オフェリアさん、君が口を割らないから悪いんだよ 作:レモンの人
残業のストレス過多につきおま○け
「だから何でまた椅子に縛られてんのよ!?」
「私にこんな事して許されるとでも思ってるの!?」
「はいはい許されない許されない」
オフェリアに加え新メンバーこと虞を拘束した俺はテーブルの上のガスコンロに火をつけた。彼女の目の前には鉄製の鍋が置かれ、具材を煮始めていた。
「っていうか……ッ!吸血鬼の私ですら解けない縄とかどんな構造してんのよッ!?早く止めなさいオフェリア!」
「諦めなさいヒナコさん。藤丸はやると決めたら魔眼の拘束すら通用しないから」
「宝石級の魔眼すら効かないの!?」
「ほら、そうこうしている内に煮えてきたぞォ」
本当はもう少し時間がかかるが都合上さっさと煮えるよう魔術を行使。グラグラと煮えたぎるソレの匂いにオフェリアは思わず顔を顰めた。
「ねぇ……これって……」
「火鍋」
「」
「四川麻辣火鍋」
「ねぇオフェリア!コイツ殺す気なの!?私辛いの苦手なんだけど!!!」
「大丈夫よ……泰山名物麻婆豆腐を死ぬほど食べさせられた被害者がココに居るもの……(死んだ目)」
「」
「まずは味見っと……うん、美味しい!」
「これでもかと山椒と唐辛子をぶち込んで言う台詞じゃないわよソレ!?舌イかれてるわよ!?」
今回は野菜・蒟蒻・鶏肉・鱈・火鍋粉等多岐にわたる食材を用意している。先程から体を揺らしながら逃げようとしているオフェリアだが、逃げられないように縛ったので動けば動く程縄が絞まる。諦めろ。
「さぁて…まずは味のよく染みた大根から行こうか」
「おいバカ止めろ」
薬味を入れた胡麻油をかけた取り皿に大根を入れた俺は箸で掴んでゆっくりと虞の口に近づけた。
「ヒィッ!?あ、あ、あ…!止めろぉ!私は絶対食わないわよ!はーなーせー」
「おっと、手が滑った」
「アッツゥ!?っていうか痛い!ヒィッ!?」
ここでお決まりのほっぺに直撃。ほっぺが痛々しい赤に染まり、思わず声をあげた瞬間に大根を突っ込んだ。
「あふい!あふっ!?あふぃ!?あふぃぃぃ!!!」
そう言いつつも律儀に咀嚼する虞。何とか飲み込んだ彼女の目からは涙が流れていた。
「ゲホッ、ゲホッ…もう嫌…私死にたいわ……」
「そう言ってるウチが華ゾ。じゃあ火鍋粉行ってみよっか」
「ヒィッ!やめてぇ……!次のページで犯される〜!」
「1コマでやりきるから諦めろ」
「あふぉおおおおおおおおおお!?むふぅ…!むふぅ!?」
よーくスープと絡ませた火鍋粉を口に突っ込んだ俺は、放心状態になる虞美人を一旦休ませてからオフェリアに標的を移した。
「い、嫌よ!?次私!?」
「お前さっき逃げようとしたろ?」
「(ドキッ)」
「じゃあ特別な食材食わせてやろうか」
「ヒィッ!?なんで水餃子入れてんの!?」
「美味いゾォ……俺の手作りだ。ニンニクとニラとお肉をしこたま詰め込んである絶品だ」
「ヒィッ!さっき食べたハーゲンダッツでお口の中ハッピーになってるの!止め───あふいッ!!!ふぉい!こふぇあふいだふぉ!!!」
スープをたっぷり吸い込んだ水餃子を食わされ思わずマジギレするオフェリア。流石に辛い料理を食べさせられた経験からか虞のように辛さで悶える事は無いものの、熱さの方が辛いらしい。
「熱いのは分かっててやってんだヨォ!」
「ヒィッ!?アフィ!?アフィィ!!!」
「口臭くなっちゃったねぇ。今日はもう人前出れねぇぞ」
「ふぉんふぁぁああああああああ!!!」
絶望するオフェリアから視線を外し、今度は虞に視線を移した。よく見ると体を溶かして逃げようとしたようだが、魔術的な干渉を施してある為、逃げられない。
「次、蒟蒻行ってみよっか」
「嫌……やめて!何でもするから助けて!」
「ん?今君何でもするって……言ったよね?」
「え?……あ、それは…」
「じゃあ、次スープ一気飲み行ってみよっか」
「イヤァアアアアアアアアアア!!!却って悪い選択肢になってる!?」
次はスープを別の取り皿に入れて虞の口元に向けた。
「じゃあ…1番気持ちいい時間始めようか」
「嘘だッ!それ死ぬ!絶対死ぬ!私でも死ねる!!!」
「飲まないなら鼻から突っ込むけどいい?」
「ヒッ!?」
口から入れるか鼻から入れるか……2つに1つだ。
「う…ぅぅ……」
しゃくり上げて泣く程嫌がる虞だったが、俺が本格的にサイフォンの原理で突っ込もうとしている事に気付き、諦めて口を開けた。
「はい、どーん!」
「gぢwhdんlxべやねうsぁhすqんhrひくぉくぉfんdyw!?!?ゴホッ!ゴホッ!?死ぬ!私死ぬ!!!」
蓮華で口に流し込んだ俺は苦しみもがく彼女に構わず連投した。こんな美味い飯を嫌がるとは人生損しているに決まってる。
「流石に同情するわ……」
「お?オフェリアも飲む?」
「ヒナコによバカァ!!!」
取り敢えず、2人とも瀕死なので俺も手をつける事にした。グツグツ煮える火鍋粉を食べれば全身から汗を掻き、その暴力的な辛さと共にスープへ染み出した食材の旨味が溢れ出る。
「うめぇ……麻婆豆腐には劣るがうめぇ……」
「オフェリアぁ……ここにキチガイが居るぅ……」
「ヒナコ、ここは鍋の具が切れるまで耐えま──」
「うわニンニク臭ッ!?」
「酷いッ!?」
早々に仲間割れムードだな。あの2人…
「虞や、虞や、お主も水餃子食わぬか?」
「ヒィッ!?嫌……項羽様に会った時に口がニンニク臭いなんて嫌ッ!!!」
「大丈夫、さっき項羽にも麻婆豆腐食わせたら動かなくなった」
「項羽様ァアアアアアアアアアア!!!」
あの絶品を口に入れた瞬間に動かなくなったからなぁ〜、よほど感動の味だったのだろう。
「許さないわよこの鬼畜生!こんな縄!意地でも引きちぎってやる!ふんぬぅううううううう!!!ふんがぁあああああああ!!!」
「……正気で言ってるから怖いのよね」
「ほい、その頑張ってる口にスープをたっぷり絡めた水餃子をどーん!」
「gskすあkどsbzyくぉjbyjんhs!?」
流石に限界を迎えたようで彼女は口の中の物を呑み込んだ後、意識を失ってがっくりと項垂れた。時折痙攣しており、瀕死の状態である事だけは分かった。
「ちょっとやり過ぎじゃない?」
「……誰にも食べられず床に打ち捨てられた麻婆豆腐の仇だ」
「………それは仕方ないわね。で、そろそろ解いてくれるかしら?もう復讐は終わったでしょ?具材も底をついたみたいだし…」
「まぁ、そうだけど。それはそれ、さぁ次は雑炊にして食べようかぁ……」
「ヒィッ!?誰か……誰か助けてぇええええええええ!!!」
ここは拷問部屋……ただの尋問室だが、お仕置きとして時折使われるんだとか……
虞「項羽様!あの不届きものに誅を───」
項羽「虞や、虞や、息が臭くてかなわん」
虞「」
ニンニク入れると味も健康にもいいがその代償はあまりにもデカァい