オフェリアさん、君が口を割らないから悪いんだよ 作:レモンの人
オフェリア成分は60%
因みに今日は誕生日なんだが、この歳になると誕生日の喜びより老いの恐怖の方が大きいなぁ……
「なるほど、余に」
「私に」
「「命令とな」」
「御二方の力添えをいただければより楽しい企画になるかと」
「……良かろう」
「まーいーだろー」
2人の承認を得た俺はニッと笑った。今回の企画も上手くいきそうだ。
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「と言うわけで今日は闇鍋パーティーだ。覚悟はいいな?」
クリプター三人衆(カドック・オフェリア・虞)を手早く椅子に縛り上げた俺は満面の笑みでコンロに火をつけた。
「おい!?そこのお笑い芸人とリアクション芸人はいいとしてなんで僕まで巻き込まれてるんだ……!?」
「訂正しなさいカドック!」
「私を道化呼ばわりとはいい身分ね人間!」
早速仲間割れを開始した3人の周りを回るように歩きながら俺は今回の内容を説明する。
「まず今回の企画は『君達クリプターが仕えた異聞の王が入れた食材を食べて当てるゲーム』だ。当然ながら具はバラバラだし王が入れた食材を当てなければならないので成功率はガクッと落ちるだろう」
「待て……なんだその企画。聞いてないぞ」
「拒否権は無いの!?」
「諦めろ。雷帝を呼びつけるなんて無茶はなかなか出来ないんだ」
「じゃあ呼ぶなよ!?」
と、言うわけでまずは3人には目隠しをしてもらう。次にそれぞれのメンバー担当の王様に食材を入れてもらい、煮込む。充分に煮立てたら電気を消して食べてもらう…という訳だ。
「今回は流石に難しいのでそれぞれのクリプターにサポーターを付ける事にした。カドックにはアナスタシア」
「よろしく、カドック」
「……おう」
「オフェリアにはマシュ」
「よろしくお願いします。オフェリアさん」
「よっしゃ勝った!第2部完!」
「ぐっさんには項羽をつけるぞ」
「虞よ、必ず勝つぞ」
「項羽様、貴方とならば……」
サポーターが居るのであれば成功率は多少上がるだろう。
「因みに成功したら?」
「こちらで出来る範囲内で王とクリプターの願いを叶えよう」
「失敗した場合は…?」
「代表してクリプターとサポーター及び異聞の王には麻婆豆腐〜藤丸スペシャル〜を食べてもらう」
「死ねッ!やっぱ人間クソだわ!」
悪態を吐く虞の後ろではさっきから始皇帝がニマニマと微笑んでいる。これは面白い展開になりそうだ。
さて、役者は揃った。では、スタート!!!
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目隠しされている間に俺は異聞の王3人と円陣を組んだ。
「準備は良いな?」
「うむ、万全だ」
「朕の食材を当てられるか見ものであるな」
「いや、失敗したら麻婆豆腐食わなきゃいけないんだが……」
そして、それぞれのメンバーが一斉に食材を投げ入れた。鍋を閉じて煮ている間にせっかくなので取材をする事にした。
「因みにカドアナペアは成功したらどんな願いを?」
「言えるわけないだろ」
「あらカドック、私にも言えないお願いなの?」
「う、うるさい」
カドック&アナスタシアペアはまぁゲロ甘な空間を広げやがって。とっとと失敗して麻婆豆腐でも食え。
「オフェマシュペアは?」
「私は……マシュとお友達になりたいなぁ〜なんて」
「願望器に頼らないと友達作れないような人は生理的に無理です」
「───は?」
マシュお前…知らない内に罵倒芸を───オフェリア、強く生きろよ。
「グッさん&項羽ペアは?」
「カルデアにプライベートルームを一室設けてちょうだい。誰にも邪魔されずに項羽様と過ごしたいのよ」
「……私はその願いを叶えるのみである」
うん、一室設ける予算は無いんで諦めろ(無慈悲)
さて、こうしている間に鍋が煮立ってきたようだ。早速電気を消して火を調節しつつ蓋を開けた。
「では、闇鍋パーティーのスタートだ。思考時間は3分。まずはカドアナペアから」
①カドアナペアの場合
「あむ……カドック、これ何かしら?」
「うーん…魔術に頼らず味覚と嗅覚だけで判断しろったって無茶だろ」
俺から受け取った具材(イヴァン雷帝が選んだ具を優先)+スープを食べた2人は同時に首を傾げた。当然ながら凄まじい味がするのだが、それにはあまり気にならないようだった。
「まずスープが甘すぎるわね。喧嘩を売ってるとしか思えないわよ」
「そうなんだよ!ゲロ甘過ぎて具材の味が判別しにくいんだよな……でも、この具材は形状的にキャベツか……?」
「少し絞れてきたわ。でも……味が分からないわね」
3分経過……
「さて、答えを聞こう」
俺の問いに2人は頷き、そっと答えを伝えた。この解答が他の挑戦者に伝わらないようにする為だ。
「「シチー」」
「Молодец!!!」
その解答を聞いた瞬間、先程まで沈黙していたイヴァン雷帝がいきなり立ち上がりガッツポーズした。相当嬉しかったらしいな……。
「マジか…正解しやがったよ」
リア充は世界すら救うのか!?誠に遺かゲフンゲフン…だが、願いを叶える事にしよう。
「では、願いをどうぞ」
「カドック、貴方のお願いは?」
「……僕の願いは───」
②オフェマシュペアの場合
「カドック……アナスタシアと2人で聞く為に耐用年数の長いイヤホンが欲しいだなんて…涙腺壊れちまうだろ……!」ウルウル
「カドック、立派になって」ウルウル
「次はオメェがやるんだよオフェェリアァ!!」
「ス○トみたいな言い方はやめなさい!」
さて、次は2人に食べてもらうとしよう。具材とスープをよそって…スタート!
「マシュ、何この甘ったるいスープ……」
「キャベツとか色々な野菜が混ざってますね」
オフェリアは食べて早々に吐きそうな顔をしていた(暗視補正付きビデオカメラで撮影済み)。
「うぷ……吐きそう」
「先輩、オフェリアさんが全然役に立たないのですが……」
「ほっとけ、麻婆豆腐ルートはほぼ確定だろ」
「先輩!?その場合私も麻婆豆腐を食べる事になるんですが!?」
さて、先程からスカディが目を輝かせて待っているんだが、答えられなかったら恐らく処刑案件だぞ。
「誰よスイーツ突っ込んだ馬鹿は……!不味くて食べられないわよ!」
「オフェリアさん、野菜が入ってます!野菜の食感があります!」
「それよ!恐らくスカディ様ならお腹に優しい料理を選ぶわ。恐らく北欧料理ら辺を選んだ筈よ…」
オフェリア……それ、イヴァン雷帝のシチーなんだわ。あ、3分経ったな。
「では、答えを聞こう」
「これはスモーブローね。オシャレで美味しいし様々な野菜をトッピングする事も出来るデンマーク料理よ。スカディ様なら絶対に選ぶ筈!」
「……ブッブー!不正かーい!」
「……は?」
オフェリア…実はさっきからスカディが青筋浮かべて爆発寸前なんだわ……てか誰か助けろ。
「そうかー、お前死ぬかー」
「え!?違うんですか!?先輩!スカディさんは何を───」
「…アイス」
「……は?」
「ハーゲ○ダッツ」
闇鍋の内容を聞いた瞬間にウッキウッキでハーゲ○ダッツ(バニラ)3個をドボンしたんだよ!王2人が素で引いてたぞ。
「じゃあ、オフェリアとマシュはお仕置き部屋へどうぞ」
「いやだー!死にたくないー!!!」
「先輩!助けてください!」
「ちょっ!?何故私も連れて行かれるのだ!?」
「約束通り、異聞の王も道連れになりますので何卒御了承ください」
第2章組失敗っと……
「さて、そなた達にはいよいよ朕の入れた物が何か当ててもらう時となったなぁ」
「……行きましょう項羽様。必ず勝つのです!」
③項羽&虞の場合
「一体どうやったらこんな味になるのよ」
「計測困難……例の作戦を推奨する」
「絶対に勝ちに行きますよ項羽様───」
「藤丸〜、ぐっちゃんズルしたぞ〜」
「────は?」
始皇帝、突然の裏切り。
「冗談もいい加減にしなさい!わ、私がどんなズルをしたっていうの!?」
「ぐっちゃん、君…項羽クンの集音機能使って前の人の情報を記録してたよな」
「なっ!?」
「お?ぐっさん、お仕置き案件か?」
そういえば項羽は人じゃなかったな。忘れてたわ。
「どれどれ〜……あー、これ俺の声じゃないか。解答とかも入って……なんだこれは、たまげたなぁ」
「クーッ!!!作戦は完璧だった筈なのに〜!!!」
「ズルしたって事で2人には俺特製の別の料理を振舞ってやるよ。あ、陛下には通常通り麻婆豆腐を振る舞いますのでどうぞお手柔らかに」
「ひぃっ!?助けて…項羽様……」
「虞よ……お前を止められなかった私の責任だ」
「正攻法で攻めればよかった……」シクシク
「因みに朕が入れたのは牛肉のミンチだ。うん、普通だな」
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「と、言うわけでオフェリアチームにはお仕置き兼サービスとして麻婆豆腐を振る舞うぞ。目の前で作ってやるからありがたく思えよ」
お仕置き部屋の中で威圧感を放つナイチンゲール女史(レベルマ&スキルマ&宝具マ)の仁王立ちにオフェリア達は戦慄した。てかスカディと項羽すら縮こまってるってどんだけ怖いんだよ。始皇帝まですごい顔してるし……。
「さぁ完成だ。木綿豆腐で歯ごたえバッチリ!これでもかと唐辛子と山椒を効かせた絶品麻婆豆腐、腹いっぱい召し上がれ(ニッコリ)」
「……麻婆の海に沈む事くらい読めてたわよ」
①オフェマシュペアの場合
「はふっ!はふっ!」
オフェリアは苦しげな顔で麻婆豆腐を咀嚼する。しっかり噛まないといけない木綿豆腐をチョイスした所為で口の中に辛味が残留しているらしく水を頻繁に飲んでいた。
「もむもむ……(でもやっぱり藤丸の麻婆豆腐は美味しいのよね…。死ぬほど辛いけど後から旨味が伝わってくるし)」
一方……
「オフェリアさぁん…いつもこんなの食べさせられていたんですか…?」ガタガタ
「あふいふぉ……たふけて……」ガタガタ
マシュとスカディはガタガタ震え全身から汗を流し唇を真っ赤にしながら麻婆豆腐を食べていた。特にスカディに関しては半泣きだった。甘味で舌が貧弱になっていた為の悲劇だ。一口食べるごとに全身をゾクッと震えさせ、瞳孔は開ききっている。
「おふ……おほ……こふぇ……きふふひふ…」
「先輩…ホントに死んでしまいます……」
「ぅぁ……ふ……ご馳走様です」
「偉いぞオフェリア、お代わり要る?」
「要らないわよ!?」
②虞美人チームの場合
「うむ、美味である」
「ありがたき幸せに御座います」
流石は中華の王だ…麻婆豆腐の何とやらを分かっていらっしゃる。
さて、そんなチームだが…ぐっさんは現在、俺の料理を前にガタガタ震えていた。
「さぁ、ふーやーちゃんが時々俺に直接料理を依頼してくる程の絶品料理『熱凉面』を召し上がりな!」
「私でも死ぬわよ!」
「……(三途の川が)見えた」
因みに今回の別の料理とは山椒・辣油・ニンニク・モヤシをこれでもかとぶち込んだ中国版冷やし中華である。俺好みの分量で入れている為、すごい色になっている。
「がはっ!がはっ!うぉ……ぉ……」
「───」
ヒキガエルのような声を搾り出しながら麺を食べるぐっさんと早々に機能不全に落ちた項羽。こういう時ロボはズルイよなー。
「愛しの旦那サマが動かなくなったからぐっさん2人分食えよー」
「死ねッ!胃袋破裂して生き絶えろ!」
「それは一生無いから諦めろ」
半泣きで麺を食べるぐっさんだったが、ここでとある人物がやって来た。
「くっふっふ〜、藤丸〜!中華を振る舞っていると聞いて飛んで来たぞ!泣いて喜べ!」
「ふーやーちゃんお疲れさん。熱凉面まだあるけど食べる?」
「おー!?妾の食べたいものが何故分かった!?」
「食べたい時にいつも来るからだよ。そら召し上がれ」
「うむ、美味である!褒めてつかわすぞ」ズルズル
「マジかー……」
全員麻婆の海に沈められなかったのは遺憾だが、オフェリアを麻婆の海に放り込めただけ満足だな。うん。
※IFです。
イヴァン4世「麻婆豆腐……美味である」
カドック「がふっ!?ごほっ!ごほっ!これは……!なんて劇物なんだ!!!」
アナスタシア「カドック……私もうダメ…」ガクッ
言峰「おかわりを」
藤丸「いい食いっぷりだ。気取らなくていい」