「うーん!やっぱり、ここのジェラートは最高ですなぁ〜」
「メロン味〜いつ食べても癖になるんよぉ〜」
「相変わらず、この味には感服せざる終えないわ……もはやこれは、国宝よ」
「僕も頂くか……チョコ、うま!?」
イネスにあるフードコートにて、僕は自身が陥っている状況に置いてかなりの重要人物達である、三人と一緒にジェラートを頬張っていた。
いわゆる祝勝会的な感じで、三人の中に混ざらせてもらっている。にしても、このジェラートはなんなんだ……旨すぎる。
「おっ?その感じだと、洸輔もはまったなぁ〜?」
「最高だよ!三ノ輪さん!こ、こんな上手いジェラートがあったなんて!これは、いいものだ!!」
「へへ、そこまで気に入ってくれるとイネスマスターの私も嬉しくなってくるなぁ。あ、あと私のことは銀って呼んでよ。なんか名字だと、堅苦しいからさ」
「了解、じゃあこれからは銀って呼ぶね」
何故か、自分のことのように喜んでいる、それと同時にあちらで園子が言っていた通りのような事を言い出した三ノじゃなくて……銀。
「じゃあ〜私は、園子かそのっちで〜好きな方で呼んでねぇ〜こうくん」
「了解だよ、園子。えと、じゃあ、鷲尾さんは」
「私は……天草くんの呼びやすいようにどうぞ」
「……じゃあ、僕も名字呼びで鷲尾さんで行くね」
正面には、穏やかな笑みを浮かべながらそんなことを言う園子となんかずっと僕をじーっと見つめている鷲尾さんが目の前にいる。
にしても……こうくんか。心は落ち着いてても、やっぱり寂しいもんだな。そこだけは、やっぱり慣れない…慣れるわけがない。なんというか、鷲尾さんには警戒されてるみたいだけど。
気持ちを切り替え、ジェラートに集中しようとすると……園子が鷲尾さんに向かってあーんと、口を開けているのが見えた。
「わっしーの一口ちょーだい♪」
「全く…そのっちったら。はい、落とさないようにね」
「ありがと〜……うん、美味しい〜!!ふふん、わっしーと愛の共同作業だぜぇ〜」
「そ、そのっち!?」
「なんか、二人はすごいね…」
「わかるわぁ〜なんか、付き合いたてのカップルみたいだよなぁ〜」
「や、やめてってば、銀…」
そんな二人のまるで恋人のようなやり取りを見て、少し気恥ずかしくなり視線を自らのジェラートに落とす。すると、横からトントンと銀に肩をたたかれた。
「なぁ、折角なら洸輔もしょうゆ豆ジェラートに挑戦しない?」
「えっ?い、いいけど、二人は?」
「前に食べさせたんだけどさぁ…二人とも微妙って……」
「な、なるほど、じゃあいただこうかな」
「今日こそ、しょうゆ豆教を増やすぞ!それじゃ、はい!」
「じゃあ、いただくね」
しょうゆ豆という未知の味へと挑戦する為に、スプーンでジェラートをすくいとる。食べてみると、不思議ではあるがどこか癖になる味がした。案外、いけるかもしれない。
「美味しい、僕結構しょうゆ豆好きかも」
「だろ!?やったぁ〜理解者がふえたぁ〜!はむっ」
「ミノさん、しょうゆ豆味大好きだもんね〜」
僕の感想を聞くと、銀が嬉しそうにジェラートを頬張った。それを見て、鷲尾さんと園子が微笑む。三人の仲の良さに、ほっこりしていると…銀の口元にアイスが付いている事に気がつく。
「銀、ちょっとこっち向いて」
「ん?どした〜……って、ふぇ…」
「よし、これでオッケーっと」
「ちょっ!?な、なにやってんだよ!?洸輔!?」
「えっ?何って、口元に付いてたアイスを拭き取っただけだけど……」
「い、いや、それはわかってるけどさ!」
何故か、銀は顔を真っ赤にしながら荒ぶっている、何か怒らせるような事をしてしまったのだろうか……すると、正面では、園子がキラキラした目を向けられ、鷲尾さんは顔を赤くしながらこちらを見ていた。
「ねぇねぇ、わっしー!こうくんってすごいね!大胆だよぉ〜!」
「え、ええ…すごいわね…」
「ふ、ふふ、これは小説のネタに使えるぅ〜!!創作意欲が湧いてきたんよぉ〜!」
「お、落ち着なさい、そのっち!」
「そ、園子、戻ってこぉーい!ほら、洸輔が園子おかしくしたんだからどうにかしろって!」
「ぼ、僕のせいなの?」
僕の言葉に対して、鷲尾さんと銀はうんうんと強くうなづいた。よくわからないけど、僕が悪いらしい。とりあえず、園子を落ち着かせなくては。
「そ、園子、落ち着いて。ほら、僕のジェラートあげるから」
「本当に!?ありがとぉ〜はむっ……ん〜!チョコ味も美味しい〜」
「喜んでもらえて何より」
ジェラートをすくいとったスプーンを、差し出すと思いっきり食いついてきた。相当美味しかったらしく、幸せそうな笑みを園子は浮かべていた。その屈託のない笑顔を見て、和む。
「あの園子を一発で手懐けた!?て、てか、須美達のやり取り見て赤くなった割には、平然とあーんをやってのけてるし…」
「天草くん……恐ろしいわ……」
「???」
二人が何か小声で話しているが、内容が分からず首傾げる。にしても、まさか三人と会えるとは思っていなかった……正直、どう彼女達とコンタクトを取ろうか迷っていたところだったからな。そんなことを考えながら、溶けかけていたジェラートを食べ進めていく。
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「にしても、驚いたよ。洸輔がこんなところにいるなんてさ〜」
「あー実はね、今日は幼なじみと一緒に、このジェラートを食べる予定だったんだけど……予定が入っちゃったみたいで。一人でこっちまできたわけさ」
「へぇ〜ちなみにその幼なじみは男の子〜?女の子〜?」
「えと、女の子だけど…」
「ふむふむぅ〜その幼なじみとはどういう関係で〜?」
何故か、目をキラキラさせつつメモ帳を片手にそんな事を聞いてくる園子。それを聞いてなんになるのだろうか(汗)
「こら、そのっち。人を困らせない」
「だってぇ〜気になるんだもん〜」
「全く……で、来た、ということは天草くんはこの付近に住んでいるわけではないんですね」
「うん、僕は観音寺市のから電車乗り継いで来たからさ」
「ひやぁ〜結構遠いとこから来たねぇ〜」
「なるほど、それなら神樹館で見ないのも納得ね」
神樹館……三人が通っている学校の事か。にしても、銀と園子はともかく…鷲尾さんとはなんか距離がある気が…。少し悲しみに暮れつつ、僕は三人に質問する。
「そいえば、三人に聞きたいことがあるんだけど。あの仮面の奴は一体何者?」
「それが私らもあいつの事については何にもわかってないんだよ。な、須美、園子」
「うん〜突然現れた謎の存在って感じ〜」
「私達が、初めての御役目を終わらせたあとバーテックスと入れ替わるように現れたの。大赦も動いてくれているんですが……情報は得られていないみたいで」
どうやら、奴についてはこの子達だけでなく大赦すらもお手上げのようだ。僕が天井を仰ぎ見ていると、銀が思い出したかのように呟く。
「そいえば…あいつ初めて出てきた時なんか変なこと言ってなかったっけ?」
「確か、『俺が本物に……』みたいな事を言ってたような」
「俺が、本物?」
「ん〜あれってどういう意味だったんだろぉ〜?」
「さぁなぁ〜あいつに関しては分からん尽くしだ。ふぃ〜ジェラート終わりっと!」
ジェラートを食べ終わり、笑みを浮かべる銀の横で腕を組みながら考える。作り物、本物…僕が言われた言葉と三人が聞いた言葉…かなり繋がりがあるように思える。まぁ、良くは分からないが…。
(奴の正体、もし知っていればとも思ったけど…そう簡単にもいかないか)
奴に関しては、三人と協力しつつ手探りにいくしかないようだ。いずれにせよ、この時代の異変についてかなり関係している存在であることは間違い無いはずだ。
一人で、情報をまとめているとまさかの鷲尾さんから話題を振ってきた。
「天草くん、ちょっといいですか?私もあなたに聞きたいことがあったの」
「あ、私も!私も聞きたい!」
「じゃあ〜私もぉ〜」
「どうぞ、せっかく会えたんだ。なんでも聞いてよ」
情報共有は大事なものだ、それを西暦で過ごして痛感した。何より、僕が三人の事を知っていても……三人は僕の事を全く知らないのだから、僕はどういう存在なのかをしっかり説明しなくちゃ。
「まず、何故男性であるあなたが勇者になれているんですか?」
「あのカッコいい鎧何!?すごい、気になる!」
「幼なじみとはどういう関係なの〜?」
「そのっちぃ〜????」
「あわわわわ!!ご、ごめんなさい〜わっしー!!」
すっごい勢いだな(汗)てか、鷲尾さんと銀はともかく園子についてはまだその話題引っ張ってたんだ……。まぁ、一つずつ質問に答えていくとしよう。まずは鷲尾さんかな。
「じゃあ、一つずつ答えるよ。鷲尾さんの質問から、僕が勇者になれているのは……いるのは……あれ?」
「天草くん?」
「どした?洸輔?」
続きを話そうとしたが、話せなかった。いや、話せなかったのではなく……突然、声が出なくなった。なんといえばいいか…まるで誰かにそれ以上言うなと押さえつけられているような感覚に襲われた。
(なんで、なんで声が出ない……?しかも、あれだ、この感じ……バーテックスにとどめを刺そうとした時に走ったあの感覚とどこか似ている)
銀の質問である鎧のことについて話そうとしても、声が出なくなった。異常な出来事に僕が困惑していると、銀と園子が心配そうに僕の顔を覗き込んできた。
「こうくん、大丈夫〜?」
「あ、う、うん…ごめん」
「な、なぁ、もし話にくかったら無理に話さなくてもいいぞ?洸輔?」
「……ありがとう、銀。それと…ごめん、三人とも……勇者関連の質問以外に答える感じでもいいかな?」
「……わかりました」
多少微妙な雰囲気が流れてしまったが……その後は普通に三人と暫くの間雑談に浸った。やがて、フードコートに置かれている時計へ目を向けるとそれなりに時間が経っていたようで、5時頃を小さい針が指していた。
「っと……時間的に帰らなくちゃかな。電車がなくなったら困るし」
「そうですね、そろそろお開きにしましょうか。親達に心配もかけてしまうので」
「もうそんな時間かぁ〜早いなぁ〜時間進むのって」
「ほんとだねぇ〜もっとこうくんとお話したかったなぁ。また、四人で過ごせるかなぁ〜?」
「まぁ、合宿でも会うんだし大丈夫でしょ。あ、そーだ、洸輔、連絡先交換しようぜ!」
「了解、って……ん?合宿???」
「天草くんは合宿の事について知らないんですね、実は…」
僕が首を傾げていると、鷲尾さんが丁寧に教えてくれた。てか、これで三回目なんだよね…合宿。しかも今回は強化合宿ときたか……大変そうだな。それと、帰る前に三人には謝らなきゃならないことがあった。
「あと、三人とも…ごめん。僕の勇者システムの事とかについて答えられなくて……」
「気にするなって!さっきも言ったけど、言いにくい事なら無理に話さなくてもいいからさ」
「そうだよぉ〜こうくんが面白くて、いい子なのは今日で良くわかったし〜それだけで十分なんよぉ〜ね、わっしー」
「ええ、お気になさらず……」
「ありがとう、助かるよ」
「気にすんなって!私達、もう友達だろ?」
銀が、笑顔でそう言ってくれた。真っ直ぐな言葉に自然に笑みが溢れた。フードコートを後にしイネスから出る、名残惜しいけど三人とはお別れだ。
「それじゃあ、また会おうね。皆」
「おう!また、ジェラート一緒に食おうぜ!」
「天草くんも、帰りには気をつけて」
「こうくん、またねぇ〜それと気をつけてぇ〜」
こうして、三人とのまさかの出会いによって開かれた祝勝会は終わったのだった。
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〜鷲尾須美視点〜
「洸輔、面白いやつだったなぁ〜」
「うんうん〜それに、不思議な魅力もあるよねぇ」
「ほうほう、園子さん?それはどういう意味で?」
「それは、ミノさんも多分体験してると思うなぁ」
「ん?どういうこと?」
「それが、わかってないのがみのさんらしくて可愛いんよ〜」
「かわっ!?」とそのっちの言葉に対して動揺を示す銀。二人が騒いでいる横で、私は彼のことを考えていた。
(……何故、勇者の事について話さなかったのかしら。何か隠したいことがある?)
私と銀の質問、どちらも彼の勇者としてのことに関連した質問だった……しかし、答えてはくれなかった。その後の好きなものだったり、趣味などの質問は答えられていたのに。
(彼は神樹様が自ら援軍と言っている勇者……だから、そんなに警戒する必要はないのかもしれない…だけど、あの仮面の男との会話…)
天草くんはどうかは分からないが……あの口振り的に、仮面の男は天草くんを知っているかのようだった。私がそう、一人で考え込んでいると、銀が声を掛けてくる。
「おーい、須美ぃ〜?さっきから、黙って。どうしたのさ〜?」
「あ、ご、ごめんなさい。少し考え事を…」
「考え事〜?もしかして、こうくんのこと?」
「ええ…その、天草くんについて、気になることが多くて…」
勇者関連の質問に答えられなかったこと、あの仮面の男との関係性。それらも相まって、私の中には少なからず彼に対しての疑心が生まれていた。
しかし、そんな事を知る由もない銀とそのっちは私の先程の発言に対してニヤリと悪い笑みを浮かべていた。
「ふむふむ〜気になるとは〜?」
「もしかして、異性として気になるって奴ですかな?鷲尾さん家の須美さん」
「えっ!?はっ、な、な、何を言ってるの!?二人とも!?」
「道理で、四人でいる時の須美さんはいつもよりも緊張してたわけだぁ〜そういう事だったんですのね?須美さん〜?」
「まぁ、こうくん、かっこいいもんねぇ〜分かる〜分かるよぉ〜」
「っ〜!そ、そんな事言って!銀は天草くんにアイスを拭き取ってもらった時、顔赤くしてた癖に!」
「あっ、確かにぃ〜みのさんもダウト〜」
「い、今更それ掘り起こすのか!?てか、園子裏切り早いって!!」
さっきまで、かなり真面目な事を考えていたはずなのに……いつのまにか二人のペースに呑まれていた。
「……少し、警戒しすぎだったかしら」
彼の事を思い浮かべながら、私はそう呟いたのだった。
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大橋の方から、自宅がある観音寺市へと戻ってきた。自宅までの帰り道、僕は今日起きた謎の現象について考える。
(あの現象……もしかして、メールの内容に関係してるのか……)
メールには、僕自身が体験した事、未来での出来事とかを話しちゃいけないって書いてあったと思う。後、未来に影響を与える事をしてはいけないみたいなことも……。
(もし、このメールの差出人が今日や昨日の戦闘中に起きた現象を起こしていたら、辻褄が合う。でも、問題はそれを起こしているのが誰かってことだ)
そんな事を考えている間に、自宅へと着いていたようだ。二階に上がって自室へと向かう。ドアを、開けるといつもの如く、友奈が入り浸っていた。
「あ、洸輔くん、お帰り〜」
「ただいま、友奈」
「大橋の方はどうだった?」
「うん、こっちにはないものがあったりして結構楽しめたよ。あれなら二人で行く時も楽しめそう」
「そうなんだぁ〜二人で出掛けるのが楽しみだなぁ〜所で、ジェラートは美味しかった?」
「うん、美味しかった……よ?ん?」
先ほどの会話の流れ、おかしくないように見えるが明らかにおかしい所がある。なんで、友奈さんは僕がジェラートを食べた事を知ってるんだ?まだ、食べたなんて…言ってないのに。
「……あのー、友奈さん?」
「なぁにぃ?洸輔くん?」
「な、なんで、僕がジェラートを食べたことを知ってるの…?」
「それは、これを見たからだよ〜?」
そう言って友奈さんが、スマホの画面を僕に向ける。そこには三人と楽しそうにジェラートを食べる僕の姿が映っていた。
「……な、なに、その写真????」
「三枝ちゃんが送ってきたんだ〜二人のイチャイチャする姿より面白い物が撮れたよってね〜ふふふ、この子達はだれかなぁ〜?」
三枝……お前は僕を殺したいんですか?そんなに恨まれるような事をしたでしょうか?裏があるとは、思ってたけど……あの野郎……元から僕らを観察するのが目的だったのか!!許さん、あいつまじでゆるさ。
「洸輔くん?」
「はい」
「正座」
「はい」
その後、僕の身に何があったかは語らずとも大体予想がつくだろう。
ただより高いものはないってよく言ったもんですよね←白目
戦闘もその内書き初めていきたいですなぁ〜後、伏線もしっかり回収しなくてはならぬぅ!!( ゚д゚)