初投稿はわすゆ編最新話です!今年も相変わらずな作者やこの作品をよろしくお願いします!そろそろ、話も歯車が動き始める頃!一体皆の運命はどうなってしまうのか!楽しんでいただければ幸いです!
まぁ、今回は日常回なんですけどね(おい)
「116、117、118……ん?」
三枝とのボランティア活動の一件から次の日、突然スマホに着信が入った。
「はい、もしもし」
『あ〜!こうくんでた〜ハロハロ〜』
まったりとしているがどこか楽しそうな園子の声が電話越しから聞こえてくる。
「こんにちは、んで園子、急に電話なんてどうしたの?」
『こうくんの声が聞きたくて〜我慢できずに掛けてしまったんよ……』
「は、恥ずかしいからやめてって……ほ、本当は何?」
『恥ずかしいって思ってくれるんだ〜嬉しいなぁ〜。あ、本題はね、折角のお休みだし、皆で集まって遊ぼうぜぇ〜!フゥ〜!イェー!』
すごいハイテンションだな、これはまた……何やら一波乱ありそうな。
「いいよ、丁度暇だったし……あ、でも、僕そっち行くのに少し時間掛かるけど、大丈夫かな?」
『あ、それなら心配ないんよ〜窓の外を見てご覧〜』
「窓の外?一体な……」
言われた通りに窓の外を見ると、明らかに高そうな黒い高級車が見えた。車の中から笑顔で手を振ってくる園子、銀、少し控えめに手を振っている鷲尾さんの姿が目に入る。微笑ましい……確かに微笑ましいが……。手を震わせながら、なんとか恐怖を抑えつつ質問する。
「ねぇ、園子」
『なーに?』
「僕さ、園子に家がどこにあるかは詳しく教えていないはずなのだけど……なんで家がここってわかったの?」
『……』
「あの……園子さん?」
『どうやって私がこうくんの家を調べたか……ホントォに知りたい?』
「いいえ、結構です。すぐにそちらに向かいますのでこれ以上私を怖がらせないでください」
我ながら情けない言葉をよくまぁそんな連発できたものだなと呆れる。しかし、これ以上は立ち入ってはいけない話題な気がした、怖気付くのも無理はない。脳が危険信号を発しているからね、仕方ないね。
『それじゃ、待ってるねぇ〜ミノさん達も待ってるからお早めにぃ〜』
「了解です、すぐ向かいますぅ!!」
その言葉の通り、僕は爆速で準備を終わらせて部屋を出た。多少の恐怖に心が支配されかけていたものの、3人と遊べる事へのワクワクの方が大きく、僕は浮かれていた。
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そんなこんなで場所は打って変わり、大豪邸乃木家、客室部屋へと移る。現在ここでは園子の独断で、銀の着せ替えショーが行なわれている。
「こ、これは……アタシには似合わないんじゃないかなぁ〜……なんて」
「そんな事ないよー!ねぇ、こうくん!わっしー!」
照れた様子で頰を掻きながら、銀はもじもじと恥ずかしそうにしている。今の銀の格好は所謂ドレス姿、普段の男勝りなイメージとは裏腹に女の子らしさを全面に押し出したものとなっている。胸元に白色の大きなリボン、花柄の髪飾り、彼女のイメージカラーである赤……その全てが完全なる調和を生み出している。
はっきり言おう、めちゃくちゃ可愛い、そして似合いすぎている!自分に自信を持つんだ、銀!その可愛さは、女神にも匹敵する!」
「なぁ!?洸輔……お前、何言って……」
「はぇっ?あっ!声に出てた!?」
「なるほど〜相変わらずこうくんは期待を裏切らないねぇ〜わっしーは…」
「ブハァァァァァァァ!」
「ウワーソンナダシカタスルヒトハジメテミター」
どういう鼻の構造をしていたら、あんなに鼻血を大噴射できるのか……てか、あれ出血多量で倒れない?てか、真上向いてるのに何故そんなに的確な撮影ができるんだ!?
「フフフ……とっても似合っているわよ、銀」
「わ、鷲尾さんが今までにないほどの邪悪な笑みを……」
「わっしー……ノッてきたね!」
「ええ、ここからはノリノリでいくわよ!にしても、このこみ上げてくる気持ちは……一体なんなのかしら!」
なるほど、美森もたまに友奈の事になるとこういう事があったりしたが……この時代からだったのか、恐るべし。しかし、いつの間にそんな高性能そうなカメラを取り出していたんだ……まじでプロみたい。
「わ、鷲尾さん、とりあえず鼻血拭こうか」
「ありがとう、天草くん……いえ、副監督」
「鷲尾さんが壊れてるぅぅぅ!」
「いいねいいねぇ〜最高だねぇ〜わっしー!プロみたいで素敵なんよぉ〜!」
「写真は愛よ!銀、色々な服を着た貴女を満足するまで撮り尽くすから、覚悟なさい!」
あれ?鷲尾さんは今日来ていないのかな?おっかしーなぁーさっきまでいた気がするんだけどなぁ(現実逃避)
「ちょ、ちょっと待て!当初の予定と違うじゃん、園子!須美を着せ替えしてやろうって……」
「これも運命だよ、ミノさん」
「園子ぉぉ!!こ、洸輔は!」
「すまない、僕は副監督だから……」
「敵しかいないじゃんかぁぁ!!」
諦めたまえよ、もはや君に退路はないのだ。そうして、銀の着せ替えショーが始まった。
〜数分後〜
「むーっ……」
あの後、散々弄ばれた(言ってるけど、僕も共犯)銀は体育座りで頰を膨らませつつ、不満そうにうめいている。ちなみに服装は一番最初のドレス姿に戻っている。
「良かったわ……」
「何がだよ!?」
「まぁまぁ、銀、落ち着いて。で、園子、そろそろイネスに出かけるの?」
「ううん〜イネスにも行くけど〜先にわっしーとこうくんの着せ替えもしないとぉ〜!」
『はい?』
安堵し切っていた所に突然、矛先が向いてきたので二人して間抜けな反応をする。その発言を聞くや否や、銀の目が光った。
「ほうら、二人とも!そうと決まったら、着替えて!」
「ぎ、銀!?」
「ぬぅぅ……はめられたか」
「はっはっは、よくも散々弄んでくれたな〜?今度は私のターンだ」
「とりあえず、わっしーにはこれ!こうくんにはこれかな?」
「ひっ、嫌よ!そんな非国民みたいな格好!」
園子から差し出された服を見て、鷲尾さんが叫ぶ。服見て、非国民みたいな!なんて言う小学生は恐らく鷲尾さんくらいだろうなぁ……というか、僕と鷲尾さんは一着だけなんだろうか?
「わ、私は断固として拒否」
「ええい、往生際の悪い!そぉれ、着せてしまえー!」
「ひゃぁぁぁぁぁ!!」
「はいはい、こうくんは隣の部屋で着替えてね〜」
「えっ、早っ!ちょっ!」
園子に背中を押されて、隣の部屋へと移動した。まぁ、紳士だからね、生着替えは見るわけにはいかないしね
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「おおっ!いいじゃーん、須美!めちゃくちゃ似合ってるよ!」
「うんうん、お姫様みたーい!」
「だ、ダメよ……こんな、非国民みたいな衣装は……」
「そんな事言わずにさ!ほら、洸輔も見てみろ……って」
「うーん、こんな感じでいいのかな?」
慣れない服装に苦戦しながらも、なんとか着替え成功。最初は恥ずかしかったが、案外着てみると悪くない。多分これは……カーゴシャツかな?首に巻かれているのは幻想的な青い色をしたストール、そして極め付けは眼鏡。なんか、シグルドさんに憑依されてから眼鏡と縁がありすぎではなかろうか……。
「おおっ……」
鷲尾さんのドレス姿に目を奪われる。いつもは大和撫子の雰囲気を思わせる彼女だが、衣装を変えた事で雰囲気も変わり、お淑やかな淑女という言葉が当てはまる感じに仕上がっていた。
「天草くん?」
「あ、ああ、ごめん!見惚れてたよ、綺麗だね、鷲尾さん」
「あっえっ、あ……ありがとう。そ、そういう天草くんも……その、カッコいいわ」
「そ、そう?その……ありがと」
鷲尾さんから、かっこいいと言われ頬が熱くなる。まさかそこまで褒められるとは思わなかったから、少し恥ずかしい。
「すっげぇ、園子の言う通りだ……服違うだけでこんなに印象変わるんだ」
「僕も自分で驚いたよ、こんなに変わるんだなって」
「……なぁ、一回メガネキラーンって言ってもらってもいい?」
「えっ、何故に?」
「いや、なんか言わせないといけない気がして」
「まぁ、言うだけならいいけど……メガネキラーン!!」
「ふっ…」
「銀?やらせておいて鼻で笑うとはどういう要件かな?(怒)」
「ご、ごめんごめん!あまりにも真顔でやるもんだから、つい」
銀に軽く説教していると、園子が横からスッと飛んできた。その目は光輝いている。
「んー!流石、こうくん!私の目に狂いはなかったんよぉ〜!」
「あ、ありがとう……でも、これは園子のセンスがいいからだよ」
「いやいや〜それほどでもぉ〜あ、そうだぁ〜そういえば、こうくんにやってほしい事があるんだけど〜」
ちょいちょいっと園子に手招きされ、近寄っていくと台本のようなものを渡される。
「これは?」
「私がこの日の為に考えた台詞集だよぉ〜今日はその衣装で〜二人にこの中にある台詞を言ってほしいなぁーって。あ、わっしーにはこの台詞で、ミノさんにはこっち!」
「えぇ……色々突っ込みたいけど……えと、まず、拒否権は」
「ないよぉ〜」
「デスヨネェェェェェ!!」
発狂に近い悲鳴をあげる、どうして勇者部でも、どこでもこういう役回りが僕は多いのか。園子のことだ……小説のネタにでもしようとしているのだろう。
「ほらぁ〜早速わっしーに言ってきて!」
「いや、待った、よーく考えよ?ほら、そろそろイネスに行こう?ね?」
「頑張ってねぇ〜」
「畜生!話聞いてないよ、この子!」
逃げ道はない、恐らく逃げようとしたら園子のなんらかの力で僕は消えてしまうだろう(?)いや、別に嫌なわけではない、単純に僕の理性が持たない的な問題が強いのだ……半ばヤケクソ状態で、まずは鷲尾さんの前に立つ。
「ねぇ、天草くん、そのっちと何を」
「鷲尾さん……先に謝っとくね、すまない」
「えっ?」
キョトンとする鷲尾さんを置いてけぼりに、腹を括った僕は先程覚えた台詞を頭の中で復唱しつつ、彼女の目を真っ直ぐ見つめた。
「あ、あの……」
「ここにいたか、我が愛、鷲尾須美よ。あまり我の元を離れないでほしい、おまえにはずっと傍にいて欲しいのだ」
「ふぇ…へっ、えっ?」
「よ、よーし、こ、これでどうだ!」
顔を真っ赤にしていた鷲尾さんから離れると、近くにいた銀が口をパクパクさせながら驚いている事に気づく。
「こ、洸輔……お前、園子に何言われたんだ?」
「えっ?さっきみたいな台詞を、二人に言ってこいって」
「は、はぁぁぁぁ!?て、てか、須美!?大丈夫か!?」
「ふわぁ〜……」
「あー、えっと……園子、どうだった?」
「想像以上なんよ!ビュオオオオオ!アイデアがガンガン湧いてくるぅ!!」
園子が更にハイになっている事に多少呆れつつも、顔を真っ赤にしてフラフラしている鷲尾さんに手を差し伸べた。
「鷲尾さん、大丈夫?」
「は、はひ……だ、大丈夫……ですぅ」
「待って!今、洸輔が行くのは逆効果」
「あっ…」
倒れそうになった鷲尾さんを正面から自身の体で受け止める。若干、抱きつくような形になってしまったが、彼女に怪我がなくて安堵する。
「おっと、危ない。慣れない服装だし、気をつけてね?」
「は、はわわわわ!!(ボフン!)」
「あ、爆発した……」
「あれ?鷲尾さん?鷲尾さーん?」
「こうくん……罪な男の子」
「はい?」
言葉の意味がわからなくて、首を傾げる。そこに園子からお呼びがかかる。
「さぁて〜次はミノさんの番だね〜」
「待ってくれ、園子!わ、私はパスで……」
「えぇ〜ミノさんはやられたくないの〜?」
「きょ、興味がないわけじゃないけどさ!で、でも、恥ずかしいというか……」
「こうくん、出番だよぉ〜」
「園子!?」
あたふたしている銀の前に立つ、もはや僕の中では早く終わらせる為には園子の言うことを聞くのが一番という思考に落ち着いてしまっていた。つまり、感覚麻痺である。
「大丈夫、銀、時間はかけさせないから……」
「そ、そういうのもやめてくれよ!緊張するじゃん!」
「落ち着いて、銀、これは演技、そう、これは演技」
「……すぅ、これは演技……うぅー!よし!来い!」
顔を赤くしながらも、僕の目を真っ直ぐと捉えている銀の瞳。そんな彼女から感じる覚悟により一層力が入る。
自然と手が伸びて、銀の顎をクイッと優しく持ち上げる。彼女の口から漏れる吐息に少しドキドキしつつも、続ける。
「我が愛、三ノ輪銀よ……その服、よく似合っているぞ。やはりお前は何を着ても美しいな」
「……」
「よし!これで……あれ?銀?」
「うつく、しい…ぁー」
銀の反応がとりあえずヤバい、顔真っ赤でずっと上の空だし……なんかすっごい罪悪感に駆られてるんだが?
「傍に……傍に?いて欲しい?わ、私に!?」
「ぁ……はは」
(じ、地獄絵図……す、すまない、二人とも)
「こうくん……」
「はい、何でしょうか?」
「次はわたしにもお願い〜」
「……わかった、もう何も言うまい。でも、どうなっても知らないからね!」
「お〜こうくん強気ぃ〜」
嬉しそうに次の行動を待っている園子に呆れながらも、この状況を作り出した元凶に一泡吐かせてやりたいという謎の気持ちが膨れ上がる。
(何か、園子を驚かせられるもの……そうだ!)
「失礼する」
「こうくん!?お、お姫様抱っこは」
「これはいいな、我が愛よ。この距離でならば、おまえの美しい顔をずっと見ていられる。それに……キスをすることも容易いな?」
恥ずかしくはあるが、最大限顔を近づけつつ小声で囁いた。若干、僕自身の脳からもエマージェンシーコールが鳴り響いていたが最後までやりきる。
「ど、どうかな!その……こ?」
「も、もう……だ、だめ、かも…」
さっきまでハイテンションだった園子は何処へやら。僕にお姫様抱っこされている彼女は完全に縮こまって、しおらしくなってしまった。
気づいた時には、僕達四人はイネスへと向かう車の中にいた。皆何も話さず意気消沈としてた所為か、運転をしていた乃木家の使用人さんがずっとあたふたしていたのが印象に残っている。ごめんね、運転手さん……ごめんね。
こんな感じではあるが、僕ら四人の休日はもうちょっとばかり続く。
ちなみに今回、洸輔くんが着ていたのはFGOにおいてシグルドの霊衣解放として扱われている『我が愛との思い出』です、めちゃんこイケメンなので一度は見てみてください。
天草洸輔は勇者である 次回『平穏を壊す者』お楽しみに!