寺正一@D-Alderz/神咲ハルカ

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ディファイン・デッドエンド

海を滑る、2つの人影。

 

片方は小柄で、もう片方は少し大きめ。

 

もちろん、電と羽黒である。

 

「そういえば・・・これから何処に行くのです?」

 

ふと顔を上げて電が羽黒に聞く。

そう、電は何も知らずに着いてきているのだ。

海域で突然現れた電は、本当に何も知らない。

 

「呉です。私の仲間が住んでいるので」

 

羽黒は真っ直ぐを向いたまま、しっかりとした口調で答えた。

右腕は元の綺麗な肌になっており、どこにも禍々しさは無い。

 

「呉、ですか・・・?」

 

電が首を傾げる。

 

「はい。もうすぐなので、急ぎましょう」

 

羽黒はそう言うと、滑る速度を早くする。

 

「はわわっ、ま、待ってくださいなのです!!」

 

その様子に慌てた電もあとを追いかける。

 

だが、ここで災難が起こる。

 

「はわぁっ!?」

 

「っ・・・電さんっ!!」

 

どこからともなく砲弾が電を直撃、中破してしまった。

 

「は、羽黒さん・・・あっち、なのです・・・っ!!」

 

電はそれでも、砲弾が飛んできた方向を指さした。

そこには深海棲艦の姿が。

 

「・・・仕方ありません・・・潰しますっ!」

 

少しの間目を閉じた羽黒は、体に闘気を纏わせ爆発的な加速で深海棲艦達の方へ駆けていく。

さながらその様は鬼神の用で、見ていた電でも恐怖で震える程であった。

 

「・・・去れ・・・さも無くば・・・去ね・・・」

 

腰にある歪な刀を居合の要領で振り払うと・・・

先頭にいた駆逐イ級2隻と駆逐ハ級、その後ろ雷巡チ級が、真っ二つになり沈んでいく。

後ろに控えていた重巡リ級は、音もなく4隻がやられたのを見て動揺したのか後ずさる。

 

「・・・その程度で、私から距離を取るのですか・・・」

 

静かに、血に濡れた刃を持った羽黒がゆっくりと近づいて行く。

今度は悪鬼を彷彿とさせる、凄まじい怒気だ。

 

【・・・っ!?】

 

リ級は思わず砲撃する。

その砲弾は羽黒へと直撃するコースを取る。

そしてあわや、激突し爆発すると思われた時、再び羽黒は刀を一閃。

 

砲弾は見事真っ二つになりこれまた海へと沈んでいく。

 

「ダメですよ・・・砲撃は、こうでなくちゃ・・・」

 

羽黒は自身の主砲をリ級へと向ける。

その瞬間、リ級は死を悟った。

いや、正確には死を悟ったような感じをした。

 

羽黒の主砲の一斉射。

次々と被弾し、爆発四散するリ級。

 

そして。

 

「・・・この程度、恐るるに足りません」

 

目を閉じ反転した羽黒の後ろで・・・リ級の燃料が引火し、大爆発を起こした。

爆風が髪をなでる。

その様を電はそばで見ていた。

 

「・・・すごい、のです・・・!」

 

思わず感嘆の息を吐く。

正確に敵を仕留める羽黒に、畏れと憧憬を抱く電。

畏れは敵でも助けたいと言う思いを無碍にされないか・・・

憧憬は自分もあれくらいできるようになりたいという憧れからか・・・

 

「さぁ、行きましょう、電さん。呉まで、あと少しです」

 

「はい、なのです!」

 

振り返った羽黒の呼びかけに、笑顔で応える電。

呉まで、残り20㎞。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、呉鎮守府。

 

「・・・もうすぐ・・・1年・・・貴女は、何をしているのでしょう・・・」

 

1人の女性が、窓に手を当てため息をついていた。

青い袴に黒の胸当て・・・。

 

この女性が、七天の1人・・・

 

()()さん、そろそろ出現の時間ですよ」

 

「・・・わかりました、赤城さん」

 

【制空要塞空母】の二つ名が着いた艦娘、加賀である。

 

「?どうされました?」

 

「・・・いえ、なんでもないわ」

 

加賀は静かに目を閉じると、窓からそっと離れる。

これから出撃なのだ。

 

「・・・赤城さん、背中は任せました」

 

「ええ、任せられました」

 

もう1人の艦娘、赤城との信頼関係はバッチリ。

今日も最高のコンディションである。

 

「・・・夕立・・・前衛は任せたわ」

 

後ろを振り向かず後ろに声をなげかける加賀。

 

「了解っぽい♪」

 

そこから元気な弾んだ声が帰ってくる。

 

白露型駆逐艦四番艦、夕立。

彼女は第二次改装を済ませており、犬耳のような髪の毛が特徴的な少女。

実は、七天の1人で【ソロモンの悪夢(ザ・ソロモンズ・ナイトメア)】と呼ばれている。

艦艇の頃の異名と変わらずその力を遺憾無く発揮して、前回の大規模侵略をほぼ無傷で壊滅させるほどの腕前を持つ。

元々夕立は舞鶴の艦娘だが、少し前に移動してきた。

 

「クマー・・・クマも頑張るクマー」

 

「えぇ、今回も頼りにしてます」

 

球磨型軽巡洋艦、一番艦球磨。

七天の軽巡枠で長距離雷撃が得意。

何故か61センチ四連装(酸素)魚雷が必中。

主砲の火力もおかしく、一撃で重巡リ級flagshipが大破する。

それでも本人曰く七天の中では最弱だそう。

 

「・・・さて、皆、準備は出来たか?」

 

「あぁ、私は準備万全だ」

 

「・・・お二人も、今日もよろしくお願いします」

 

戦艦武蔵と重巡那智。

どちらも七天ではないが、実力は申し分ない。

武蔵は戦場にいるだけで相手を畏怖させることの出来る、強大な艦娘。

那智は雷撃戦と砲撃戦を華麗にこなし、精密射撃で敵を撃破する強者。

ここに、呉第一艦隊がそろい踏みした。

 

「・・・それでは、行きましょう」

 

加賀が先頭で駆け出し、次々と水上へ駆け出す。

 

「出撃ぃー!!」

 

「いきますっ!」

 

「出撃するクマ!」

 

「さぁ、素敵なパーティしましょう!」

 

「よし、行くぞぉ!」

 

第一艦隊が、たった今出撃した。

 

呉第一艦隊と羽黒達が出会うのも、時間の問題だった。




なんかそれぞれの口調難しい・・・久しぶりに書いたから全然特徴掴めきれてない・・・頑張らないと・・・

次回第3話「スペクタクル・アワーズ」

七天4人の邂逅は、果たして、世間にどのような影響を与えるのか・・・
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