トネガワ×スラムダンクの短編。
ほぼトネガワ成分の一発ネタ。

1 / 1
リハビリを兼ねた一発ネタ。


面接

 

 神奈川県下……海南大付属高校……! 通称『海南』……!

 

 

 大企業帝愛の幹部……利根川幸雄は……この日…………仕事のために部下と共に海南の一室で待機していた…………!

 

「しかし……意外でした……。兵藤会長が高校バスケに強い関心をお持ちとは……!」

 

 利根川が連れてきた部下は利根川チームの一員、山崎健二。

 以前、帝愛の王である兵藤会長の下に仕えていた男である。

 

「私が会長の側にいた頃は……とんとそういう様子を見せなかったわけですから……」

「ククク…………会長は気まぐれだからな…………何年かおきに発生するんだ……会長の……圧倒的高校バスケブーム……!」

 

 

 県下最強の高校バスケ部を保有する海南…………! その上層部には、実は帝愛が深く入り込んでいる…………!

 

 利根川たちの目的は……新入生の面接……!

 

 予め……入学希望者のうちバスケ部志望者を集め……!

 利根川たちで面接……チェック……!

 いずれ再来する……会長のバスケブームに備え……!

 

(だが……オレにできるのか……? バスケ……それも……伸び盛りの中高生の目利きなど……!)

 

 山崎の不安……それも当然……!

 この面接で入るバスケ部員……彼らはいわば……会長の馬……!

 おかしな人間を入部させれば……恐ろしい制裁が待っている……そう考えてしまうのも当然……!

 

 

「ククク……安心しろ……」

 不安の吐露……それに利根川が答えようとした矢先。

 

 コン……。

 

 それは…………。

 それは…………どこでもない……確かに目の前のドアから鳴った……。

 最初の叩音(こうおん)…………!

 それほど遠くない未来を暗示している……受験生からの合図(サイン)…………!

 

「と、利根川先生……!」

 

 山崎の声を手で制する。

 

「安心しろ……! これは帝愛の面接とは違い……面接中に合否を伝える必要はない。お前はとりあえず……手元の資料でも見て普通に面接すればいい……!」

 

 そうして、面接が始まった。

 

「失礼します……!」

 

 入ってきたのは、背の高く彫りの深い顔をした……まるで類人猿にも似ているような……そんな大柄な男だった。

 

「高砂一馬です。よろしくお願いします」

 

 もちろん……彼(高砂)にはこれがバスケ部専用の……特別な面接という認識は皆無……!

 実際に行われる面接も……ごく普通の質問……返答……! バスケ関連の質問はわずか……!

 山崎からすれば頼りになるのは……ほとんど手元の資料のみ……! 

 

(うっ…………! この男……中学ではセンターとして活躍……! センターに適した体格だけでなくテクニックもある……!)

 

 そして、高砂の退室後。

 

「さて山崎……高砂をどう思う?」

「はっ…………! その……合格でよろしいかと……!」

 

 おそるおそる自身の意見を言った山崎に、

 

「うむ……合格だな……!」

 

 利根川はそう、高砂を判定した。

 

 ホッ…………。

 自分の感覚が間違っていなかったことで、山崎は安堵する。

 

「ちなみに……何故そう考えた?」

 

「やはりあれだけの体格……それに中学時代の十分な実績……素人目で見ても有望かと……!」

「ククク…………」

 

 山崎の問いかけに、利根川は小さく意味深に笑うのみ。

 

(……………………?)

 

 山崎はその態度に疑問を覚えたが、その答えを得る前に、状況は次の面接へと移る。

 続いての受験は、どこか線の細い印象を与える少年だった。

 

(神宗一郎……背はあるが細身……! 希望しているというセンターをやるには厳しい体格……! 並の高校ならともかく……全国クラスの海南でこれは……!)

 

 

「彼は残念ながらアウツ……! 不合格……ということでよろしいですよね?」

 神が去った後の扉を横目に見ながらの山崎の問い……というより確認に、

 

「いや……合格……!」

「えっ…………?」

 

 山崎困惑……!

 

(いや……確かにセンター以外で伸びる可能性もある……。早計だったか……? オレの判断……!)

 

 山崎の思考……それを差し置いて……面接はさらに次の受験生へと進む……!

 

 次に入出してきたのは、メガネをかけたいかにも勉強一辺倒といった感じの学生だった。

 

(うっ……! 宮益義範……細く……背も低く……足も遅い……! しかもバスケ初心者…………! これは論外っ……! 海南(ここ)のバスケ部自体……あり得ぬ選択……!)

 

「合格……!」

「ええっ…………!?」

 

 ざわ…………

 

「利根川先生……! 何故ですか……!? あんな生徒(クズ)を……! 神はまだしも……宮益は……とても練習についていけるとは思えません……!」

「ククク……山崎……! わかるわけがなかろう…………! ワシらに……バスケ選手の良し悪しなど…………!」

「えっ……?」

 

 ざわ…………ざわ…………

 

「クズは放っておいても退部する……! ワシらはただ……高頭監督に任せればいいだけのこと……!」

 

 そう…………!

 こんなものは半ば余興…………!

 

 全員が全員……素通しでも大抵は問題ない…………!

 

「ならば……! 何故我々がこんなことを……!? 私はともかく……多忙な利根川先生の時間を費やしてまで……!」

 

「理由の一つは会長……! 会長が海南の試合を見たくなった時……ワシらが解説を求められるかもしれんからな……! 写真ではなく実物……! 一度は見ておくに越したことはない……!」

 

 利根川は一度言葉を切り、用意していた水を一口飲んでから言葉を続けた。

 

「もう一つの理由は簡単だ……! 面接の目的はとどのつまり……既成事実を作ること。海南の上層部(うえ)は……ただ安心したいだけなのだ……! 真偽などどうでもいいから……帝愛が認めた人材だとな……!」

 

「な……なるほど……!」

 

(確かに利根川先生の言うことも一理ある……! だが…………!)

 

「ですが……宮益などは明らかにインポッシブル……! 強豪校の練習についていくのは不可能……! なら……バスケ部は先に諦めさせるのが彼のためなのでは……?」

 

「ククク……確かに……神はポジション争いに負け……! センターを諦めるだろう……! 宮益は厳しい練習に耐えきれず……退部するだろう……!」

 

「なら……」

 

「そして……そんな敗者が出て……残ったものたちは初めて気づく……! 勝つことこそすべて……! ユニフォーム争い……スタメン争い……ポジション争い……勝たなければゴミなんだと……!」

 

「ぐっ…………!」

 

「まあこれは……バスケというよりワシの考えだがな……」

 

(深い……っ! なんて深いんだ……!)

 

 

 

 こうして……! その後も海南の面接は問題なく……無事進行……!

 そして……利根川たちに残る受験者は一人になった……!

 

「失礼します……!」

 

 入ってきたのは、背の高く彫りの深い顔をした……まるで類人猿にも似ているような……そんな大柄な男だった。

 

「赤木剛憲です。よろしくお願いします」

 

 そして彼は、理知的でありながら、バスケットボールへの熱い想いを語り始めた。

 

(身長190オーバー……! チームメイトに恵まれず中学時代は活躍できていなかったようだが……! 受け答えから伝わる熱意は本物……! これは強くなる……! 確実に……!)

 

「ありがとうございました。気をつけてお帰り下さい」

「はいっ! ありがとうございましたっ!」

 

 赤木が去った後、利根川は山崎に視線を送り、

 

「さて……山崎。言ってみろ……! あの男の合否と……お前なりの理由を……!」

「はいっ…………!」

 

 そして山崎は……今日一日の経験を踏まえた上で、赤木についてこう言った。

 

「いりません……! あんな紛らわしい顔は……!」

「その通り……!」

 

 

 

 こうして……赤木は高砂に酷似しているという理由で不合格……!

 

 圧倒的理不尽……!

 頑張れ赤木…………!

 




宮益が通ってゴリが海南にいけないのはおかしいだろうと思ってたらこうなった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。