オフェリアさん、君が口を割らないから悪いんだよ 作:レモンの人
昔々、ある所にクソデカい女の子がいました。身長190cm、体重120kgの巨体は可愛いお洋服をパッツパツにしています。
ある時、その女の子のおばあさ──ゲフンゲフン、若くて麗しいお姉様が赤いビロードの布で、女の子のかぶるずきんを作ってくれました。
「そら、ルーンで編んだ赤ずきんだ……頭デケェなぁ…痩せてこいよ少しはぁ…」
「も、申し訳ありません///」
そのずきんが女の子にとても似合っていたので、みんなは女の子の事を、『赤ずきん』と呼ぶ様になりました……何処かの漫画で見た?恐らく気のせいです。
ある日の事、お母さんは赤ずきんを呼んで言いました。
「赤ずきんや、おばあさ──ゲフンゲフン、若くて麗しいお姉様がご病気になってしまったのよ。あの方はお前をとっても可愛がってくださったのだから、お見舞いに行ってあげなさい。きっと、喜んでくださるから」
「はっ!必ずや─じゃなかった。分かりましたわ、お母様」
「それじゃあ、このケーキと、上等なブドウ酒を一本持ってお行き。おば──ゲフンゲフン、若くて麗しいお姉様はこれを食べると元www気wwwにwww……ゴホン、これを食べると元気になるの。暑くならないうちにでかけなさい。行くとき、ちゃんと静かに歩いて、道をそれないのよ。そうしないと転んでビンを割って、おばあさ──若くて麗しいお姉様は何ももらえなくなるからね。部屋に入ったら、お早うございます、と言うのを忘れちゃだめよ。ご挨拶の前にあちこち覗き込んだりしないでね」
赤ずきんがおばあさんの所へ一人で行くのは初めての事だったので、お母さんは心配でたまりません…はい!心配でたまりませんですとも!
お母さんには用事があって、一緒に行けないのです…具体的にはこの後別の収録番組があるのでテレビ的にも仕方ないのです!
「いいですか、絶対に途中で道草をしてはいけませんよ。それから、オオカミに用心するのですよ。オオカミはどんな悪い事をするかわからないから、話しかけられても知らん顔しているのですよ」
「はい、お母様。大丈夫ですわ」
赤ずきんは、お母さんを安心させるように元気良く、
「行ってきまーす!」
と言い、ドアを上の壁ごと壊しながら元気よく出発するのでした……赤ずきんにはこのセットが小さすぎたのです。
「………ごめんwwwwww耐え切れないwwwwww」
──それはこちらの台詞です。最後まで役を演じ切るようもう少し頑張りましょうね、メイヴさん。
「あーっはははははwwwwwwwwwwwwもう無理wwwwww腹ァ捩れて死んじゃうwwwwwwwwwwww」
「オwwwwwwフェwwwwwwリwwwwwwアwwwwww」
テレビを見ながらオフェリアは椅子から転げ落ちて大爆笑していた。かくいう俺も耐え切れずにゲラゲラ笑っていた…
『ウチでお芝居でもやろう!』
とアストルフォが言い出した事で始まったこの企画は「童話を基に立候補した人に役を演じてもらう」というキチガイぶりで、ジャンケンで決めたとはいえ赤ずきん役にバーゲストが選ばれたのは腹筋に悪過ぎた。しかもナレーションは新人の太公望に依頼したのだが、また彼が冷静にツッコミを入れるのがさらに腹筋にダメージを与えてくる。おばあちゃん役に至ってはスカサハが選ばれるというセンスの塊…アストルフォは果たして生きて帰れるのか?
「スキップするだけでセットが揺れるの卑怯過ぎでしょwwwwwwこんなのズルいってwwwwww」
オフェリアがまだ爆笑する中、ストーリーは絶賛進行中だった…
おばあさ─ゲフンゲフン、若くて麗しいお姉様は村から1.5キロ離れた森に住んでいて、赤ずきんが森に入ったちょうどそのとき、狼に会いました。
「おい!このチョイス悪意あるだろ!?」(狼役:クー・フーリン)
…赤ずきんは狼が悪い獣だと知らなくて、まったく怖がりませんでした…まぁ彼女ならワンパンでしょう。
狼は言いました。
「うっす、赤頭巾のねーちゃん。景気はどうよ?」
「ご親切にありがとうございますわ。狼さん…これからおばあさんのところへ行きますの」
「バッ───ゴホン、エプロンには何が入ってるのかな?」
「ケーキとワインですわ。昨日焼きましたの。可哀そうな病気のおばあさんにおいしいものを食べてもらって丈夫になってもらう予定ですわ」
「赤頭巾のねーちゃん、その……婆さんはどこに住んでいるんだ?」(ヤケクソ)
「森をあとたっぷり700メートルいったところ。おばあさんのお家は3本の大きな樫の木の下にありますの。はしばみの木がすぐ下にあるから、きっと分かりますわ」
と赤ずきんは答えました。狼はその肉体を見て冷や汗を掻きながらも台本通りに話し始めました。
「なんて柔らかそうで若いんだ。なんておいしそうに太ってるんだろう。婆さんよりうまそうだ。おれはうまくやって両方つかまえなくちゃならん」
彼は子供にも分かるように口を出して考えました。彼はもう…おしまいですね。狼はしばらく赤ずきんのそばを歩いて、それから言いました。
「赤頭巾のねーちゃん、見てごらん、このあたりの花はなんてきれいなんだろうな。周りを見回してごらん。小鳥たちもとてもきれいにさえずっているのに君は聞いてないみたいじゃないか。君は学校へ行くみたいに真面目くさって歩いてんだな。まぁたまにゃ楽してやってきゃいいんだよ!」
赤ずきんは目をあげました。太陽の光が木の間からあちこちにおどっていて、きれいな花が一面に生えているのを見ると赤ずきんはパァっと笑顔になりました。
「そうですわ!おばあさんに摘んだばかりの花束を持って行けば、それも喜んでくれますわ。まだ早いから今摘んで行けばきっと間に合いますわ!」
それで花をさがしに道から森の中へ走って行きました。一本摘むと、もっと向こうにもっときれいな花を花があるように見えてそのあとを追いかけ、だんだん森の奥へ入って行きました。
「クー・フーリン…骨は拾ってやるぞ」
「可哀想にwwwwwwひ〜wwwwww」
「お前笑いすぎだろwww」
オフェリアはまだツボに入っているようでゴロゴロ転がりながら爆笑し続けていた。よほどバゲ子のパッツパツ具合が面白いらしい。と、このタイミングでマシュが入ってきた。爆笑している声がうるさいと言っていたが、番組の映像を二度見すると必死に笑いを堪えながらこちらに注意していた。
赤ずきんは花を摘んで走り回っていました。たくさん集めてもう持てなくなるとおばあさ──若くて麗しいお姉様のことを思い出し、道を進みました。赤ずきんは家の戸が開いたままになっているのに驚き、部屋に入るととても変な気分になったので、
「まあ、今日はとても不安な気持ちだわ。いつもだとおばあさんといるのが好きなのに」
と思いました。それもそのはずです…家のあちこちには鮮血が飛び散っていたからです。ランサーが死んだァ!この人でなしィ!!!
「おはようございます!」
と叫びましたが返事がありませんでした。それで赤ずきんはベッドに行き、カーテンを開けました。そこに顔まで深々と帽子をかぶったおばあさん(?)がいて、とても奇妙に見えました。
「まあ、おばあさん、とても耳が大きいわ」
と赤ずきんは言いました。
「お前の声がよく聞こえるようにだ…」
「だけど、おばあさん、とても目が大きいわ。」
と赤頭巾は言いました。
「お前がよく見えるようにだ」
「だけど、おばあさん、とても手が大きいわ。」
「お前をよく抱けるようにだよ。」
「だけど、おばあさん、おそろしく大きな口よ。」
「お前を…よく食えるようにだ!!!」
直後、帽子を脱いだその姿はなんと死んだはずの狼(ランサー)でした!しかもオルタの方に変わっています!狼はこう言うか言わないうちに一跳びでベッドから出ると赤ずきんを飲み込んでしまいました。はい、あくまで演出です。
「ふっwwwwwwクー・フーリンオルタが妊婦のコスプレしてんのズル過ぎwwwwwwんひぃいいいい〜wwwwww」
「笑い方キモすぎだろwwww」
オフェリアの下品過ぎるゲラ笑いに俺も釣られて笑っていた。
狼は食べ終わると、またベッドに入りとても大きないびきをかき始めました。猟師(が本職のウィリアム・テル)がちょうど家を通りがかり…首を傾げました。
「あのご婦人はなんといういびきをかいているんだ。大丈夫か…ちょっと見てみなくては」
と言いながら得物のボウガンを担いで部屋に入り、ベッドに来てみると狼が寝ているのが見えました。
「お前をここで見つけるとは。この罰当りめ」
と猟師は言いました。
「お前をずいぶん探したぞ」
それから狼を狙って撃とうとしたとき、猟師は周囲の血痕と口元の状態を見てふと思いました。
「狼はご婦人を飲み込んだかもしれない…まだ助かるかもしれんな」
という気がしてきました。それで撃つのをやめナイフを取り出して眠っている狼の腹を切り開き始めました。ザクザクと2回切ると、赤い頭巾が輝いているのが見え、またザクザクと切りました。すると色々とデカい女の子が飛び出て、
「ああ、とても怖かったですわ。狼のお腹の中の暗かったこと!」
と叫びました。そのあと、おばあさ─若くて麗しいお姉様も生きて出てきました。
「よかった。全員無事なようですな。ではお嬢さん…大きな石を用意してくれないかな?代わりの物を詰めてやらんとな」
ところで、赤ずきんは急いで大きな石をとってきて、狼のお腹に詰めました。狼は目が覚めると逃げようとしましたが、石が重すぎて倒れてしまいました。そして、恐る恐る顔を上げると…そこにはニコニコ微笑む若くて麗しいお姉様が……
「おいおいおいおい!?待て待て待て!!!それは台本になアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
オルタニキに勝ち目はありません……。
3人は喜びました。猟師は狼の皮(服)を剥ぎ、若くて麗しいお姉様は狼を亀甲縛りにして家に持ち帰りました。そして、赤ずきんが持ってきたケーキを食べ、ワインを飲みましたが、赤ずきんは
『これからは、お母さんさんがそうしちゃいけないって言ってるとき、一人で道を出て、森へ走っていかないわ。』
と思いましたとさ。あーもうめちゃくちゃだよ。
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「最後の最後までカオス過ぎたわね…」
「バゲ子が最後の最後まで卑怯だったな…」
そんな感想を述べながらコーヒーブレイクを終えた俺は、外へ出て口笛を吹きながら廊下を歩いていると…向こうからバーゲストがやって来た。重厚な体を鎧に包んで歩く姿はやはり威圧感がすごい。しかし、そんな彼女は俺を見るなり顔を真っ赤にした。
「マ、マスター!?」
「どうしたんだバゲ子?」
「あ…その……もしや、本日の放送を…」
「あー…まぁ、オフェリアと観てた。バゲ子なりに頑張ったんじゃないか?俺は素直に評価したい」
「!!!」
「ところで、赤ずきんやってみてどうだった?」
色々思うところはあったもののそれらを全て口の中で噛み砕いてから出した質問にバーゲストは照れ臭そうに答えた。
「貴重な体験をさせていただきましたわ。憧れがあったかと言われたらやはり…ありましたので」
「なら良かったじゃないか。これからも粉骨砕身頑張ってくれよ!」
「…はっ!」
バーゲストの笑顔に俺も色々言いたい事を我慢して良かったと強く感じ、彼女とはその場で別れてそれぞれにやりたい事へと向かうのだった……余談だが、その日の夜に精魂が抜けたクー・フーリン(オルタ)が発見され、医務室に運ばれたがその後、看護師の追い打ちを受けて死亡が確認されたという…
「レッドフード」からヒントを得て書きました。はい。
パッツパツの服ってなんで笑いを誘うんだろうか…
※太公望のキャラが掴みにくくて某Vの者の探偵っぽくなってしまった事をお詫び申し上げます…