オフェリアさん、君が口を割らないから悪いんだよ 作:レモンの人
その日、カルデアのメンバー…オフェリアは殺気立っていた。何しろ今日は嘘を吐かれる日と言われている「エイプリルフール」。気を抜けばすぐに腰を抜かすような事をしでかすバカがこのカルデアには居るか──
「オフェリア〜、今日は冷蔵庫が壊れたから待ってもデザートにプリンは出てこないぞ」
「えっ?嘘!?苦情言いに行かないと!」
…………
「まんまと嵌められた〜!そもそも今日はデザートが出る日じゃないじゃないの〜!!!」
早々に嘘を吐かれたオフェリアは苛立っていた。アレほど警戒していた筈なのにあの忌々しい男…藤丸にあっさり騙されてしまったからだった。大好きなプリンが食べられなかった(※どっちみち今日は食べられない)事で彼女は先程以上に殺気立っているのだ。因みにオフェリアにつられてクレームを言いに待っていた虞美人は怒りのあまり壁を蹴った拍子に小指を骨折した。
「オフェリア〜、所長が呼んでたぞ。今日は通信機器が故障してるから口で伝えろって言われてさ」
「嘘だッ!!!騙されないわよ!」ダッ!
「……行っちゃった」
もう騙されない!オフェリアは強い決意を持って藤丸の言葉を振り切った。が……
………………
「酷いわ…!私が何をしたっていうの……」シクシク
オフェリアは泣いていた。嘘だと思っていた事が実は本当で所長からこっぴどく叱られた上にぐちぐちネチネチと小言を言われたからだ。だがそれ以上に、自分を嵌める事が大好きな藤丸が善意で教えてくれていたのにそれを嘘と決め付け無下にした自分に彼女は怒っていた。
「オフェリア〜」
「ヒッ!やめて!私をこれ以上惑わせないで!」ジリッ…
「昼だけど酒でも飲まない?」
「え!?飲む!」パァッ
オフェリアは藤丸の手元にある酒とおつまみにすぐ機嫌が良くなった。目に見えるものに嘘は無いからだ。早速藤丸の部屋にロックを掛け、用意した酒とおつまみで小さな宴会を開く事となった。曰く「オハナミ」という物を模倣する為に桜の小枝を小瓶に入れているがあくまで雰囲気らしい。
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「く〜っ……!昼間に飲む甘いビールは堪らないわね!」
「それな!通信機器が故障してるから任務も無いし、安心して飲めるわけよ!最高だな!」
「炙りエイヒレ美味しいわね…そっちの鮭とばももらっていい?」
「いいよ。ビーフジャーキーと交換な」
仕事をサボって飲む酒は美味い。オフェリアは藤丸から学んだ。肩の力を抜いて生きる事は悪い事ではない。
「そろそろ水飲みたいわね。藤丸〜、一杯ちょうだい」
「ほい」
「ゴクゴク……ってこれウォッカやないかーい!」
「「ハハハハハ!!!」」
余談だが、この数時間後…ベロンベロンに酔っ払った2人は無事スタッフに捕まり、こびっとく叱られたとさ。
オフェリアは藤丸の影響で酒癖が悪くなってそう。