ハリー·ポッターと不遜な悪童   作:麻婆牛乳

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最近ホントに暑いので職場環境の改善を求めたい、でも工場なのでほぼ不可能。

そして5ページに達したので公開しました。



ちょっとした応用

数日後、はたと廊下を歩いていた生徒達の動きが止まる。一団はグリフィンドールの生徒達の物、そしてもう一団はスリザリンの生徒達の物であった。

グリフィンドールの生徒の数人がイタズラっぽい笑みを浮かべて言い放った。

 

「おやおや、誰かと思えば良いトコのお坊ちゃん達のお出ましだ!」

「ズルして調子に乗るのも今年までだぜ!俺達には今年はポッターが居るんだからな!」

 

その一言でスリザリン生達の表情が変わった。元々プライドの高い生徒達はコケにされる事は我慢ならないのだ。一触即発の雰囲気。

 

「この……!」

「まーまーまーまー」

 

たまたま近くを通り掛かっていた俺はスリザリンの先輩達を諌め、グリフィンドールの年上達の前へと躍り出る。回りにはハッフルパフやレイブンクローの生徒達が事の成り行きを見守っていた。

俺は大口を開けてオーバーな身振り手振りをしながらわざとらしく大声を張り上げた。

 

「おやおやぁ!グリフィンドールの先輩方達はまだ1年生のポ ッ タ ーに頼るしか勝ち目が無いなんて!いやあ見ていて悲しくなりますねぇ先輩方!さあさあグリフィンドールの生徒達なんて放っておいて次の授業に行きましょうよ!」

 

一瞬、いつも話し声が絶えない廊下がシン……と静まり返り、すぐにスリザリンの先輩達は大爆笑。対してグリフィンドールの生徒達はワナワナと肩を震わせて顔を真っ赤にしている。

 

「ふざけるなよ……!」

「やめろ、コーマック!」

 

ギラリと目を向けると、コーマックと呼ばれたグリフィンドール生が怒り狂ってローブから杖を抜いて俺の方へと向けようとしている。

口元を歪めて静かに笑う。

 

「リクタ──」

「インペディメンタッ!!」

 

呪文を使おうとしたコーマックに対し、即座に反応して杖を袖から抜き呪文を掛ける。コーマックは体を硬直させて口をパクパクしている。

妨害の魔法、長くは持たない。

 

「リクタスセンプラッ!」

 

即座に次の呪文を掛ける。これは所謂くすぐり呪文と呼ばれ、全身をくすぐられるような感覚に耐えられず、一定時間転げ回る事になるらしい。というかコーマックは現にのたうち回っている。

 

「何をしているのかね!?」

 

小さな人物が廊下を駆けてやって来た。フリットウィックだ、ナリは小さいがコイツは中々凄腕の教師だと知っている。

 

「呪文を掛けたのは君かね!?」

「嫌だなあ、正当防衛ですよ先生」

「いや、悪いのは、そいつだ!」

 

コーマックはむせながらも叫んだ。フリットウィックは少し考え込み、近くに居たレイブンクロー生に体を向けた。

 

「君は最初から見ていたね?どちらが悪いのか分かるかね?」

「あ、う、見ては、いましたが……」

 

レイブンクロー生はしどろもどろになりながら口ごもってしまう。フリットウィックは溜め息を吐き、もう一度聞いた。

 

「順序だてて聞こう。争いの原因は何だね?」

「えっと、言い争いです」

「最初に口を出したのはどちらかね?」

「グリフィンドールです」

 

びくり、とグリフィンドール生が体を震わせてバツの悪そうな表情を浮かべる。

 

「あともうひとつ、先に杖を相手に向けたのはどちらかな?」

「……グリフィンドールです」

 

スリザリン生はほくそ笑み、グリフィンドール生は顔を青くする。そう、俺は先に手を出さず後から対処していた為疑われるような事は何もしていなかった。

 

「……他の生徒から反論が出ないということは間違いない様だ……本当はこんな事をしたくはないのだが杖を向けたのなら看過は出来ない。グリフィンドール10点減点」

「そんな!アイツだって杖を向けたのに!」

 

ようやくくすぐり呪文の効果が切れたコーマックが異議を申し立てるが意味はない。

 

「そもそも君が杖を向けなければレネも向けなかった筈だ、違うかな?」

「それ、は……」

 

俺はヒヒヒッと薄ら笑いを浮かべて肯定する。フリットウィックは苦い表情をして俺に言った。

 

「あまり問題は起こさぬようにな」

「アイサー、先生」

 

フリットウィックは肩を落として去っていく。それに続いてグリフィンドール生達も逃げるように廊下を離れ、漸く平穏が訪れた。

 

「よくやったわ、レネ」

「ああ、組分けの時は只の品のない男だと思っていたが……お前は使えるな」

「なぁーに先輩方の為ならこれ位は……っと、次の授業があるんでこの辺で。ケケケケッ!」

 

次の授業は外で初めて箒を使った飛行訓練だ、これまた魔法薬や魔法呪文に匹敵する程興味がある授業だったので遅れたくはない。

スリザリンの先輩からの称賛を受けながらその場を後にする。

 

 

 

広い青空の下、グリフィンドールの生徒と合同で箒を下に置いて俺を含めた生徒達は等間隔で立ちながら飛行訓練の教師、マダム·フーチの授業を受けていた。

それにしても良い天気だ、久々にスケートボードで思いっきり滑りたいぜ。

 

「右手を箒の上に出して<上がれ>と言います。では、箒を掴んだらそれに乗ってご覧なさい。しっかり掴んで。滑り落ちたくないでしょう?」

 

マダム·フーチの厳しそうな声を聞きながらも俺は他の生徒と同じ様に右手を出す。

 

「上がれ……フゴッ!」

 

スコンッと小気味良い音を立てて箒の柄が俺の顔面にクリーンヒットする。勢いよく上がりすぎた様だ。他の生徒はほぼほぼ上がっていないようだったが、一発で成功させていたハリーとドラコが俺を見て笑ってやがる。

 

「見せモンじゃねえんだぞてめえら……ヘッ」

 

特に気分は害さず箒に跨がると、フーチがやって来て掴んだ腕の位置を矯正する。箒に跨がるなんざダッセェなぁ等と思いながら飛ぶイメージを膨らませる。

風が気持ちいいだろうと思っていた所で他の生徒達も準備が完了していた。

 

「私が笛をを吹いたら地面を強く蹴って飛上がってください。箒をしっかり持って、少しの間だけ浮かびます。そしてわずかに前傾し、再び着地しなさい。ではいきますよ……1、2の──」

「うわあああああっ!」

 

事件は起こった、ネビルがフーチの合図の前に不安定な状態のまま飛んでいく。

 

「ロングボトム!今すぐ戻りなさい!」

 

まあ、聞こえちゃいねえだろう。ネビルはガクガク震えながら箒にしがみついている。

俺は箒を地面に置き、箒を踏んで笑った。

 

「キシシ、チャンスだな……グラーテンッ!」

 

杖で箒に魔法を掛け、後ろ足で地面を蹴って空へと飛び上がる。すると上手くいった様で俺は箒に立ったまま乗っていた。

 

「ポッター!ショーペンハウアー!二人とも何をしているのです!」

 

フーチの声が聞こえて横を見ると、ハリーが箒に跨がり並走していた。飛ぶ速度はハリーの方が少し早く、程なくして抜かれてしまう。

と、悲鳴が上がった。ネビルが箒に振り落とされて落下している──

 

「ウィンガーディアム·レビオーサッ!」

 

ハリーが間に合わないと悟った俺はネビルに魔法を掛ける。浮遊呪文だが少しだけ落下が遅くなるだけで長くは続かない、苦手な呪文だ。

 

「──ネビル!」

 

しかしでき損ないの呪文が功を奏し、ハリーがネビルの腕を掴んだ。しかし2人の体重は学校の備品のボロい箒では耐えきれず、纏めて落下していく。

 

「う、うわあああっ!」

「ネビル、暴れないで……!」

 

そのまま地面に激突するかと思われたその時、もう一方の腕を俺が掴む。

 

「よーくやったぜ、ハリー」

「えっ……レネ……?」

 

ハリーは俺を見て驚愕の表情を浮かべる。俺は箒の下に足をつけ、下を向いて立っていた。

箒を乗る前に掛けた呪文は接着呪文、一定時間掛けた物を術者の思考次第でくっつけたり離したりを自在に行うことが出来る呪文だ。

 

「あ、あれ?落ちない?」

「落ち着いたかネビル?危なっかしい奴だぜお前は……イーッヒッヒッヒ」

 

ゆっくりと高度を下げ、ネビルを地面に下ろしてから俺とハリーも地面に降りる。グリフィンドールの奴らが歓声を上げて走ってきた。

 

「凄いやハリー!すっごくかっこよかった!」

「い、いや別にそんなこと……」

 

ロンに詰め寄られてたじろぐハリーを尻目に、俺はスリザリン生が居る方へと歩き出す。

 

「あ、レネ!」

「……何だ?」

 

ハリーに呼び止められ、顔だけを向ける。

 

「あ、あの……ありがとう!」

「……へっ、ガラじゃねえんだ。やめてくれ」

 

後ろを向きながら腕を上げて返事し、今度こそ歩き始めるとドラコの仏頂面が見えてきた。

 

「……なんで助けたんだよ、笑いの種になりそうだったのに」

 

とことんコイツはグリフィンドールが嫌いな様だ……尤も、授業前に見た小競り合いを見ればスリザリンがグリフィンドールを嫌っているのは一目瞭然なのだが。

 

「なんでってテメェ、落下死でもして授業を止められたくねぇからだよ。俺はこの授業結構楽しみにしてたんだからな」

「……つくづく君は、打算的だね」

「やりてぇ事をやってるだけだ」

 

ふん、と鼻を鳴らしてドラコに言い放つ。そうこうしている間にフーチが俺に近付いて来た。

 

「ショーペンハウアー、かなり変わってはいましたが見事な飛行でした……マクゴナガル先生がお呼びしていますので行ってきなさい」

「はぁ?俺は授業が受けたいんだが……」

「いいえ行くべきです。きっと素敵な出来事が待っていますよ」

 

ちらりと見やると勝手口にマクゴナガルが立っており、ハリーもまた側に居る。まあ、拒否は出来ねえか……と頭を掻いて歩いていく。

 

「どうしたよ先生、加点でもすんのか?」

「ついてきて下さい」

 

マクゴナガルは表情を固めたまま校内に向かって歩いていく。ハリーはマクゴナガルの表情を見たからか緊張した面持ちだった。俺はいつかのようにハリーの背中をバッシバッシと叩く。

 

「シケたツラすんなよハリー、別に俺達は悪いことをしてねぇだろ?」

「……じゃあ、何で僕達が呼ばれたのかな?」

「そりゃあ知らねえよ」

 

程なくして<闇の魔術に対する防衛術>の教室へたどり着いた。正直言ってクソ下らない授業だったので内容は全然覚えていなかった。

 

「クィレル先生、すみませんが暫くウッドとフリントをお借りできませんか」

「い、いいいですとも、もちろん!」

 

ビクビクしながら答えたのはクィレル、この授業を受け持っている教師だ。クィレルが答えるとグリフィンドールとスリザリンの生徒が一人ずつこっちへやって来た。

 

「ポッター、オリバー·ウッドです……この子は最高のシーカーですよ!」

 

俺とハリーは目を丸くした。厳格なマクゴナガルがとても嬉しそうに笑っていたからだ。

 

「ショーペンハウアー、マーカス·フリントです……この子は最高の試合を作りますよ!」

 

ウッドとフリントは目を丸くして俺達を見た。対する俺達は首を傾げる事しか出来なかった。

 

 

 

 

 

授業が全て終わり、放課後になると俺とハリーが呼び出された。場所はクィディッチ競技場と呼ばれる広い場所だった。

 

「ハリー、まさかお前が入学してすぐにこんな事になるなんてな」

 

待機していたウッドが、にこやかにハリーに話し掛ける。フリントもこちらに歩いてきた。

 

「忘れちゃいないぜレネ、お前も呼ばれるなんて思ってもいなかったがな」

 

こちらもちょいと棘はあるがフレンドリーな挨拶を掛けてきた。そしてその2人の間に居たのは俺達を呼んだ張本人、マクゴナガルだ。

 

「貴方達にはテストを受けて頂こうかと思います。合格する事が出来れば百年振りの1年生でのクディッチ選手となるでしょう」

 

ハリーがイマイチよく分かっていない顔をしている。俺も同じ様な物だった。ウッドとフリントは心配そうに俺達を見ている。

 

「大丈夫かハリー?」

「まさか、クィディッチを知らないのか?」

 

心配するウッドを余所に、フリントの問いに2人して頷くとマクゴナガルが口を開く。

 

「クィディッチは魔法使いの間で盛んに行われているスポーツです。とても楽しい物ですよ」

「スポーツか、面白そうだな」

 

俺はすぐに理解した、用意されているのは箒と幾つかのボール……中にはガタゴトと動いている物まである。箒で空を飛んで行うスポーツなんて、楽しそうではないか。

 

「そうだな……ほらハリー、この箒で飛んで今から俺が投げるボールをキャッチしてご覧」

 

ハリーは訳が分からないといった様子ながら、ウッドに従って箒に跨がる。それを見届けたウッドは明後日の方向へボールを投げると、ハリーは高速でボールに接近し、巧みな箒捌きでボールが落下に入る前にキャッチする。

 

「素晴らしいっ!」

 

マクゴナガルが小躍りして喜んでいる……それなりに年をとっている筈なのに、まるで無邪気な子供の様だ。

 

「俺もやんのか?」

「いや、お前はこれを持て」

 

フリントに渡されたのは木製の棍棒、しげしげと眺めていると指示が飛んでくる。

 

「あの線からあの線まで箒で飛べ、その間にボールを投げるからその棍棒を使ってあの的に打ち返して当ててみろ」

「ほーん、解った」

 

置いてある箒に杖を振り、足を乗せて後ろ足で地面を蹴る。ふわりと浮き上がる事を確認したら指示された方向へと飛ぶ。

 

「なっ……!」

「嘘だろ……!」

 

フリントとウッドが驚愕の表情を浮かべる中、マクゴナガルは興奮して口を開く。

 

「やはり見た通りでした!」

 

左手をポケットに突っ込み、右手の棍棒をクルクル回転させて指示された位置の中頃に差し掛かった頃、フリントからボールが飛んでくる。

 

「そーら……よッ!」

 

ガキン!と音を立てて打ち返したボールは人形の的の頭を砕いた。ヒュウ、と口笛を鳴らしてフリントの元へ戻っていく。

 

「どーよ?」

「ちょ、ちょっと待て。その乗り方は……」

「レネ、もしかしてその乗り方はスケートボードのものじゃないの?」

「お?よく分かったなハリー」

「スケートボード?」

 

ケケケと笑ってハリーを見る。ウッド、フリント、マクゴナガルもつられてハリーを見た。

 

「マグルの世界のスポーツの1つです、少しだけしか見たことがないんですけど、色々な技を決めてるんです。カッコいいスポーツですよ」

「それが、レネの箒の乗り方だと?」

「……先輩、もういっちょ投げてくれよ」

 

そう言って棍棒を投げ捨て、先程の位置へと戻っていく。今度は右手をポケットに入れて左手をフリーの状態にしておく。

フリントからボールが飛んできた、俺は足の接着を外して屈んでから左手で箒を掴み──

 

「オラァッ!」

 

直前でスピンし、勢いをつけて右足でボールを蹴った。ボールは的の胴体を砕き、とうとう的は崩れ落ちていった。それを見届ける頃には、俺は既に箒に乗っていた。

 

「凄い……凄い、凄い!」

 

マクゴナガルは大はしゃぎ、俺の中のマクゴナガル像が崩れ落ちていくのを感じる。まあ、今の方が面白い教師なのだが。

 

「ワンフットテールグラブっつうトリックだ、見てもらった方が早えと思ってな」

「凄いやレネ!もしかしてプロだったの!?」

「遊びでやってただけだハリー、スケートと違って元から空を飛んでいる分簡単なんだよ」

 

トリックは空中で技を決める<グラブ>系が難度の高い分評価が高い。しかし空中を飛んでいるなら自分の好きなタイミングでトリックを決められるし、何より段差等の障害が一切ないのだ。

 

「次は2人で試験をしましょう!」

「本当にやるんですか?」

「グリフィンドールと合同なんて……」

 

マクゴナガルはフリントの発言を手で制するとにっこり微笑み、フリントは引き下がってウッドと一緒に箱を持ってきた。中には3つの玉が入っていた。

その内2つは鎖で封がされており、なんかガタゴト揺れている。

 

「真ん中のボールはクアッフル、チェイサーがクアッフルをゴールに入れれば10点だ」

「その左右にあるのがブラッジャー、試合中に飛び回って選手にぶつかって妨害する。今からこのブラッジャーを2個解放するからポッターは5分間逃げ切れ。ショーペンハウアーはポッターを5分間守りきれ」

 

ちょっと待てや、そのブラッジャーっての金属じゃ……と言い掛けて急いで棍棒を持って距離を取る。ウッドとフリントが既にブラッジャーを解放しようとしていたからだ。

 

「ハリー!来い!」

 

ポカンとしていたハリーに此方へ来させ、それと同時にウッドとフリントが叫んだ。

 

「「開始!」」

「うおっ!?」

 

襲い来る殺人鉄球を叩き落とすが、もう1個がハリーに向かう。

 

「チィッ!」

 

すかさず棍棒をぶん投げてブラッジャーの軌道を反らす。跳ね返った棍棒を空中でキャッチしてハリーに叫んだ。

 

「逃げろ!流石に両方は捌ききれねぇ!」

 

ハリーは返答せず、だだっ広い競技場の中央へと飛んでいく。こんな事でまごつく様な奴じゃなくて助かった。

兎に角飛び、打ち、漏らしたブラッジャーをハリーが避け、それを遠くへ打ち払うという行動を繰り返す。

が、数分後に問題が起こった。ハリーが片方のブラッジャーを見失っていた様だ。

 

「ハリー!来い!」

 

またもやブラッジャーを打ち返し、キョロキョロするハリーに叫んだ、しかし見失ったブラッジャーに恐れているのか動こうとしない。

 

「俺を信じろッ!」

 

その瞬間、ハリーは俺目掛けてフルスロットルで飛んでくる。ニヤリと笑ってハリーの真後ろから迫っていたブラッジャーを見据える。

 

「真っ直ぐ飛んで行きやがれ!」

 

ハリーに声を掛けて一気に急上昇、箒を手に持って空中で縦回転する。タイミングは完璧だ。

 

「ドンピシャだぜえええッ!」

 

ブラッジャーの真上からカカト落としを決め、ブラッジャーが競技場の芝生に埋まった。マクゴナガルが手を合わせて跳び跳ねてるのが見える……全く、愉快な婆さんだぜ。

 

「「アクシオ·ブラッジャー!」」

 

ウッドとフリントの呪文が聞こえ、ブラッジャーが軌道を変えて2人の前に落ちた。俺とハリーはゆるゆるとスピードを下げ、マクゴナガル達の元へ飛び始めた。

 

「ありがとう、助かったよレネ」

「なぁに、テメェが俺を信じていたから助かったんだ、別に礼は要らねぇよ」

 

並走しながら拳を向けてやると、ハリーは無邪気に笑って拳を合わせた。

 




映画と小説がよくあべこべになる問題、そこにオリジナル要素を入れると作っている最中すら自分で勘違いしそうになる。

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